201号室（ 〆 ）

ふ、撫でた位で済んでるなら可愛い物だろう。修羅場も何も記憶に残って無いし…1番熱注いでるあんたが餅焼いた所で惚気てる様にしか見えないよ＿…お帰り、先リビング行ってな（　呆れ顔で諭す相手が可笑しいのやら愛しいのやら、微笑む唇から擽ったい笑声零しては殊更に甘い言葉並べ。己も話題切替え荷物を受取ると床に足裏付ける相手の頬へ労い込めたキス贈り、短く言い残して荷物を置きに行き　）

いやいや、そんくらいが一番生々しいんだって…なーんて、それこそ"記憶に無い子に妬くほどベタ惚れです"って惚気てるようなモンだけど。ベタ惚れだからリビングだろうがベッドだろうが何処でも行っちゃう。（ 甘い笑みと言葉に勢いを失い、参ったとばかりにからりと苦笑浮かべた所へキスを受ければ自然と相手に手を伸ばし。しかし仕返しの前に立ち去られると額とやり場の無い浮かれ心地を抑え、リビングに向かい早々に冷房つけて ）

生々しいの何か幾らでもあるよ…本当にね。まァ其れの裏返しってなら好きなだけ妬けば良い、払拭してあげるから…＿そんなベタ惚れなあんたにツケ回されたんだけど（　徐々に失速し苦笑う面差しを後に向きざま捉え、満悦気な心境なれば部屋へ入り際に小生意気だが本音告げ。定位置に荷物置いてリビングへ行くと冷風が肌を掠め、涼しさに少し細めた双眸で相手を見つつ先刻の話題を引き継ぐ物言いをして　）

…そうそう、餅焼いてる暇があんならそっち返済してかないとな。どうにかこうにか健康生活ウィークも終わった事だし…とりあえず、昨日だか一昨日だかの分。で、後は──何処に返そうか？（ 背中へ聞こえた声を"男前"と冷やかしつつ、一層温もる体にシャツを揺らして冷風取り込み。襟ぐりに指を引っかけたまま相手を出迎え、覚えていてくれたらしい口ぶりに表情緩めては歩み寄って両頬挟み、至極嬉しそうに唇重ね。それでも白む窓外が視界に入ると名残り惜しくも柔く啄むだけで離れ、悪戯に問いながら指先を耳元から首筋へ滑らせるに留め ）

（ 日がな一日相手の体温が残るベッドで惰眠を貪り、ようやく起き出すと寝癖にTシャツ姿のまま暇潰しの家事手伝いに勤しんで。真新しいシーツに覆われたベッドを楽しげに写真に収めては『一括払い①、連日お疲れ様な芳樹くんの為に寝具にこだわったりこだわらなかったり。お値段以上のオプション付きだから、用事が済んだらなる早で帰っておいで』と願望混じりのメールに添えて送信し ）

(　睡気から其の儘無し崩し的にベッドへ行く事になった昨晩が心残りとなりつつ、会社を出れば携帯取出し。届いたメールと写真を見、少し表情緩ませると『一括払いのベッドメイキングをお疲れ様、礼は直接言うとして寝落ちてばかりで悪いね。約束通り今からなる早で帰るけど眠かったら先寝てて良いよ』何て謝罪の文を返信。自宅に戻り、靴を脱いで上がり込む傍ら控え目に零して　) …＿＿ただいま、春彦さん起きてる？

（ ベッドに胡座をかき、画面上の時刻を気にしつつPCを弄る最中メールが届けば安堵に表情和らげ。昨夜の無防備な寝顔を思いつつ『その点はご心配無く。むしろ好き勝手愛でられてラッキー、』身も蓋もない文章を練る間に鍵の開く音が聞こえると一括削除し、誘い込むように寝室から労いの声をかけ ）──起きてる起きてる、がっつり寝溜めしといたから。芳樹くんこそ目ぇ開いてる？草臥れすぎて半分寝てない？

(　寝室から返る声に引き寄せられる儘に覗き、ベッドの上で胡座かく相手を認めては喜色に目細め。まんまと相手の元へ歩み寄りながら憚りから心持ち肩竦めて述べ、ベッド縁に腰下ろして　）…其れは其れでどうなのかと思うけどね。ん、平気…って言った所で近頃の行い的に信憑性無いし。眠くなってる態にしとこうか。

そのテイで賛成。実際頭だけギンギンに冴えまくってる説あるしね、頭脳明晰すぎる故に──じゃ、今日はとことん安眠コースで行こうぜ。（ 尤もな指摘は緩んだ笑みで聞き流し、閉じたPCを脇に退けてから腰下ろす相手に寄っていき。身を案じながらも提案に合わせて笑顔に含み持たせ、相手の服へ触れては"はい、バンザイ"と唐突に促して ）

其れもありそうだ、でも単に寝付きが良くなって前より眠気が来る様になったんでしょ……分かったけど何すんの。（　緩む笑顔で流さんとする様子に近寄る際、頭を小突き窘めるが其れで済ませ。賛同した事に礼添え、含み笑う相手へ返しつつ徐に触れた掌を見下ろす目を唐突な促しに丸くし、訝し気な面持向け問うも両手上げ従いはして　）

そりゃあ何よりだわ、本当。いつでも寝ちゃって良いからね、と……だから安眠コースよ、安眠コース。おやすみからおはようまで至れり尽くせりするっていう。ほら、一括払い①。（ 得意げな声音を作って澄まし、問いに答える前に付け足しては腕上げる相手の服を脱がせて。そのままでいろと片手で示せば洗濯済ませた着替えを被せ、引っかかりながらも無事に着せると乱れた髪を撫でつつしたり顔で人差し指立て ）

有難いけど只でさえ無い時間が更に減ると思うと有難くないね。まァ…うん、御言葉には甘えとく……御世話の間違いじゃないか、此れ。（　澄ますが如く得意気な声音での語りへ聞き入る片や、途中閊えながらも着替えさせられれば柔軟剤の匂いも相俟って頬緩め。髪を直す様に撫でる掌に何となく頭傾け安穏と呟き、食指立てる其の顔見遣ればふと"…1って事は2もあるのかな"と尋ね　）

平気平気、君に意識が無いってだけで甘ーい時間過ごしてるから。証拠のスタンプでも押しとこうか。…そうそう、最大7まで伸びるね。先週は世話になりっぱなしだったんで、今週はその返済ウィークって訳。（ 為すがまま穏やかに従う姿へ庇護欲唆られ、預けられた頭部と頬を一纏めに撫でるように掌で包み。指の腹で黒子をなぞりさも見惚れている様子で図星をはぐらかし、"出た名探偵"と質問にのみ肩揺らしては語り終えると同時に額へ口付け、寝かせようと枕叩いて ）

僕が割に合わない、其のスタンプだってどうせ見えない場所になんだろう…？＿＿ん…成る程、互いに世話する方が良いタイプだと困り物だね。まァそう言う事なら付き合ってあげるよ（　髪をすり抜け、頬を滑る掌に表情緩めた儘やや睫毛を伏せ。心地好い指の感触にいなしは見逃し、肩揺らす相手から語り終に口付け受け、擽ったそうに声漏れつつ納得し承諾すると枕を叩く動作認め。然程悩む事無く其の首を抱いて相手ごと寝転び、額同士をくっ付け告げ足しては手を外し背中に抱着く体勢へ直してから眠りに入って　）ただ記憶が正しければ一括払いの支払い方法は僕が決めて良いって、あんた前に言ってたし…その7の内、1つは此方に分けて貰うよ。じゃあお休み春彦さん、夜更けから朝方まで付き合ってくれて有難う。…此れは蹴って構わないから寝て。

…消えてるか。（　クライアントとの打ち合わせで訪れた他社内の手洗所にて、手洗い終え水気を取った後に携帯取出しては『お疲れ様、悪いけど今日も遅くなる。後、言いそびれたら困るし先に伝えとくと今月は遅くなる時は本当に遅くなるので、基本的に帰宅は0時回ると思っといて。成るべく連絡は入れる様にはするから向こうに顔出すなり自由に過ごして、眠かったら無理せず寝てて構わないよ。じゃあまた後程』と報告染みた文を手早く打って送信。其の儘懐に戻し、ふと前方の鏡に目が行けば顔を横に向け髪払って耳裏を見る様に捲り。痕のあった其処に小さく呟き、少しの間眺めるも手外すと気持切替え仕事に戻って　）

（ 持ち込んだ本を本棚の上へ脇へと詰み、ついでに始めた読書が一区切りついた所でメールに気付けば文面と時計を見比べて『芳樹くんこそ今日も一日お疲れ様、ついでに諸々了解。既に寝て遊んで煙草吹かして家主より自由満喫してるんでそこんとこはお任せあれ。今月一杯は金麦の代わりにリポD冷やして待ってるよ』帰宅を予想して短く押さえた返信綴り『p.s.草臥れたら婚約指輪見て元気出すってのがおススメ』寝静まった相手の薬指の付け根、その掌側にひっそり残した痕へ思い出し笑い浮かべつつ送信し ）

＿＿ぁ… (　既に帰路着き、自宅前で衣嚢の携帯震えれば手に取って操作し。エレベーターを待つ傍らメールを読むと添わる追伸に目を見張り、スマホを右手に持ち替え掌を確認しては確かに残る朱痕に微かな声が漏れて。まるで心の内を読んだ様な悪戯に幸せそうに目許緩めつつ『元気出たからリポDは結構、それより出迎えてよ』とだけ返し、程無く到着した自部屋をカードキーで解錠して中を伺うよう扉開け　)

（ 次いだメールで相手の到着を察し、スマホはそのままに立ち上がると満悦に緩んだ頬を叩き整えてから玄関へ向かって。靴を履く寸前に扉が開けばやや面食らいつつ直したばかりの表情を嬉々と崩し、荷物を受け取るべく恭しく片手差し出して ）──お、今しがたメール来たばっかりだってのにスピーディーな帰宅だねえ、例のスタンプが効いたかな。改めてマジでお疲れ様、ダーリン。

ん、効いたし直ぐ其処で打ったからね…そう言うあんたこそ、今し方にも関わらずスピーディーに待機してるじゃないか。ん…Hi、honey。出迎えどうも（　覗いた玄関前に相手の姿を見捉え、後ろ手でドア閉め。嬉々と崩す相好へ些か温和な声で述べつつ、恭しい所作で手差出されては悪戯心の儘荷物では無く己の手を置き。其の儘握り、足のみで器用に靴を脱いでは床に足裏付け　）

そりゃあまあ…一日頑張ってきたダーリンを出迎えんのは良き妻の務めだからね、知らねえけど──はいはい旦那様、お疲れでしょうしとりあえず此方へ。がっつり癒して差し上げますので、多分。（ 過保護めいた言葉が口をつく前に適当な冗句を並べ、流暢な英語と共に握られる手を見下ろせば目を丸めた後愉快げに細め。相手が家に上がったタイミングでその手の甲へ口付け"今日はこの路線で行くか"と呟く思いつきのまま緩く引き、低い声故か妻というより執事のような調子で寝室へ誘い ）

そう、確かに僕的に出迎えの重要性は高いし…間違いじゃないかな。＿…ッ、何…今日は淑やかな妻路線にするの。別に何でも良いけど予防線張るのは頂けないな、仮にも癒す気あるんなら（　冗句を聞き可笑しそうに口許緩めれば、細まる目をへ視線合わせ暗に務め同意し。甲に口付けられ擽ったく肩震わせ一笑し、呟き含め低く耳触りの好い声調での言葉を拾いながら誘い受けて寝室へ入りベッド前まで来ると"先寝っ転がって"目で訴えて　）

へえ、ちょっと意外──っつーか言ってくれりゃあ出迎えでもお迎えでも何処だってやってのけんのに。…ほら、全力出す前にコロッと寝ちゃうフラグあるだろ？芳樹くん想いの俺としちゃそっちのが有り難いんだけど、しばらく残業アンド残業な訳だし。（ 良い情報を得たとばかりに弧を描く唇から先程隠した過保護を覗かせ、片手でハンドル扱うような仕草を見せて。ベッドの前で立ち止まると視線を隠すように額へキスを落とし、ようやくベッドへ寝転がっては"眠けりゃこのまま寝ちゃいなよ"と釘刺し誘うように繋いだままの手を広げ ）

言ったらそう言うと思ったから…別に玄関から迎えてくれる位で十分＿＿…今の、そう言う前置きじゃなかった様な気がしたから言ったのだけど。まァでも其のフラグは回収しかけてるし、また寝落ちる前に此処はあんたの御気遣いに甘えとくよ。（　相手の動作共々、予想の範囲内での返答認めては緩めた表情は其の儘に睫毛伏せ静に述べ。額にもキスを施され多幸感に満ち、安らぎから眠気が来ると丁度手は離さず横たわった相手から釘刺し受けて。拡げられた両腕に双眸細めつつ浅く頷いてからベッドに乗り上げ、返事の傍ら其の前髪を梳く様に撫でた後唇に軽く口付けると手繋いだ状態で隣に寝転び。其れから訥々と呟き、何時もの様に抱き締めては就寝し　）じゃあお休み、春彦さん…今日もこんな時間まで付き合って貰ってどうも。此方は蹴って良いから寝て。

（ 一足先にシャワーを借り、濡れた髪のまま原稿の続きに取り掛かるも早々に寝入ってしまった明け方の消化不良が尾を引いて集中欠き。諦めて携帯とショートピース片手にサンダルをつっかけては階下まで降りていき、夜道に相手の影が無い事を確かめるとマンション側の花壇に腰掛け、顔扇ぎつつ口寂しさを煙草で誤魔化し ）…あの子が先か熱中症が先かって奴だな、これは。

（　会社から車で直帰し駐車場で降り、説錠した車のキーを連絡し忘れた為携帯に持ち替えながら入口へ向うと遠目に花壇にぽつねんと座る人影を認め。珍しいな、と歩みを少し遅め見遣るも持ち前の視力で直ぐ其れが恋人だと分かれば驚きも割に懸念で顰めた面作り。スマホを懐に戻す片や、淡白な冗談零しつつ其方へ近寄って　）……とうとう待つのに耐え兼ねて仕舞ったかな。って言うか何時から居たの？

…いいや、ただの気分転換。クリエイティブ職特有の。ついでに玄関で出迎えてくれってリクエストを叶えようかと…はいよ、おかえりとお疲れ様の一服。（ 数本目のショートピースを灰皿へ押し込む寸前、足音のする暗がりへ人相悪く目を凝らせば冗句携え現れた相手に眼差し緩め。問いへの回答代わりに吸い殻見せつつ立ち上がり、涼しい顔で惚けるもつい視線は唇に落ち、誤魔化しがてら指に挟んだまま短い煙草をあてがって ）

…。そう、ベランダで済んでたのにまた急な心変りだね…別に叶えてくれる事自体は良いから次は水持ってってよ＿＿…ん。どうも、春彦さんもお疲れ様 (　凝らした目を緩める相手の前まで来、提示された吸い殻の数に長時間だと悟れば浅く吐息し。腰上げた相手の涼しい面持へ仏頂面向け、だが飽くまで見逃す方針で述べると宛がわれた煙草を見遣り、程無く摘み指の間から抜取り咥えつつ"帰ろ"と目配せしては先に歩き始め　)

ベランダ如きじゃ気ぃ散るようになっちゃってさあ、重症。やっと芳樹くんの苦労が分かったわ…あとはまあ、この頃ベッドインから即爆睡ってパターンばっかで欲求不満ってのも少々。（ 忠告にも生返事で頷けば視線通りに歩き出しながらだらだらと経緯語り、追いついた際に空いた手で相手の片手を取って。心地良い体温を味わうように指を絡めてエレベーターへ乗り、些か満足げに緩めた表情で上昇する間に自戒込めた本音も付け足し ）

何、集中削がれるって…？近い内に自分の家になるのに今更そんな僕の苦労以上の物患って可愛そうに。＿…ふ、珍しく随分とストレートに言うじゃないか。まァ気持ちは分かるよ、僕もあんたの寝顔眺めるの好きだけど…矢っ張り少し、ね。（　背で生返事聞き、手に手が触れては視線を相手へ移して。満足気な笑顔と掌に伝う温もりで此方も緩めば表情戻り、絡む指を握り返すも足された言葉に鼓動跳ね。滲む甘い疼きに煙草片す傍ら口許綻ばせ、指定階に着くなり手を引き部屋に向うと控えた声量で同意しつつ一切顔を合せぬ儘カードキーで解錠し。扉開けて中に踏み込んだ所で虫食いな呟き漏らして　）

