匿名さん 2017-07-11 21:42:25 |
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別にいいけどよ…はしゃぎすぎるなよ
(感動して今にも海辺まで走っていきそうな様子でうずうずしている相手の反応に子供みたいだなと苦笑しつつ、あまり羽目を外しすぎてまたトラブルに巻き込まれるようなことにはなるなよと忠告をしておき)
わ、わかってます!子どもじゃないんですから!
(相手の許しが出ると急いで浜辺まで走っていき、初めて歩く砂浜に小さく悲鳴をあげながらも楽しそうに歩いて、波打ち際まで行くと初めての波に目をキラキラさせて感嘆の声を上げて)
いや、十分子供だろ…
(脇目も振らずに浜辺まで走っていき砂浜に驚いて、波打ち際ではしゃぐ様子のどこをどう見れば子供じゃないというのかと呆れながらも、元々は単なる村娘に過ぎなかった相手にとって、ここ最近は特に過酷な旅路であったことを思えばこういったことで少しでも気分が晴れるのならいいかもしれないなと少し離れた位置で見守っていて)
見てくださいガレイさん!小魚が沢山いますよ!
(波打ち際で遊んでると魚がいっぱいいて、川とは違う魚に目を輝かせて、相手の方に走っていき是非見てほしいとぐいぐい引っ張りながら連れてきて)
そんなことぐらいでいちいちはしゃぐなって言ってんだ…海にはこんなのよりもっとデカいやつとか珍しいやつがウヨウヨいるぜ?
(気怠げに、それでも相手の後を素直についていき波打ち際で魚を見れば自分にとってはなんて事のない市場などでもよく見かけるようなポピュラーな魚で、このぐらいで大げさに喜び過ぎだとツッコミを入れ「なんならお前ぐらいならひと飲みにするぐらいのやつもな」少し怖がらせてやろうと更にはそんなことを言ってのけ)
え!?た、食べるんですか!?
(まさか自分のようなやつまで食べる魚がいるんだと知らされると心底驚き、浜辺からじりじりと遠ざかって相手の後ろに隠れて「海って恐ろしいです」と小声で呟いて)
まあ、こんな浜辺にまでそんなデカいやつが入って来れる訳が無いけどな
(自身の言葉を真に受けて怯える相手の純粋なリアクションが見れて満足げに笑えば、そもそもそんな大きな魚がこんな浅い浜辺の海にまでやってきてまで獲物を探す訳がないだろうとからかうように述べて)
え、からかったんですか!?
(浜辺まで来ないと言われると驚愕の顔をしたあとすぐに頬をふくらませて相手の背中をぽこぽこと軽く叩いて)
てか、お前がビビりすぎなだけだろ
(見事なまでにこちらの思惑通りの反応を見せる相手に、本当に人を疑うということを知らないのだなと改めてそんな感想を抱きつつ自分は悪くないとでも言わんばかりに「そういえばお前、この砂浜の上で少し剣を振ってみろ」それから思い出したように、この不安定な足場で剣を振ってみるよう提案をしてみて)
え?こ、ここでですか?
(まさかのここで剣を振れと言われると剣を取り出しいつも通りに振ろうとして、しかし足場が不安定なためバランスが取れずすぐに尻餅をついて)
まあ、そうなるだろうな…いいか、お前に足りないのはまず足腰の強さだ。そこがしっかりしてなければ武器がマトモに振れる訳がねえんだ
(慣れない足場に尻餅をついた相手を見やり冷静にそう教えてやり、手を差し伸べて助け起こしてやろうとして「手っ取り早く鍛えるには敢えてこういう不安定な場所を選んでそこで練習をすりゃいい…やってみるか?」ちょうど今いる場所が強くなるための訓練を行うのに適した場所であることを説明し、相手の気持ちを確かめて)
っ…やります!
(冷静に言われるとまだまだな自分の未熟さを改めて感じさせられてこのままではいけないと思いもっとバランスが取れるように、剣を上手く振れるようにと噛み締めて相手の手をとるとぐっと立ち上がって)
それじゃあ早速、あそこの岩場からこの場所までの間を10往復してこい、もちろん走ってな
(立ち上がりやる気を見せる相手へと早速これからやるべきことを指定して、離れた位置に見える岩場を指差しながらそことこの場所との間の砂浜の上をひたすら走り込むことでついでに基礎体力も身につけさせようという考えで)
え…!?10往復ですか!?
(まさかあんなに小さく見える岩場を10往復など自分の体が壊れてしまうんじゃないかと思ったが気合いを入れたのは自分だしもうここはやるしかないと思って走りにいって)
根性と負けん気は一級品だな、あいつ…
(ちょっと厳しめに目標を設定したつもりだったが、それでも無理という泣き言は言わずに走り出した相手の後ろ姿を見送って、大人しそうな見た目に反して意外に意志は強いんだよなと感心しつつ自身は荷物から取り出した釣り糸を垂らして釣りを始めて)
はぁ、はぁっ
(やはり小さく見える岩場は相変わらず遠くて、これは一体近づいているんだろうかと怪しんでいる自分もいたのでこんな考えはさらに辛くなるだけだと首を振り諦めずに走って)
1往復であんなにフラフラじゃ10往復どころじゃねえな…まあ、少しずつ時間をかけるしかねえか
(釣りをしつつ、遠目からでもよろめいているとわかる相手を横目で見やり一つため息をついて肩を竦め、強くなりたいという相手の目標が達せられるのはいつになることやら…そんなことを考えながらも少しずつ成長していく相手を見守るのが楽しく思えている自分がいて)
き、きつい…っ
(やっと一往復が終わり二往復目に到達して、諦めずに一歩一歩走ればこれは明日全身筋肉痛確定だと心の中で思って、相手の期待に応えたいため一生懸命走って)
おいおい、大丈夫かよ?ぶっ倒れる前にほどほどでやめても良いんだぜ?
(2往復目に到達し、自身の後ろを既に満身創痍といった体で通りかかった相手を振り返れば、目標が厳しいというのならもう少し減らしてもいいと声をかけてやり、そう言っているうちに一匹魚を釣り上げていて)
や、やめませんっ
(やめてもいいと言われればついムキになり暑い砂浜を猛ダッシュで走っていき、魚をつっている相手を横目に見て、顔が真っ赤になりつつ走っていき)
こりゃ変なスイッチが入っちまったかもしれねえな…
(純粋に相手の身体を気遣っての発言であったが、その言葉に尚更ムキになって全力で走っていくのを見送れば、あんなペースで果たして最後までもつのかというそんな疑問を持つのと同時にあれだけの体力がどこに眠っているのだろうとそんなことをぼんやり考えていて)
ぅぐ、まだまだ…っ
(さすがにきつくなって呼吸が荒くなれば汗は止まることを知らず、この暑い中さらに砂浜も暑いので体は水分を欲していて、自分を動かしているのは意地だったが流石に限界でふらつき砂浜に倒れて)
っ…!おい、大丈夫か!?だから言わんこっちゃねえ…
(人の忠告を聞かずにノンストップで走りつづけ、目標まで後少しで届くというところでいよいよ倒れ込んでしまった相手の元まで急いで駆け寄り、軽い脱水状態で発熱している相手をお姫様抱っこで抱え上げれば、呆れたように口にしながらひとまず木陰まで連れて行き)
だ、だいじょぶです…
(意識が朦朧とする中まだ走らなきゃいけないと思い体を起こそうとするも力が入らなくて相手の腕の中に倒れ込んで、相手の声が遠くで聞こえながら目を閉じて)
ったく…この状態のどこが大丈夫なんだよ…ほら、水だ飲めるか?
