───月夜に浮かぶ、 ( 〆 ) 

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とくめい  2019-09-25 09:21:08 
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  • No.41 by 燭台切/霖  2019-10-05 02:57:13 





燭台切:
主は和菓子の方が好み?見慣れてるのは和菓子だから、未だに洋菓子に興味が向いちゃうんだけど…。
( 繊細な菓子の花を見るや否やふわりと広がる笑顔に、思わず此方も表情を緩めてそれを眺め。微笑ましく思うと同時に、その笑みを更に自分で引き出したい衝動に駆られ。自分用にと持って来た同じ茶受け菓子を一瞥すると、顎に手を遣り考える素振りを。巧緻さではきっと初期刀の彼に軍配が上がるだろうが、簡単なものであればすぐにでも作れるだろう。休憩がてら摘める物を作れば、もう少し彼女も休み休み職務に向き合えるだろうか。)

霖:
用っていう用じゃないんだけど…少し、お話したいなって。今日はお仕事の話ばっかりだったでしょ?
( 存外近くから聞こえる彼の声に胸を暖め、そっと襖の縁に触れる。無論、昼間も顔を合わせてはいるが、職務の話となると無意識に背筋が伸びてしまうもの。言い終わると一言断った後、静かに襖を開け隣室へと入り。彼の姿を見ると何処か安心を覚え、身体が睡魔を受け入れ始めるが、ぐっと堪えて笑みを浮かべ。本丸にいる刀も少しずつ増え始め、日毎に身体が怠くなっている気がする。だからこそ睡眠を摂らなければならないのだろうが、精神的な癒しを求める自分も確かにいて。)



  • No.42 by 日和 / 膝丸  2019-10-05 15:07:55 



→ 日和

うーん、どっちも同じくらい好きかなぁ。和菓子も洋菓子も、比べられないし──ふむ、なるほど。じゃあ…今度、私が何か作ってあげようか。
( 両手に持つ湯のみに口付けて温かい玉露茶を一口流し込み、まったりと一息つきながら何やら考えている彼に小首を傾げ。その後相手が洋菓子に馴染みがないという情報を耳にしては、湯のみを卓上に置いて彼の方へ身体ごと向き直り。良い事を思いついたとばかりに食指で自身を指差しにこりと笑みを浮かべ。日頃から面倒を掛けているお返しに、たまには此方が彼をもてなすのも良いだろう。普段は厨に立つ事など殆どないが、彼が顕現する前、まだこの本丸に数振りしかいなかった頃は自分も何度か手料理を振る舞っていた。その為ある程度の物は作れるだろうと、リクエストを尋ね )
特に気になってる洋菓子とか、あるかな?


→ 膝丸

ああ、勿論。それは構わないのだが…今日も働き詰めで疲れているだろう?眠ければすぐに言うのだぞ、無理は禁物だ。
( 一言断りを入れて襖を開き、室内へと足を踏み入れた彼女の姿にふと表情を緩めつつ、近くの座布団を二枚手繰り寄せて並べ。そのまま彼女の手を取り誘導するものの、何処か眠気を我慢している様にも見える主人の様子に目を細め。此方も彼女と話をしたい気持ちは充分にある。だが、だからといって無理をさせてまで時間を作って欲しいわけではなく。彼女の望みとあれば幾らでも話し相手になるが、無理をしようものなら強制的に睡眠を取らせるつもりで一つ忠告を。無論、本来ならば近侍として主人の体調を第一に考えなければならないのだろう。けれどそうしないのは何故か、自身の行動の矛盾に眉寄せながら、細く小さな手を引いて座布団へ座る様促し )

  • No.43 by 燭台切/霖  2019-10-05 16:24:58 





燭台切:
…主が?駄目だよ、それで君が火傷でもしたら大変だろう?厨は危ないんだよ。
( 自らの分の茶を注ぎ、甘みの深い甘露を口の含み。温かいそれを嚥下すると、何やら声色を明るくした主人の声に其方へと視線を向け。爛々とした様子で問いを掛ける姿は楽しげで愛らしいが、余り二つ返事で頷ける内容ではない。表情を顰め、首を傾げる。己が顕現してからというもの、彼女が厨に立ち料理を振る舞うことなどあっただろうか。そも食に対して興味関心も薄いような彼女が、だ。小動物を宥めるような落ち着いた声色で断りを告げると、悪戯な子を軽く叱り。茶器を盆へと戻し、指を立てるその手を取って優しく撫で。)