ちゃーんと恋人摂取してりゃ平気なんだけどねえ、慢性的にじわじわ削がれてる君とどっちが厄介なんだかね。──そっちこそ珍しいじゃないの、いきなりぶっちゃけてくれるなんて…俺さ、芳樹くんがそういう事言ってくれんのめちゃくちゃ好きよ。ってな訳で丸ごと聞かせてよ、おやすみ代わりに。（ 解ける仏頂面を充足した心地で眺め、上機嫌な子供のように引かれる手を揺らして部屋へと向かうも同意の言葉に戯れを止め。罪悪感とは異なる後ろ暗い感情に昂ぶれば吊り上がる唇でぽつりと打ち明け、もう一方の手を背けられた顔に伸ばすと頬撫でるように此方を向かせ。欲するまま一度口付けては吐息が触れる距離で微熱滲む双眸細め ）

おや、遠回しに会社へ対するクレームかな…そう言うのって遅いか早いかの違いなだけで何方も何方なんじゃないの。＿＿あんたと同じで気分、……。 (　相手の子供っぽい仕草に気緩んでいたも束の間、閉扉音と共に響いた言葉に冷淡に返そうとするも艶めく声音での甘い告白に心臓掴まれ。痺れる様な感覚に沈黙し、頬なぞる長指に振り向く儘唇重なっては絡めた指先が少し力んで。水音立て離れた唇に吐息が掛かり、微熱孕む双瞳に情慾滾る切迫感に憫笑に似た翳る微笑見せ。湿り気帯びた髪に手差入れて後頭部を引寄せ、薄く開いた唇で"嫌だ"形作ると深く重ね合わせて　)

(　勤務の隙間時間に『お疲れ様。御免、今日は何時帰れるか分からないから待たずに寝て。それじゃあ早い上に文面になるけど、お休み春彦さん』短なメール送り。打った相手の名に寂寥感苛み、自ずと薬指の付け根を触れば溜息を逃がし振払う様PCに向き直って　)

（ 食事を兼ねた打ち合わせを終え、帰路に着く途中メールに気付けばばつの悪さからくしゃりと髪を掻き『オッケー、今度こそしっかり寝溜めしとくよ。遅くなったら過保護な彼氏が安眠できるように道中気をつけて、どうぞ。じゃ、もう一頑張り応援してます』ひとまず簡潔に返し、歩みを再開すると途中コンビニに立ち寄ってからマンションまで戻り。挨拶も無く部屋に上がっては鞄からメモとペン取り出し、その場で書き連ねたそれに栄養ドリンクを添えて玄関先に並べてから溜め息残して浴室へ向かい ）


『芳樹くんへ、おかえりアンドお疲れ様。それから何より、君にあんな事言わせて早々寝落ちてごめん。煮るなり焼くなりビンタするなり…何ならデコに絵描くなりしてくれちゃっても良いから、明日ちゃんと謝れるまでそれで一旦許しといてくれると助かる。
無論それ＋リポDでチャラって訳じゃないんで週末か、君の都合の良い日にでもガツンと埋め合わせさせてちょうだい。そろそろ街に繰り出しても良い頃合いだろうし、多分。それじゃあ明日に備えてゆっくりおやすみ、今日も一日頑張りました。春彦より花丸を込めて。』

(　相手宛の返信に後押しされつつ何とか泊りは防ぎ、重い疲労感を引き摺って静に帰宅すると玄関口に置かれた諸々見付け。両方拾い上げ労いに目細ませて読めば折り畳み『ただいまと色々御親切にどうも、許すも何も寝落ちはお互い様だし不問。ただ煮ても焼いても良いってのは魅力的だから其処は採用させて貰うよ。一先ず、勿論あんたの私用優先だけど週末全部使って返しな』と其の裏面にペン走らせリビングのテーブルに残し、リポDは冷蔵庫へ収め明日に回しては億劫ながらもシャワーを浴びに行き。髪の水気取り、漸く恋人が眠るベッドへ着けば安堵に心安する儘額に唇寄せて。相手に擦り寄るが如く布団潜り込み、くっ付いては丸くなり　)

（ 夏物の着替え片手に喫煙所を通り過ぎ、マンションへ向かう途中前方に恋人の背中を見つければ鼓動と足取りが早まって。ポケットに入れたままのメモが音を立てないよう極力静かに歩み寄り、湧き上がる笑みを噛み殺しつつ驚かせるようにその肩を叩くと背後から悪ぶった声調で囁き ）──こんな時間に一人歩きしちゃ駄目だろ、色白美人な兄ちゃんが。悪ーい大人に攫われちゃったらどうすんの。

(　連日の疲労故に鈍い歩みで道中、仕事の連絡確認し終えた携帯懐へ戻してれば不意に肩叩かれ。驚きに身体が硬直する儘足を止め、悪者染みた囁きを聞くと同時に振り返ると目前の相手に瞠目して。然し其れも刹那、胸中に恋しさ押寄せ肩に頭を押付けては深めの吐息混じりに何とも雑な返答し　) …あぁうん…春彦さんが来てくれたし、もう心配無いでしょ。

おっと…流石の芳樹くんも充電切れかね、今週はいつにも増して頑張ったもんなあ。そんな君を差し置いてグースカ爆睡して悪かったよ、本当に。（ 悪戯な眼差しで見つめ返すも相手が凭れてくれば受け止め、労りを込めてぽんぽんと頭を撫でて。そのまま抱き締めたい衝動を眉根寄せ戒め代わりの謝罪で堪え、暫く煙草の香りに浸った後片手を差し出すと"勿論、全力でボディーガードするとも"と疲労滲む相手に合わせて声量落とし ）

…まァ最近は緩かった分、少し反動が大きいだけだよ。＿…別に気にして無い、其れにあんたがちゃんと帰って来てくれたから僕は十分に睡眠取れたしね (　柔く乗せられる掌の心地好さに目伏せては少しの間安堵感に浸り、相手の落着いた抑揚を聞きつつ外と言う事もあり頭離し姿勢戻して。謝罪に対し穏やかに返し、言葉と共に差出された手を見た目細め、微笑んだ面持で頷くと指を絡め自宅に向かい　)

…あぁ、また丸っこくなって寝てたろ、多分。あれじゃ充電になんないからノーカン。そのへん諸々考慮して今週末は家デートにしとこうか──ツケも大胆に払えるし、ねえ。こんだけ溜まってりゃ煮るなり焼くなり炒めるなり思うがままよ。（ 細い指を握りながら返答にふと思い出すと持論述べて首を振り、たどり着いたエントランスからエレベーターへ移動する間に僅かな思案の沈黙を取って。11階のボタンを押す頃には結論伝え、痕の消えた耳裏をさりげなく確かめつつ楽しげに煽るように囁いて ）

…ふ、何で充電出来てるかの匙加減があんたに握られてるんだか＿＿良いよ、どうせ今月は忙殺されて外出れる程の時間も体力も無くなりそうだしね。ん、確りメモを見て貰えてる様で…其れは好都合だ、だったらツケ払いの為に土日は全部僕に寄越して貰う…あんたに会えなかった分。（　首振った相手に緩い笑声と呟き零しては手握った儘でマンションに入り、エレベーター内でされた結論に表情緩め。耳裏を擽る様な囁きに今度は鼓動高鳴って、小生意気な台詞も擽ったげに述べつつ降り。着いた部屋の鍵開けて入室果たすなり繋ぐ手を引いて抱き締め、首に顔を埋める様に相手の匂いや体温を貪り充足感心満ちれば眠気が回り始め"眠い"と小さく付言して　）

了解、そんじゃ俺も今月は癒し系路線で行くわ。放っとくとすぐ無理しちゃう彼氏の体力ゲージ握っとかないと。──そりゃもう当然、今週も来週も皆君のモンだって。そうと決まれば今日はサクッと寝とこうか、土日エンジョイする為に。（ 入室し靴を脱いだ側から抱きしめられれば燻ったままの感情が熱を持ち、背中へ腕を回し引き寄せながらも疲労の色濃く凭れる相手にそれ以上手は出せず。やがて付け足された一言に最もだと苦笑しては簡潔に話を纏め、足元に荷物を置くと"そのまま掴まってな"と頼んでから無理矢理相手を抱え上げ。寝室まで運びベッドへ寝かせると先日のように軽く着替えさせ、仕上げとばかりに口付けて自身も横になり ）──久々でも運べるモンだな、君が激務で痩せたってオチじゃない事を祈っとくよ…シャワーは朝まで我慢してもらうとして、ひとまずおやすみ芳樹くん。返事要らねえからただただゆっくり寝てちょうだい。草臥れてるとこありがとうね。

（ 腕の中で眠る相手に手を伸ばしかけるも思い留まり、指先で一撫でしただけで起こさないようベッドを抜け出し。シャワーを済ませリビングへ移ればアイスコーヒー片手に相手の定位置に腰下ろし、ややあって昨夜の会話を思い出すと開いたばかりのPCを閉じ机の隅に置いやって。結局読みかけの本を拝借しつつ恋人の起床待ち ）

(　甲斐甲斐しく寝かし付けられる儘意識飛び、軈て己を撫でる感触を夢見半分で甘受したのを繋に何時の間にか消えた温もりと遠くから水音聞こえて来れば徐々に覚醒し。何度か微睡んでは起きるを繰返し漸く起床出来ては倦怠感苛む鈍い頭を片手で抑えつつ、壁伝って歩き水を飲みにリビングへ眉寄せた傍目には不機嫌な顔出して　)

おはよう芳樹くん、良い朝──…じゃねえな、どう見ても。大丈夫？湿気で頭やられてる感じ？（ 緩やかな足音が近づいてくれば本を閉じてにこやかに振り返り、そこに立つ不調の色濃い様子につい"うわ"と声を上げ。早く座れとばかりにソファ叩き、自身はさっさと立ち上がるとひとまず水でも用意しようとキッチンへ歩いて行き ）

…おはよ…いや、そう言うんじゃ無いけど…＿＿御免、取り敢えず水くれないかな。（　朗らかな声音に其処で初めて存在に気付き顔を上げ、見合せると僅に眉の皺が解き掠れ声で挨拶し。だが心配に立つ相手認め、瞬きの後否定しようとするも頭回らず。早々に口を畳み、鈍々とソファまで歩き腰落とせば背凭れに頭預けつつ水を求めて　）

──はいよ、愛情たっぷりの水。おかわりあるからガブガブ飲んどきなよ。熱…は無えな、オッケー。（ 切れの悪い口ぶりに心配が増せば茶化す事もなくグラスにミネラルウォーターを注ぎ。ぐったりとする相手の隣へ足音も控えめに戻り、その手にグラスを持たせては念を押すように自分の手も添えたままもう一方の掌を額に当て、ついでに寝乱れた髪を直して ）

有難う、…って…ふは、熱何かある訳無いよ。＿＿単に寝起きが悪いから怠かっただけ、少しすれば治るし心配する程の事じゃない。（　控えた動作で隣に座る相手から心配の声とグラスを受取れば礼述べ、緩慢と頭を起こし。重なる手の促しの儘一口飲むも額で熱を測られた所で遂に可笑しそうに肩揺れ。其れでも手櫛で髪直される心地好さに暫く身を任せ、水を嚥下しつつ意識がしゃんとして来れば今度は明瞭な声で説明して　）

それならそうと…いや、言えなかったんだっけか。相変わらずえげつない低血圧だよねえ、そんなんじゃ学生時代大変だったろ。（ 細い肩が揺れれば安堵と照れ臭さにつられて笑声漏らし、グラスから手を離し水を飲む姿を見届けて。声がはっきりしてくるのを確かめてから己も自分のコーヒーに手を伸ばし、唇をつけたまま想像しては我が事のように苦い表情浮かべ ）

悪いね…まァ僕としては、あんたの中々見れない姿を堪能出来て良かったかな。…いや？そうでも無いよ、学校は車で通学していたし。（　漸く笑顔を見られ安堵得て眦緩めるも、其の表情に調子が戻った事で悪戯心擽られ揶揄い。相手の声に耳傾けつつ飲み干し、グラスを卓上置き前屈みの儘其方へ振り向くと苦い顔捉え。優しさに心和めば寄添いたくなり淡々と答える傍ら、徐に上半身を傾けると相手の腿に頭乗せて　）

本当柄にも無いってレベルじゃねえよ、誰かさんの母性が移ったかなあ……お、さりげないVIP発言。いいのかね、良いとこの坊ちゃんがこんな無防備で。（ 揶揄に目を逸らしコーヒーを飲み干せば仕返しがてら軽口挟み。横になる相手へ瞳丸めつつ、頭がずり落ちないよう触れながらそろりと腕を伸ばしてグラス置き。改めて自由になった指で柔らかな髪を弄び、茶化す言葉に合わせてその指先を唇へ滑らせて ）

其の台詞は何方かと言えば僕の方なんだけどね。…ふ、御節介焼きが何か言ってる…＿＿良いんだよ、VIPって程でも無いから。日本と違って国面積の広い向こうじゃ車通学は主流でしょ…。 (　目の逸れた相手に満悦感で口許緩め、返答に片眉上げるも微笑保った儘太太しく流して見せ。己を落さぬ為に頭を抑える掌が嬉しく、細めた双眸で下から相手の表情伺いつつ夢心地な心境で弄ぶ指を某受すれば唇に移動した其れに吐息が触れる様に囁き　）

何、男やもめのせいでどんどんママになってくって？…俺ん中じゃどうにも深窓のイケメンってイメージなんだけどなあ。ま、だからこそ真っ黄っ黄のスクールバスに揺られてるよりかは車のがしっくりくるけども、ね。（ 凛と受け流す様が美しくも可笑しく喉奥で笑いを押し殺し、此方も悠々と弧を描いた唇で聞き返して。指先から吐息と共にぞくりと熱が這い上がり、無意識に双眸細めては他愛ない会話の傍ら普段舌で触れるような動きで際や縁を緩く撫で。それでも最後には戯れに収めようと下唇をくいとつまんで ）

せめて主夫にしろって言ってるでしょうが、大体何で直ぐ其方の方向に飛躍すんの…＿相変わらず僕のイメージ昇華されてる様で。まァ態々乗る事も無かったしね……あんたは？どんな風に過ごしてたの、学生時代 (　悠々と訊き返す相手のママ部分に矢張り不服気な反応すれば表情も若干顰めて。切れ長な双眸が初月を作る様を見惚れ、キスを彷彿とさせる様な指遣いに息が詰まると共に情動高まり。然し突如唇を摘ままれ戯れに収められては僅にむっとし手首掴んで引き剥がす片や、逡巡した後徐ながら少しずらした尋ねを返して　）

いやー怖いね、刷り込みってのは。とんと顔出してないのに芳樹くんイコールママの図式は色褪せないんだから。…あれだ、好きな子にゃフィルターかけちゃうのが男の性──……あぁ、文武両道才色兼備で通ってたよ、ご想像の通り。芳樹少年とはさぞお似合いのカップルだったろうなあ。（ ようやく端正な表情が乱れれば悪童じみた達成感で得意げに唇歪ませ、白々しくも喫煙所へと責任転換して。一連の反応を愉快な心地で見下ろしながら剥がされまいと形だけ争うも、意外な問いに目を丸めては無駄口と抵抗止め逡巡し。やがて胡散臭く語り出し、果ては口説くように掴まれた手をするりと握ってみせ ）

刷り込みと言うか、妙な団結力発揮したあんた達が布教したからだろうに…其れならもう少しマシな色眼鏡掛けて欲しい物だよ。……ふふ、優秀だったんだ。そうだね、子供時代でも多分あんたに惚れるだろうから…そしたら今の道も外れて、似合いのカップル所か全然違う風になってるんじゃないかな（　悪戯っ子の様なしたり顔で責任転換し出す相手に、最早諦め過ぎ呆れた声音で呟けば軽く肩竦ませて見せ。抵抗する手に負けじと引くも、其の動きが止まれば此方も止めて言葉を待ち。軈て口説き含む口上に控め目な笑声零し、指を固く絡めて甲に唇寄せつつ有り得もしない事に想像巡らせる儘紡いでは緩りと目を伏せて　）

