梨花 2020-06-27 22:52:23 |
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暦「…火憐ちゃん、少し月火ちゃんの方に行っててもらってもいいか?さっき月火ちゃんが火憐ちゃんの事探してたみたいだから」
火憐「えっ、そうだったのか?わかったぜ!あっ、アタシがいない隙に真冬に変な事すんなよ。幾ら兄ちゃんでも許さないからな」
暦「そこまで見境がないわけじゃねぇよ。ほら、早く行ってやれ」
火憐「わかってるって!真冬、また後でな!(上の階に上がる)」
真冬「うん、また後で!」
(途端、一気に目が真剣になる)・・・・・真冬ちゃん。通り魔事件の事は聞いてる?どうやらその被害者、日本刀らしき刃物で斬られてるらしいんだ。
それに、妹さんから連絡が昨日の夜あったんだよ。
「一昨日から、岡田と姉上が帰ってこない。それどころか連絡も来ないってね」・・・・・その日を境に、通り魔事件が発生した。最初は興味なかったけど・・・さっきのニュースで日本刀で斬られたような切り傷があったって・・・・・by舞奈香
真冬「じゃあやっぱり、あの時から…」
暦「何か心当たりがあるのか?」
真冬「沖縄でロップイヤーって言う二十二の暁光の議席と戦った時、つばきさんが紅桜を神器として顕現してたんです。今の所、発見されている紅桜はつばきさんのを入れて全部で2本。まだつばきさんだっていう確信はありませんね」
・・・そうだね、僕の言ったことも空論に過ぎない。
けど・・・確実につばきさんがおかしくなってるのは分かる。
(タブレットであるネットニュースを見せる────それは、焔矢本家で焔矢の当主が何者かに斬られて意識不明の重体に陥った記事を見せる)
しかもこの事件、つばきさんが警察に一時保護されていたんだ。血塗れで、棒立ちで立ち尽くしていた・・・って僕の父さんからは聞いてる。
以前、特異点から帰ってきた時。つばきさんは僕にこうこぼしたんだ「真実を、あの方の口から聞きたい」と。
けど────・・・・僕が推測するに、この話し合いの結果が良くても、悪くても、この事がきっかけで余計に紅桜の侵食に拍車をかけた。そして・・・・本人の無自覚で、無意識で、人を傷つけてしまう領域にまで達してしまった・・・・。
少なくとも、僕はそう推論を立てたby舞奈香
真冬「そんな、つばきさんが…ちゃんと私が気付いて話を聞いていたら…(ニュースを見てると、ハッと何かに気づく)舞奈香さん、前の法王の議席の人って、確か焔矢を恨んでましたよね?」
あぁ。
聞いた話だと、殺されたとか何とか・・・・。
・・・・これが、紅桜の侵食が始まった引き金なんだろう。
まぁ、分からないって訳では無いね・・・拾ってくれた恩人が、一家を惨殺した過去があった。・・・・これで精神を病まない人がいると思うかい?いや、いないと思うよby舞奈香
いや、それは無いと思う。
花緒ちゃんのペアリングは切った。それに、彼女は更生の一途を辿っている。現に僕の知り合いの所で住み込みで働いている。
その可能性があったとしても、それは無意識の存在だ────って、ごめん暦くん。君のこと置いてけぼりにしてしまったby舞奈香
真冬「あっ…すいません、私達だけで話しちゃって」
暦「いや、僕の事は気にしないでくれ。それよりも…君もやっぱり、喜瀬と同じ様に異世界から来たんだな」
真冬「はい。本来の職業はブレイダーって言って、魔獣から人を守る仕事をしています」
暦「魔獣まで居るのか…流石異世界」
僕らがいる東京は表向きは平和だけど、魔術という空想が現実にあるんだ・・・・表向きの治安は良くても、反対から見れば、とてつもなく無法地帯なんだよby舞奈香
真冬「そのお陰で犯罪組織が多数存在してるわ、事件発生率が高いわ、道を歩けば誰かが喧嘩してるわで大変ですよもう…しかも、一番酷い時なんか世界滅亡しかけましたし。それも、私の先輩が…」
暦「せ、世界滅亡って…随分とスケールがデカいんだな」
真冬「まだ私達の世界は良い方ですよ。他の世界線だと、とっくに滅亡しちゃってる世界線だってあるらしいですし。何とかギリギリ持ち堪えて来たって感じですよ。まぁ…その分、犠牲はつきものですが」
暦「…大変なんだな、お前達の世界って」
真冬「私だって、こんな争いばっかの日常は懲り懲りですよ。けど、みんなこの世界が狂ってる事を知らない。それが当たり前だと思ってる。そんなの、間違ってるはずなのに」
人間は合理的だが、時として野蛮になる。
そう言うエゴに塗れた生き物ですから。
んで、話は戻すよ。もし仮に敵になってしまったとしたら・・・・僕達は岡田累次と戦わなければならないby舞奈香
暦「その岡田って奴はどんな奴なんだ?喜瀬よりも強いのか?」
真冬「固有魔法は持ってませんが、剣術に関しては人並み外れてます。目は見えていませんが、それ以外の五感は化け物かってぐらい鋭いです」
こんな話聞いた事あります?五感の一部分を損失すると、他の器官が穴を埋めるように発達すると・・・その中でも彼は嗅覚と勘が鋭いんだ。
かつては鬼兵隊と言う組織で人斬りをしていたんだけど、今は焔矢側に所属している。
そして、この話の中心になってるのが焔矢つばき。
そもそも焔矢は十三階段に所属していて、普段は松川組って言う特別援助組織・・・・・と言ってもヤクザ的な所の用心棒をしている一家なんだ。
その中でも、焔矢つばきは圧倒的・・・いや、絶望的なほど強いんだよね。
けど彼女は・・・性格に問題を抱えてる。一言で言うなら快楽殺人狂、俗に言うサイコパスだね。人を殺す事を楽しんでいるサディストなんだ。
けど、普段は穏やかでおっとりとしているんだけどね・・・刀を握れば凶悪になるんだ。by舞奈香
暦「車のハンドル握ったら性格が変わる的な感じのやつか…でも、以前からその事を知ってたんなら何で止めなかったんだよ」
真冬「そこは私達の不注意です。ちゃんと気付いてればこんな事には…」
正直な所・・・・状況を軽視していた。
つばきさんなら、紅桜の侵食影響がさほどないと思ったんだ・・・・こうなってしまったのは、僕達の責任だ・・・。
本当なら、僕達だけで対処するつもりだった・・・by舞奈香
真冬「本当に、巻き込んでしまってごめんなさい…」
忍「(暦の陰から出てくる)さっきから黙って聞いてれば…汝等は何をショゲておるのじゃ」
真冬「うわぁっ!?」
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