(無謀にもまだ走り続けようと起き上がろうとする相手の身体を、これ以上無茶をさせないようにそっと寝かしつけて。水で濡らしたタオルを相手の額に当ててやり、鞄から相手の分の水筒を取り出せば口元まで運んで)
ぅ…
(ごくごくと水を飲めば少し落ち着いたように息を吐いて、相変わらず体の力が入らないので情けないなぁと心の中で思いながら一生懸命世話をしてくれる相手に口元がゆるく上がって)
…面倒かけさせやがって
(ひとまず苦しげな表情が和らいだのを見て内心小さくホッと一つ息をついて、口では面倒そうにしながらも無茶をさせる原因の一端を自分が担っている以上その責任を感じているのか、まだ熱っぽい相手のすぐそばについていてやり心配そうにしていて)
すみません…
(まだ力が入らないので小声でつぶやくように言えば相手にまた迷惑をかけてしまったと申し訳ない気持ちになって、こんな自分が一緒じゃきっとこの先のたびも足を引っ張るだろうと内心落ち込んで)
……
(足を引っ張って申し訳ないとでも思っているのだろうそんな相手の表情を見やり、気にするなとでも言わんばかりに黙ったまま頭をワシワシと撫でればそのまま木陰でしばらく共に過ごしていて)
もう、平気です
(頭を撫でられる心地良さについうとうとしてしばらく寝ていればゆっくり目を開けると木陰でずっとそばに居てくれる相手を見て慌てて起き上がり、先程よりも力が入るのでもう平気だと伝えて)
っ…!?お、お前…もうちょっと大人しくしとけよな…
(寝顔を近くで見つめたまましばらく時間が過ぎて、思わず見とれてぼんやりとした時間を過ごしてしまっていると不意に目を開けて思い切り起き上がってきた相手に反応が遅れ、己の顎に起き上がりの頭がクリーンヒットして悶絶して顎を押さえながらそう不満を口にして)
いだっ!?す、すみません…っ
(まさか起き上がった瞬間相手の顎に自分の顎がヒットするとはおもっていなくて、鈍い痛みが広がる額を抑えながら涙目で相手を見て謝って)
まあ…それだけ元気ならもう大丈夫そうだな
(顎の辺りをさすりながら、まだ少し顔が赤く見えるがこれだけ身体を動かすことが出来るなら大丈夫かと思い、同時に先ほどまでずっと寝顔を見つめてしまっていたことが照れくさくなってきて顔を背けながら立ち上がり)
ほ、ほ、ほんとにすみませんでした
(まさかすごい勢いでぶつかったので相手を怒らせてしまったと思い、看病してくれたお礼を言いながら相手の後ろをついていって慌てて謝り1人あたふたとして)
いいからしばらく大人しくしてろ…置いてきゃしねえよ
(ある程度調子が戻ってきたとはいえ、まだ足元がふらついている状態で自分の後についてこようとする相手を無理やりその場に座らせて、しばらくここから動けないため食材の確保に行くだけだと伝えて)
ぅ…すみません…
(相手に悪いことをしてしまったとしょんぼりしながら食材をとってくると言って行ってしまった相手の背中をぼんやりと見つめて小さくため息をついて)
ほら見ろ、大きな魚だろ?食えそうか?
(先ほど相手が走っている間に釣り上げていたバケツの中に入った魚を見せ、それはさっき海辺で見た魚よりも大きく川などでは見たことのないようなもので自慢げに言ってから一応病み上がりの相手へとそう問いかけて)
わぁ…!すごいです!!
(まさかこんな見たこともない魚がいるとは思わず先程の落ち込みなど吹き飛ばしてキラキラとした瞳でバケツに入った見たこともない魚を見つめて)
一応言っとくが触んなよ?こいつは背びれに毒があるからな
(先ほどまでの落ち込みようが嘘のようにハシャぐ姿を横目にヤレヤレと肩を竦め、放っておけばバケツに手を突っ込んでしまいそうな相手に対して予めそう釘を刺しておき)
ど、毒!?
(キラキラと光る綺麗な鱗に見とれてついつい手を伸ばそうとしていた矢先にそう言われれば慌てたように手を引っ込めて相手と魚を交互に見て、まさかこんなに綺麗なのに毒があるのかと思いながらバケツの中に入った魚をじーっと見つめて)
ああ、刺されたら最悪死ぬな。まあ、扱いが難しい分だけ味は確かだぜ
(なんでもないことのように軽い口調でそんな恐ろしいことを言ってのけ、慌てて手を引っ込めた相手の反応を見れば不敵に笑って。刺されれば危険な魚であることは確かだが上手く調理さえすればキチンと食べられる上に絶品であることを説明し)
こ、こんなものでも死ぬんですね…
(恐ろしいものを見るような目付きになりおどおどしながら手を引いて、相手の笑顔を見てさらに怖がり味も本当に美味しいのだろうかと疑いにかかって)
お前みたいに不用意にあれこれ手を出さなければ別にそんな危ないこともねえけどな?だからあんまりハシャぐなって言ってんだ
(相手は自分が子供じゃないと必死に否定を口にするが、やはりこちらからすれば好奇心が強すぎる上に危なっかしい子供にしか思えず、日頃のそんな相手の様子を見ているからこそ言えるのだろう、からかうようにそんな意地悪を言っては魚の調理にとりかかろうとバケツを持ち上げて)
あの、手伝わなくて大丈夫ですか?
(注意を受けて縮こまっていると相手が料理をしようとしたので自分も手伝おうかとのそのそと近づいて、しかし毒があるので捌き方もわからず足でまといになるかとしれないと思って)
ったく、さっき倒れたばっかなんだからもう少し大人しくしてろって…まあ、いいか…じゃあコイツをその串に頭から刺せ
(大人しく休んでいろと言ったところで相手は素直に聞かないんだろうなと、意外に頑固な性格を理解しているため諦めたように深く一つため息をつけば毒のある背びれを取り除いて軽く塩をふった魚と鉄製の串を投げ渡して)
お、と…串刺しですか?
(串を慌てて受け取れば串刺しにするための魚を見て、背びれに毒があると聞いたのでなるべく背中は触らないようにおそるおそる取り出すとまだ毒があるということにびくびくして)
てか、何でそんな及び腰なんだよ、もう既に毒のある背びれは取り除いてあるんだけどな
(もたついている手元を見ればどこか怯えているようでもあって、もしやさっき言った毒のことを気にしているのだろうかと考えれば相手の手元にある魚を指差して既に危険は取り除いてあると述べ、怖がりな相手をからかうように笑って)
え!?あ、それなら早く言ってくださいよ…
(まさか猛毒は取り除かれているのかと思い相手を見てぷぅと頬を膨らませれば小言を言うも、早めに取り除いてくれた相手に小さな声でありがとうございますと感謝を述べて、いつも通り手際よく串刺しにして)
そう膨れんなよ…つか、いくらなんでもそんな危ないもの投げて渡す訳ないだろ
(上手に串に刺された魚を相手の手から受け取り一応なだめるように口にしつつ、相手の中の自分はどれだけ鬼畜な存在として認識されているんだとやや呆れ気味に肩を竦め、砂浜に流れ着いていた木の枝などを寄せ集めた周りに魚の刺さった串を突き立てれば火をつけて塩焼きにしようとして)
それもそうですね
(確かにいくらこの人でもそんなことはしないか、と思えば笑がこぼれてあははと笑い、焼いている魚を見るといい香りがしてきたので美味しそうと呟いて)
ほらよ、熱いからゆっくり食えよ
(しばらくして美味しそうにこんがりと焼きあがった魚の刺さった串を相手へと差し出して、自分の分の串も手に取り軽く吹き冷ましてから豪快にかぶりつけば焼き加減、味つけともに我ながら完璧だと満足げに小さく笑みを浮かべ)
ぅ、あちっ!
(相手が注意したのに自分が思ったより冷ませれてなくて熱さに肩が飛び跳ねればふぅふぅと息を吹きかけ、美味しそうに食べている相手を見つめると自分も早く食べたいと思いお腹がなって)
だから言っただろうが…
(自分が最初に忠告をしたにも関わらず結局火傷しそうになっていて、何をしてるんだと呆れたような笑いを浮かべながらも束の間の平和を肌で感じつつ魚を食べすすめて)
ぅ、すみません
(やはり注意をされるとしまったというような顔をして、少し冷まされた魚にかぶりつくと本当に美味しくて目をきらきらさせて感嘆の声を出して)
別に謝るほどのことじゃねえけどな…それより、どうだ?美味いだろ?
(叱りつけたつもりは無いのだが恐縮してしまっている相手を横目に相変わらずだなと言わんばかりにやれやれと肩を竦め、味の感想について尋ねるまでもなく表情や声にわかりやすいぐらいに現れてはいたが形式的にそう言葉を投げかけ)
すっごく美味しいです!
(美味しさのあまりに口の周りについてることなど気にせず満面の笑みで微笑んで、残さず綺麗に食べれば美味しかったとお腹をさすり満足そうに微笑んで)
そりゃ、良かったな…それよりそこ、食べかすついてるぞ
(あっという間に完食してしまったのを見ればよほど気に入ってくれたのだろうことがわかり、機嫌よさげに相手の頭をわしわしと撫でつけて。それから相手の口元を指差し、食べかすがついていると指摘をしてから少し意地悪く笑い)
え、ほんとですか!?