霖:
ふふ、眠そうに見える?…でも、眠っちゃったら貴方とお話できないから。
( 彼の穏やかな表情が目に入ると此方も自然と気が解け、促されるままに座布団へと腰を下ろし。与えられた忠告に肩を竦め、自身を戒めるように掌で頬をぺちぺちと叩き、背筋を伸ばし。赴任した頃から考え随分と気の置けない相手にはなったが、矢張り主人として情けない姿を見せたくないというのは変わらない。彼の前で睡魔に負け転寝をしてしまう方が情けないかもしれないが。口を閉じかけるが、これでは無理矢理布団に押し込まれてしまうかもしれない。少しばかり眠くても、彼と共に過ごす程度の余裕はある。どうにか押し切れないかと僅かな時間で考え、付け焼き刃を手に彼を向き。)
───それなら、一緒に寝ちゃおうか。ほら、昔はよく同じお布団で寝たよね?



  • No.44 by 日和 / 膝丸  2019-10-05 18:14:38 



→ 日和

へ、平気だよ!子供じゃあるまいし…。それに、前は私もご飯作ってたんだからね?嘘だと思うなら、その…歌仙に確認しても良い、よ。
( どうやら彼の中では、料理もロクにした事のない主人だと思われていたらしい。良い返事を得られず、逆に子供を相手にする様な宥める言葉を掛けられると、微かに口を曲げて不満そうに視線を遣り。確かに普段からだらしない所を見せているのは此方で、彼が心配する気持ちは間違っていないのだろう。しかしそれでも、子供扱いばかりされては気分も落ち込むもの。彼から見た自分は大人の女性とは程遠いのではないか、そう考えほんのり痛む胸元を片手で押さえては、仕方ないと自分に言い聞かせながら冗談めかして小さく肩竦め )
まあ、私が作った物は安心して食べれないよね。お腹壊したら大変だし。


→ 膝丸

それもそうだな。……あ、主!?──確かに昔は共寝していたが…あの頃の君はまだ、年端もいかぬ子供だったであろう?
( 腰を下ろした彼女の隣に腰を据え、掌で頬を叩く可愛らしい仕草を微笑ましく見守り。もし彼女が寝落ちてしまう様であればきちんと布団に運んであげれば良い、そう思考しながらその横顔を眺めていたも、此方を向いた彼女から飛び出た単語を理解するのに数秒かかり。思わず同意してしまった後、はっと慌てた様子で華奢な両肩へと手を置き。刀であっても今この身は男であり、彼女はあの頃からうんと成長した女性。以前の様に何も考えず添い寝出来るわけがなく。勿論、冗談として発した可能性も考えられるが、自分以外にも同じ様な事を言われては堪らない。複雑な心境でぐっと顔を寄せると、真っ直ぐに彼女を見据えて )
年頃の娘が、そう軽々と口にするものではないぞ。

  • No.45 by 燭台切/霖  2019-10-05 19:32:14 





燭台切:
こーら、拗ねないの。僕はただ、主の綺麗な手に傷を付けたくないだけだよ。
( 不満げな視線に表情を戻して片眉を上げ。子供扱いしている気は更々ないのだが、どうにも彼女に対しては過保護になってしまう。それでも矢張り、白魚のような手に切り傷でも入ったとしたら、惜しくて仕方がない。手中の滑らかな掌を再び慈しむように撫で、加えて聞こえた発言に顔を上げ。とは言え彼女ももう二十歳も半ば、こんな風に過干渉では自尊心を傷付けてしまっただろうか。彼女の細い顎へと手を伸ばし、優しく丁寧に掬い上げてそのかんばせを覗き。安心させるように目を細めれば、謝罪の代わりに先程の答えを。)
───…それじゃあ、ティラミスが食べたいかな。美味しいよね、マスカルポーネ。

霖:
お、落ち着いてよ。未だにあの頃と重ねちゃうなら、そうやって接した方が膝丸が楽かなって思ったんだけど…。
( 思わぬ同意に目を丸くし、困惑すると同時に心が弾み出すも、突然彼に両肩を掴まれれば反射的に肩を竦めて身を強張らせ。此方の軽口に対し余りに真面目に答えられ、若干申し訳なく思いつつ苦笑を浮かべて。ふしだらだと思われてしまっただろうか、浮ついた気持ちは隠して弁明を述べると、肩に置かれた手を取り確認として小首を傾げ。冗談だと誤魔化さなかったのは、彼との同衾を望んでいるからなのだろうか。昔を懐かしんでいるだけなのか、別の意図があるのか。今更になってじわりと羞恥が滲み、恥ずかしそうに睫毛を伏せ。)