どんだけ布教しようがしっくり来なけりゃ広まんねえのよ、ひとえに君の人情の賜物。…マジで？あんなんにハマるっつー事はよっぽどピュアな子なのかね、芳樹少年は。で、その子次第じゃ＊＊とツッコミが真逆だった可能性も──あー、駄目、徹夜で延々語れるわ。（ 呟きを上書きするように堂々と口八丁並べ、最後のみ微笑ましげな本音添え。手の甲へのキスも相まって不覚にも絵空事に胸が高鳴り、緩む顔を逸らしつつ好奇心に言葉弾ませて。相手が語るまま想像を膨らませるも視線戻せば伏せられた目に気づき、眠気故と受け止って"そろそろ休もうか"と囁いてみて ）

人情、ね…まァ無いよりは良いから別に反論唱えたりはしないけども。残念ながら天真爛漫とは真逆な子供だけどあんたがあんたである以上、僕は好きになるよ。…そんなピンポイントで変わんの…？後、言ってもう徹夜所か朝（　並ぶ御託に緩く手を払って遇らうも最後の付言に遠回しだが妥協して。相手が身動ぐ気配感じつつ、目を伏せた事で余裕生じ静な声調で断言すれば閑話休題とばかりに好奇心で弾む声へ対し緩い指摘を入れ。囁きに漸く目を開けると名残惜しくも頷いた頭を腿から上げ、立ち上がる傍ら白む空を横目で見遣り"…今日、1回シャワー浴びに起きた以外何もして無いな"と小さくぼやけば以前繋いだ手を引き、申し訳無さそうな眼差しを相手に向け　) あんたに無駄な心配掛けたし色々と御免…明日って言うか起きた時には調子戻ってるだろうから其れで免除して貰えると有難いかな。此方は蹴って良いから兎に角あんたも身を休ませて。それじゃあ1足先ながらもお休み、春彦さん…久々にこんなゆっくり長時間話せて嬉しかったよ。

ありがとう、ついでに無いよりマシってレベルを軽ーく超えてる良い子ってのも覚えといてくれると助かる。…まさかパラレル芳樹くんから告られるとは。ぐうの音も出ないけどね、俺だってどのタイミングで出会おうが追っかけやってる自信あるわ…で、がっつきすぎて最低一回は振られてそう。（ 妥協に嬉々と表情緩めては本人へ向かって惚気じみた賞賛まで付け足して。静かに言い切られる告白が胸を揺さぶり、切り替えられた話題にも着いて行けずに吐息零すと弱ったような照れ笑い浮かべ。おどけた言い回しで取り繕い、ようやくどうにか平静に近づいては相手に続いて立ち上がり、向けられる眼差しに緩く首傾げ。やがてその意味に気付き寝室への道中打ち明けると挨拶代わりに口付け、手を繋いだままベッドへと連れ込んで ）──正直好きだからさ、あれこれ君の心配すんの。弱ってるとこ見せてくれんのは俺くらいなモンだって自惚れられるしね…っつー訳でご褒美みたいな一日をありがとう、おはようからおやすみまで膝枕でゴロゴロなんざ全男子の夢よ。芳樹くんこそゆっくり休んで日曜エンジョイしてちょうだい。そんじゃ一旦おやすみ、また後で。

(　黎明頃に交わされた言葉とキスで満ちる多幸感を抱えて微睡んだ意識が浮き、先に目覚めては隣で眠る其の寝顔を眺めて。起こさぬ様髪へ唇寄せてから低い血圧に半睡半醒ながらもベッドを抜け出し、シャワー含め身支度を整えて軽い家事を済ませると時間の頃合いも良く相手の起床を待つ傍らキッチンに立ち　)

おは──……あれ、早速主夫やってくれてんの？たまの日曜くらいゆっくりしてりゃ良いのに、あんま頑張るとヒモ見習いの立つ瀬が無えよ。（ カーテン越しの強い日差しに自然と目覚め、部屋着の袖を捲りながらリビングへ向かえば片付いた部屋をゆるりと見回し。次いでキッチンに立つ恋人を見つけると相手らしいと苦笑しつつ連日の疲労を思い、諌めるように肩を叩いて ）

やれる時にやらないと溜まるんでね、其れに最近全然作れてなかったし…昨日の慰労の礼代わりには丁度良いかなと。ただそう泣き寝入られても嫌だから仕事をあげようか（　リビングに軈て苦笑湛える相手に"お早う"と先ず挨拶し、己の肩叩いて諌める言葉受けては淡白に返すも目許緩め。さも致し方無しと言った態で付け加え、作り終えたトマトのコンソメスープ、ハムエッグとポテトサラダを其々皿に盛った物を盆ごと差し出して　）

えー、昨日今日は俺の返済期間じゃなかったっけ。こんだけツケ貯めさせて何やらせる気なんだかねえ、皿洗い？（ やる気なく不満げな声を装うも出来たての食事に表情は華やぎ、"これで済むと思うなよ"等とやたら偉ぶった釘を刺しつつ盆を受け取って。自身の分をテーブルへ置き、再度キッチンに戻ると相手の食事も同じく運んでから腰を下ろし手招いて ）

逆に聞くけど、そんなので済ませて良いの…？…まァ大人しくしてなよ。少なくとも皿洗い何かよりは余程楽しい事させるから（　不満の声零す相手の華やぐ表情見逃さず、胸に滲む喜色から傲然な釘刺しも"はいはい"等と不遜な対応し。料理を運ぶ姿を横目に2人分の茶碗に白米よそい、箸と共に其れ等を持って相手の元へ行けば並べてから悪戯な瞳で匂わせな言葉重ねつつ座って　）

良くないね、まあ皿は洗うけども。洗うっつーか入れるけども。とりあえず言う事聞いて楽しく食卓囲んどこうか……久々すぎて美味さも一入だわ、ビール飲みたい。（ 食洗機をセットするジェスチャー交えつつ相手の到着待ち、礼と共に箸を受け取って。そのまま両手合わせポテトサラダへと手を伸ばし、一口頬張れば悪戯な眼差しへの追求より心底からの賞賛が口をつき、噛み締めるように目頭押さえ ）

ん…そうしときな。片付けは容認するから＿＿…其れは何より、久々ながら手を尽くした甲斐があったよ。でも悪いけど今日は酒控えて (　ジェスチャー付きの主張に今回も折れつつ、相手が頬張る姿を見詰めて。程無く芝居掛かった賞賛を貰えば、久々に恋人と食卓に着く事の嬉しさも混じって仄かに頬緩ませて呟き、満悦感に満ちた儘己も手を合わせスープから食べ始めて　)

…酷な事言うねー、何でまた急に。珍しく第三じゃないビールも冷えてんだよ？芳樹くん一週間お疲れ様って名目で奮発した奴。（ 不意の呟きに箸を構えたまま固まり、あからさまに切なげな眼差しを向けるものの穏やかな表情が目に入ると不満も一言で収まり。先のやりとりから薄々意図を予想しつつ、素知らぬ顔で首捻れば再びサラダをつつきながら真意を尋ね ）

其れは勿論、素面で払って貰いたいからだよ。…まァ予想外に嬉しい発言だった訳だけど。兎に角その有難いビールは来週に回して、また週末には御疲れしてるだろうから…ね（　硬直した相手から切な気な視線受け、其の内容も不躾ながら只々愛おしく思えば喉奥鳴らし。緩む一方の心中を抑えるべく首傾げる相手に短い回答で1度収め、白米挟みつつスープからサラダ、ハムエッグの順に食べ進めては漸く相手を見遣り言い聞かせる様な抑揚にて頼んで　）

さてはよっぽど恥ずかしい事させる気だな…ま、愛しの芳樹くんのお願いならしょうがない、酒なんかより何倍も良い思いさせたげよう。ツケに晩飯代もプラスだからなあ、何だって言う事聞いちゃうよ。（ ぼやくような軽口を挟んで此方もハムエッグに手を付け、肴にする事を諦めては白米と共に着々と空腹の胃に収めていき。間を置いて宥められる頃には既に切り替えて手料理を味わっており、スープ片手にすんなり頷けば指折り相手への借り数え、誘惑めいた一言を添えて ）

どうだろうな、何とも言えないから御楽しみと言う事で……＿其れはどうも、あんた何時でも"何だって言う事聞く"だよね…まァ今回は御言葉に甘えるけど。酒が無い分ムードで酔わせてよ（　ぼやきへ眦細めて内緒とばかりに切り、頬張る傍ら頷き相手が容認してくれれば感謝し。指折り数える仕草見捉え、常套句とも言える誘惑に呆れた様な口振りだが緩弛した唇は甘やかな期待を乗せた声音紡ぎ、先に食べ終わっては再び合掌した後相手に任せるべく皿重ねて　）

あぁ、バレた？俺の恋人甘やかし病。そうでも言わなきゃ我が儘言ってくんないからさあ……今日も美味かったよ、星三つ。ありがとね。さて、食った分ちゃーんと働くかな──とりあえず、こっちおいで。（ 目敏い指摘に肩竦め、のらりくらりと言い訳しつつスープを飲み干せば"御馳走"と至極満足そうに手を合わせ。2人分の皿を纏めて片し、キッチンへと立ち上がっては食洗機をセットするまでだらだらと言葉を並べ続けるも、期待込もった注文を思い静かにソファへ戻るとひとまず腕を広げ甘ったるく呼びかけて ）

それ位は分かるよ。で、そうだろうとも思ったから成るべく我儘言わないで今日に取って置いた訳…満足してくれた様で何よりだし、其の心積りも結構だけど…＿＿駄目。春彦さんが此方に来て（　相手の彷徨う言い訳へさらり白状し、満足気な様子に己も満たされ"御粗末様"と安穏に零し。其の儘頬杖を着いて並ぶ言葉の音を静に聞きながらキッチンへ消え、暫時戻った相手がソファに座る迄を見届け。両腕拡げる姿と鼓膜を震わせる甘い声に行きたい衝動抑えるべく緩慢と起てば漸く口を開くも拒否と共に数歩後退し。不敵に薄く微笑み手を差し伸べ、ベッドへ行く事を示唆して　）

…つくづく君のがスマートだから困るよなあ。せいぜい勉強させてもらいますよ…っつーかベッドで良いムードって危ない匂いしかしないんだけど、大丈夫？色々と。（ 肩透かしに目を瞬かせ、離れていく相手にまんまとつられて腰を浮かせては妖艶な笑みへやられたと言いたげな苦笑返し。せめてもの仕返しに触れた手の甲に唇寄せ、寝室へと連れ出って歩く道すがら、相手の仕草や先の白状に浮わついたままの心地を抑える為涼しい顔で茶化し ）

褒め言葉をどうも。気取り過ぎに成らない様にね…＿おや、今更危惧を覚えたの。ただ残念だけどもう何も受付けないよ、そう自分で言い出したんだしね…？（　腰を浮かせた相手の苦笑認めては多少の優越なるも、甲の口付けに擽ったい悦び感じ得ては結局情動燻るだけで。寝室までの僅な距離すら何だかもどかしく、道中茶化す涼しい顔へ不敵さを纏った表情の儘横目で返し。寝室入りベッドに辿り着けば「其の儘ちょっと立ってて」と相手に促して　）

は、実体験に基づいたアドバイスをどうもね。──あー、しくじった。昨日の夜にしとくんだったな…火遊びもほどほどにってだけは言わせてもらうよ、一応。無茶できるほど若くないんだから。（ 身に覚えのある指摘へつい笑声零しつつ何事もなかったように受け流してみせ。冗談ともつかない流し目を受ければ浅ましくも欲が疼き、熱を冷ますように溜め息混じりに独りごち。不可思議な要求を聞き返すことも無くベッドの前に立ち、腰に手を当て尤もらしく相手と己に念押して ）

昨日は僕の方がダウンしてたんだし。別にあんたに否は無いよ…＿分かってる、だから火遊びしなくて済む様に代用が欲しいんだ。薬指のも…耳のも、背中に貰った奴も全部綺麗に消えてるしね（　笑声混じりの受け流しにつられ、綻んだ唇から一笑漏れるも其れ以上は言及せず。悩ましげな溜息と共に落ちた呟きに記憶が過ぎれば罰の悪さから低く返し、其れでも燻る劣情の儘母親が嗜める様なポーズの相手へ悪戯に語り掛けつつ己はベッドに浅く座るとシャツを捲り、その裾を噛んで落ちぬ様にして後ろ手を着き　）

……しくじったなあ、本当……わざとやってるだろ。やらしい子だこと、色んな意味で。そういう子には出血大サービスしてあげようかな、歯型の。（ 目の前で扇情的な光景が出来上がっていく様を呆然と眺め、抗いがたい高揚に眉根を顰めると目元覆いつつ深々ぼやき。それでもゆるりと手を外せばベッドへ誘われ、負け惜しみの悪態にさえ熱を宿らせながら露わになった上体を指先で撫で上げ。人知れず喉を鳴らして片膝付き、引き締まった脇腹に唇寄せるも痕は残さず脅かすように軽く歯を当てて ）

…半々。こうして面積広い方が沢山付けてくれるでしょう＿＿ッ…全く、あんたも人の事言えないよ。其処はあんたの御自由にどうぞ、僕は濃く残る物なら痕でも傷でも構わないから。（　隠されるが寄る眉根に目許だけで笑い、深い声音に頽廃な感情引き出されれば裾噛んだ儘囁き。熱帯びた悪態も肌を伝う指先も己を昂らせるだけで、心拍上がる中、片膝を乗上げた相手の軽く当たる歯の感触に蕩ける様な感覚が込み上げ反射的に身を固くし。眼下の相手へ愉快気な声調零すも焦れに手が伸び、其の首裏を後押しする様に食指でなぞって　）

悪いけど眠気が回って来たし置きにして貰っても良いかな……今日も深夜帰りで反応遅くなってスローペースになるとは思うけど、無理の無い範囲で付き合ってくれると嬉しい。じゃあ反応せずに寝て良いから…お休み春彦さん、明け方まで有難う。土日の殆どをあんたと過ごせて本当に幸せな週末だったよ。

…まあ、お互い欲求不満のおあいこって事でチャラにしとこうぜ。ってな訳でこっちも冗談、痛いのは勘弁って言ってたろ…？せっかくこーんなポーズ取ってくれてんだ、でっかいハートマークでも作ろうかね。（ 強張る肌の感触に一層劣情を煽られつつ視線上げ、相手を巻き添えに冗談めかす事で歯止めをかけては緊張を解くように舌先でなぞり。啄むようなキスの後にほんのりと痕を残し、首裏を滑る指のもどかしさに目を細めながらも柔い口付けばかりを這い上がらせていき、鳩尾まで辿り着くと相手が咥えたシャツをなお捲ろうと内側からたくし上げ ）


事後報告だけれども遠慮なく寝かせてもらったよ、こっちこそ甘ーい週末をありがとね。何だったら平日はこのまんま置きっぱなしでもアリだし、芳樹くんのスケジュールと体力ゲージ最優先で頼むよ。無理禁止なのは君のほうだからそこんとこよろしく。じゃ、例の如くこっちは蹴っちゃって。

……言った、でも直ぐ消えたら代わりにならないんだよ。まァ痛い物は痛いけど…別にそれくらいは耐える。 (　相手の上目に熱籠りつつ、流れ弾にも双眸歪め両者共に皮肉った眼差し向け。だが続く言葉に表情曇らす片や、舌先で優しく撫ぜられ熱く吐息を零し力を抜けば啄み、仄かな朱痕を残す様を見下ろして。胸元まで柔い口付けばかりに焦込む一方で、首裏の手を外し髪へ指絡ませながら不満気に呟き。更に捲られ少し背中をのけ反らせ"駄目、流石に其のハートマークはセンスが無い"等と無愛想に却下して　)

──まーた健気な事言ってくれちゃって……君が今月乗り切ったらさ、お祝いに痛くも痒くもない、そんでもって絶対消えないスペシャルな奴あげるから。耐えるんなら激務に耐えてちょうだいよ。（ 呟きに口付けを止めれば込み上げる感情に耐え兼ね、軽く胸元に頭を預けて。冷やかしも絞り出すような吐息になると暫し自分より遅い鼓動に耳傾け、逡巡の後ぽつりと打ち明けて"それまではこっちで我慢"と捲ったシャツごと肩に力込め押し倒し、愛おしげな笑みで見下ろした相手の鎖骨へ甘噛みのように朱痕刻み。襟で隠れるギリギリのラインまで散らしつつ、片手は痣を愛でるように薄い身体を撫でて ）