(頭を撫でられたことに気を良くして目を細めていると指摘されると慌てて口元を抑えて口元を拭い、意地悪く笑っている相手をみてからかってきそうだなと思い恥ずかしいのを隠すように頬をふくらませて)
ったく、お前は本当にどこまでいっても緊張感のねえ奴だよな、本当にもう身体は平気なのか?
(今更になって口元を隠し、膨れっ面になった相手を鼻で笑いながらもすっかり気が抜けてしまって肩を竦めて。本人は先ほどもう大丈夫と言っていたがさっきまで脱水状態で倒れていた相手のことがやはり心配で体調を気遣うように声をかけ)
はい、本当にご心配をおかけしました
(緊張感がないと言われると言い返したくても言い返せずむぐぐ…となりながら相手を見つめて、体の心配をされれば本当に心配をかけてしまったと深々と頭を下げ大丈夫だと示すために微笑んで)
いや…それにしても、どうやらお前はまず基礎の体力からしっかり身に付けないといけないみたいだな
(心配はいらないとアピールするような真っ直ぐな笑顔に僅かに照れたように頬を掻きつつ、大丈夫ならばそれでいいと少しぶっきらぼうに言って顔を背け。それから相手がこの先更に強くなる為にはまず基礎も基礎の体力作りから始めなければいけないなと肩を竦めて)
そう、ですよね…自分も痛感しました
(顔を背けた相手に首をかしげて、相手の言った通りだと頷きながら自分の体力のなさを今日痛感して、基礎体力をつけるのがまず優先だなと自分の腕を見ながら思って)
まあ、期待はしないで気長に付き合ってやるよ
(呆れたような口調ながらもそれでも相手を見限るつもりはなく、相手ならばいつかは必ず自分の期待に応えて成長してくれるとも信じているようで、今はまだ頼りない体つきの相手の方を口元を緩めて見やり)
はい!絶対に頑張ります!
(こくこくと頷いてこれからもっともっと鍛えればきっとあの人からもらった刀を使いこなすことが出来ると思い、相手の優しさを無駄にせず頑張ろうと思って)
おっ、やる気だな、やっぱりもう少し厳しくしごいた方がいいか?
(やる気だけは十分といった様子で気合いを入れる相手に対して、もっと厳しい課題を課してやった方がいいのかと意地悪を言えば口角を上げてニヤリと笑って)
い、いえ、今のままで十分です…
(まさかこれより更に厳しくされたら自分の身がもたないと思って慌てて首を振り本当に勘弁してくださいというようにぺこぺこと頭を下げて、相手の意地悪く笑う顔を見ればこの人は本当にドSだと思い知らされて)
冗談に決まってるだろ、またさっきみたいにぶっ倒れられても面倒くせえ…
(冗談を真に受けて必死で頭を下げる相手のおでこをピンと指先ではじいて。半分以上は日頃の自分の行いのせいではあるのだが相変わらず相手からの自分に対する印象はどうなっているんだと呆れるばかりで)
そ、そうですよね…
(やはり相手にとったらこの病弱な体は迷惑でめんどくさいのかと実感し、申しわけない気持ちとどうしようもない気持ちで一杯になってどの表情したらいいかわからず俯いて)
だから鍛えるんだろ?そんな簡単に強くなれるんなら誰も苦労はしねえよ
(相手のことだからまた迷惑をかけてしまって申し訳ないなどとでも思っているのだろうと表情から読み取って、そうそう簡単に実力を身に付け成長出来るのならば自分がこうしてついている意味が無いだろうと再び相手へとデコピンをし、新しい特訓はどうしようかと考えを巡らせて)
ぃだっ!!
(鈍い痛みとはうらはらに自分を見捨てない、励ましてくれている言葉に目を輝かせ希望がもてて、この人は本当に私のことを思ってくれていると思うと胸が締め付けられるような感覚がして首をかしげて)
なんだよ…そんな目で俺を見んな
(デコピンを喰らわせてやったにも関わらず、それでもなお明るく純粋な瞳で此方を見つめてくる相手に少し気まずそうに目線を逸らして呟いては頬をポリポリと掻き)
もしかして…照れたんですか?
(恥ずかしそうに頬を掻く相手の顔をのぞき込むようにして見上げて、すごく可愛い一面もあるんだと思いながら微笑み相手のそばによって、見るなと言われたのにふにゃりと微笑みながら相手を見つめて)
なっ…照れてねえよ!
(核心を突くような相手の言葉に一瞬大きく取り乱してたじろいで、再び相手の視線から逃れるように目を逸らせば照れくささを誤魔化すように相手の頭を鷲掴みにすればグググっと力を込めて握って)
い…いたたたたた!!痛いです冗談です!
(一瞬驚いた相手を見ると核心を突いたと思いついついニヤけてしまい、その瞬間頭を掴まれあまりの力強さに悶えながら相手に話してもらうように懇願して)
ったく…それだけ元気があるなら、もう行くぞ
(反省するような相手の言葉を聞けばひとまず頭をパッと離して解放してやり、相手の方は顔を背けたまま見ずに立ち上がればさっさと先に歩きだそうとして)
あ、待ってください!
(先に歩こうとしている相手の背中をしばらく見つめたあとハッと我に返ったように慌てて荷物を取り相手の後ろを追いかけて、自分の髪を整えながら後ろを歩いて)
ほらほら、早くしねえと置いてくぜ
(相手の歩幅に合わせる、ということもなく軽快な足取りでどんどんと歩いていけば後ろを必死でついてくる相手を首だけで振り返って、少し優しさや気遣いというものには欠けるものの頑張ってついて来いとエールを送って)
は、はやい…っ
(軽い足取りで進む彼に一体どんな体力を持っているんだと心底驚きながら大きな背中を見つめて、距離が空きすぎないように時々早足になったり遅くしたりとペースを合わせるのに必死で)
ったく…そんな調子じゃまた倒れちまいそうだな…仕方ねえ
(ただでさえ足場の悪い砂浜の上、こちらのペースに合わせるのでいっぱいいっぱいなのだろう、覚束ない足取りの相手の元へと白砂を踏みながら近寄っていき、やれやれと呆れ顔でそう言ったかと思うと徐に腰回りへと手を回せば細身で小柄な身体をひょいと軽く担ぎ上げるようにして己の重鎧の肩当ての部分へと座らせてやり)
え…?うわっ!?
(相手の言葉の意味を考えるのに時間を取られてしまって抱き上げられた時には頭がついていかず相変わらず大雑把で乱暴だなぁと思っていたがよく考えれば抱き上げる時も支えてくれている今の手も優しくて少し嬉しくなって)
どうだ、そこからの眺めは…ちっこいお前にはなかなか新鮮なんじゃねえか?
(突然のことに驚いている様子であったが、それでも暴れたり抵抗することなく自分の肩先にちょこんと座り大人しく腰を落ち着けている相手の足の辺りを落ちないよう腕で支え歩きながらその顔を見上げ、すぐ間近に感じる温もりに少しばかり高鳴る気持ちを誤魔化すように普段通りの調子でからかって)
すごいです、海がキラキラしてます!
(太陽に反射して海がキラキラと光るのを見れば初めて見る感動の風景に感嘆の声が漏れて自分の目もキラキラ光り、きっと自分の高さだとこんなに綺麗に見えないだろうと思って)
そうか…そいつは良かったな、ところで今更のような気もするがお前、もう男嫌いはいいのか?
(足を止めて自分も海の方へと目線を向ければ、なるほど高い目線から見る太陽の光を浴びて輝きゆらめく海面は綺麗と言えなくもないかもしれないなと納得して口元を緩め、穏やかな口調で相槌を打って。これまでにも身体が触れ合う機会は少なからずあり、今更こんなことを聞くのも可笑しな話しだとも思ったが、それでも今日はこれまで以上に接近して密着していることもあり、目線を上に向けて相手の顔を見ながらふと気になった疑問を投げかけ)
あ…おかしな話なんですけど、ガレイさんにはあまり怖いと思わないんです
(ふと気がつけば抱き上げられる瞬間も今も全然嫌悪感など抱いてなく、おかしいなと首をかしげながら上記を告げて相手を見れば思ったより近くてちょっと驚き少し顔が赤くなりながら慌てて目をそらしこんな気持ちは何だろうと首をかしげて)
なんだよそりゃ…まあ、俺としてはその方が気楽でいいけどよ、毎回毎回そうビクビクされてちゃやりにくいったらねえからな
(わかるようなわからないような説明、恐らく言っている彼女自身がよくわかっていないであろう発言にやや呆れ顔でため息一つ。それでも共に旅をしていく間柄で毎度毎度小動物のように怯え逃げ回られるというのも多少なりとも堪えるものがあって、そういったことを気にせずに済むのはむしろ喜ばしいことかとそんな事を考えながら、顔を背ける動きに僅かに揺らいだ小柄な見た目に違わず軽いその身体を支える手に小さく力を込めれば再び歩き出して)
ほ、他の男の人は怖いですけどね…その、私重くないですか?