  • No.46 by 日和 / 膝丸  2019-10-05 21:21:16 



→ 日和

もう、燭台切は心配性だなぁ。私、ちょっとだらしないかも知れないけど、ドジではないからね?──…わ、分かった。美味しいティラミス作るね…!
( 掌を慈しむ様に撫でる彼に苦笑を零して肩の力を抜き。常々思う事だが、彼は此方が何かをする度に目を光らせているのではないだろうか。元々はここまで過保護ではなかった気がするものの、他の本丸の彼がどんな感じなのかは知る由もない。恐らく全ては頼りない己が招いた結果。そこに文句を挟むのはお門違いだと気持ちを切り替えては、伸びて来た手に顎を掬い上げられ動きを停止し。昼餉前に恥ずかしいと告げたはずの行いを再び繰り返された事に思わず顔を背けてしまうも、紡がれた洋菓子の要望を耳に入れると直ぐさま嬉しそうに顔の向きを戻して )


→ 膝丸

その気遣いはありがたいのだがな…。君はもう幼子ではないのだ、もっと発言に気を付けた方が良い。
( 寝惚けて口走ってしまったのかと思ったが、それは違ったらしい。己の手を取って小首を傾げた彼女から、接しやすい様にと気遣って貰った事を知るが、内容が内容なだけにどうしたものかと思い悩み。素であの様な発言をする程に危機感のない彼女が心配でならない。今回は相手が己であったから良かったのだろうが、別の男であればどうなっていた事か。例えそれが兄者であっても、考えただけで無性に腹が立つ。そう湧き上がる今までにない感情に疑問符を浮かべ、なんとか表に出ない様に感情を抑え込みながら、薄っすらと赤みが滲む彼女の頬に手の甲をするりと触れさせ )
……そのような事を、俺以外に言ってはならんぞ。

  • No.47 by 燭台切/霖  2019-10-05 22:22:06 





燭台切:
うん、楽しみにしてるよ。
それにしても、…ふふ。お菓子のリクエストなんて、まるで奧さんみたいだね。
( ふいと顔を背けられ、昼前の会話が想起されると合点がいき、少々残念に思いつつも手を下ろして。しかし此方の要望がそれほど嬉しかったのか、喜色を表に出して再び顔の向きが戻ると安堵に胸を撫で下ろし。ティラミスに合うのは苦めのコーヒーだろうか。良い豆を用意しておかねばならない。そんなことをぼんやりと考える最中、先程思い出した昼食前の会話に思考が結び付き、思わず口許から笑みを零し。否、妻というよりは母親なのだろうが、どうにも彼女の子供だとは思いたくはない。自分の立場が親だと言いたいわけではなく──何故だか、“子供”には甘んじていたくない。)

霖:
…うん、……はい。
───……ねえ、嫌だった?さっきから少し、表情が険しくて…、
( 瞳に睫毛が影を差す儘に、頬へと彼の男性らしい手が触れると、此方からそっと手に取り、掌を自らの頬へと添わせて。刀を握る大事な大事な其処を優しく撫で、慣れ親しんだ猫のように緩く頬擦りを。何度も頭を撫でて貰った感覚が蘇り、心地良さに身を委ね。ふと瞼を持ち上げれば、何処か険しげな彼の表情。矢張り先程の発言がいけなかったのだろうか、名残惜しく思いつつも手を離し、素直に前言を撤回すべきだったと後悔しながら眉を下げ。)



  • No.48 by 日和 / 膝丸  2019-10-05 23:36:13 



→ 日和

私が、お、奥さん?……じゃあ、素敵な旦那さんとお似合いになれるよう頑張らないと。
( 一先ず厨に立つ事の許可は出た為、材料の買い出しはいつにしようかと思案するも、不意に笑みを零した彼の口から出た単語に目を瞬かせ。内容的には母親の方が正しいのではないか。そう瞬時に疑問が頭を過るも、訂正したくないと思うのは何故なのか。無理矢理に考えを振り払って否定の言葉を飲み込めば、冗談であっても彼を夫として意識した途端溢れ出る幸福感から頬が緩み。意思とは反対にだらしなくにやついてしまいそうな頬を片手で軽く摘むと、どうにか誤魔化す様に顔を茶菓子へと向けて菓子切りを手に取り )