そんなの僕自身の為だからね。ひたむきなのは当然だ…＿＿本当…？それ。何だかんだ我儘通さずに、耐えれるだけ耐えろって御預けしといて無しとかだったら酷いからな…、ッ (　胸元に埋まる相手の息を含む弱々しい声を聞けば、直接肌に触れる柔らかい髪の擽ったさも加わり気持ちがざわつき。やや身動ぐ傍ら翳る面持にて可愛気なく言ちるが、打ち明けられた甘い誘惑的な内容に黙り込むと突如視界が反転して。捉えた愛情深い笑顔に訊き返しつつ、優しくなぞる指先と口付けの度に甘噛む様な柔い刺激受けては微かに喉を上下させ。緩やかな息遣い共に表情を仄かに陶酔させ"春彦さん"捲れたシャツに埋れる顎を出し極僅な声で呼んで　)

遅くなって御免…流石にもう寝てるだろうけど、今日も1日お疲れ様。…じゃあお休み春彦さん。此方は蹴って。

芳樹くんも蒸し暑い中お疲れ様、おやすみ──はもうしてるだろうから、今日も一日頑張れって事にしておこうか。無論、バテないレベルで。せっかくの美味しい君…もとい場面なんで返事は目ぇ覚めるまでもうちょい待っといて。そんじゃ、良い一日を。

…本当。俺だって君に関しちゃひたむき気取ってるつもりだし──ぶっちゃけ着けさせたかったしね、ずっと。流石にがっつきすぎだってんで我慢してただけで…まあ、一ヶ月くらい誤差だ、誤差。（ 白い喉元が微かに動けば本能的に引き寄せられ、色がつかない程度に口付け緩く喉仏を噛みながら控えめな言葉で吐露し。それでも執心を隠し切れない言い分に歯切れ悪く語尾を濁し、不意に名前を呼ばれ上げた顔を情欲で微かに歪めて。相手の微かに蕩けたような表情に再び早まる鼓動を感じつつ、独り言で締めればシャツを払うように片手差し入れ頬を包み、応える代わりに些か性急に唇重ね ）

なら良い…約束通り仕事を熟そう。ただ、別にがっついてるだの僕は気にしないし、意地は分かるけどそんな我慢する必要も無いよ＿＿……ねぇ、名前…呼んでよ。さっきみたいな風に (　喉元へのキス受けつつ控えた声量でされた吐露の、濁されて尚滲む心情を聞き入り滔々と悦び得て。快い甘噛みの感触味わう喉を震わせ漸く穏和に承諾し、軈て見合せた歪む婀娜な表情に心掴まれ。徐々に熱を帯びると返事代わりに重なる温かな唇で安堵に似た充足感巡り、瞳を閉ざし両手で頬を包み込んでは其の余韻に陶酔する様に何度か柔く啄み、口を僅に開くも足りぬと先刻の甘い声を反芻し強請って　)

今朝はどうも、まさか起きてるとは思わなかったから普通に驚いた……改めて有難う。あんたからのエールもあって無事帰って来れたから今日も御相手頼みたい。勿論、用があるなら其方を優先して構わないから。其れだけ伝えたかっただけだから此方には返事しなくて良い。

えー……駄目。意地はさておき、しなきゃなんない我慢も出来なくなるから。って言いたいとこだけど男に二言は無えわな──理性ギリギリまで付き合ってよ、芳樹。（ 相手の穏やかな声調とは対照的に腹底へ重怠い熱が溜まるのを自覚しては浅いキスばかりで応え、頬を包む手に己の手を重ねて務めて平静に振る舞い。それを見透かすような提案につい煮え切らない声を上げつつ、結局欲と此方を見上げる相手の愛らしさに負け悪戯っぽくも甘やかに囁いて。再び寄せた三日月型の唇で"口開けて"と促せば先程よりも深く啄み、相手の唇を舌先でなぞって ）


毎度毎度言う事聞けなくて悪いね、うっかり言い忘れてたんで一個だけ。午前様であれこれ長々考えんのも大変だろうからカットは勿論、何なら一日おきでも返事貰えりゃ全然無問題だからさ、草臥れてたらそのまんま寝てちょうだいよ。以上、残業アレルギーな春彦さんからのお願いでした。今日も今日とてお疲れ様、今度こそスルーでよろしく。

＿＿…ん…其れは、少しの触れ合いでも欲しくなってるって事。 (　曖昧な言葉でより熱量持っては暈さず、悦楽に任せて尋ね。だが相手から甘く悪戯に名前囁かれると胸の芯が締付けられ、全身を苛む甘やかな痺れにそんな余裕も無くなれば只"勿論"とうっそり双瞳細ませて。促しの儘添わってない側の手を後頭部へずらし、嫣然と笑む唇に深く啄まれた唇開き表面をなぞる舌先を同じく舌先で絡め取ると咥内へ誘い　)

本当だよ、毎度僕の言葉をシカトしてくれるな…色々と気回してくれてどうも。有難く御言葉には甘えるけど、別にあんたと話せる内は話してたい…って僕の我儘みたいな物だし無理はして無いから平気。寧ろあんたこそ眠かったら寝てよ…じゃあ其方も1日お疲れ様、今週は特に夜更けまで待ってて貰って悪いね。本当に有難う…今度こそ此れは蹴って。

──…ッ…こういう事。しょうがねえよ、悩殺ポーズくらって頭馬鹿んなってんの…芳樹くんもそうだって言ってくれりゃあ、本番NGでも手やら口やら出せんだけど。（ 添えられた手と絡む舌に促されるまま唇の奥へと割り入り、微温い裏側までゆるりと愛撫してはそこにも痕を残すように吸い上げて。問いへの答え代わりに欲求に任せ歯列から上顎の窪みの一つまで尖らせた舌先で執拗に責め立て、相手の表情見たさに一度僅かに顔を離すと細く糸を引く唾液をぺろりと拭い、先程より掠れた声で甘ったれてみせ ）

…は……ッ、…＿＿そう。…残念だけど僕は違う、もっと…ずっと欲しいから手や口を出されたら溜まった物じゃない。だから離したら駄目だよ (　愛撫される儘深く絡ませ、吸付く刺激を過敏に拾うと体を震わせ。じっくりと歯列から上顎擽る動きに火照り始め、脳がぐらつけば相手のを求める様に側面や裏に舌這わせて。混ざる唾液を飲んだ所で唇が離れては切な気な瞳覗かせ、糸を掬う赤色に欲心と共に下腹部が疼けば仄かに紅潮した面持で甘い吐息混じえ答え。再度口付けようと頭部の手を引寄せて　)

…情け容赦無えなあ…覚えてろよ、週末。それこそ一分一秒も離さないからね──とりあえず、今日の所はこれで我慢させといて。（ 煽っているのか諭しているのか曖昧な言葉に甘ったるい息遣いまで添えられればやり場のない焦ったさに眉根寄せ。唆られるばかりの表情から視線逸らし、苦しげに吐き捨ててはどうにか悪戯な笑み浮かべ、素直に唇が触れる距離まで引き寄せられ。しかし徐に首を傾けると相手の首筋に矛先逸らし、抑えきれなかった衝動に任せやんわりと甘く痛む程度に噛み、満悦そうに舌先で歯型をなぞって ）

覚えてるから。其の願ったり叶ったりなの、実行してよ……、ん…ッ＿＿分かってたけど不完全燃焼だな…。 (　眉根を顰めた面持に次ぎ、苦悩的な吐き捨てに悩ましい瞳を1度閉ざしては愛し気な色を視線に宿し。逸れた顔がニヒルな笑みに歪むと見合され、跳ねる鼓動を携え真近で見詰めるも程無く肩透かしを食らえば切なさから心無し眉尻が垂れ。だが首筋に唇触れ、緩くも皮膚に歯が食込む感触に息が詰まり最早音となる返事の片や、此れ以上白熱せぬ様に頬の手も後ろへ滑らせ。其の頭をやや強く抱いて髪に鼻先を埋め、相手の匂いの中で掠れ声零して　)

ねー、完全に生殺しだわ……一服やってスッキリしとく？このまんまじゃ寝るに寝れねえんだけど、ギンギンで。無論、目の話ね。（ "オッケー"と溜め息程に掠れた声で約束交わし、淡い紅色の痕を物足りなげにキスでなぞるも押し留めるように頭を抱かれれば苦笑と共に唇離し。此方も手探りで相手の髪へと触れ、緩く撫でながら耳に残る嬌声を拭い去ろうとなるべく普段通り戯けた声を装って。下卑た冗句も一つ添えては「そんなモン吸ってないでさあ」と髪に密着する相手を見上げようと顔を傾け ）

…悪いね。＿＿だからそう言うから思えて来るんだってば…あんたが吸いたいってなら止めないよ、僕は。此の際だからもう少し困らせはするけど（　艶っぽく乾いた声音での約束に眦細め、柔い口付けが止むと漸く激情鎮まり始めて。髪に触れる掌に撫でられ、心地好さげに目伏せつつ普段の調子に戻る相手の添わる冗句迄聞き。単調に返し続く言葉にも只々髪へ摺り寄り、傾く顔を腕の中に閉込めた儘一瞬思案するが其れも刹那の事で。離れ難さからより腕に力込め思いと矛盾した言葉発し　）

困らせるっつーか……君が困るとは思わない訳、一応飢えた獣よ？俺。下手に可愛い真似してプッツンしたらどうすんの、"煽ったお前が悪い"とか何とか言っちゃって。（ 離れない鼻先へ物申そうとした口も擦り寄ってくる相手の可愛気に負けて閉ざし、大人しく腕の中に収まるもより強く抱かれれば燻ったままの感情が疼き。煙草に逃げる事も叶わず細い黒髪を指先で弄び、平静を装いつつどこか熱っぽさが尾を引く口ぶりで冗談交じりに釘を刺し ）

…別に、特段無いから困ってるって所かな。まァ…今したばかりの約束破るのは不本意だろうし、煽ったらしい責任として刺激しない様努力する。 (　埋まりつつ相手が収まる気配認め、徐々に伝う体温で多幸感滲んでは指で掬う様に後ろ髪撫ぜて。以前指先で髪触れる相手の平静ながらも仄かな熱籠る声聞き、引掛けた揺蕩いに心が波打つ傍ら冗談含む釘刺しへさも淡白に飽くまで離さぬ姿勢示すが少し間を開け思慮分別が無いかと思い直せば"…其れが嫌なら、引き剥がせば良いよ"と小さく付言し　)

相っ変わらずバレバレね、嫌ってのだけは珍しくアテが外れてるけど。…ただまあ、お言葉に甘えて腹は仕舞っといてもらうかな、めちゃくちゃ目の毒。ついでに──（ 冗談めかしても情欲を悟られれば小さく肩を揺らし、付け足された言葉をも笑い飛ばして。一息吐くと肩口に溜まるシャツを引っ張り、下心へ蓋をするべく艶めかしく上下する白い腹と転々と散る痕を大雑把に覆い隠し。完了の証にぽんぽんと軽く叩いてから視線を上へと戻し、腕の中から見上げた相手の唇を人差し指でなぞり"キスできる分だけ剥がれてくんない"と含み笑いで先程し損ねた分を欲し ）

注意喚起しときながら何言ってんの。今のはアテじゃなくて保険だから…おや、保養かと思って仕舞わなかったのに。何て…＿＿…良いよ、ちゃんとしてくれるならね。 (　腕越しに揺れる肩認め、軽やかに一笑に付され杞憂だと悟れば反発の如くシニカルな口上立て。其れでも一息吐いた相手が服を直すのを大人しく受入れ、掌で柔く叩かれる儘其方へ顔ずらすと視線を交錯させ。腕中から射抜かれる視点と、含みある艶笑浮ぶ唇に揺蕩う心は酷く乱れ、縁をなぞる指先も伴い振り返す様な物欲しさに甘く痺れた唇震わせ言葉で返しては漸く力を緩め　)

…昼夜問わず暑い中、今週もお疲れ様。もう既に夜更けだから削るなり短くするなり好きにして構わない…って一応知らせて置くよ。じゃあ此方は蹴って平気。

あくまでたらればっつーテイを装いたかったの……気ぃつけなよ、美味そうな腹晒して食い荒らされても俺知らない。甘ーい春彦さんは来週まで出張行くってよ──こういう路線は今日でおしまい。（ 口上にまんまと本能を刺激され、下腹部のその奥を求めるように軽く乗せていた指をぐっと沈ませつつ仕返しじみた脅しを吐き捨て。それでも他には踏み込まず緩んだ腕から抜け出し、逆に相手の頭部を包むように両手添え真正面から口付けて。軽く触れ合わせ、ゆっくり唇を食みながらも戯れに留めてはその合間に囁いて ）…ま、その分今夜は甘ったるくしとくから。何なら寝ちゃっても良いからね、このまんま。 背中やら何やらは夜のうちにサービスしとくんで。


芳樹くんこそ一週間乗り切って偉い偉い、誇張抜きでお疲れ様。マジで。飛びっきりの頑張ったで賞あげちゃう…って言いたい所なんだけれども、どうにも寝落ちフラグ濃厚なんでそっちは明日のお楽しみって事で頼むわ。上のは削っても蹴っちゃっても良いから何卒よろしく…花の金曜だってのに面目ないね、本当に。そんじゃ一応先におやすみは言っとくよ、君も睡眠欲最優先にしといて。

ふ…また物騒で。……そう、だったら甘くないあんたって奴を堪能するだけだね。お互い食道楽に打ち興じるなら暴食されようが、逆にしようが両成敗で事済むだろう？ (　押し込まれる指に騒ぐ胸を逃がす様、吐息に似た笑声漏らし。其れで済んだ故に脅し文句も口端を上げるだけだが、腕の中から抜け出た相手が己を包むと首裏に回した儘の腕を引寄せ此方からも顔を近付け。正面切って来る相手の唇に見入る間に重なり、唇を食む感触に甘い充足感満たされつつ柔く啄んだ後、合間に囁めかれた言葉も含め飄々と曰えば寝返りを打って横向きになり。相手もベッドに寝転がせては"寝よう"と目配せて　) ＿＿正直、もう十分過ぎる程甘やかされたんだけどな…色々と気遣いどうも。御言葉に甘えさせて貰うけど…背中は見えないから却下って言ってる、だから代わりに添い寝するサービスして欲しいかな。

…、本当だ。 (　激務が後を引き挨拶交わす位で、日中は仕事を片すのに徹して。だが日暮れ過ぎればPCを仕事用の鞄へ仕舞い、夕食を作ろうとキッチンに立ち材料を取りに冷蔵庫の蓋を開けた所でふと或る日の会話思い出し。中を見回す様に覗き、確かにビール缶が確認出来ては胸に拡がる擽ったい喜色に目許が緩む儘、思わず小さく言葉が漏れ出て　)

昨日は誇張抜きの労いをどうも…って言うのと、あんたにどうこう言う前に僕の方が寝落ちてて御免。眠いのに態々書いてくれて有難う、取り敢えず飛び切りの賞をくれるのは了解した…別に無理に起きてる必要は無いし、面目無く思う事もないから。寧ろ寝てくれた方が安心するので、余裕のある範囲で付き合って貰えると嬉しい。
じゃあ言いたい事は此れだけ…お休みは今日言う心算だから一旦保留で、ね。此方は蹴って構わないよ。

あ？──あーそう、紛れもなく本物。ちなみに一個は洋モノね、NY育ちの好みが分かんなかったモンで。好きなほう空けていいからちょっとは脳みそ休めたらどうよ。（ 迎えた週末も職務に励む相手へ時折休憩を促しつつ、ちょっかいを堪えるべくローテーブルに似た色合いの本棚を組み立て着々とリビングの私物化を進め。完成した頃聞こえた声に振り返り、間を置いて意図に気付くと立ち上がりながら得意げに語り、自身も遠目に冷蔵庫を覗き込んで ）


草臥れてるだろうに回収ありがとね、ついでに仲良く寝落ちしててちょっと笑ったわ。今日も今日とて時間がアレなんで、芳樹くんも来週分まで寝溜めしとくぐらいのノリでのんびりお相手頼むよ。俺からの花丸は明日余裕があればって事で、乞う御期待。じゃ、返事はおやすみのタイミングまで取っといて。