(びくびくすると言われれば自分の中では小動物がよぎって、そんなに自分は小動物っぽいだろうかと思いながら相手が少し揺らいでバランスを崩しそうになった自分をすぐに支え直してくれて、こんなに温かい手をしている相手に微笑みがこぼれて自分は重くて疲れてるかもしれないと思いおずおずと聞いて)
別にお前一人ぐらい大したことねえよ、なんならこのまま走ってやろうか?
(心配するように控え目に声をかけてくる相手を一瞥すればこの程度の重さなど屁でもないということをアピールするように相手が落ちない程度に軽く腕を上げ下げしてみて。それからふと相手を少しばかり怖がらせてやろうという悪戯心が芽生えてくれば不敵に笑い砂を勢いよく蹴って走り出して)
いや、だめですっ!そんな事したら…きゃぁあっ!!
(腕を上げ下げしている時に不安定になる時でも自分はびくついて必死に相手にしがみついているのにまさか走られるとは思っていなくて急に走り出せば今まで自分でも聞いたことのない悲鳴が出て泣き出しそうになって)
ちょっ、おまっ…そんなにくっつかれると前が見えねえだろうがああぁ!?
(ちょっとした悪ふざけのつもりだったのだが期待以上に大きく怖がるようなリアクションを見ることが出来て満足したところまでは良かったものの、恐怖に取り乱した相手がとった行動といえば己の頭を抱えるようにしがみつくというもので、悲しい程に凹凸のない身体つきのおかげで余計な意識は殆どせずに済んだが腕によって視界が塞がれたせいで足元の砂に足をとられ、勢いよく転んでしまえば二人して砂浜に転がって)
ガレイさんが悪いんじゃないですかぁああっっ!!へぶっっ!!
(キャーキャーいいながら必死に相手の頭にしがみついて死にたくないと頭の中で願いながら相手がまさか自分の体に哀れみをもってることは知らずにぎゅぅぎゅぅと抱きついていれば視界が揺らいで砂浜に転がれば変な声が出て)
あー…クソ、砂が入った…
(思い切り派手に転んだものの柔らかい砂の上であったため無傷で起き上がり、転んだ拍子に鎧の隙間に入り込んでしまった砂のジャリジャリとした不快感に顔をしかめて。鎧をガチャガチャ揺らし砂を外へ排出しながら自分が倒れた場所から少し離れた位置に投げ出されている相手の元へとのそのそと歩み寄っていき「大丈夫か?」顔をのぞき込むようそう声をかけて)
だ、大丈夫です…
(体中砂まみれで少し気持ちが悪いと思いながら手で顔や体の砂を払い相手がのそのそと歩いてきたので大丈夫だと告げれば自分が相手の頭を掴んでしまったばかりに申し訳ないと思って頭を下げて謝って)
ったく、何やってんだかな…
(砂まみれになって見てくれは酷い有り様であったがケガなどが無さそうなのは不幸中の幸いだろうか、ひとまず安心して傍らにゆっくり腰を下ろすと軽く肩を竦めつつ相手の頭の砂を手のひらで払ってやり、我ながら馬鹿なことをしたものだと可笑しくなってきてしまい、口角を吊り上げ笑いを堪えるように肩を揺らして)
ほんとに、取り乱してすみません
(頭の上にある砂を払ってもらい相手の隣に腰をかければまだ心臓はドキドキしていて、あんな怖い思いはもうきっと二度としないだろうから自分の寿命はすごく縮まったと思っていると相手が笑い出したのでよく考えればおかしなことをしたと思って自分も笑いがこぼれて)
俺の方こそ悪かった、お前があまりにも予想通りの反応するのが可笑しくてついやり過ぎちまった
(隣同士、つかず離れずの位置に座る相手の気配を感じながら寄せては返す波にゆらめく海面をただ無心にぼんやりと見つめていて。本人を目の前にしてというのは照れくさいのか視線はそのまま海の方を向けながら素直に自分の非を認めて謝罪をし、最後にクク…と意地悪な感情を内包したような笑みを相手に向けて二人笑いあって)
はぁ…久しぶりにこんなに笑いました
(まだ笑がこぼれていて笑いすぎで少し溢れた涙を指で拭いながらこんなに笑ったのはもういつだっただろうと考えて、まさかまたこうして笑い合える日が来るとは想像もしていなかったと思い自分も波を見て微笑んで)
お前はさ、そっちの方がずっといいと思うぜ…
(これまで共に旅してきた中で初めて見るのではないかというぐらいの明るい笑顔に、こんな表情も出来るんだなと思うのと同時に家族や故郷を失う前はいつもこんな風に笑っていたのだろうかとガラにもなくそう考えてしまって。頬をポリポリと指先で掻いて視線を青空の方へと動かしつつも視界の隅の方には彼女の笑顔を捉えたままで、ストレートにもっと笑えと言うのは抵抗があるようで頬を僅かに赤らめながらそう遠回しな物言いになってしまって)
…え?
(少し小さい声で聞こえた言葉を聴き逃しはせずに相手の方を振り返り相手を見つめて、少し恥ずかしそうに言ってくれる相手につい笑みがこぼれて「はいっ!」と笑顔で大きく頷けば相手と同じように空を見つめて)
…これはあれだ、お前みたいな奴はいつも呑気にヘラヘラ笑ってるぐらいがちょうどいいっていう意味だからな
(少し遠回しに伝えたつもりが全てを察したような一点の曇りもない笑顔に怯み、やはりらしくないことは言うべきではなかった…と軽く後悔をして。相手の明るい笑顔を見てからずっと自身の内側でくすぶっている言い知れぬ感情を持て余しながら、腕を組みやや乱暴にそう言い捨てて)
わ、私へらへらしてました?
(ヘラヘラ笑ってると言われると驚いた顔をして自分の頬をつまみながらそんなに気の抜けた笑い方をしていただろうか…恥ずかしい…と少し頬を染めて思って、乱暴そうに言う相手を見てクスリと笑い隣に寄り添って)
自覚無しかよ…っていうか一々くっついてくるんじゃねえ、暑苦しい
(如何にも平和ぼけしたような、此方まで気の抜けるような仕草や表情を散々見せておきながらこの期に及んでそれかと呆れ果てたような声を漏らし相手の方へ顔を向け。するとまるで身体を密着させるように距離を詰めていた相手の顔をすぐ目の前に捉え、同時に心臓が高鳴れば慌てて逃げるように横へと身体を逃がして)
えぇ!?そ、そんなに暑苦しいですか!?
(まさかそんなに嫌がられるとは思わず少しショックを受けるもそんなに自分は体温が高いんだろうかと一人で悩んで、よく見れば少し顔が赤くなっている相手にどうしてだろうと首をかしげて)
ただでさえこの鎧は熱が籠もるんだ、その上この天気…熱いに決まってんだろうが
(心外だとでも言いたそうな相手の表情をチラリと一瞥すれば深いため息を一つ吐き出して、日差しを遮るものがない白い砂浜へと容赦なく照りつける太陽、己の身体を覆うガッチリした重鎧、これらを見て察しろと悪態を吐きながらも、己が相変わらず相手の顔を直視出来ないままなのは明らかに別の理由だと自覚していて、自分自身で説明のつかないこの感情に僅かに苛立ちを覚えていて)
そうですよね、その鎧すごく重そうで…暑そうです
(相手がイライラしているのはすぐに察したので自分の言動や行動で怒らせてしまっただろうかと慌てながらどうしてこんなに不機嫌なんだろうと悩んで、確かに相手の服装やこの場所は暑いだろうと思ったので涼しい道を選んでいきましょうと提案して)
わかったならあまりくっつくな…
(どこか申し訳なさそうで困ったような相手の表情を見れば冷静さを取り戻し、一つ息を吐いてひとまず気持ちを落ち着けて。モヤモヤする感情に任せて八つ当たりのような態度をとってしまうなんて我ながら情けないと反省し、重たい腰を上げてそれだけ言えば先立って歩き出して)
は、はいっ!
