エレン・イェーガー 2013-09-13 22:23:34 |
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あれだけひっついてりゃそう疑われてもおかしくねぇだろうが(苛立ちを含んだような彼の物言いはミカサを庇っているように聞こえ。今此処で感情的になってしまわなよう注意しつつ返せば、頑固なその様子に軽く息をついて。「あくまで俺に嘘をつき通す気か……何を考えてるか知らねぇが、ろくな事ねぇぞ」此方の会話は聞き取れないにしても近くにコニー達もいる事もあり、今は忠告のみにとどめ再び手を進めて)
だから嘘なんかじゃないって、……もういいです(気を許した人間との口論になるとつい声を荒げてしまうのは自分の悪い癖だが、周りに同期たちがいる事をぎりぎりで思い出し何とか抑えて。今朝まで一緒に過ごした仲だというのに疑われている事が無性に腹立たしく、またそれ以上に相手を信頼しているにもかかわらず嫉妬してしまう自分が情けなくなり、「すみません」と力なく謝罪し、
ちっとも良くねぇ。…後で必ず吐いてもらうぞ、エレン(明らかに様子がおかしいというのに、何を思ってか頑なに話そうとしない彼。堂々巡りなこの状況に加え、隠し事をする彼や、彼の事を全て把握していないと気が済まない自分にも苛立ちを覚え、何があったか説明する事を強要し。その時先程の作業を終えたらしいペトラが報告にやって来て。「…助かる。そろそろ昼食の準備だろう、戻っていいぞ」労いの言葉と共に次の仕事の指示をし)
(クリスタやペトラに嫉妬していましたとは口が裂けても言えない。守れない約束をする気にはならなかったため相手の言葉には何も返事をせずに草抜きに戻り。丁度そのタイミングでペトラがやってくれば、先程の相手のペトラに対する振る舞いを思い出してしまい複雑な思いに駆られるも、彼女自身に非が無いのは確かなため笑顔で「お疲れ様です」と言葉を掛けて、
(ペトラへの対応は一見普段と変わらないように見える。態度がおかしいのが己に対してだけだとすれば己が彼に何かしたという事になるが、朝から今までの事を思い返してみても特段思い当たる事がなく。黙々と作業を進める相手を何か言いたげに見つめていたが、なかなかに頑固で意地っ張りな彼を今の段階でこれ以上追い詰めるような事は逆効果だと考え、無言で作業に徹して。暫らくしてから立ち上がれば「――おいお前等、もういい。片付けて上がれ」と二人に告げ。相手に向き直っては「…エレン、俺達も行くぞ」と声掛けし)
……分かりました(ペトラが立ち去った後も黙ったまま作業を続けて。暫くして昼食の時間になり、額を伝う汗を拭いながら相手の声掛けに答えては腰を上げて井戸で手を洗い。食堂へと向かう間も先程の一件に話が及ぶのをおそれ、必要以上の会話はなるべく避けて。食堂に着けば先輩たちに挨拶しては手伝いでもしようかと同期たちの元に歩み寄り、
(城内に戻る間も相手の口数は少なく、此方を避けているようにも取れて。想い人に避けられるという現状が気分を曇らせ、俺が何をした、そう言わんばかりの溜め息が自然と零れ落ち。少し遅れて食堂に向かうと早速手伝いに励んでいる彼を一瞥した後、テーブルを拭き始め。先程の件もあってか今度こそ叱られないようにしているのだろう、やたら機敏に動く二人がかえって危なっかしく「おい…危ねぇぞ、そんなに急ぐな」と注意を向け)
(先程の態度について後ほど咎められるのが必至である分かえって開き直ったようで、配膳のために調理場へと取りに行った食器を手にテーブルへと戻る際も、相手が近くにいる時だけ僅かに眉を寄せ口をへの字に曲げて全身で“怒ってます”というアピールをしてやり。エルドに手伝いとして呼ばれれば直ぐに表情を戻してはぱたぱたと駆け寄って、
…あ?(相手が近くに来たのでテーブルを拭きながらそちらを見やれば明らかに不機嫌である事が伝わり。しかしそれもエルドに呼ばれた途端ころっと変わった事により、己への当て付けだろう事が分かって。ぴたりと手を止め、相手と同様に眉を寄せ思わず怪訝そうな声を漏らしながら、エルドの元へ向かった彼を視線で追い掛け)