→ 膝丸

ち、違うぞ…!嫌なのではなく、だな。…これは俺の気持ちの問題なのだ。だから君が気に病む必要はない、安心してくれ。
( 頬に軽く触れた手が、彼女の柔らかな手と重なり、形の良い頬に沿う様にして掌を這わせ。目前で掌に何度も頬擦りをする彼女に懐かしさを覚え、何とも愛らしいその姿を目に焼き付けていたも、先程の苛立ちから無意識に険しい顔つきになっていたらしく。突然手を離して眉を下げた彼女にはっと眉間に寄せていた皺を和らげ否定を。普段であれば多少の感情を隠す事など造作もないというのに、彼女の何気ない一言で随分と心を乱されてしまった様で。自分でも上手くコントロール出来ていない事を静かに恥じながら、離された手を包み込む様に握り )

  • No.49 by 燭台切/霖  2019-10-06 01:20:49 





燭台切:
はは、新婚さんみたいな雰囲気だ。もう四年も連れ添ってるのにね。
( 母親の方が的確であるという指摘もなく、どうやら彼女もこの夫婦ごっこに乗り気らしい。分かり易く緩んでいる頬が素直で可愛らしく、それをどうにかして誤魔化そうとしているところがまたいじらしい。今すぐにでも己が妻を抱き締めたい衝動に駆られるが、ぐっと堪えて手を伸ばし、その豊頬をつんと食指でつつき。自覚がないだけで、もしや自らの表情も大方絆されてしまっているのだろうか。それは格好付かないが、この雰囲気の中でなら良いかと思ってしまうのは、些か重症なのかもしれない。)

霖:
…ねえ、さっき、“ 俺以外 ”って言ってたけど…。膝丸になら、言っても良いの?
( 握られた手の温かさを感じながら、彼の言葉をゆっくりと反芻して。そんな風に優しい言葉を掛けられると、どうにも期待してしまう。彼はきっと、未だ稚かったあの頃との差に困惑しているだけ。そう分かっている筈なのに。先程までは気の迷い、ここから先は寝惚けた譫言。胸中で自らへと言い訳を押し付け、吐きかけた溜息をぐっと喉奥に押し込んで。彼の手を取り直し、一本ずつ浅く指を絡めていく。羞恥心から僅かに躊躇いを見せつつも、控えめに問いを投げかけ、握った手に少し力を込め。)



  • No.50 by 日和 / 膝丸  2019-10-06 03:12:25 



→ 日和

ふふ、本当だ。いつまでも新婚さん気分だねぇ。
( 菓子切りで丁寧に菓子を切り分けつつ、緩んだ頬を突く彼にちらりと視線を向け。心なしか普段より幾分か和らいで見える彼の表情に見惚れながらも、続行される夫婦ごっこに楽しげな声を上げて。四年連れ添ったという設定であるならば、そこそこベテラン夫婦になるのだろう。それ相応の事を何か一つ出来ないものかと首を傾げた所で、ふと手元の茶菓子が目に入り。少しの思考後、一口サイズのそれを菓子切りで刺すなり彼の口元へそっと運んでみるも、自分の大胆な行為に一瞬にして羞恥心が湧き上がってくれば、いくら夫婦ごっことはいえ調子に乗り過ぎたと差し出した手を引っ込め )
えっと…燭台切、あーん──とか、…ふ、夫婦でも滅多にしないよね!ごめん、やり過ぎちゃった。


→ 膝丸

そ、れはその…──俺に、君を縛る権利はないのだろうが、あまりに無防備な事を言うものだから心配でな。……良いか、俺だけに言うのだぞ。
( 心配、なんていうのは表向きの言葉で、まさか自分以外に彼女のあの言葉を聞かれるのが嫌だなどと言えるわけもなく。審神者と刀剣という間柄でありながら、一体己は何を望んでいるのだろうかと息を吐き。じわり、じわりと指先を絡めゆく彼女の艶やかな姿にひっそりと息を呑めば、どこでこの様な煽り方を覚えてきたのか、と更に増えていく心配事に内心頭を抱え。あの無邪気で太陽の様だった女の子が、こんなにも心を惑わせる蠱惑的な女性へ成長するとは思っていなかった。他の刀剣達にもこの姿を見せているのではないかと気が気でない事を胸の内に潜め、絡まった指先をしっかりと繋いでは、先程の独占欲丸出しな言葉を撤回する事なく再度口にして )