(くっつくなと言われれば自分でも驚くくらい密着していたことに気づき慌てて離れて、先を歩いていく相手を見ながら自分も後について行くよう荷物を持ってついて行き)
…街に着いたらひとまずこの身体の砂を洗い流してえな
(思っていた以上に海への寄り道で時間を浪費してしまったせいか夕暮れ時が近付いていて、少し早足に港町までもう少しという場所までくれば先程浜辺で転んだ時に払いきれずに残った身体にまとわりつく砂のザラザラとした感触とそれによる不快感に顔をしかめて、特に誰に言うでもなくそう一人悪態をつきながらゆっくり歩みを進めていき)
そうですよね、動きにくそうです
(後ろで苦笑いを浮かべながらこくこくと頷き、微妙に相手が動く度に砂の擦れる音が聞こえるのでこれは非常に動きにくそうだなと思いながら夕暮れの空を眺めて)
…ここも相変わらずだな
(日が暮れる前に何事もなく港町へとたどり着いて、新鮮な海産物などが並び、所々から食欲をそそるいい香りの漂う活気のある市場を歩いていきながら懐かしそうに呟き。それからまずは今日の宿を探そうかと隣の相手をチラリと一瞥してから考えを巡らせ)
わぁ…すごいです、見たことない魚が沢山あります
(賑わっている港町をキョロキョロと見回しながら相手の懐かしむ声を聞き自分もお店の方などに目をやると見たことのない魚などがたくさん陳列されていて、名前も聞いたことないので物珍し気に眺めて)
…って、何してやがる。さっさと来い、まず宿を探すぞ
(隣を歩いていた筈の相手の姿がなく、どこへ行ったんだと周囲に視線を巡らせば市場で足を止めて物珍しげに魚など海産物を楽しげに眺めている姿を見つけ、呆れながら近くまで歩み寄っていけば頭をがっしり掴まえて顔を寄せれば後にしろとジト目で軽く睨みつければそのまま引っ張っていこうとして)
え、あ…すみません!って、痛い痛い!!
(自分が色々な魚を楽しんでいる時に相手も隣にいるものだと思っていれば相手は先に歩いていて、また悪いことをしてしまったと思えば相手はこっちに気づき戻ってくると頭を掴まれそのまま引っ張られそうになるのを拒み痛いと訴えて)
ったく、そんなもん後でいくらでも…
(手から逃れようと必死な様子を見やり、一応反省もしているようなので離してやるが、のうのうと市場を見て回ろうという相手も砂浜で散々砂まみれになったはずなのだが気持ち悪くはないのだろうかと疑問が真っ先にくるが敢えてそこは突っ込まず再び歩き出そうとすれば市場のおじさんに『お嬢ちゃん、試食どうだい』と相手がそう声をかけられて)
え、あ…今回はいいです、すみません
(試食、と聞いて目を輝かせるも相手をまた待たせてしまうと思って慌てて首を横に振り笑顔で断って、相手の方を見れば急いでるんですよね、行きましょうかとにこやかに言って)
別に試食ぐらいしていけばいいだろ…
(試食の言葉に一瞬見せた満面の笑顔を見逃さず、田舎の村に生まれ育った相手にとってはこういった市場の雰囲気も初めてのものであり珍しくもあるのだろうと考えれば、頭ごなしに駄目だと言いつけるのも少し気の毒に思えて足を止めれば腕を組み、静かにそう相手へと告げて)
!ほんとですか…!じゃ、じゃあいただきます!
(相手の言葉を聞くとすぐに満面の笑みになりお店の人に駆け寄って試食させてほしいと頼んで、試食を受け取り一口で一気にたばてしまえば予想外に美味しくて自分の頬に手を当てて美味しい美味しいと嬉しそうに言って)
そりゃ良かったな
(試食を勧められるままに頬張り、ほくほく顔の相手に本当に小動物みたいだなというやや失礼な感想を抱きながらも小さく鼻を鳴らし、口角をつり上げるようにして笑いかけていれば、市場のおじさんが此方と相手の姿を見比べた後で『そうかい、もし気に入ったならお父さんにねだって買ってもらいな』少し育ちのいい娘だと思ったらしく相手に向けてそんな発言をして)
…え!?
(相手の言葉にたしかに美味しいと思いながらこくこく頷きすべて飲み込めばおじさんの言葉に耳を疑って、最初は聞き間違いかと思うも明らかにお父さんと言った気がしたので頭の中がぐるぐるしながらようやく出た言葉が驚きの声だったので説明して身元がバレればいけないし、どう説明していいかわからずおろおろして)
ぷっ、くくっ…ほら、行くぞ…
(兄妹と勘違いされるならまだしも、いくら相手が実年齢に対して幼い容姿をしているからといって親子に間違われてしまえば耐えきれずに思い切り吹き出してしまって、困惑したような表情を浮かべ立ち竦む相手の頭をポンポンと軽く手で叩いてから笑いを必死に堪えるようにしてそう促して)
あ、わかりました!
(相手が笑ってるのを見てそんなにおかしかっただろうかと首をかしげながら行くぞと言われれば返事をしてお店の人にぺこりとお辞儀したあとすぐに相手の後について行くようにして)
まさか親子に間違われるとは思わなかったな…いくら小さいからって、なあ?
(すっかり定位置となりつつある斜め後ろを歩く相手の隣へと並ぶように歩幅を狭めてすぐ真横を歩き、徐に頭へと手を伸ばし頭上で手をポンポンと弾ませて小さいという言葉を強調して。しばらく歩き、目に付く宿屋をしらみつぶしに当たることにしようとまず一件の宿屋の前で足を止めて)
ち、小さくないですっ!ガレイさんが大きすぎるだけですよ!
(小さいという言葉を強調され頭を軽く叩かれると身長が縮んでしまうと脳内で思いながら自分は小さくないと主張して、少し頬をふくらませて隣に来た相手に拗ねた顔を見せるもあまりなんとも思われておらず宿を探し始めた相手の後ろに隠れて様子を眺めて)
おーおー、威勢は良いな。その方が少しは身体も大きく見えるかもな
(声を上げ、全身を使って必死で抗議してくる相手の頭に手を軽く押しつけるようにしてわしゃわしゃ撫でつけ、口元に小さく笑みを浮かべて悪びれた様子もなくそう軽くあしらって。目の前の宿屋へと入り、まだ空きがあることを確認すれば後ろに隠れている相手を振り返って)
うぅ、縮みます
(上から圧力をかけられると苦しそうな顔をして縮むと抗議し、しかしわしゃわしゃとすこし乱暴に頭を撫でられるのは実は嫌ではないと心の中で思っていて、宿に入っていく相手の後ろにひょこひょこと付いていきながら振り返った相手を見て)
ひとまず今日の宿はここだ、部屋が空いてて良かったな。しかも大浴場付きだとよ
(相変わらず不服そうな相手のことは適当に流しながら、無事に予約を済ませ今日の宿がキチンと確保出来たことを告げて。それからまずは荷物を置き、身体も綺麗にするべく宿屋の中の指定された部屋へと向けて歩みを進めていきつつ宿屋には珍しい大浴場があり、のんびり温まることが出来そうだと相手にも教えてやり「混浴らしいけどな」最後にそう付け加えて)
あ、宿決まってよかったです!しかも大浴場なんて豪華ですね
(相手の話を聞きながらうんうんと頷き大浴場なんてこんな豪華なこと滅多にないと感激しながら安堵して相手の後ろを付いていくと混浴という言葉が聞こえ一瞬聞き間違いじゃないかと耳を疑ったがハッキリと「混浴」だと聞こえたので相手を驚愕の眼差しで見つめて)
心配するなよ、今いるのは俺たちだけらしいから他の男と出くわす心配はねえ……それに、俺もお前を見たところでなぁ
(混浴という部分が引っかかっているらしい相手を首だけで振り返って、男性恐怖症の彼女の懸念や不安を取り除くように今日の宿の客が幸いにも自分たちだけだと告げ、それから改めて凹凸のない子供のような体型をジッと見やってからフッと鼻で笑い、デリカシーの欠片もないようなそんな軽口を叩き。用意された部屋へと入っていき、室内に荷物を置いて早速大浴場へと向かおうとして)
ま、ままま待ってください!
