201号室（ 〆 ）

ん。春彦さんもお帰り＿…惜しい事をしたな、まァ今回に関しても甘々判定で助かるよ。勿論その御疲れ会は受けるけど…その前にやる事無いかな（　リビングから携帯片手に顔出す相手を、今し方見た返信の花丸も相俟い些か柔和な眼差しで捉え。告げられた言葉に溜息混じえぼやき、軽快な調子で誘う声へと靴を脱ぎ歩み寄っては真前へ来た所で訴える様な瞳と共に両腕拡げて見せて　）

御免、少し可笑しな箇所があったから訂正させて貰うよ……じゃあ其れだけ伝えたかっただけだから此方は蹴って。

…あー、いや…それやっちゃうと前も後も無くなりそうだから、ハイ。そっちはメインイベントに置いといて…ちょっとね、春彦さんの理性がある内にやっときたい事あるからさ。（ 一歩毎に高鳴る鼓動を隠してにこやかに迎えるも、広げられた腕に目を瞬かせては煩悶するように言葉詰まらせ。呻いたのち視線の誘惑に耐えて両掌へのハイタッチで躱し、大仰に苦しげな声で語りつつリビングの奥へ戻ればソファへ座り込み、隣を叩き相手も呼んで ）

…たかがハグで大袈裟な。まァ別に、サブでもメインでもやってくれるのなら何も口出しはしないけどね＿＿…やっときたい事？（　僅な瞬きの後狼狽える様な反応した相手を不思議そうに見、軽い注文の筈が呻くや否や掌同士を合せるだけで終いな事に面食らう儘思わず呟き漏れて。然し苦々しい語りへ直ぐ何かあるのだろうと悟れば訂正と共に腕を下げ、大人しく引いた身で後を追うと相手の言葉に反応しつつ隣へ腰落ち着かせ　）

そうそう、今夜中にやっときたい事。まあちょっとした前座っつーか余興っつーか…ちょっと一瞬目ぇ瞑っといてくれるかな。悪いようにゃしないから。（ 呟きが刺さったと言わんばかりに胸元押さえ戯けつつ、違和感覚えた様子の相手が腰を下ろすまで視線を逸らして待ち。ソファが軋む音に無駄口噤めばようやく相手に向き直り、意味深に細めた目元を指差して頼み ）

ふぅん…？…また随分と匂わせるじゃないか。そう言われると心躍る物だね、そうじゃ無くとも期待しとけだの散々言われてるから…。（　芝居掛かる仕草で戯れる相手を安穏と見遣っては冗漫な声へ耳傾け。軈て1度閉口し見合わせた顔の悪戯っぽく細まる双眸に期待感擽られ、愉快なれば唇に弧を描き太太しく述べ、悪い様の件には"…其れは無いのは知ってるよ"と含み笑う様な付言足し瞼閉ざして　）

ま、ビッグマウス通りに芳樹くんの期待とお眼鏡に適う事を祈っとくわ──……いいよ、目ぇ開けて。例の約束のブツ。どんだけ時間経っても消えないだろ、これは。（ 目の前の端正な笑みが瞼を下ろすのを確かめ傍らの紙袋へと手を伸ばし、取り出した小箱を開けば中から白銀色の指輪を摘み上げ。"手ぇ貸して"と断り入れつつ相手の左手を取り、夜間密かに測っておいた通りその薬指にぴたりと嵌まるのを見届けては安堵と得も言えぬ充足感に緩む唇を噛み締めて。淡く控えめなアクアマリンが映える白い指を愛しげに眺め、緩やかに促すと擽ったげな笑みで反応伺い ）

…！…、＿＿……確かに。絶対消えないし此れは良いようにされてるね。…うん、予想以上のサプライズだ (　願望染みた前置きへ"安心して"と浅く頷きつつ何やら探る様な音の後、断りに浮せた手を掴まれれば温い掌とは対照的に冷たい感触が触れて。其れが薬指だと察する頃には相手から許可得ていて、瞼を開け己が手を確認しては指輪の存在に僅に見張り。驚きより胸奥から万感の思い込上げ、目が眩む程燦然と輝く藍玉嵌る白銀の其れを只々黙って見詰め、暫時口を開き掛けるも直ぐ噤んで仕舞い。代わりに溢れる愛慕で微弱に揺れる瞳を少し伏せ、はにかむ様な面差しにて笑うと漸く言葉数少なくも確かな喜色滲む声を紡いで　）

遅くなって御免、時間も時間だし…あんたさえ良ければ此の儘置きレスにしても構わないかな。中途半端にするには余りに勿体ないのでね…じゃあ無理せず休んで、此方も蹴って平気だから。

そりゃあ良かった…キスマークじゃあんまりに心許なかったモンで。いつかタキシードでも着て、もうちょいド偉いサプライズ決めるまでこれで予約させといて、芳樹くんの事。──…やっぱその色で正解だわ、君には。（ 温かくも何処か落ち着かない心地で言葉詰まらせる相手を見つめ、その表情が綻べば安堵の色を深めて零し。言葉少なな様子に代わって軽やかに紡いでも真摯さの隠せない声音に我ながら小さく笑声漏らし、照れ隠しのように伏し目がちに揺れ動く瞳から視線落とすと目に留まる宝石へふと呟いて ）