  • No.51 by 燭台切/霖  2019-10-06 09:29:33 





燭台切:
…!……ふふ、本当に新婚気分が抜けてないね。可愛い奥さんだ。
( こうして夫婦だ何だと戯れられるのは、彼女が此方を何も意識していない故、なのだろうか。そうだとしても、こうして一時の享楽に身を任せるのもまた一興。ふと首を傾げる彼女の姿に此方も同じ仕草を返し、手元が動けばそれを不思議そうに眺め。食べ易いよう切られた茶菓子を此方へと向けられ、一瞬呆然と瞬きを。そうしている内にすぐその手は退き始め、思わずくすりと笑みを。下がってしまった手首を掴み、己から身を乗り出し顔を近づけると、ぱくり、それを口に含み。広がる甘い味と、内側を支配する高揚感。どうにか表に出さないよう堪え、体勢を戻して。)
───はい、ご馳走さま。僕からもした方が良い?

霖:
…誰にも言うな、じゃないんだ。
( 語られる彼の胸中を聞き、穏やかに瞳を細め。凛々しく鋭く、恰好良い刀だと思っていたが、こうして見ると誠実さが初心にも捉えられて可愛らしい。先程から自らが共寝を誘ってしまうのも、彼を揶揄したいがためなのだろうか。ほこほこと胸を暖め、繋がれた手から伝わる体温を感じ。間に流れる雰囲気は懇ろで、まるで恋仲であると勘違いしてしまいそうなほど内心が満たされていく。もう少しだけ、揶揄ってしまおうか。名残惜しさをぐっと堪えて手を離し、彼の隣へと距離を詰め。静かに寄り添い、煽られる羞恥心に顔を俯け。)
…でも、貴方に言っても、断るんでしょ?



  • No.52 by 日和 / 膝丸  2019-10-06 13:48:34 



→ 日和

っ…む、無理に合わせなくても良かったのに。──…しなくて、いいです。
( いくら戯れてたとはいえ、本物の夫婦でもないのに何を浮かれているのか。己の行いに困惑する最中、突如身を乗り出した彼の顔が近付いて来たと同時に、手中にある菓子が口内へ含まれていったのを呆然と見送り。体勢を整える彼を見てはっと意識を引き戻せば、その瞬間急激に火照り始める頬を両手で挟み。自分でやらかした事であるものの、一度引いた事を彼の方から実行されては狼狽えてしまう。どくり、と耳に響く様な鼓動を感じてこれ以上の醜態は見せられないと顔を俯かせては、絞り出す様に呟き零し )
…うー、心臓に悪い。


→ 膝丸

…先程のあれは、断ったのではないぞ。危機感を持て、と言ったのだ。
( 彼女の言う様に、本来なら恋仲でもない限り己だけになどと我儘を口に出す事は可笑しいのだろう。自分でも理解出来ない気持ちを整理しようとするも、名残惜しくも離れた手と、静かに寄り添う彼女の言葉にぐっと口を噤み。先刻から、どうにも煽り攻撃を受け続けている様な気がして参ってしまう。俯いた彼女に心を落ち着かせて息を吐き、何か勘違いしている様子に訂正を。無論、以前と同じ心持ちで同衾する事は不可能だろう。それでも彼女が望むのであれば、安心して睡眠を取れるよう傍に寄り添い、共に眠る事を断るつもりはない。その意を込めて近距離にある綺麗な黒髪へと手を滑らせ )

  • No.53 by 燭台切/霖  2019-10-06 15:53:43 





燭台切:
そう?…でもほら、君の分を食べちゃって悪いから。
───ほら主、あーん。
( しっとりと口内に広がる甘い味わいを嚥下し、玉露を一口啜って。矢張り見た目だけでなく味も良い。後で細川の彼に礼を言わなければ。ふと目の前を見れば、頬を真っ赤に染め俯く主人の姿。健気で可愛らしいその姿にどうしようもなく胸中が疼き、自分にはないと思っていた嗜虐心が疼いて。未だ口を付けていない自らの茶菓子を小さく切り分け、同じように菓子切りで刺し。菓子にも負けない程に声色に砂糖を乗せ、金の瞳をそうっと細め。落ちてしまわないよう掌で皿を作り、彼女の前へと和菓子を差し出し。)