(今日は自分たちの他に客がいないと聞けば内心ほっと胸をなでおろし、荷物を置きもう相手がお風呂に入ろうとしているのを見て必死に服をつかみ引き止めて、いくら自分が凹凸がない色気もない体だったとしても女心というものはあるもので、鼻で笑う相手にちょっと怒りながらもう少しは女として意識して見てほしいとも思って)
今度は何だよ…言いたいことがあるならハッキリ言え
(ようやく身体の砂や汗を流せるなと思い立ったのも束の間、必死にこちらを引き留めてくる相手によって出鼻をくじかれる形になれば怪訝な表情で振り返って。無視して振り払っていっても良かったのだが話しぐらいは聞いてやろうかと思い、首を傾げ相手をジッと見やりながらやや威圧的にそう問いかけ)
ぅ…え、えっとですね、さすがに一緒に入るのは恥ずかしいというか、えーと…
(相手に上から威圧的に見てくるのにしどろもどろになり身長が低いのにさらに縮こまってしまい、必死に説得しようと試みたが相手の視線とこんなこと言ってる自分も恥ずかしいという考えが出てきてごにょごにょ喋り最終的には「やっぱりいいです」と負けて)
なんだ、そんなことかよ…いいからとっとと来い、ボサッとしてると置いてくぞ
(必死に食い下がってくる相手からの切実な訴えを「そんなこと」の一言で軽く一蹴してしまえば、来ないならば来ないで構わないが待つつもりもないとばかりに冷たく言い捨てて再び背中を向けて歩き出して。割り切れない気持ちはありながらも一緒に来ることにしたらしい相手に歩みを合わせるように歩幅を僅かに狭めて)
そ、そんなこと!?…わかりました
(相手にとっては自分が恥ずかしいと思っていることはどうでも良くて自分は女として見られていないのかと痛いほど実感しがくりと肩を落として、このまま渋っても相手をさらに怒らせるだけだと思ったので大人しく後ろをついていき)
ふう、生き返るな…
(ひと悶着ありながらも脱衣場の前までやってくれば一旦別れて。脱衣場で服を脱ぎ、腰にタオルを巻いていざ大浴場へと足を踏み入れ、軽く身体を洗い流してから湯船にザブッと肩まで深く浸かれば、ようやくひと心地ついて深く息を吐き出して、瞳を閉じてしばらくそのまま束の間の平穏を楽しんで
うぅ…たしかに私は何も無いかも…
(脱衣所で服を脱ぎ疲れたなぁと思いながら体にタオルを巻けばふと鏡に映っている自分の姿を見て、確かに自分は凹凸が悲しいくらいなく男の子みたいな感じに自分でも悲しくなってそりゃ相手も男と女として意識してくれないかと思い肩を落としながらお風呂の扉を開けて)
やっと来やがったか…こっち来いよ、気持ちいいぜ
(湯船に深く沈みながら風呂場の扉の開く音にチラッとそちらへと目をやって、少し遅れて入ってきた相手へと軽く片手を挙げて手招きをしてはフッと小さく口元緩めて笑い)
わぁ!すごい大きいお風呂ですね!
(大浴場なんて入るのが初めてなのでキョロキョロとすれば相手が手を挙げてるので相手の方に小走りで駆け寄りゆっくりとお風呂に入れば相手の方におずおずと近づいて)
もしかしてお前、大浴場もこれが初めてか?
(迷わずすぐに隣へとやってきた相手を見やり、無意識に二人の間に人一人分のスペースを開けるように横にズレて。大浴場の中を物珍しそうに見渡す相手の様子を横目にまさかと思い問いかけつつ、相手が生まれ育った村は本当に小さな村であり、そこでの生活が全てであった相手にとっては何を見ても珍しく思えてしまうのだろうと自己完結して)
はい、言葉や意味は知っていましたがこうして体験するのは初めてです。ガレイさんといると初めてのことばっかりですね
(周りを見渡しながら頷き初めてのことばかりで自分が情けないなぁと心の中で思えば照れたように笑い上記を言って、何故か少し距離を置かれたことに首をかしげながらそんなに考えず最初は恥ずかしいと思っていたお風呂も今は程よい温かさですべて忘れて)
ったく、旅行じゃねえんだぞ…
(初めての体験だからだろうか、どこか浮かれているようにも見える笑顔を見ればふん、と鼻を鳴らして笑いながらも呆れたような口調で言って浴槽の壁に背中をくっつけ天井をぼんやり見つめていて。それから少しして身体を洗おうかと考えてゆっくり湯船から立ち上がって)
それにしてもすごく疲れが取れます
(相手が体を洗おうとしていることを確認して見てはいけないだろうと思い相手に背中を向けてくつろいでいると程よい温かさに眠たさが勝ってきて少しうとうとしだして)
おい、こんな時は気を利かせて『お背中ながしましょうか?』ぐらい言えねえのか
(湯船からあがってタオルはとらずに洗い場のイスへと腰を降ろし、お湯に浸かってすっかり寛ぎモードの相手を首だけで振り返って冗談とも本気ともつかない口調でそう言葉を投げかけては反応を待ってみて)
お、お背中??
(初めて聞くような反応を示して背中などどう流せばいいのだろうと思いながらお風呂から上がれば相手の背中に近づきおずおずと背中にお湯をかけて、これで合っているのだろうかと首をかしげて)
いや、そうじゃねえだろ…お前本当に何も知らねえんだな、そこにある手ぬぐいで背中を洗ってくれればいいんだよ
(馬鹿正直に背中へとお湯をかけて流す相手をため息混じりに振り返り、天然もここまでくると大したものだと仕方ないなという気持ちにもなって、予め石鹸をつけて用意しておいた手ぬぐいを指差し一つ一つ手順を追って説明してやっては軽く肩を竦め)
あ、洗うんですね!
(首をかしげていると相手が指をさしたタオルを受け取り一つ一つ丁寧に教えてくれたことをうんうんと頷いて、意味がわかれば簡単なものだと得意げに泡立てすれば優しくごしごしと背中を洗い大きい背中だなぁと思って)
へえ、なかなか上手いもんじゃねえか…悪くねえ
(優しく丁寧ながらもキチンと身の入った手つきに気持ちよさげに穏やかな口調で相手を素直に褒めてやり、暫くそのまま相手へと身を委ねていて。それから少しして満足すれば肩越しに相手を振り返ってお湯をかけて流すように頼んで)
初めて言われました!
(お湯をゆっくりかけながら嬉しそうに笑えば自分はこんなことしたことがなかったから初めて言われるのも当然かと頭の中で勝手に納得して、でも相手に褒められるのはなんだかくすぐったくて凄く嬉しい気持ちになると思いながら口元がゆるんで)
ふう、さっぱりしたぜ…ありがとな。お礼にそうだな…髪でも洗ってやろうか?
(よほど気持ちが良かったのだろう、気分も良くなったようで上機嫌な口調でお礼を述べ、それから軽い口調のままそう冗談混じりに問いかけてみては口角を釣り上げて笑い。最初は同じように背中を…とは考えたが自分の見ている前でタオルを外すのはいくらなんでもマズいと考えて当たり障りなく髪を洗うことにして)
え、ほんとですか!
(相手が喜んでくれると満面の笑みになりこちらも上機嫌になって、髪を洗ってやろうかと言われればいつもは遠慮するものの今日だけは甘えようと思って笑顔で頷いて)
痒いところはねえか?ちゃんと目を閉じてろよ、染みるからな~
(よしきた、とばかりにまず髪を軽く流しシャンプーをつけて洗い始めて。長い毛先から根元までを丁寧に洗っていきながら肩越しにそう声をかけて、やはり子供扱いは抜けきらないのか最後には少しばかり余計なひとことを付け足しおどけてみせて)
大丈夫です、私子供じゃないんでちゃんと目を閉じてます!