洋モノって…何、バドワイザーとか…？＿＿そうするから抗して冷蔵庫開けてる訳だけど。先ずあんた…そんな物組立ててたし空いてるよね、お腹。 (　呟きに反応したらしい相手の得意気な声を背中で聞き、冷蔵庫を1度閉めてから振り返れば覗き込む双眸と見合せ問い掛け。其の儘茶系色の本棚へ視線移しつつ続く言葉へ淡白に返し、段々窺う様な声調に変えると質問重ねて　)

大正解、ただし缶ね。…そりゃあ空いてるけどさあ、君だって疲れてるだろ、此処とか其処とか。これ以上は労働基準法違反。（ ご名答と親指立てて頷き、精一杯の愛嬌で瓶ではない事を詫びるも気遣うような問いにその笑みを和らげて。歩み寄っては額と目元を指先で軽くつつき、咎めるように首を振ってからキッチンへと向かい「たまの休みくらい任せとけって」等と宣いながらも棚から漁るのはインスタントラーメンの袋で ）

何だって構わないよ、買って来てくれた事が嬉しいからね…いや別に。抑もそんなの労働法に無いし…＿＿あんたって本当に何だかな、だよね。と言うか何時の間に買ったの（　愛嬌ある詫びに静な声音で諭す間に此方に相手寄り。柔和な笑顔で其々突かれた目許細め、額へ触れつつ咎めに強がる事無く否定するも既にキッチン立つ姿に口先だけで終え。諦めて冷蔵庫開け缶を取り運ぶ傍ら様子見し、頼もしい言葉とは裏腹に心許ない品が袋から透けて伺えればくすりと喉奥鳴らして　）

そこも"作ってくれる事が嬉しい"で流してくんないと。ま、その何だかなあな緩さがクセになってんだろ…芳樹くんが居ない時ゃ大体コレだからね、外行くたんびに補充してるよ。（ 正論は聞こえない振りをして鍋も取り出し、湯を沸かしながら小さな笑声に気取った流し目で驕ってみせて。甘い言葉を真似たせいか浮つく心地を食欲で抑えるべく麺の袋を破り、当然とばかりに答えつつ慣れた手つきで用意を進め「どっちが良い？塩と味噌」と振り返って尋ね返し ）

健康管理してる身としては流せないんだ。…そうだね、好きだよ…＿予想はしてたけど聞き捨てならない情報で。塩分過多で引っ掛かる前に早く料理覚えさせないとな（　気取るが如く流し目され、仄かに笑みを深めながら驕る様子を愛らしいと思う儘殊更に告げてみせ。さも当然に答えられ呆れを含めた声零し、相手の手慣れた動作に手伝いは不要と判断しグラスを用意した後己は先に座って待ち「何方でも外れなさそうだから先選びな、僕は残った方で良い」簡潔に返して　）

…俺も好きよ、そういう普段はスマートで格好良いとこ。君が定時上がりで見張ってくれりゃあwin-winなんだけどねえ、お互いの健康的に。現代社会の辛いとこね──まあ、今日は野菜入ってるからセーフ。（ 率直な言葉に涼しい表情も崩し、にやついたままたっぷり含みある声を返し。リビングへ戻る相手に届くよう賑やかしく嘆きながら調理進め、卵とウインナーと言い訳程度のネギを乗せた丼に箸を添えて己も向かい。言われた通り相手の前に塩、自身の前に味噌ラーメンを置くと強請るようにグラス掲げ ）

…知ってる、けどどうせ言い返してくれるなら"愛してる"にして置くべきだったよ。飽くまでも料理スキルを身に付ける気は無い訳ね、まァ其処ら辺は要検討かな＿＿気持ち程度じゃないか (　相好崩し大いに含んだ声を聞けば、悦び滲み睫毛伏せると共に口惜しそうに呟き。賑やかな嘆きへ正鵠を射ながら、目前に置かれた深夜飯たる丼へ視線落せば遂に表情まで呆れさせ。其れでも食欲唆る様な匂いに追求はせず傾けられたグラス認めるとビールを手にしプルを開け、始めは勢い良く半分程でゆっくり注いでは"どうぞ"と促し　)

そっちは可愛い芳樹くんに取ってあんの、君も格好良い春彦さんに取っといて。…正式に転がり込んだ暁にゃバリバリやるって、頑張る旦那を支えんのが嫁の務めっつー事で。今日の所はコレで勘弁ね。（ 悔しげな呟きに一層口角吊り上げ、この場で囁きたい衝動を押し殺し悪戯に今後の予定を匂わせ。礼と共にグラス下ろせば代わりに此方もビールを手に取り、行儀悪くも麺を持ち上げながら片手でプルタブ開け相手のグラスになみなみと注いで。"改めてお疲れ様"とぶつけた側から口をつけては案外良い組み合わせだと深まる笑みで示し ）

…ふ、出し惜しみは良くない云々言ってた癖に。まァ良いか＿＿僕としても其れが理想形だ、支える前に自立するのが先だと思うけどね。はいはい…ビールに免じて例の如く見逃してあげるよ (　悪戯な声音に薄く瞼を開け、未来の予定を暗喩する相手に焦れる心境を不適な一笑で有耶無耶にし。器用に片手で酌し返す手元を見詰め、注ぎ切れば礼添えつつ持ち上げて軽くグラス同士を触れ合わせ。"お疲れ様"と述べて酒を煽り、此方に笑む相手を捉えてから箸に持ち替え両手合せると些か不慣れそうに麺を食べ、あっさりした塩味に緩りと目細めて　)

惜しまねえよ、数時間後には胃もたれレベルのラブコールしちゃう。…自立ねえ、ジャンクな生活って括りなら君よかしっかり馴染んでんだけど。でもまあ、働き盛りの子ならもうちょい実のあるモン食わせないとなあ…（ 何処となく慣れない手つきで箸を進める姿を眺め、馴染みが無いのかと勝手に膨らませたイメージに微笑みつつ呟く間に空腹満たし。夜食より生活感漂う目の前の光景を肴にビールを味わい、グラスも器も空になると上機嫌に出来上がった足取りで食器下げ。その足で座る相手の頭へ口付けては挨拶代わりにくしゃくしゃ撫でて ）悪いねえ、手料理食ってる君があんまり可愛いんでついだらだら眺めてこんな時間。詫び代わりに片付けやっとくからさ、返事蹴っちゃって先休んでちょうだい。愛──はお楽しみに取っとくとして、今日も朝っぱらまでありがとう。おやすみ芳樹くん。

（ 普段より早く目覚めれば恋人を抱き締める腕をゆっくり離し、起こさないよう静かにベッドを抜け出して。軽くシャワーを浴びると部屋着のままキッチンへ向かい、冷蔵庫から水の入ったペットボトルを二本取り出して再度寝室へと踵を返し。相手の側に腰下ろしては冷えたそれをぴたりと頬に当ててやり ）──おそよう芳樹くん。そろそろ起きないとやべえよ、脱水。

(　慰労の幸福感から普段より深い眠りに落ち、例の如く半睡半醒を繰り返してれば不意に頬へ何かが触れ其の冷たさにびく、と大きく痙攣して。目を瞑った儘顔を顰ませると水を押し退け、頬を庇う様にタオルケット巻き込む形で身を丸めて顔を隠して仕舞っては幾らか経った後、漸く中から低くか細い声を辛うじて出し　) …起こし方って物が、あるだろ…。

っ、ごめんごめん、これならどうよ。蓑虫芳樹くんも可愛いけどさあ、そろっと花のかんばせ見せてくんない？（ 物珍しい反応に不躾な笑いを噛み殺しつつ子供じみた姿を眺め、微かな声が聞こえてくれば可笑しいやら可愛らしいやら堪らず小さく喉鳴らし。片腕つきタオルケットから覗く頭頂部へとキスを落としては、物足りなさから機嫌を取るように甘ったるく呼びかけて ）

…及第点…て所かな。何処ぞの構ってがちょっかい掛けるからだろう＿＿で、出したけど。何…寝込みでも襲うの (　喉が鳴る微音に其れが相手だと感知し段々覚醒して。髪に触れる唇が擽ったさ呼び、僅に身動ぐと甘く呼ぶ声に誘われる儘寝返りを打ち。丁度相手の手元へ寄添う位置で出した気怠気な顔の額に甲を宛がい、重い瞼を薄く開けば細声で問うて　)

遅れて御免、急用入って返せそうに無かったよ…折角の日曜を潰して仕舞って申し訳無い。だからって訳じゃないけど、短めで遣り取りしても良いかな。あんたが良いってならだし…勿論、何時言ってる通り自分を最優先にして構わないから。じゃあ此方は蹴って。

…あー…向こうに顔出してるのに今気付いた。別に僕の事は構わずゆっくりしてて良いよ、久し振りに顔出して早々退室は寂しいでしょう…て言うのも足しとく。

…その腹積もりだったんだけどねえ、これはこれでまた一興。何つーかこう、あっちの欲より庇護欲が擽られんだよね、寝起きの君は。（ 一連の鈍い動作を見守り、現れた気だるげな表情を指先で一撫でしては声に似合わない問いへ肩竦め。その指で相手の手の甲をするりと退け、代わりに額へ口付けながら"ほら、俺長男だからさ"と雑な言い訳囁き ）


こっちこそ待たせてごめん、そんでバタバタ大変だったろうに返事くれてありがとね。三日三晩放ったらかしたって死なねえ春彦さんなのに。日付も変わってるんで短めってのは大賛成、あっちに関しちゃ挨拶済んだら引き上げるからもうちょい待っててくれると助かる。じゃ、芳樹くんこそ君の融通効く範囲でお相手頼むよ、眠けりゃいつでも休んでちょうだい。

ふぅん…そんな事初めて言われたよ。＿…諸々の弁明は分かったけど、僕とあんたは兄弟じゃないんだ…子供騙しみたいなのは止めて欲しい（　撫ぜる指の心地好さに瞼を伏せたくなるも何とか堪え、手影越しに肩竦める姿を見遣り。額の手退かすや否や其処にもキスされるが、むず痒さに顰め面は直らず伸ばした手で囁く唇に触れては細くも深い声出して　）

然程待ってないし謝罪は要らない……顔出してる最中に返してる癖にブーメランだとは思わないの、まァ取り敢えず賛成してくれて有難う。ただあんたが死ななくても僕は違うんだよ、惜しく思うから。でも無理されるのも不本意なので…短く云々以前に別に眠気回ってたりしてたなら、明日に回すでもして平気だって言うのは僕からも伝えとく。其れだけだから今度こそ此方は蹴って。

そう、そのほうが俺としちゃあ有り難いわ。…チビっ子みたいな格好して一丁前に何言ってんだか、この子は。色気より眠気が勝ってる癖に。（ 気の緩んだ姿につられて何気なく零し、声と指先に誘われ視線戻すも眠たげな顰め面が映ればふっと笑声が口をつき。伸ばされた手をタオルケットに戻し、ぽんぽんとあやすように撫でながらゆっくり唇合わせては柔らかな声音で揶揄って ）

…何故？＿…格好だけで本物のキッドじゃないし1丁前だろうと何も問題無いでしょ。眠気と言うか単に平和惚け、色気の（　呟きに素朴な疑問浮べつつ零れた緩い笑声聞き。剥された手に子供扱いと気怠く顰めた面其の儘だったが、唇重なり悦び感じ自然と解けては揶揄も柔和さに然程引っ掛かる事無く流し。今1度身動き俯せて、頬杖着くと"水をくれ"手を差出し　）

…内緒、っつってもバレバレだろうけど。キッドだろうが29歳児だろうがあどけない子に手ぇ出せないのよ、春彦さん優しいから──…やべえ、惚けが移った。（ 思わず素直に開きかけた唇に弧を描いては人差し指立て誤魔化して。"何だそりゃ"と茶化しながらも蓋開けたペットボトルを渡し、和らいだ横顔を眺めていれば自然と欠伸が溢れ。くすりと呟くとタオルケットに入り込み、一足先に横になるもふと思い出し背後から覆い被さるように囁いて ）ま、何たって月曜だしなあ、惚けてる隙に寝んのが吉だね。それ飲んだらこっちおいで──……おやすみ芳樹くん、愛してるよ。格好良い君も可愛い君も引っくるめて。他所でそのキュートな寝惚けっぷり晒されたら困るんで、返事要らねえから朝までゆっくり休んでよ。

(　退勤し会社を出ては又もや寝入って仕舞った昨晩を悔んで暗澹な息吐き、駐車場迄の道中に片手でスマホ操作し。其れでも囁かれた言葉と腕の温もりを思い出せば自然と逆の手は首へ当てつつ『お疲れ様、昨日の件で色々言わなくちゃならない事あるけど其れは口で言うから。勿論眠かったら寝てて良いよ、じゃあ今から帰る』簡潔なメールを送り、車に乗り込めば自宅方面へと発進させて　)

（ 着信音を頼りにタオルケットの中から携帯探り、寝惚け眼を何やら言いたげな文面に落とせばその返信に『何、愛してるって？』とふざけた件名付け。自然と口元緩めつつベッドから腕伸ばし、脱ぎ散らかしたままのシャツやネクタイを雑に一箇所へ纏めながら『芳樹くんも熱帯夜の中お疲れ様、きっちり水分補給しときなよ。珍しく俺もそこそこお疲れ様だったんで先にベッド借りてる所。目覚めのキスでも起きなけりゃそのまま寝っ転がしといて。じゃ、くれぐれも道中気をつけて』綴った文章にキスマーク添えると再度シーツに倒れ、携帯を握ったまま瞼下ろし ）

…ん、頑張ったね (　エントランスにてエレベータを待つ傍ら返信に気付けば目に付く件名に小さく一笑零れ、緩む双眸で内容と添わる絵文字諸々に黙読し終わると返事は止し。帰宅して先ず寝室覗き、きちんとベッドで寝ている相手の姿に安堵する儘近付き。疲れの見える寝顔を眺めつつ髪撫で、微かな呟きを最後に巣の如く集まり丸まった衣類を"邪魔だから"と言う名目で引っ掴んで立去り、片付けに行った其の足で入浴へと向かって。静に寝支度済ませ、再び寝室へ戻ると項に口付けた後己も毛布に潜り込み　)

…あー…おかえり。今日も一日無事で何より…ほら、癒しの抱き枕。明日も遅くまで頑張んだろ、HP溜めときな。（ 項へ触れた温もりに目を覚まし、相手の姿が視界に映ると幸福感からふっと吐息零し。ぼんやりした意識の中シャンプーの香りがする髪に口付け落とし、鼻先埋めたまま掠れた声を上げ。鈍い言葉とは裏腹に自身が相手を無意識に抱き寄せながら未だ重い目を伏せて ）

……ただいま。ん、有難う。あんたこそ今日は疲れたんだったらもう寝なよ…じゃあお休み春彦さん、最近言えず仕舞いで悪かったね。愛してる云々はまた改めて言うから（　潜る矢先、柔い口付けに驚きで一瞬瞠目し。頭上からの掠れ声を聞く傍ら、成すが儘腕中に収められ伝わる体温に充足感巡りながらも顔を出す為身動いで。見上げた相手の目が閉じてるのを認め、其れが寝惚けの延長だと理解しては緩い声音紡ぐ唇で唇重ね、抱き締め返すと就寝し　)

（ PC介した打ち合わせを終え、資料を纏めて一段落着く頃には夜も更けており。普段相手が座っている場所でソファへ頭を預けるように身体伸ばし、進みが悪い作業の原因を昨晩から続く物足りなさと検討つけては『一服気分転換してきます。相合傘を御所望の場合はいつでも連絡どうぞ』ふざけたパラソルの絵文字添えたメールを送り、拝借したショートピース片手に切り替えるように部屋を出て ）

(　漸く会社出て車に乗ると発進し、喫煙所の前で止まれば携帯携え。外したマスクを処理する片や、昨夜の相手からのメールに返信する形で『そう。愛してるって』意趣返しの如く件名を変えた上『了解した、気が済むまでゆっくりして来なよ。後、折角の御誘い悪いけど、所望出来ないから今日の所は諦めて白のスバル車でも探して』と送り。車窓から見える、滲んだ灯りを眺めた儘談笑する恋人を思い描きつつ眠気覚ましの缶珈琲を煽って　)