霖:
…ほんとうに?背中なんて向けちゃ駄目だよ?
ちゃんと向かい合って、狭いから身体寄せて、眠くなったらお休みのキ────、
( 薄っすらと、十年前の記憶が蘇る。本丸に泊まる日は祖父と寝ていたのに、彼ともっと一緒にいたくて、眠るのが惜しくて。一緒に寝たい、だなんて駄々を捏ねて、彼を困らせていた。今もそれは変わらない。こうして髪を撫でる優しい手も、突然のお願いに狼狽える彼も。そんな懐かしさに浸っていれば、ふと聞こえる訂正の声に顔を上げ。予想外の反応に表情を明るくし、稚かった頃の記憶と願望を呼び起こしながら言葉を並べ、ふいに口を噤み顔を畳へと向け。最後は完全なる幼い願望。口付けだなんて、恋人でもないのに。余りに嬉しかったからか口を衝いて出てしまったのだろう、じわりと紅潮を滲ませる頬を掌で挟み込み戒めを。)



  • No.54 by 日和 / 膝丸  2019-10-06 18:22:02 



→ 日和

え?えっ、あの、燭台切…?私はいいから──、
( 彼の主人としてこの反応は如何なものか、異性を相手にした触れ合い等に耐性がなさ過ぎるのも問題だ。しかし、頭上から落とされていく彼の言葉に視線を上げれば、まさかお返しをされるのではと咄嗟に首を振るも、一足遅かったらしく目前に菓子を差し出されてしまい。優しい彼の事だ、自分だけ貰う事を良しとしなかったのだろう。意地悪のつもりではないと思うが、鼓膜を刺激する甘い声色に羞恥を更に煽られてしまうのは事実。火照りの冷めない熱は治る事を知らず、数秒間狼狽えたように彼と和菓子を交互に見遣っては、この状態が変に長引く方が耐えられないと覚悟を決めて差し出されたそれを口に含み。そのまま顔を背ければ、両手で顔を覆い隠しながら感想を零して )
……甘くて、美味しいね。


→ 膝丸

──…お休みの、何をして欲しいのだ?
( 表情が明るくなった彼女に安堵し、次々に並べられる要望を聞きながら懐かしさに浸り。以前とあまり変わらない可愛らしいお強請りに気分が高揚する。それが昔と今の共通点を見つけた事へのものなのか、はたまた別の感情によるものなのかは見当もつかない。滑らかな彼女の髪を指先で梳く様に撫でながら、要望に対して一つ一つ頷いていくが、不意に言葉が途切れた事に首を傾げ。最後に、彼女は何を願ったのだろう。そう一度気になってしまえばすんなり身を引く事も出来ない。赤みの滲んだ頬を挟むその小さな手にゆっくりと自身の手を重ね、此方へと顔を向かせる様にして瞳を覗けば、静かに柔らかく問い掛け )

  • No.55 by 燭台切/霖  2019-10-06 20:23:25 





燭台切:
───うん、良い子。
後は、…そうだなあ。夫婦なら、“ 光忠 ”って、呼んでほしいかな。ね、一回だけ。
( にこにこと上機嫌に笑みを浮かべながら、真っ赤に熟れた顔を晒しながら狼狽する彼女を眺め。暫くの後、やっと食べて貰えたと思えばすぐに顔を手で覆われてしまい。未だ見足りないというのに、残念に思いつつもそっと柔髪を撫で安心させ。もう少し、夫婦ごっこを続けても彼女は気を損ねないだろうか。夫婦だというのに、子供が親に玩具を強請るように幼く表情を覗き込み、若干の気恥ずかしさに眉を下げ。これで断られたら余りにも格好付かない。だというのに願ってしまうだなんて、雰囲気に酔ってでもいるのだろうか。)

霖:
おやすみの、………おやすみの、口付け、……。
───…なーんて、昔は憧れてたな、って。
( 彼の手が重なり、顔を其方へと向けられ、隠していた紅潮を直に見られたことに対する羞恥心も重なり情けなく眉を下げて。優しい彼のことだ、きっと望みを叶えてくれようとしているのだろう。それならば、ここで素直に感情を吐露すれば、その唇を重ねてくれるのだろうか。琥珀のような深い金色を真っ直ぐに見詰め、小さく口を開き、彼にも分かる言葉で伝え。そして、すぐに誤魔化す。気恥ずかしそうな笑みを作り、嫋やかに肩を竦めて。今伝えたところで、彼を困らせてしまうだけなのは明白。望みもしない口付けを貰ったところで、嬉しくもない。そう自分に言い聞かせ、心を落ち着けて。)