お言葉に甘えて面目無いほど爆睡させてもらった春彦さんです、サンキューね。面目無いついでと言っちゃあ何だけど、若干2日ほどバタバタしそうなんでこのまんま置きレス継続で頼んでいいかな。…勿体無いっつーか、勿体ぶってるみたいで恥ずかしいったらないんだけどね、タイミング的に。まあそのへんノータッチで、芳樹くんものんびり付き合ってくれりゃ助かるよ。以上、こっちは返信不要。

…御免。頭痛が酷くて本文の方返せそうに無いから此方にだけ反応させて貰うよ。取り敢えず了解した、僕から提案したんだから当然置き継続の件は賛成だし、忙しくなるってなら落ち着くまでは無理に返す必要も無い。どうせ面目潰れてるんだ、妙な気配り何か考えず夜更しも程々に寝る事。後、勿体ぶってる云々に関してだけど……そんな事無いとは伝えとく。じゃあ此れは読み流してくれれば平気…悪いけど少しだけ待ってて欲しい。

あらら、梅雨のせい…で済む話なら良いんだけど。そういう事ならお互い今日はもう寝とこうぜ、毎度気ぃ遣ってくれてんのは君のほうだしね。キレッキレの芳樹くんに戻るまでゆっくり休んどいてちょうだい。そんじゃおやすみ…折り入った話は追々として、いつもありがとう。今度こそ返信厳禁で。

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心許ないからってだけで贈るには大き過ぎるんじゃないかな、そんな予約まで取り付けて…待つの1択だけど。……海の水の色、だね。あんた的に正解なら文句は無いよ (　深い安堵の声に引き寄せられ、其方へ向けば相手の穏和に花咲く面持捉え。真摯さの滲む言葉と小さく零れた笑声が胸を締め付け、幸福に満ちる心境から吐息含ませ呟き。其の儘再び指輪へ視線戻し不意に呟いた相手にも見せる様に左手を傾け、光を反射し輝く宝石の明るい青みがかった色合いを眺めつつ愛し気に述べては双眸細めて　)

…結論から言うと風邪を引いたらしくてね。薬飲んだし今は熱も引いて落ち着いてるから、其処は心配しなくて大丈夫。ただ少しばかり反応が鈍くなるとは思う…けど、それでも良かったらあんた曰くのんびり付き合って。こんな時間まで待たせて御免、今日はもう遅いし寝なよ。此方は蹴って。

そう言ってくれると信じてたよ、さっすが俺の未来の花婿…そうそう、店のお姉ちゃん曰く誕生石がベタらしいんだけどねえ、ご本人様のって縛りは無えから。後はまあ…（ 正論ながら溜め息ではない吐息の混じる声に目元緩ませ、呟きに乗じて嬉々と軽口を弾ませて。相手の表現に相応しい色合いを見つめつつ頷き、顔を指差すと暗に自身の誕生石であることを仄めかし。輝きよりそれを眺める恋人の様子へ眩しげに眼差しを細め、飄々と語るも核心へ近づけば言葉を途切らせて ）


こっちこそとんでもなく待たせてごめん、延びに延びてようやっとカタ着いたとこ。芳樹くんがダウンしてるってのに見舞いの一つも出来ないってのはなあ…流石に治ってくれてりゃ良いんだけど。療養中だろうが病み上がりだろうが健康第一で頼むよ、鈍行でも何でも付き合ってくれりゃあそれで御の字なんだから。そんじゃあ無理なくカットして寝落ちして、改めてよろしく。

ふ…全く調子が良い事で。決める時は華々しくやってくれると此方も信じてるからね＿＿…成る程、其れじゃあ此の指輪を見る度に文豪の誕生月が思い出せるって訳だ (　呟きに対し喜色滲ませ軽口を返す相手が可笑しく、口端から柔和な声零れ。顔を指す仕草で諒解しては一層増した愛しさを瞳に湛え、語る声へ聞き入る傍ら眺める事に満足し手を下ろして。軽く戯けた後、細長い双眸を覗き込む様やや前屈めば"…まあ？"と好奇に繰返し途切れた言葉の続きを促し　)

気にしなくて良いよ、折り入った話だの言われていたし。まァ最近のぐずついた天気とか例の奴とか、そう言う懸念はあったけども…大人しく待ってて正解だった様だね。一先ず…お帰り、其方こそ疲れてると思うからくれぐれも無理のない範囲で宜しく。風邪にしてももう大丈夫、ダウン何かしてないの知ってるだろうから健康第一とやらは其の儘あんたに返しとくよ。じゃあ今度こそ蹴って。