──危ねえ、初対面の子達の前で不審者になるとこだった……おかえり芳樹くん。さては俺がもう夜遊び出来ないように嵌めようとしたな、君。（ 不意打ちに緩んだままの口元を隠しつつ目当ての車を見つけて歩み寄り、躊躇なくドアを開けると堪えていた分可笑しそうに笑声立てて。"お邪魔しますよ"と言い終える前に助手席へと乗り込み、端正な横顔を眺めては浮ついた調子で軽口重ね ）

携帯の通知に直ぐ、嬉嬉と出てった時点で十分不審ではあると思うけどね…＿＿ただいま。…ふ、そうやって裏側ばかり当てに来るのだから困るよ。 (　灯りに浮ぶ影1つが相手と察し、近付くにつれ細まる双眸で笑声零す相手が乗込む迄を見届け。其の儘前に向き直り、続く軽口聞けば口端を少し歪ませて答え"あげる"とばかりに未だ半分程は残っている缶を押し付けた後ハンドル握ると自宅方面へと再び発進させて　)

体感一日ぶりだからねえ、揺れちゃって止まんねえのよ、尻尾が。冴え渡った推理もとい妄想もまた然り──…あそこに居た時ゃ煙草くっつけるだけで御の字だったってのになあ。（ 受け取った缶珈琲を軽い礼と共に煽り、手持ち無沙汰に掌の中で回しつつフロントガラスに目をやって。快調な青信号に口付けたい欲を諦め、ほとんど頬へキスするように微かに歪んだ唇の端へ触れてはやはり物足りなさからからりと自嘲してシートに凭れ ）


ごめん、滑り込みアウトでメンテ食らったわ。かなりのタイムロスだし、そうでなくとも今夜もお疲れなんだからカットなり早めに切り上げるなりしてくれてオッケーよ。ってな訳でこっちはいつも通り蹴っちゃって。

…愛らしい事で…でも今は駄目、時間と都合が悪い。まァ何時までも其れで満足されても此方的には堪った物では無いけどね。 (　運転中に不意な口付けに驚きと情動疼けば唇の笑み解け、つい瞳は其方を見るも直ぐ視線正し。欲心を断切る様に自嘲吐く相手へ抑えた抑揚にて言い放ち、駐車場着くなり先に降りると其の手を掴み降りて。半ば引っ張りつつ終始極力顔は見合せず、部屋に帰って尚塩対応貫いた儘上がり込み　) ＿＿…眠いならもう寝て良いよ。

気にしなくてい良いよ、例外があっても基本的に朝組の不健康者だからね。あんたこそ眠かったら無理せず寝てくれて平気…勿論レスの方も好きに短くして構わない。じゃあ今度こそ蹴って。

…寝るなら寝るで挨拶したいんだけど、ちゃーんと此処に。まあ、時間と都合と何かしらが悪いんなら別として──駄目？（ 素っ気なく手を引く相手を物珍しげに眺め、何だどうしたと独り言に近い言葉を並べて部屋まで辿り着き。未だ逸らされたままの目を首を傾げて覗き込み、人差し指で唇へ触れ逸る欲からつっとなぞりつつも様子を伺い ）

…駄目だね。惚けてるって前言っただろう…？一先ず金曜迄は挨拶でも此処にするの禁止だ、理由は其の聡明な推理力使って察して＿＿じゃあ僕はシャワー浴びて来るから先になるけど。お休み春彦さん、談笑してるって承知してても会いたくなる位には…愛してるから (　道中言葉の数々を独言終いにさせた罪悪感から、首傾ぐ相手と見合せるも触る指に瞼震え。悩まし気に顰めた面差しで素早く其の手に指絡ませ握り込み、代用の如く抱擁し然程間を開けず単調に上記設けると最後頬へ口付けるだけで離れ浴室へ行って　)

＿＿…はい、お疲れ様。 (　クライアント先の他社にてプレゼンが終了し、職場へ戻り先に上がる社員を見送った後残りのタスク熟し。其れも終われば携帯弄り始めたが昨晩の己が言動を思返せば僅に嘆息漏れ、文字打ちを悩む指が彷徨いつつ『お疲れ様。僕は今から帰るけど用事とかあるなら其方優先で、別に向こうに顔出したい等好きにして平気だから。じゃあ都合良くなり次第連絡して』と結局報告的な連絡入れてから自宅に帰り。何処となく悶々とする脳内故相手の在否も碌にせず脱いだスーツをハンガーに掛け、片付けた後は其の儘脱衣所へと向かって　)

…あと2日ねえ。（ 気を抜けば今朝方の言葉が脳裏をよぎる一日を過ごし、燻る焦ったさから夜景を横目に消費する煙草の数も増え。長い煙草休憩を終えてベランダから戻り、携帯を手に取るより早くシャワーの音に気づいて脱衣所まで歩を進めると僅かに扉開け、相手のシルエットにさえ騒ぐ胸中に口元歪めつつ至って明るく声をかけ ）──おかえり、久々の早帰りおめでとう。お祝いに春彦さんがキス…出来ない代わりに背中でも流したげようか。

ただいま…目出度いはそうだけど。其れ、火に油を注ぐ行為にしか思えないし却下…キスマークだらけの体に悩殺されたくなかったら、リビングかベッドに行きな (　頭を巡る思考ごと洗い流す様にシャワー浴びてれば、浴室のドア越しに明朗な声聞こえ。相手居る事に心臓が鳴る反面嬉々は滲み、濡れた髪掻き上げ述べるが続く提案に見えずとも仏頂面湛えて。毅然と跳ね付けると見下ろす上体の朱痣を無意識に指で触れつつ、努めて感情無く脅し冗句を返し　)

そりゃあ是非とも悩殺されたいね、後がキツいから大人しく言う事聞いとくけど──でもまあ、唇以外はアリなんだろ？（ 仏頂面が透けて見えるような声音で淡々と語られる身体を想像しては小さく喉を上下させ、悟られないよう戯けては踏み込みかけた足を廊下へ向けて。悪戯に一言残すと"何なら上着脱いどいで"と更に調子づいてから寝室目指し、ベッドに浅く腰掛けシャワーの音に耳を傾けて ）

…ふ、聞き分け良さそうな事言ってる割に悪知恵働かせるのか。遺憾ながら確かにそうなるね（　戯れに安息する矢庭、悪戯な声に瞠る双眸を薄く細めては鼻鳴らす様一笑し呟き。追加にも"はいはい"何て遇らい、足音が止んでから漸く浴室出て体の水気取ると下だけ着替え纏い。上は手に持ち、首に掛けたタオルで髪拭く傍ら寝室踏み入れば腰掛ける相手へ目を移すなり不敵に尋ねて　）＿＿…ん、此れで良いの？

……クるねえ、想像以上に。オッケーオッケー、ただもうちょい濃い色のが俺好みだからさ、こっちおいで。そう言や昨日のお返しもまだだったし。（ 今更メールを確認した所で相手の気配に気付けば顔を上げ、願望通り晒された上体へ見入ってしまい。微かな呟きを賑やかしく掻き消しては携帯手放し、シーツを叩いて平然とした笑みで誘うも視線は朱痕に縫いとめられたままで ）

当然でしょ、あんたがくれたのだから…まァ此方のとは違う意味合いだろうけど。……、お返し所か断りを入れた筈だよ、僕は（　携帯片手に呟く相手に不適な面構変えず言ってのけ、だが其の顔が笑みシーツ叩き誘われては声失くし。表情も徐々に不服気に歪み、佇んだ儘注がれる視線も加わり掻き乱れる心情の現れの様に雑に拭き終えた髪を手櫛で直し、タオルも手に持った所で低く零すと傍に行くのを渋り　)

シャツの下にそんなん隠してバリバリ遣り手やってんのって唆るよな、って意味合いならおんなじよ。で、その断り"は"ちゃんと飲みました──…春彦さんより大事な訳、その来れない理由って奴は。（ 不敵な表情が崩れるのに乗じて下世話な言い分と屁理屈を並べ。昨夜と似た様子の相手を暫し見つめるも動く様子が無いと分かり、歩み寄るか逡巡した後にゆっくりとベッドへ倒れ込み。白々しく寂しげな声を上げつつ両腕は尚も誘うように緩く広げ、問いと視線だけ相手に投げかけ ）

まァ確かに。僕自身だから思わないだけで春彦さんだったら思うか。察してとも言った…＿＿心配せずともあんた絡みの訳だよ。大体其方が仕事熟したらくれるって約束し出したんだろ…？だから大人しくしてるんだ、此れ貰った時ですらね（　相手の並べた言葉にも表情其の儘に微かに拗ねた様に短く返し、ややしてから緩慢とベッドへ倒れる姿認めて。耳を離れぬ寂し気な声音と、両手拡げてベッド寝転ぶ姿から昨夜同様の情動が腹の底を渦巻き、視線外す為床に座り壁に背を預けると片足だけ抱えて低く訥々と零し。するり体の痣を手で撫で滑らせ最後一瞬の間開け「因みに理由は…疲れてる程ムラムラすんの、僕は」と着飾らぬ言葉を以てして締め括って　）

……有休取ってくんない？一生のお願い。いや嘘だけど。俺だってどんだけ──…、（ 小さく座り込む気配と相まっていじけて聞こえる返答へ耳傾け、最後の一言に虚を衝かれると反射的に上体を持ち上げて。見開いた目で相手を見つめ、驚きを塗り潰す強烈な劣情に表情歪めては一呼吸置いて心音宥め、途方に暮れた声で呟きベッドから離れ。見下ろした相手をそのまま抱き締めれば堪らず溜め息零しながらも肝心な言葉は飲み。暫く抱き留めた後に荒んだ顔伏せつつ身を引くと髪へのキスだけ残し、相手をベッドまで連れて行き一足早く背を向け毛布被り ）…まあ、約束は守るからさあ、そこんとこは楽しみにしといて。ただ今日はムラムラ通り越してギラギラしてきたんでソーシャルディスタンス強化で頼むわ、散々イキっといてこのザマよ──春彦さんがやらかす前に寝ちゃおうぜ、芳樹くん。返事は要らねえからちゃんと腹片しておやすみ。

ッ…今そう言うのは控えるべきでしょ、何が俺だってだ。惚けてんの、色気で… (　言いたくなかった事を言った後の如く、得も言われぬ気まずさを逸した視線で紛らせてはスプリングの軋む音が響き。茫然な呟きでさえ高揚する胸奥を視界端に捉えた相手の表情が拍車掛け、皺深まる眉間にて言葉吐くが抱擁されれば皮肉りも勢い無く収まり。片腕で抱き返す物の、相手が髪に擽ったいキス残し背を向けて寝入るまで何をするでも無く只横目で見、規則正しい寝息が聞こえて漸く立ち上がって服を着ると其の髪を優しく一撫でてから潜り込んで　) 守って貰わないと困るよ…此処までのが徒労に終わるとか堪った物じゃないから。楽しみにしてる分、ね＿＿…あぁそう、あんたが調子乗りやすいのも、其れが崩れやすいのも今に始まった事じゃないでしょ。精々御得意の惰眠でも貪って気を保ってな…お休み春彦さん。今日もこんな時間まで有難う。

(　短時残業故の早帰となり、徒歩で家路を歩いていれば見慣れた建物から漏れる明かりが目に入り。少し逡巡の後、緩慢と歩み寄って1度入口近くの壁に凭れると取出したスマホを片手で操作し『お疲れ様。ちょっと向こうに顔出して来るから、都合が良くなったら連絡して欲しい。但し疲れてるとかなら別に連絡入れなくて良いし、寝てて構わないよ』簡潔なメールを送り懐に戻しつつ扉を開き、喫煙所の中へと入って行って　)

おかえり遊佐くん──もとい芳樹くん。あっちでだいぶ頭使ったろうし、時間も時間なんでこのまんま寝ちゃっても良いからねってだけ取り急ぎ伝えとくよ。無論、もうちょいイケるんならおやすみまで喜んでお供するけどそこらへんは任せとく。まあ、くれぐれも無理は禁物って事で。

…。 (　喫煙所の扉を開け、外へ繰り出すと掠めた涼やかな夜風に乗せる様ふっと紫煙共々息を吐き出して。煙草は携帯灰皿に押し付けて処理し、直ぐ現れるであろう相手の反応を拝む為扉の方顔向け　)

御免、時間も時間だし短く回させて貰うよ…眠かったりするなら場面飛ばすなりして構わないから。じゃあ此方は蹴って

ただいま、春彦さん。態々有難う……上の通りまだ平気だから僕の事は御心配無く、あんたこそ無理しない範囲で付き合ってくれると嬉しい。此れも蹴っちゃって平気。

──はいよ、お返し。いやー、わざわざ此処までストーカーして来た甲斐があったわ。こっちなら健全に触れ合えるっつー俺の読みが見事に当たったね…（ 扉を出てすぐ視線が合えば戯けたテンションのままぽんと頭に手を乗せて。満足行くまで語って撫でると腕下ろし、一瞬間を置いて軽く指先絡めて ）


オッケー、悪い癖で伸びてきたら台詞もロルもガンガン削ってやってちょうだいよ。それじゃあもうちょいお付き合いよろしく、こっちもスルーで大丈夫。

…ふ、何だ。其れじゃあライター探して迷い込んだ訳では無いのか……＿＿ねぇ、 (　戯ける調子で頭撫でられ、見詰める目許柔げつつ語る声へ緩い笑み含ませ返し。一瞬の間に横目で伺うが結局無言の儘絡む指を握り、自宅へと歩き出しては不意に呼び掛け　)

ライター無えのは本当よ、メール見て即飛んでったモンだから……ん？（ 拒まれる事なく繋いだ手を揺らし、軽く笑い飛ばしながら短く答え。明け方故に控えめな笑声もすぐ消せば掌の温度を感じながら歩みを進め、足は止めずに呼び掛けへ横目で応じ ）

其の儘煙草も同じ要領で忘れて来てくれたら、良かったのにね…あんた、今日…何時に帰って来れたりするの。先ず家から出るのかも知らないけど（　軽やかに笑い答える相手に呆れた様に少し肩竦め。握り締めた事で普段より温もり感じつつ目線は確りとマンションの方角を見据え、ぎこちない程抑えた単調な声で尋ね　）

…今日…今日ねえ。ちょっと野暮用済ませてくるけどまあ、日が暮れる頃にゃいつも通りゴロゴロ居候してんじゃない？どうしたの、急に。（ 何処か不自然な声音に首ごと相手へ向けるも、見え始めたマンションから動かない視線に問いは諦め指折り用事数えて。無意識に逸る歩調とは裏腹に呑気に疑問符添え、期待を隠し伺うように緩く首傾げ ）

…そう…分かった。別に何も無いけど、ただまァそう言う事なら成るべく早く仕事片付けるよ（　隣から聞こえる回答に淡々と返事し、以前前を向いた状態だが相手から尋ね返されては伏し目がちに微笑んで。気持ち早い歩の進む儘マンションへと入り、自宅に帰ると其処で漸く振り向き瞳を合せて「疲れただろうし、今日はもう寝ようか」手を緩く寝室の方に引き　）　

了解、三つ指ついて待ってるわ。まあ無理しないレベルで期待しとくからさ、芳樹くんも期待しといて──はいおかえり。（ 微笑み一つに胸が締め付けられるまま指先へ力込め、素知らぬ声音で了承しては僅かに口角上げて含み持たせ。部屋に着くとやっと交わる視線へ満足げに挨拶零し、キスの代わりに再びくしゃりと髪を撫でてから誘いに頷き寝室向かい。着替えを済ませると今度は深く指を絡めてベッドへ潜り込み、繋いだ手にのみ軽く口付けて瞼下ろし ）…浅木くん達と顔合わせたからかなあ。手ならギリギリセーフだわ、今日は…口寂しいっちゃ寂しいけど、そっちは明日のお楽しみって事で君もゆっくり休んでよ。おやすみ芳樹くん、お疲れの所朝っぱらまでありがとね。