  • No.56 by 日和 / 膝丸  2019-10-06 22:03:33 



→ 日和

…ふふ、いいよ。夫婦なのに" 燭台切 "は距離があるよね。
( 口内に広がる優しい甘みと、髪を撫でる彼の手に忙しなく脈打っていた鼓動も徐々に落ち着き。頬の赤みも仄かなものになってきた頃、己の所為でグダついた夫婦ごっこを続行したまま、覗き込んできた彼からの頼み事にそっと手を下ろして瞬きを。普段格好良くある事を気に掛けている彼にしては、その表情が何処か可愛らしく見えてしまうのは気のせいか。思わず小さく笑みを零しつつ、背けていた顔を戻せば一つ頷いて。欲を言えば、交換条件として彼にも己の名を呼んで欲しい。だが、一度味を占めてしまえば何度も求めるであろう事は明白で。ぐっと欲を抑え込んで軽く身なりを整えては、真っ直ぐに彼の金色の瞳を見詰め。緊張を含みながらも柔らかな声で慣れないその名を呼び )
──光忠。


→ 膝丸

ならば……今はこれで、我慢してもらえるか?
( 赤みを帯びた頬に、垂れ下がった眉、いじらしい彼女の表情から目を逸らす事なく焼き付け。暫しの後、小振りな唇から漏れ出た最後の要望には僅かに目を見張るも、直ぐに昔の憧れだと付け足されると僅かに肩を落とし。先程彼女が言葉を途切ったのは、相手が己では不十分であったから。恋仲でもないし仕方のない事、そうは思っても釈然としない。それでもきっと、彼女の唇に口付けるのは己の役目ではなかったのだろう。内心に燻る想いを上手く表現出来ないまま呑み込んで、そっと身を乗り出す様に距離を詰めると、彼女の無防備な額へ掠める程度の口付けを落として )

  • No.57 by 燭台切/霖  2019-10-06 22:53:14 





燭台切:
ああ、…良いね、すごく良い。ねえ、これからそうやって呼ばない?
( 此方の問いに対して手を下ろし、柔らかな笑みと共に縦に首が振られると、安堵に胸を撫で下ろして。恥ずかしいとでも断られたら、…否、それはそれで愛らしい。しかし甘えた上で断られるのは己のプライドが許さない。落ち着きなく少し身を揺らし、真っ直ぐに見詰めるその視線を絡めて待ち。何処か緊張の色を含んだその四文字は、初々しくて特別で、まるで本当に新婚のようで。ほうと息づくと、ゆっくりと笑みを浮かべ、胸に満ちる充実感に気を緩め。何処か気恥ずかしくもあるが、それがまた心地いい。僅かに身を乗り出し、続いたおねだりにくすりと笑い。)

霖:
っ、……。
…小さい頃に言っていたら、私の初めて、貰ってくれた?
( 誤魔化しの言葉で遮った途端、彼の肩が落ちたように思えるのは、情けない思い過ごしなのだろうか。そっと彼の方へと視線を向ければ、身を乗り出し距離を詰め間近へと迫る美丈夫の姿。ぴくりと身を固め、反射的に瞳と唇を結び、煩く跳ねる鼓動を聞いて。数秒もしない内に僅かに触れたのは額で、自らの勘違いを理解すると共に耳まで真っ赤に染め上げ、彼から唇を寄せられたであろう額を押さえて視線を泳がせ。惜しい、と、そう思ってしまう自分は一体何なのだろう。物欲しげに彼を見上げ、興味と期待を交えた問いを唇に添えた指と共に一つ。肯定の意が返ってこようものならば、悔やんでしまいそうで。)



  • No.58 by 日和 / 膝丸  2019-10-07 00:36:43 



→ 日和

ふ、夫婦じゃないのに、いいの…?
( 初めて口にした彼の名前に対する違和感は拭えないが、それがとても特別に感じてしまうのは相手が彼だからか。目前の満足した様な笑みにつられて緊張を解きつつも、不意に身を乗り出した相手から続けられたお強請りにはきょとりと小首を傾げ。勿論嫌なわけではないが、夫婦ごっこの延長で一度だけ許された呼び名だと思っていた。まさかその呼び方を本人から再び強請られるとの考えには至らず、少々戸惑いの色を見せ。しかし、距離を縮める折角のチャンスに拒否するつもりは更々ない。無論、慣れるまで時間は掛かりそうだが、まずは彼の気持ちを確認するべく口を開き )
ええと、それは冗談とかじゃなくて…本気にしてもいいやつ、ですか?