(相手がおどけたことを言うのでくすくすと笑いながら自分も楽しそうに返して、大きくてゴツゴツとした手はとても優しく気持ちいいなぁと思いながら鼻歌を歌いそうなきぶんで)
…よし、終わったぜ。後は身体は自分で洗えよ、俺はまた風呂入ってるからな
(髪についた泡を丁寧に流し終えれば満足げにそう言って立ち上がり、男である自身と同じ洗い場でタオルを外すのはやはり抵抗があるだろうと何だかんだ女性である相手へと配慮をすれば湯船へと戻って行こうとして)
あ、わかりました!わざわざありがとうございます
(ゆるくふにゃっと微笑みお風呂の熱気で少し頬は赤くなっていてまた相手に背中を向ければ砂浜に倒れ込んだのもありすぐに洗ってしまおうと遠慮なくタオルを外して今までの疲れを洗い流すようにごしごしと綺麗に洗っていき)
今日はもうこれで、のんびりと過ごしたいもんだよなぁ
(ここ数日はトラブルに見舞われ、野宿をする羽目になったりといったこともあった。お尋ね者の身である以上は予断を許さぬ状況ではあるかもしれないが、それでも願わくば今日1日ぐらいは宿屋の温かい部屋とベッドで穏やかに過ごしたいものだなと相手に同意を求めるよう背中越しにそう語りかけるように述べて)
そうですよね、今日1日ゆっくり出来たらこれからも頑張れるのに
(体を洗いながらのほほんと気分良さげに答えて今日はたしかにゆっくりさせて欲しいと心の中でこっそり神様にお願いをすれば泡を流して一息ついて)
まあ、とりあえず騒ぎの種だけは作ってくれるなよ?自警団のお坊ちゃまに喧嘩を売ったりな
(不安要素がない訳ではなく、決して楽観視は出来ない状況であったが無事に国境を越えられた時点で多少は気が抜けたのも事実で。ゆったりと湯船に浸かったまま、こうして逃亡生活を送ることになった原因を作った事件へと敢えて触れれば決して相手を責める風ではなく今では笑い話だとばかりに少し意地悪い笑みを浮かべ、決して相手が悪かった訳ではないこともわかっていながらもそうからかうように発言をしてみて)
私は作りたくて作ったわけじゃないです…
(ぐぬぬ…とこんなになった種を指摘されれば眉間に皺を寄せて、あの男の人たちはすごく怖くてしかも理不尽でしたと怒りながらもう一度湯船に浸かればはぁとため息をついて、もうあんな目には二度と会いたくないと思って)
まあ、迂闊な行動はするなってことだ…そろそろ俺はあがるぜ?
(元々トラブルに巻き込まれやすい体質なのかもしれない、そんな風に考えればいざという時に自分がそばにいればトラブルから守れるかもしれないと思い、単独行動などはしないようにと改めて言い聞かせるように口にして。十分に身体も温まり、言いたいことも言ったため満足してゆっくり立ち上がれば大浴場の出口へと歩いていき)
はぁい…以後気をつけます
(渋々頷き1人では行動しないように思って相手が出て行くのを見送りながら自分はもう少し浸かっていようと思い息を吐きながらもうこんなにくつろぐことは出来ないかもしれないお風呂を堪能して)
…女ってのはどうしてこうも長風呂なんだ…
(風呂からあがって一足早く着替え終わって、それからしばらく経ってもあがってこない相手に痺れを切らし大きなため息混じりにぼやいて。かといって下手に浴場に突入して文句を言うわけにもいかず、ひとまず慌てず騒がず脱衣場の外に置かれたイスへと深く腰を下ろせば大人しく相手の戻りを待っていて)
いやぁ、さっぱりしました
(満面の笑みで少し頬を染めながらお風呂から上がれば鼻歌でも歌い出しそうな気分で体をふき、長い髪は乾きにくいのでタオルで何度も丁寧にふいて)
(やはり女性というのは皆そういうものなのだろうと考えれば、ここで苛立っても仕方がないと諦めて大人しく待つことにして、そう決めてから退屈そうに大きな欠伸を一つ零し、後はひたすら無心で相手の帰りを待ち続け)
あ、あれ、待っててくれたんですか!?
(髪も拭き終わり身なりを整えれば気持ちよかったなぁと満足げに脱衣所を出ていき、ふと目に入ったのが相手だったので慌てて近寄りてっきり部屋に帰っていたかと思っていたのでおろおろしながら上記を告げて)
お前を一人にしておいてまたトラブルに巻き込まれたりしたら面倒だったからな…それだけだ
(言われてみれば確かに部屋に先に戻っているという選択肢もあったはずで、それでもそうしなかったのは何故かを考えてみると少し照れくさく思えてきてしまって。ややバツが悪そうに頬を掻いて、もっともらしいことを口にしてはイスから立ち上がりくるりと背中を向けて部屋へと歩きだそうとして)
あ、えと、待っててくれてありがとうございました
(相手がこちらに背中を向けて歩いていこうとするのを見れば慌てて相手の服を掴み、ふにゃっとした笑顔でお礼を述べて待っててくれたことが嬉しかったのでどこかドキドキしながら少し頬を染めて)
うるせえ、いちいちお礼なんて言うな煩い…
(こちらとしては適当にあしらったつもりだったのだが、それにもめげずに笑顔でお礼まで言われてしまうとこちらの立場がなく、小さく舌打ちをしては軽く手を振り払うようにして相手の方へ向き直り、戻ってくるのを待つ間に買っておいたビンに入った冷たい牛乳を相手の頬に押し付けるようにしてそう言い捨てて)
うひゃっ!?つ、つめた…っ!
(振り払われた手が行き場をなくして迷子になったので仕方なく後ろに回していると急にほほに冷たい感触があり変な声を上げてしまい、慌てて相手とほほに押し付けられた物を見つめながら牛乳だとわかれば受け取って)
それでも飲んで暫く大人しくしてろ
(牛乳瓶を受け取った相手の頭を気まずさを誤魔化すようにぐりぐり撫でつけては再び前を向いて部屋へと歩き出して。最近は相手にペースを乱されっぱなしだなと、そんな風に考えてしまえばなんとも自分らしくもない浮ついた現状に我ながら呆れ果ててしまっていて)
わぁ、これすごく美味しいです!
(牛乳を飲みながらついていき、ぷはっという声を出せば満面の笑みで感想を相手に告げて、頭を撫でられれば少しくすぐったい気持ちになりえへへと笑みを浮かべながら大人しくついて行って)
お前も相変わらず子供みたいな奴だな…
(勧められるままに牛乳を飲んで幸せそうな声をあげる相手をチラリと見やれば、相変わらず緊張感もなければ単純な奴だなとフッと嘲笑を浮かべ。それでも何となくこの距離感と関係が心地良く感じている自分がいて、こんなことはとても本人には言えないなとそんなことを考えながら部屋へと戻ってきて)
綺麗な部屋でゆっくり休めるなんて嬉しいですね
(相手が笑うのを見れば自分もさらに笑い返し部屋に戻ってこればくつろぐように座って、めったに出来ないと先程から思いながらこの時間を一生懸命楽しもうと思い相手にもこの時間はくつろいで欲しくて)
ああ、全くだな…お前も今日ぐらいはしっかり休んどけよ
(こんな風に両手両足を伸ばしてゆっくり出来るのはいつぶりのことだろう、ベッドに仰向けで倒れ込むようにして横になり天井を見上げながら僅かに微笑んで相手へとそう声をかけて。そうしているうちに日々の疲れのせいもあってかウトウトし始め、気がついたら眠りに落ちていて)
わかりました、疲れをとっておくようにしますね
(ニコニコ微笑みながら自分もベッドに寝転がり相手を見つめればまた微笑んで、お風呂上がりなのにまたすぐ寝ようとする相手を見れば風邪を引きますよと小言を言いつつ優しく自分の毛布をかけてあげて)
…すっかり寝ちまったな
(しばらく眠り続け、目を開ければ辺りはすっかり暗くなってしまっていて。ベッドから身体を起こし、寝る前にはなかった筈の毛布はきっと相手がかけてくれたのだろうと推測すれば隣のベッドで横になって休んでいる相手をチラリと見やり余計なことを…と小さく悪態をつきながらも悪い気はしていないようで自然と頬は緩んでいて。それから暗がりでよく見えないが寝ているようにも見える相手を起こさないように静かにベッドから降り)
んー…
(気づけば自分は眠っており部屋が暗かったのでもう夜かと頭の中で思いつつもまだ現実と夢の狭間を行き来していて、物音がすれば少し目を開けるもまだ眠っていたいという気持ちから寝返りをうちまた目を閉じて)
(暗く静かな室内、変な時間に眠ってしまったせいか寝直そうにも既に眠気は吹き飛んでいて、かといってせっかく寝ている相手を起こすことも憚られるため窓際まで歩いていけばあぐらをかいて座り込み外から差し込む月明かりを頼りに自身の得物である大斧の手入れを始めて)
あれ、ガレイ…さん…?
(眠たい目を擦りながらゆっくりと上半身を起こし、近くにいたはずの相手の気配が感じられなかったので周りをキョロキョロと見回して、相手がこちらに背を向けて武器の手入れをしていたのを見つけるとまだ寝ぼけたままゆっくり相手に近づいて)
なんだ、起きたのか?