(エルドに指示された通りに鍋を両手で持ってテーブルまで運べば器にスープをよそっていき。相手からの視線には気づかない振りをして、手際良く仕事を終えればアルミンがパンを配るのを手伝って。全てやり終えたところで周囲に倣って自分も席に着くも、いつもと異なり食事をとり始めるまで他の同期たちと言葉を交わさず、ついつい相手の事やこれからどのように接するべきかを考え込んでしまい、
……、(周囲を気にする事なくずっと視線を送っているが一向に目が合わず。恐らく故意だと分かればもどかしさに小さく舌打ちし。そんな状況を何処まで知っているのか、不意に近付いてきたハンジに彼に何をしたのか等、愉快げに問われ。「…さあな、こっちが聞きてぇくらいだ」少々苛立たしそうに返しその場を離れては、さっさと自分の席に着いて)
(一連の言動からしておそらく相手は、自身がクリスタやペトラと普段以上の関わり合いを持っている事に気が付いていないのだろう。しかしそれが腹を立てている理由だと教えてしまっては恥ずかしい事この上ないし、何と無く相手自身が無自覚なままだというのは腹立たしくもあり。食事の最中は苛立ちをぶつけるかのように、誰とも口をきかずがつがつと勢い良く食べ進めて、
(相変わらず苛立ちを露にしたような食事の取り方をする彼を見て、今朝彼と別れてからの己の言動を再度振り返ってみて。しかし何度考えても、やはり彼に直接何かした記憶が見つからない。だとすれば――…、少し視点を変えてみようとした時、隣のペトラから声を掛けられ。どうかしたのかと心配される辺り、難しい顔をしたまま手が止まっていたのだろう。「…何でもない」そう返し食事に戻ろうとした瞬間、一つの可能性が浮上し。もしや…と思わずペトラに視線を向ければ、不思議そうな表情で此方を見てきて)
(ひたすら食事をとり続けたからだろうか、いつもより早く食べ終わってしまえばさり気なく相手のテーブルをちらりと見遣り。見るからに考え込んでいる様子の相手にほんの少しだけ心が痛むが、自分から親切にヒントを与えるつもりは更々無いため再び視線を外して。一足先に席を立てば食器を下げに調理場へと戻り、上官と先輩一同に出すための食後の紅茶を準備し始め、
――エレン、(食事を済ませ食器を片付ける際、紅茶の準備をしている相手に呼び掛け。少し話す機会を得たい為「手が空いたらでいい…部屋まで紅茶を持って来い」と指示を出せば、先に食堂を後にして)
……はい(状況からして一連の事についての話があるのは明らかで、一度作業の手を止めてはしっかりと目を合わせて返事をし。紅茶の支度を整えれば先にペトラたちに給仕をし、彼専用のティーカップに注いでから盆を手に食堂を後にして。部屋の前まで来れば二度ノックをしながら「失礼します」と扉の向こうに声を掛け、
(一足先に自室へと戻ると、窓の外を眺めながら恐らくすぐに訪れるだろう相手を待って。何か面白くない事があろうとも、此方の呼び掛けにはしっかりと目線を合わせてくる相手に今更ながら胸が小さく締め付けられるような感覚を覚えつつ、「…入れ」と扉の向こうの相手に声を投げ)
…お茶をお持ちしました(返答があれば扉を開けて、部屋に踏み込みながら声を掛け。相手に歩み寄り机にカップを置けば、あらためて向き直り「何か御用でしょうか」と必要最低限の言葉を紡いで。“何故自分がこんな態度をとり続けるのか分かったのだろうか”だとか“怒られるだろうか”等といった不安と疑問が渦巻き、気を紛らすかのように盆を強く握り、
――…何故呼ばれたかくらいは察しがつくだろう(窓から視線を外し相手の方に向き直れば、机に紅茶を置く様子を静かに見届け。改めて間近で相手を見つめれば、こんな時でさえ二人きりという空間に緩やかに胸が高鳴り始めようとする予感を見せ。しかし問題を解決するのが先決だと、早速本題に入ろうと切り出して)
それは……はい(相手がどこまで理解していて、どういうつもりで単刀直入に切り出しているのかが分からず、動揺からか僅かに瞳を揺らがせながら答えて。とりあえずは相手の出方を窺おうと、話の続きを促すように黙ったまま相手の双眸をじっと見つめ、
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