→ 膝丸

それは、…どうであろうな。……ただ、幼子の気持ちは移ろいやすいものだ。故に、後悔させてしまうような事は出来なかっただろうな。
( 十年程前、己の隣で安心した様に眠る彼女の柔髪へと口付けていたのを思い出す。きちんと正面から、起きている彼女に口付けたのは初めてだろうか。あの頃は己に懐く小動物を愛でる様な感覚だったが、どうにも先程から心が乱れて仕様がない。彼女に対する意識が、近頃随分と変わってしまった事を密かに認めて瞼を落とし。そこから再度瞼を持ち上げては、指先を艶やかな唇にあてがいながら問いを投げた彼女に目を細め。急にどうしたのかと思わなくはないが、一先ず返答を考える様に思考を巡らせる事にし。少しの沈黙後、第一声は曖昧な言葉が零れたものの、責任が伴う行為を軽々とやってのける程不誠実ではない、という旨を込めて言葉を紡ぎ )

  • No.59 by 燭台切/霖  2019-10-07 01:29:38 





燭台切:
…妙に改まるね。別に呼び方くらい気軽に変えてもいいと思うけど…。
( 彼女の予想外の反応に思わず首を傾げ、怪訝そうに眉を寄せ。己が強請ったのは呼び方を変えることであり、婚姻を結ぶことではない。そこまで畏るということは、もしや以前から呼びたかったのだろうか。くすりと笑みを零した後、「何なら、みっちゃん、でも良いけど」と付け加え。彼女に渾名で呼ばれるとなると、雰囲気は新婚か、恋人か。それもまた高揚を煽る間柄ではあるが、お気に召すだろうか。卓へと肘を突き、少々身を乗り出し改めて首を傾げ、一体何を選ぶのかと心を踊らせ。)

霖:
それじゃあ、今は?
例えばあの頃からずっと、私が貴方を想っていたとして、…初めて、貰ってくれるの?
( 返答から滲む誠実さが心地良く、小さな頷きと共に穏やかな微笑みを。ここで勿論と頷かれてしまうと、素直に強請れば良かった、だなんて思ってしまう。再び彼の綺麗な手を取り、両手で包み込みながらその鋭く美しい双眸を見上げ、目を細めて問いを。移ろいやすいことが理由ならば、今現在は接吻を与えてくれるのだろうか。無論ただの例え話であり、ただの興味本位の質問。だというのに、この胸の高鳴りはどう説明すべきだろう。自ら雰囲気に耐えきれず、軽い笑い声と共に冗句を添え。)
…ふふ。でも、…貰われちゃったら怒るかな、お祖父ちゃん。



  • No.60 by 日和 / 膝丸  2019-10-07 03:41:54 



→ 日和

それはその…急に下の名前は図々しいかなぁって。──…みっちゃん。ふふ、みっちゃんって、なんか可愛いね。
( 嬉しさと緊張から畏まった態度を指摘され、視線を流しながら薄く苦笑を。彼にしてみれば普通の事なのだろうが、異性への名前呼びは少々気恥ずかしく、いきなり変えられるものでもない。しかし、そのまま伝える事も憚られ、一先ずそれらしい理由を付けておく事にし。次いで彼の渾名をゆっくりと声に出しては、何とも愛らしい響きに頬を緩め。確か、彼と親しい男士の中にそんな呼び方をしていた子がいた筈。それならば、突然呼び名を変えても周りから変に思われないだろうか。頭の中で色々と考慮しながら一人何度か頷き、暫くして此方からも僅かに彼の方へ身体を傾けては、最終的に落ち着いた呼び名で問題無いかを確認し )
じゃあ、渾名でも良いかな?" 光忠 "だと少し緊張しちゃいそうだし、変な誤解も与えかねないから…ど、どうでしょう?


→ 膝丸

…主、あまり俺を揶揄うな。刀とはいえ、この身は男なのだぞ。
( どうやら己の答えは彼女の気を良くしたらしい。穏やかな笑みを受け、小さくもほんのりと温かい彼女の両手に包まれた手へと視線を向けたも、興味本位に掛けられた問いには言葉を詰まらせ。もし彼女が、あの頃のまま変わらず己を想ってくれているとしたら、なんて万が一にも有り得ない話である事は分かっている。それでも鼓動が早まるのは、少しでも唇を重ねたいという欲望があるからなのか。しかし、どう答えたものかと真剣に考える最中、控え目な笑い声と共に冗句が聞こえて来ると小さく肩の力を抜き。やはり彼女には危機感が足りていない。地味に眉を顰めて息を吐けば、徐に彼女の項辺りへ片手を添えてぐっと顔を寄せ。鼻先が当たるギリギリの所で動きを止めると、若干声色を低めて忠告を )
──…こんな風に、本気にされて困るのは君なのだからな。

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