(すぐ真後ろに感じる気配、それから続けざまに聞こえてきたまだ少し眠気が残ったような気の抜けたような声にも武器の手入れをする手を止めず、一心不乱に手元の作業に集中し相手を振り返ることもしないままにそう肩越しに言葉を投げかけ。それから少しして武器を床にそっと置けば小さく息を吐き、そこでようやく相手の方を見やって)
武器の、手入れをしてたんですね
(相手がこちらを振り向くまでじっと待ち集中してる背中を見るのも悪くは無いかなと内心思っていて、やっと相手がこちらに振り向けば言葉のない安堵感と嬉しさが入り混じり柔らかく微笑み上記を呟いて)
まあな、こいつは大事な商売道具だからな
(傭兵という仕事柄この身と得物こそが何よりも大事な生命線であり、その手入れを欠かさないのは当然のことだとばかりに軽く肩を竦めてみせて。それから期せずして相手と見つめ合うような恰好となり暫しして僅かに目線を外してどことなく気まずそうに頬を掻けば、僅かに身体を横にズラして横に座るよう促して)
あ、隣失礼します…!
(僅かに横に相手が動けば自分の座るスペースを作ってくれたのだと思い慌てておずおずと隣に座って、刀の手入れなどした事の無い自分にとったらすごく珍しくて相手の手の動きに注目して)
…そんなに面白いか?
(相手がつかず離れずの距離に腰を下ろしたのを確認し再び武器を手にして手入れを始めれば、すぐ隣の相手からの視線にチラッとそちらへと目をやり、こちらとしてはただ武器の手入れをしているだけなのだがそれがそんなにも物珍しいのだろうかと疑問を感じてそう言葉を投げかけて)
はい、こういうのを見ることが無かったので…とても興味深いです
(相手の視線がこちらを向けばにこりと微笑み、続けて興味深く見つめて、面白いと思うと同時に自分は本当に周りの世界のことを知らなかったんだと思って)
そうか…お前も、剣士の端くれなら見ているばかりじゃなくて覚えるこったな
(曇りのない真っ直ぐな瞳でこちらを見つめ、笑顔を見せた相手にこちらも僅かに表情を和らげて。それから、武器の手入れということで言えば剣士として実力を身につけたいのなら最低限自分の扱う武器ぐらいは自分で手入れをするべきだろうと考えてそう述べて)
そ、そうですよね!でもなんかこの刀が綺麗で…私が触れていいものか未だに迷うんです
(相手の言葉にハッと我に返り慌てて自分も刀の手入れをしようと自身の刀を取り出して、月の光でキラキラと輝いている刀はまるで自分には勿体ないくらいの代物だと訴えているようで少し不安そうに相手を見て)
何と言おうと今はお前が所有者なんだから、それならお前が責任を持つしかねえだろ
(そんなことか、とでも言わんばかりに軽く相手の不安げな発言を一蹴すれば、所有者としての自覚を持ってその刀と向き合うことが出来るのは今は相手だけであり、その役目を放棄するのならば確かに持ち主としては不足かもしれないなと少しばかり厳しく言い聞かせ)
ぅ、そ、そうですよね…手入れの仕方、教えてください!
(相手の厳しい言葉にぎゅっと目を閉じ叱られる子供のように正座してきいていれば確かに今は自分の刀だしこれは自分で学んで手入れをしていくしかないと思い目を開けて相手をまっすぐ見ればお辞儀して教えて下さいと頼んで)
ったく、仕方ねえな…本来なら見て覚えろと言いたいところだが今日は特別だ、一回で覚えろよ?
(少し厳しく言い過ぎただろうかと恐縮してしまっている相手の様子を見て多少の罪悪感を抱くが、それでもへこたれずにむしろ武器の手入れの仕方を教えてくれるようにお願いをしてくる様子は普段弱気な相手にしては意外に思えるほどに強い意志が感じられ、素直に感心すれば一つ一つの作業を1から説明してやることにして)
はいっ!ありがとうございます!
(相手にこんなことも出来ないのかと呆れてしまっただろうかと少し落ち込んでいれば一つ一つ説明してくれる相手に落ち込んだ気持ちなど飛んでいき真剣に見ようと相手の大きな手をじーっと見つめて)
……こんなもんだな、どうだ?ちゃんと覚えたか?
(手元へと向けられる目線を感じながらも淀みない手つきで時折口頭での説明も添えながら武器の手入れを進めていき、作業も一段落すればふぅ、と一つ息を吐き出して相手の方へ向き直ればやり方を理解出来たかと問いかけて)
は、はい!やってみます!
(相手の言葉にこくこくと頷きながら必死に説明を聞いていて自分の番になれば武器を手に取り教えられたことをぎこちない中丁寧に作業を進めて、相手の教えて貰った言葉を一つ一つ思い出しながらゆっくりと武器を磨いていき)
へえ、なかなか上手いもんじゃねえか。物覚えはいいんだな
(慣れない作業に多少自信なさげな様子ながらも、教えたことを一つ一つ忠実にこなしていくのを見れば感心して、手先の器用さと物覚えの良さを褒めてやって。いつも自信なさげで弱気な彼女だが本当はやれば出来るのではないかとこれからの成長に少し期待をして)
も、物覚えはってどういうことですか!
(相手の言葉に慌てて言い返すも自分で考えれば確かに物覚えはいいのかもしれないと思い武器を磨く。物覚えだけかぁと頭の中で思いながら武器を磨き続ければ相手の視線が少し気になりチラリと見て)
…威勢も良いってのも付け加えておくか
(最初の頃のオドオドした雰囲気はどこへやら、こちらのからかい半分の言葉に物怖じせずに力強く言い返してくる相手を見ていればこれが本来の相手の姿なのだろうなと、そんなことを考えながらも小さく吹き出しては更にそんな風に茶化して)
む、ガレイさんの横暴さには負けます!…あ、な、何でもないです
(威勢がいいと言われれば相手には負けるし少しからかわれたような口ぶりに自分もムキになって言い返して、横暴だと言えばすぐに怒られるかもしれないと悟り慌ててなんでもないと訂正して)
横暴か、言ってくれるじゃねえか。でもまあ、今みたいに言いたいことを言ってくれるぐらいの方が気持ちがいいかもな
(感情的になったり怒りを露わにすることもなくふん、と鼻で笑いながらも相手の頭へと手を伸ばし少し乱暴に撫で回して。遠慮なくものを言い合えるこんな間柄も悪くないと、そんな風に考えてしまっている自分がいて)
…えへへ
(怒られると思っていたのでびくびくと怯えていればまさかの乱暴な手つきで頭を撫でられて、一瞬きょとんとした顔をするもすぐに嬉しそうに満面の笑みを浮かべれば相手の大きな手に安心して)
相変わらずだらしねえ顔だな…手入れも終わったしとっとと寝るぞ
(こちらの皮肉も受け流しだらしなく微笑む相手に一つため息を零して呆れたように呟けば、手入れの終わった武器を壁に立てかけるようにして自身も立ち上がって。そのまま真っ直ぐベッドへと向かって)
だ、だらしなかったですかね!?
(相手の言葉に自分の顔を触りそんなにだらしなかっただろうかとぺたぺた触りながら考えて、ベッドへと向かう相手の後ろをついていき自分もベッドに寝転がり一つ息をついて)
もういいから寝ろ、明日も朝早くから動くからな…寝ていたら容赦なく置いてくぞ
(表情について真剣に悩む様子を見てどこまでいってもお気楽で緊張感のない思考は変わらないのだなと、再び大きなため息を吐き。隣のベッドにいる相手の方を振り返っては一応自分たちは追われる側の立場だということを改めて思い出させる為に、一カ所に留まってゆっくりしているような時間はないのだとそう釘を刺しておき)
わかりました、おやすみなさい…ガレイさん
(釘を刺されたような言い方は相変わらずこのひとらしいと内心くすりと微笑んで最後に小さく名前を呼んで。相手が私のことなどどう思ってるのかはわからないが自分からしたら相手は本当に頼もしくて尊敬できる人だよなぁと瞳を閉じて考えて、すると夢の中に段々入っていき)
…朝か、さてロコの奴は…
(すっかり早起きも習慣づいたもので明け方の外が明るくなり始める頃に目を覚まし、こんな朝早くでは恐らくまだ相手は寝ているだろうかとそんなことを考えながら隣のベッドを見やり)
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