そうしといて、期待云々は分かったから。…ん、ただいま。春彦さんもお帰り＿＿…全く何方なんだか。まァ昨日みたいに距離設けなくて良いから有難いけどね。此方こそ朝方迄どうも、お休み。 (　含み持たせた何気無い了承に瞼上げ、力籠る指感じ得ると同時に飽くまで受流す様に返すも撫でる掌へは頬緩ませ。先に着替え、指を固く絡ませ床入った相手からキス受ければ綻ぶ唇を甲へ寄せた後微睡み。朝を迎えて尚繋ぐ手に胸が暖かくも締め付けられ、心を擽る様な熱情を秘めた儘出社しては普段以上に気を張って業務熟し、其れでも暮夜たる時刻に些か眉曇らしつつ『今週もお疲れ様、後長くて1時間程で帰れるから待てるなら待っててよ』簡潔な文を打ち、送信終えると呟きを最後に携帯手放し作業に戻って　) …早帰、って言うには遅いか…。

（ 帰宅早々シャワーを借り、髪を乾かしてからリビングへ向かうと相手からのメールを確認し『そっちも最後の最後までみっちりお疲れ様。昨日も言ったけど無理ないレベルで早帰チャレンジ頑張ってよ、春彦さんは逃げないから』受信時刻に同情の苦笑浮かべつつ返事送り、ソファへ置きっぱなしのジャケットと紙袋を手に取ってはその場で逡巡し『マジで一時間以内にチャレンジ成功したらイイコトあるかも』ともう一通メールを付け足して。荷物を片すとソファに腰掛け、煙草に伸ばしかけた手を缶珈琲にずらして一口煽り ）

(　無事に業務終え、フロントで先刻振動したスマホを手に持てば相手宛の受信に眦細め。直ぐに2通とも開いて読み"良い事"と言う単語に怪訝そうに目瞬かせるも指動かし『有難う、善処はする。確かに色々言ってたけど詰る所急いで欲しいんだろう？』等と簡潔ながら洞観紛いの文を返信してから車で直接自宅へ帰り、雨天特有の蒸暑に張り付く服扇ぎつつ解錠した扉開けると静に呼び掛ける傍ら携帯で時刻見て　) …ただいま。1時間は＿＿…残念、過ぎてるね。

──おかえり芳樹くん、残念ながらチャレンジ報酬獲得ならず。でも正解した分おまけしちゃう。っつー事でお疲れ会しようぜ、お疲れ会。（ 心中見透かすメールにくつりと喉奥鳴らし、花丸の絵文字のみ返せば降り出した雨音に耳を傾けつつ帰宅を待って。待ち侘びた扉の音にリビングから顔覗かせてはメール画面のままの携帯揺らし、務めて普段通りの軽い愛想で手招いて ）

ん。春彦さんもお帰り＿…惜しい事をしたな、まァ今回に関しても甘々判定で助かるよ。勿論その御疲れ会は受けるけど…その前にやる事無いかな（　リビングから携帯片手に顔出す相手を、今し方見た返信の花丸も相俟い些か柔和な眼差しで捉え。告げられた言葉に溜息混じえぼやき、軽快な調子で誘う声へと靴を脱ぎ歩み寄っては真前へ来た所で訴える様な瞳と共に両腕拡げて見せて　）

御免、少し可笑しな箇所があったから訂正させて貰うよ……じゃあ其れだけ伝えたかっただけだから此方は蹴って。

…あー、いや…それやっちゃうと前も後も無くなりそうだから、ハイ。そっちはメインイベントに置いといて…ちょっとね、春彦さんの理性がある内にやっときたい事あるからさ。（ 一歩毎に高鳴る鼓動を隠してにこやかに迎えるも、広げられた腕に目を瞬かせては煩悶するように言葉詰まらせ。呻いたのち視線の誘惑に耐えて両掌へのハイタッチで躱し、大仰に苦しげな声で語りつつリビングの奥へ戻ればソファへ座り込み、隣を叩き相手も呼んで ）

…たかがハグで大袈裟な。まァ別に、サブでもメインでもやってくれるのなら何も口出しはしないけどね＿＿…やっときたい事？（　僅な瞬きの後狼狽える様な反応した相手を不思議そうに見、軽い注文の筈が呻くや否や掌同士を合せるだけで終いな事に面食らう儘思わず呟き漏れて。然し苦々しい語りへ直ぐ何かあるのだろうと悟れば訂正と共に腕を下げ、大人しく引いた身で後を追うと相手の言葉に反応しつつ隣へ腰落ち着かせ　）

そうそう、今夜中にやっときたい事。まあちょっとした前座っつーか余興っつーか…ちょっと一瞬目ぇ瞑っといてくれるかな。悪いようにゃしないから。（ 呟きが刺さったと言わんばかりに胸元押さえ戯けつつ、違和感覚えた様子の相手が腰を下ろすまで視線を逸らして待ち。ソファが軋む音に無駄口噤めばようやく相手に向き直り、意味深に細めた目元を指差して頼み ）

ふぅん…？…また随分と匂わせるじゃないか。そう言われると心躍る物だね、そうじゃ無くとも期待しとけだの散々言われてるから…。（　芝居掛かる仕草で戯れる相手を安穏と見遣っては冗漫な声へ耳傾け。軈て1度閉口し見合わせた顔の悪戯っぽく細まる双眸に期待感擽られ、愉快なれば唇に弧を描き太太しく述べ、悪い様の件には"…其れは無いのは知ってるよ"と含み笑う様な付言足し瞼閉ざして　）

ま、ビッグマウス通りに芳樹くんの期待とお眼鏡に適う事を祈っとくわ──……いいよ、目ぇ開けて。例の約束のブツ。どんだけ時間経っても消えないだろ、これは。（ 目の前の端正な笑みが瞼を下ろすのを確かめ傍らの紙袋へと手を伸ばし、取り出した小箱を開けば中から白銀色の指輪を摘み上げ。"手ぇ貸して"と断り入れつつ相手の左手を取り、夜間密かに測っておいた通りその薬指にぴたりと嵌まるのを見届けては安堵と得も言えぬ充足感に緩む唇を噛み締めて。淡く控えめなアクアマリンが映える白い指を愛しげに眺め、緩やかに促すと擽ったげな笑みで反応伺い ）

…！…、＿＿……確かに。絶対消えないし此れは良いようにされてるね。…うん、予想以上のサプライズだ (　願望染みた前置きへ"安心して"と浅く頷きつつ何やら探る様な音の後、断りに浮せた手を掴まれれば温い掌とは対照的に冷たい感触が触れて。其れが薬指だと察する頃には相手から許可得ていて、瞼を開け己が手を確認しては指輪の存在に僅に見張り。驚きより胸奥から万感の思い込上げ、目が眩む程燦然と輝く藍玉嵌る白銀の其れを只々黙って見詰め、暫時口を開き掛けるも直ぐ噤んで仕舞い。代わりに溢れる愛慕で微弱に揺れる瞳を少し伏せ、はにかむ様な面差しにて笑うと漸く言葉数少なくも確かな喜色滲む声を紡いで　）

遅くなって御免、時間も時間だし…あんたさえ良ければ此の儘置きレスにしても構わないかな。中途半端にするには余りに勿体ないのでね…じゃあ無理せず休んで、此方も蹴って平気だから。

そりゃあ良かった…キスマークじゃあんまりに心許なかったモンで。いつかタキシードでも着て、もうちょいド偉いサプライズ決めるまでこれで予約させといて、芳樹くんの事。──…やっぱその色で正解だわ、君には。（ 温かくも何処か落ち着かない心地で言葉詰まらせる相手を見つめ、その表情が綻べば安堵の色を深めて零し。言葉少なな様子に代わって軽やかに紡いでも真摯さの隠せない声音に我ながら小さく笑声漏らし、照れ隠しのように伏し目がちに揺れ動く瞳から視線落とすと目に留まる宝石へふと呟いて ）


お言葉に甘えて面目無いほど爆睡させてもらった春彦さんです、サンキューね。面目無いついでと言っちゃあ何だけど、若干2日ほどバタバタしそうなんでこのまんま置きレス継続で頼んでいいかな。…勿体無いっつーか、勿体ぶってるみたいで恥ずかしいったらないんだけどね、タイミング的に。まあそのへんノータッチで、芳樹くんものんびり付き合ってくれりゃ助かるよ。以上、こっちは返信不要。

…御免。頭痛が酷くて本文の方返せそうに無いから此方にだけ反応させて貰うよ。取り敢えず了解した、僕から提案したんだから当然置き継続の件は賛成だし、忙しくなるってなら落ち着くまでは無理に返す必要も無い。どうせ面目潰れてるんだ、妙な気配り何か考えず夜更しも程々に寝る事。後、勿体ぶってる云々に関してだけど……そんな事無いとは伝えとく。じゃあ此れは読み流してくれれば平気…悪いけど少しだけ待ってて欲しい。

あらら、梅雨のせい…で済む話なら良いんだけど。そういう事ならお互い今日はもう寝とこうぜ、毎度気ぃ遣ってくれてんのは君のほうだしね。キレッキレの芳樹くんに戻るまでゆっくり休んどいてちょうだい。そんじゃおやすみ…折り入った話は追々として、いつもありがとう。今度こそ返信厳禁で。

>1573

心許ないからってだけで贈るには大き過ぎるんじゃないかな、そんな予約まで取り付けて…待つの1択だけど。……海の水の色、だね。あんた的に正解なら文句は無いよ (　深い安堵の声に引き寄せられ、其方へ向けば相手の穏和に花咲く面持捉え。真摯さの滲む言葉と小さく零れた笑声が胸を締め付け、幸福に満ちる心境から吐息含ませ呟き。其の儘再び指輪へ視線戻し不意に呟いた相手にも見せる様に左手を傾け、光を反射し輝く宝石の明るい青みがかった色合いを眺めつつ愛し気に述べては双眸細めて　)

…結論から言うと風邪を引いたらしくてね。薬飲んだし今は熱も引いて落ち着いてるから、其処は心配しなくて大丈夫。ただ少しばかり反応が鈍くなるとは思う…けど、それでも良かったらあんた曰くのんびり付き合って。こんな時間まで待たせて御免、今日はもう遅いし寝なよ。此方は蹴って。

そう言ってくれると信じてたよ、さっすが俺の未来の花婿…そうそう、店のお姉ちゃん曰く誕生石がベタらしいんだけどねえ、ご本人様のって縛りは無えから。後はまあ…（ 正論ながら溜め息ではない吐息の混じる声に目元緩ませ、呟きに乗じて嬉々と軽口を弾ませて。相手の表現に相応しい色合いを見つめつつ頷き、顔を指差すと暗に自身の誕生石であることを仄めかし。輝きよりそれを眺める恋人の様子へ眩しげに眼差しを細め、飄々と語るも核心へ近づけば言葉を途切らせて ）


こっちこそとんでもなく待たせてごめん、延びに延びてようやっとカタ着いたとこ。芳樹くんがダウンしてるってのに見舞いの一つも出来ないってのはなあ…流石に治ってくれてりゃ良いんだけど。療養中だろうが病み上がりだろうが健康第一で頼むよ、鈍行でも何でも付き合ってくれりゃあそれで御の字なんだから。そんじゃあ無理なくカットして寝落ちして、改めてよろしく。

ふ…全く調子が良い事で。決める時は華々しくやってくれると此方も信じてるからね＿＿…成る程、其れじゃあ此の指輪を見る度に文豪の誕生月が思い出せるって訳だ (　呟きに対し喜色滲ませ軽口を返す相手が可笑しく、口端から柔和な声零れ。顔を指す仕草で諒解しては一層増した愛しさを瞳に湛え、語る声へ聞き入る傍ら眺める事に満足し手を下ろして。軽く戯けた後、細長い双眸を覗き込む様やや前屈めば"…まあ？"と好奇に繰返し途切れた言葉の続きを促し　)

気にしなくて良いよ、折り入った話だの言われていたし。まァ最近のぐずついた天気とか例の奴とか、そう言う懸念はあったけども…大人しく待ってて正解だった様だね。一先ず…お帰り、其方こそ疲れてると思うからくれぐれも無理のない範囲で宜しく。風邪にしてももう大丈夫、ダウン何かしてないの知ってるだろうから健康第一とやらは其の儘あんたに返しとくよ。じゃあ今度こそ蹴って。

んなおっさんよりもっと眼福なイケメン思い出してちょうだいよ──……っとまあ、そういう事。何つーか…否が応でも浮かぶだろ、このハンサムフェイスが。君はもう金輪際、俺は孤独だ的な格好良い科白にゃ浸れない訳よ。残念ながら。（ 柔和に示された信頼へ応えるべく気障なウインクのみ一つ返し、懐かしい話題がよぎる軽口には拍子抜けとばかりにだらしなく姿勢を崩し戯けてみせて。背凭れに頬杖ついたまま滑りかけた口を隠し、覗き込んでくる相手を一瞥しては言葉を探して視線を彷徨わせ。結局茶化す己へ苦笑しつつ、踏み込んだ本音をはぐらかすように相手の髪をくしゃりと撫でて ）

オッサンね…後3年経てば同年になる、あんたが其れ言うんだ。＿＿こんな大層な物貰わなくたって何時も想ってるよ。…大体、一体何の話をしてるの。僕はそんな事言った覚えも無いんだけど。 (　返事代わりの気障なウィンクには口許だけで笑い、己が発言に背凭れへ凭れた相手に小生意気な茶々入れるが次ぐ躊躇う姿に話を畳み。泳ぐ視線も口籠る所以も分からない故に好奇は影を潜め、不審感抱けば表情も緩やかに戻して。苦笑浮かぶ其の面持を見据えた儘、頭を僅に垂らすと髪を掻き混ぜる掌の心地好さも相俟って穏和な声音で真意を問い　)

そのワンフレーズでお釣りがジャラジャラ来るわ…あー、覚えてない？ないか、ほぼほぼ寝てたもんなあ…いやね、寝言でぽろっと聞いたモンで、そんな旨の台詞をさ。譫言でも気になんのよ、ご存知の通り過保護だから。（ 不意の言葉につい僅かに手を止め、その動揺を悟られないようくしゃくしゃ黒髪を掻き乱しながら喜びを不真面目に誤魔化して。無防備に乱れた頭と声音の愛らしさに気を取られつつ、独り言のようにぼやけば柔らかな毛先を弄びながら何の気ない調子で答え、明言はせず視線で心当たりを尋ね ）

経済面は満身創痍な癖に。健気で泣けて来るな。……、寝言。僕がね…あんたこそ寝惚けてたって事は無い？＿＿まァ一体全体どんなサムい戯言垂れたのか知らないけど、そんなの思った事もないよ。残念ながら。 (　一瞬動きを止める手に髪乱され、段々と不服そうな表情に変えては細やかな反骨心から呟き。然し何気無い声調にて紡がれた、独言ちるかの様な言葉に微かに表情を硬くして。僅な沈黙の後に唇から声零れ落とし、単調的な抑揚で続けつつ姿勢を直して毛先で手遊ぶ相手から逃れると其の儘己も背凭れに身を預けて視線も切り　)

…その健気に免じて家賃免除してくんないかなあ、一夏分。首の皮一枚繋がるまで。お願い。──無いねえ、助手席に恋人乗っけて寝るほど呆けてないわ、流石のおっさん予備軍でも…多分ね、多分。（ 呟きに図星を突かれ呻きを上げては現実から目を逸らすように視線泳がせ、相手の言葉を借り図々しさと愛嬌ある笑みで押し付けて。柔和な表情が消えても躊躇わず首を横へ振り、冗句代わりに小声で付け足し。相手と並ぶようにソファへ座り直せば"マーキング出来りゃ何だって良いんだけどね"等と言い放ちつつ、その手を緩く握り穏やかに指輪を眺めて ）

一夏で足りるのかって疑問はあるけど。構わないと言うか…別に家賃払う必要は無いよ、抑が同棲した暁には僕を癒やす以外は何もしない、ヒモな生活させる心算だったし。＿＿…白々しい事この上無いね、確りと覚えてるじゃないか (　呻きと彷徨う視線に可笑しそうに眦細め、愛想笑う面差しへ穏やかに何とも冒涜的な企みを吐露し。酷くあっさりと否定する相手の言動を前に黙る他無く、せめて目は合せぬ様に中空を見詰めた儘付言に対し肩竦めて見せ。横並んで告げる言葉で締め付けられる胸とは裏腹に"そう"と小さく相槌打つだけだが握る手には間を置いて応え、指先に力込めては緩めるを繰返し口を開くのを躊躇して　)