んなおっさんよりもっと眼福なイケメン思い出してちょうだいよ──……っとまあ、そういう事。何つーか…否が応でも浮かぶだろ、このハンサムフェイスが。君はもう金輪際、俺は孤独だ的な格好良い科白にゃ浸れない訳よ。残念ながら。（ 柔和に示された信頼へ応えるべく気障なウインクのみ一つ返し、懐かしい話題がよぎる軽口には拍子抜けとばかりにだらしなく姿勢を崩し戯けてみせて。背凭れに頬杖ついたまま滑りかけた口を隠し、覗き込んでくる相手を一瞥しては言葉を探して視線を彷徨わせ。結局茶化す己へ苦笑しつつ、踏み込んだ本音をはぐらかすように相手の髪をくしゃりと撫でて ）

オッサンね…後3年経てば同年になる、あんたが其れ言うんだ。＿＿こんな大層な物貰わなくたって何時も想ってるよ。…大体、一体何の話をしてるの。僕はそんな事言った覚えも無いんだけど。 (　返事代わりの気障なウィンクには口許だけで笑い、己が発言に背凭れへ凭れた相手に小生意気な茶々入れるが次ぐ躊躇う姿に話を畳み。泳ぐ視線も口籠る所以も分からない故に好奇は影を潜め、不審感抱けば表情も緩やかに戻して。苦笑浮かぶ其の面持を見据えた儘、頭を僅に垂らすと髪を掻き混ぜる掌の心地好さも相俟って穏和な声音で真意を問い　)

そのワンフレーズでお釣りがジャラジャラ来るわ…あー、覚えてない？ないか、ほぼほぼ寝てたもんなあ…いやね、寝言でぽろっと聞いたモンで、そんな旨の台詞をさ。譫言でも気になんのよ、ご存知の通り過保護だから。（ 不意の言葉につい僅かに手を止め、その動揺を悟られないようくしゃくしゃ黒髪を掻き乱しながら喜びを不真面目に誤魔化して。無防備に乱れた頭と声音の愛らしさに気を取られつつ、独り言のようにぼやけば柔らかな毛先を弄びながら何の気ない調子で答え、明言はせず視線で心当たりを尋ね ）

経済面は満身創痍な癖に。健気で泣けて来るな。……、寝言。僕がね…あんたこそ寝惚けてたって事は無い？＿＿まァ一体全体どんなサムい戯言垂れたのか知らないけど、そんなの思った事もないよ。残念ながら。 (　一瞬動きを止める手に髪乱され、段々と不服そうな表情に変えては細やかな反骨心から呟き。然し何気無い声調にて紡がれた、独言ちるかの様な言葉に微かに表情を硬くして。僅な沈黙の後に唇から声零れ落とし、単調的な抑揚で続けつつ姿勢を直して毛先で手遊ぶ相手から逃れると其の儘己も背凭れに身を預けて視線も切り　)

…その健気に免じて家賃免除してくんないかなあ、一夏分。首の皮一枚繋がるまで。お願い。──無いねえ、助手席に恋人乗っけて寝るほど呆けてないわ、流石のおっさん予備軍でも…多分ね、多分。（ 呟きに図星を突かれ呻きを上げては現実から目を逸らすように視線泳がせ、相手の言葉を借り図々しさと愛嬌ある笑みで押し付けて。柔和な表情が消えても躊躇わず首を横へ振り、冗句代わりに小声で付け足し。相手と並ぶようにソファへ座り直せば"マーキング出来りゃ何だって良いんだけどね"等と言い放ちつつ、その手を緩く握り穏やかに指輪を眺めて ）

一夏で足りるのかって疑問はあるけど。構わないと言うか…別に家賃払う必要は無いよ、抑が同棲した暁には僕を癒やす以外は何もしない、ヒモな生活させる心算だったし。＿＿…白々しい事この上無いね、確りと覚えてるじゃないか (　呻きと彷徨う視線に可笑しそうに眦細め、愛想笑う面差しへ穏やかに何とも冒涜的な企みを吐露し。酷くあっさりと否定する相手の言動を前に黙る他無く、せめて目は合せぬ様に中空を見詰めた儘付言に対し肩竦めて見せ。横並んで告げる言葉で締め付けられる胸とは裏腹に"そう"と小さく相槌打つだけだが握る手には間を置いて応え、指先に力込めては緩めるを繰返し口を開くのを躊躇して　)

また何つー魅惑の計画を。抗える自信ゼロだよヒモ予備軍は…でもアレじゃない、それじゃあ何年経ってもヴァージンロード歩けねえよ、良いの？──こればっかりは、ねえ。……何、春彦さん愛してるって？（ 怠惰な企みに目を丸め、羨望滲む声調でぼやくもふと思い至れば冷やかすように片目を細めて。開き直ったように小さく肩を揺らしては何か言いたげな指先見下ろし、暫し緩く包み込んだまま発されそうな言葉を待って。それでも口を開く様子が無ければ耳を傾けるように相手の方へやや凭れ、話題逸らしに図に乗った軽口零し ）