また何つー魅惑の計画を。抗える自信ゼロだよヒモ予備軍は…でもアレじゃない、それじゃあ何年経ってもヴァージンロード歩けねえよ、良いの？──こればっかりは、ねえ。……何、春彦さん愛してるって？（ 怠惰な企みに目を丸め、羨望滲む声調でぼやくもふと思い至れば冷やかすように片目を細めて。開き直ったように小さく肩を揺らしては何か言いたげな指先見下ろし、暫し緩く包み込んだまま発されそうな言葉を待って。それでも口を開く様子が無ければ耳を傾けるように相手の方へやや凭れ、話題逸らしに図に乗った軽口零し ）

ふ、抗うとか考える間もなくヒモニート化したら好都合なのにね。勿論、良いよ…？だって僕が歩かせるんだし。…＿＿愛してる。…から手放しになるのが難しい。あんたに話したい事も、話さなきゃならない事も沢山あるのに。 (　羨望纏う声に思わず軽く吹き出して半ば願い事漏らし、片目眇めた相手の次ぐ言葉へは況やだと不遜に言放ち。言い開き揺れる肩を感じるも未だ沈黙貫けば此方へと凭れる様にずれた身体が触れ、気持ちが解れた所で軽口聞こえては僅に表情綻び。浅く頷き明瞭に答え、深く指絡ませつつ雪崩れの如く控えめな声音を紡ぎ終えると物憂げに睫毛伏せて　)

…男のプライドがあんのよ、昭和生まれには。正直婿さんがイケメンすぎて身も心も丸投げしたくなってきてるけど。──…ん、今夜はそれで腹一杯。何たって先は長えから、嬉しい事に。お喋りは気ぃ向いた時に置いといて、今日のとこは手放しにやりたい事やっていこうぜ。（ 余りにも様になる台詞ににやつく口元を片手で覆い、さもプロポーズを受けたようなリアクションで戯けつつ身も蓋もなく本心漏らし。真っ直ぐな言葉が返ってくれば満ちる胸からふっと吐息零し、繋いだ手に柔く力を込めながら静かな声に耳を傾けて。声が途切れると長い睫毛が影を落とす横顔見つめ、微かな綻びの色を深めるべく温和に語っては「愛してるよ、俺も」と耳元へ囁いてからこめかみへと口付けて ）

其の強靭なプライドを決壊させるのが当面の目標になりそうだ…早い所折れなよ、ハンサムフェイスの花嫁さん。＿＿其れもそうだね、あんたに止められてハグの1つもやらず仕舞いの儘だし。（　戯けた反応と裏腹に覆う手の間から漏れる本音へ僅に喉鳴らし、冗談めかした誘い文句贈り。微かな吐息零す相手の握り返す指先の感触に安らぎつつ、優しく温和な声を受け。耳に触れる囁きと口付けで目が開く儘、胸奥に巣食う憂色が和らいで仕舞うと短くも嬉々と賛同紡ぎ繋ぐ手を解いて。首に両腕を回しては愛の言葉で擽ったく微笑んだ顔を合わせ「有難う。…指輪も、大切にするから」何て零し　)

遅くなって御免。長くなって来たから…大変そうなら全然短くして良いよ。勿論、もう深夜だし眠かったら寝てくれて平気。

──お陰でしっとり良いムードだったろ？我ながら超英断。がっついてたんじゃ台無しだからねえ…お礼はコレで頼むよ、お預けされてた分たっぷりと。（ 与えられた肩書きに耐え切れず笑声立てては返す言葉の無さで心情示し、せめてもの抵抗に耳を塞ぐに留めておき。身を寄せてくる相手の微笑みに心が弛めばその背に手を回し引き寄せて、零れた言葉の擽ったさに笑みを深めながら驕ってみせ。合わさった胸の温もりが徐々に熱へと深まるのを感じつつ、もう一方の手を頬に添えると親指の腹で唇なぞり ）


そっくりそのまま謝らせてちょうだい、寝惚けに寝惚けてこんな時間。寝落ちフラグ濃厚なんで先におやすみって言い残しとくし、芳樹くんも芳樹くんで無理しないで休みなよ。じゃ、何もなけりゃこっちは蹴っちゃって。

はいはい……悪くなかったよ。こんな攻めたサプライズくれて置いて未だがっつく気力あるんだ＿…ん、まァ御預けられていたのは僕の方なんだけどね。 (　軽快な笑声上げて耳を塞ぐ相手につられ、此方もくすりと微量に肩揺らすも話題には拘らず。背中へ回った腕に抱かれるのが嬉しく、笑み深む面差しを見詰めながら得意気な語りへ可愛気無く評価して。だが頬へ添わる手に微笑む中にも情愛滲ませ、更に身を寄せて衣越しに伝わる体温を味わう傍らなぞる指の腹に軽くキスし、痕を残す様に吸い付き　)

御言葉に甘えて寝させて貰ったよ。お休みは逃したのでお疲れ様を代わりに据えとくかな。何時も通り余裕ある範囲で付き合ってくれたら嬉しい、レスの方も好きにして良いから。…じゃあ今度こそ蹴って。

何よ、今日は最後までイケてる紳士でいてほしい感じ？…芳樹くんがお預けプレイ続行したいってんならそりゃ付き合うよ、付き合うけども…ここらへんまではつまみ食いさせてほしいかな、せめて。（ 相手らしい口振りをわざと真に受けてみせると意外そうに首傾げ、白々しく惚けてみせて。しかし小さくリップ音が響けば返答も待てずに二の句を次ぎ、指先に軽く力を込め唇の間へ割り入って。緩い舌先の感触に鼓動を深めつつあくまで冗談めかし、擽るように触れながらにやりと双眸細め ）

ッ、…それじゃあ痕付けられないじゃないか、あんたに。別につまみ食いするなとか、紳士たらしく動くな何て事は言わないけども。 (　首傾げて惚ける相手にそうじゃない、と紡ぐ為開き掛けるも侵入する指に阻まれ。擽る様な刺激を敏感に感じ取って震える肩とは正対し、物言いたげな視線送れば深く咥え込んで。指の腹から付け根に掛けて舌這わせ、其れに伴い腕に力籠もりつつ指を甘噛むと糸を引きながら口を離し。舌先で其の糸を絡め取り、仄かに熱孕む双瞳向けると漸く不平口にし　)

…まーだマーキングしてくれんの、身も心も財産も君のモンだって分かったばっかりだろうに…そうだなあ。何だかんだ露出の多い季節だし、エレガントな紳士的にゃ人目憚れるとこに付けてくれると有難いね、此処とか。（ 予想に反して咥え込まれる指を瞠目して見下ろし、水音と絡みつく温度に情動湧けば微かに笑みを引きつらせ。向けられた眼差しで抑え続けた欲が愛おしさに一瞬勝り、濡れた指で顎を掴むと唇を寄せながら潜めた声で揶揄い混じりの口実述べ、仕返しとばかりに舌先でなぞるようなキスをして ）

あんたの寂しさと一緒だよ、あればあるだけ足りなくなるんだ＿＿……キスがしたいだけでしょ。 (　ほんの僅に強張った相手の笑みに心拍高まり、顎を掬う指の濡れた感触も構わず揶揄含む囁めき紡ぐ唇が重なる間際に本心零し。だが唇を舌先でなぞる様なキスに背筋が慄き、劣情疼く中で振り解く事など最早出来ず。熱と慾で揺れる瞳を閉ざしつつ、掠れ声と共に口付けし返せば其の舌を求める様薄く口を開けて　)

そりゃまた厄介な事で…、…芳樹くんもじゃなかったっけ、それ。ほら、順番。（ 久しぶりに感じる唇の柔らかさに気を引かれ、有り有りと理解できる言葉にも何処か上の空な調子で呟いては耐え切れず薄い隙間に舌先で押し入って。待ち焦がれた微温い体温を味わいつつ舌を絡め、此方が痕を残すように軽く吸い上げると不意に唇離し、悪戯に弧を描き開いた口を指差して ）

…ぁ…、＿＿ッ…煩いな、其処にするのは最後だよ。此れ以上したら堪らなくなるから。 (　空ろげな相手の厄介、と言う単語に自嘲的な笑い呼ぶも触れ合う唇の前に消え。舌先が己のに絡めば先端から裏側へ掛け這わせ、吸われる刺激に昂りと切ない感覚が身体の芯から疼き体が一瞬硬直し。待望も相俟い陶酔しかけた刹那唇を離され、思わず鼻から抜ける様な声が漏れては開いた眼前で濡れ艶めく相手の唇が描く弧から目逸しやや眉根寄せて　)

…えー、今のは堪えたいって声じゃなかったろ。素直になろうぜ、素直に。マーキングよかもっとしたいことあんじゃないの…？俺と同じで、さ。（ 耳に残る甘い声に小さく生唾飲み、悟られないよう相手を真似て眉顰めては欲のまま焦ったさの隠せない声を上げ。不満と冷やかしの入り混じる言葉を並べながらも瞳の昂りは隠せず、飄々とした口調とは裏腹に漏れ出た本能故に相手の背中へ回した手でするりと腰元まで撫で下ろし、誘うように悪戯に微笑みかけ ）

だから、煩いってば……ッ、！… (　目逸した為顔は見えずとも、注がれる視線の熱っぽさと隔靴掻痒な声に揶揄われ表情は羞恥に歪み。其れでも反発した言葉吐くが背を掌が伝い、逆らえぬ肉体の反射で微かに上擦って。悪戯に艶笑する相手の誘う儘下腹部が甘く痺れては唇噛んで諸々殺し、其の柔かな後髪を掴み引っ張ると首筋へ顔寄せる事で隠した後「…馬鹿。だったらベッド連れてけよ、今日ばかりは余裕が無いって言ってるだろう」堪え切れず吐き出した熱い息混じえ囁き　)

いって、痛えって──…よく出来ました、じゃねえや、そうこなくちゃね。スタンプはまた後で…ちょっとそのままま引っ付いててよ、良い子だから。（ 相手らしくなく翻弄される姿に満悦と僅かな加虐心を抱きつつ、それすら腹底に湧く情動の糧になれば対照的に愉しげに歪む表情を髪の痛み故と誤魔化して。熱い吐息に煽られるまま腕に力込め、そのまま抱き潰したい欲望堪え立ち上がると力任せに抱え上げ寝室へ向かい。ベッドに仰向けで相手を寝かせ"到着"と疲労のせいだけでなく乱れる呼吸で呟けば、自身もゆっくり覆い被さるように片腕つき ）

…分かったから。其の不本意も過ぎる言い方止めてくれないかな、……。 (　相手の声が上がれば早々に髪を引く指先の力緩め、己を甘やかす様な言葉には吐き捨てるかの如く返して。抱擁する力が些か強くなる腕に抗う間も無く抱え上げられて仕舞うと未だ慣れぬ不安定な体勢に大人しく収まる他無く、然し顔は首に埋めた儘で。軈てベッドへと下ろされては息を乱して呟く相手を、劣情隠す為に寄った眉根保つ面持で控えめに見上げ"平気？"と細く問いつつ両手で其の頬を包み　)

──あー、悪い、平気じゃない。想像の倍は余裕無いみたいだわ、俺も……ってな訳でいい加減止めようぜ、我慢大会。（ 頬を包まれた為に見上げてくる眼差しから目を逸らせず、先程吐き捨てられた言葉のように都合良く聞き流す事も出来ずに掠れた本音零し。溜め息混じりに自嘲しつつ引き寄せられるように濡れたままの唇寄せ、急く情欲から低く短く告げると返答待つ間にもつまみ食い的に浅く重ねては啄ばみ ）


此処んとこ寝落ち三昧で悪いね、もうちょいでキリ良い所だし、長引いちゃってる置きレスも好きに切り上げてくれてオッケーだから。そんでもって今夜も夜明けまで持たない気ぃするんで芳樹くんも早めに寝といてくれると助かるよ、切実に。そんだけだから返信不要…っつーか連絡自体大遅刻だわな、本当ごめん。

…今度は卑怯な言い方だ…＿＿そう思うなら、もう良い加減黙ってよ。 (　目逸らず零された掠れ声に切迫感を感じ得ては鼓動跳ね。甘く痺れるが如く締め付いた胸奥に切な気に眉尻を下げ、濡れた唇が寄る扇情的な光景から目を離せぬ内に口付けられて。啄まれる毎、湿った柔い感触で壁設けた感情が崩れては耳に残る低声に喉震わせ。我慢は認めぬ嗄声に反し下唇へ深く食みつつ、逡巡の後相手の腰に両脚をするりと回し絡み付かせて　)

寝てくれた方が安心するって事も、無理に返さなくて良い話も既にしてる筈だ。だから謝罪は要らないね。正直1週間多忙にあんたを奪われた時と比べたら、こんなの微々たる物だよ…我ながら非常に不謹慎だけど。諸々は了解したので、其の"ごめん"は1年くらい待たせた時に取って置きな。じゃあ蹴って。

…その顔のが卑怯だろ。毎度毎度ウィークポイント突きやがって──まあいいや、こっからは芳樹くんがお喋りする番だもんな…喋るっつーか、鳴くっつーか。（ 唇の角度を変えながら相手の反応を見遣り、眉を下げたその表情に毎度の事ながら心臓が甘く痛めば悪態めかして零し。それでも深まる口付けと求めるように絡みつく脚の前に半ば思考を放棄して吐き捨て、歪む口元から冗句にも出来ない下心を並べては唇の裏側を愛おしそうに舌先で愛撫し、緩やかな動きとは対照的に空いている手で相手の上衣を乱雑にはだけさせ ）


あー…そういや毎度してもらってるっけね、その話。面目無さより口惜しさに目ぇ眩んじゃってたみたい。謝る代わりに芳樹くんにもいつでも寝ちゃって良い券あげるからさ、バンバン有効に使ってよ。ありがとね。そんじゃ本当の本当にスルーでよろしく。

＿＿ッは…本当に何、さっきから。あんた張りに声を出すのなんか御免だよ。…春彦さんので塞がせてて。 (　角度を変え口付ける傍ら砕けた口調で言い捨てられ、顔が何だと疑問呈す間も無く蠱惑的に歪む口端が言葉重ね。その羞恥を煽る言い様に何時かの行為が脳裏過り、加えて優しくなぞる舌の感覚に堪らず抑えてた息を喘がせれば口許に間が開く暇仄かに悩ましく零し。其の儘相手の舌先を絡め取り、根本まで這わせ吸い付きつつ乱れた呼吸で上下する胸が露わになると指先が跳ねて　)

此方こそどうも。御言葉に甘えて寝た上に遅れて御免…もう遅いし今日は寝てよ。
其れと急な話だけども明後日、1日空けても構わないかな。理由は悪いけど具体的に述べる事は出来ない。ただ、こうして言葉を交わしてる以上…あんたからは了承を得て置きたくてね。勿論、駄目だって言うなら特段何も無く僕は此処に居るよ、逆に空けてる間は好きにして貰ってて良いし。まァそんな気難しく考えなくて大丈夫だから。

……幾ら何でも急な話過ぎたね、御免。其方の都合もあるのは理解してるし、と言ってもあんたの所為では決して無いから。寧ろ決心が着いたし此方としては良かったよ。まァ上記で述べた通り用とも言えない、ほんの些細なものだから御気に為さらず。
そう言う訳なので上のは白紙じゃないけど、初めから無かった扱いしてくれると有難いかな。本文は気でも筆でも乗った時に返せば良い、急かして何か無いんでね。じゃあ今週もお疲れ様、春彦さん。体調崩して無い事を祈るよ。本当に此れは蹴ってどうぞ。

…変わりなく過ごしてるだろうね。流行病や夏の暑さ、後は多忙期で心身共にやられてないかを願うばかりだよ。たった1月の日数で気が早いとは思うが多分…あんたは来ないだろうし、此処らで踏ん切りを付けようと思う。どんな理由であれ、終わりだと言うなら此の儘放置で良いよ、勝手に此方が見切りを付けるだけだ。態々言葉を残す程の事でも無いでしょう。

ただまァ半年近くも僕に時間をくれて、本当幸せな日々を与えてくれたあんたには感謝してる……だからこそ出来る事なら責めでも愚痴でも直接聞いて謝りたい。至らなかったと思う点は大なり小なりあると僕自身自覚しているから…ね。

其れじゃ色よい返事を…＿＿そうだな、来たら嬉しい位で期待して置こうか。