御伽噺は全部嘘

御伽噺は全部嘘

ストーリーテラー  2018-08-02 22:59:06 
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むかしむかし、ある所に色々な人がいました。
それは当たり前のこと。どこにでもあることでした。
綺麗なお姫様になった灰被り。不思議の国に足を滑らせた少女…長い間眠ってしまったり、森へと迷い込んでお菓子の家に入り込んで…足に激痛が走っても地上にいることを望んだりしたのです。
御伽噺の中では幸せそうな彼女たちを見つけたのは王子様たちだったのでした…なんて嘘ばかり。
御伽噺は全部嘘
そう知った登場人物達は愕然とします。
めでたしめでたしなんてありえない、これは人生なのだから。

>1 登場人物
>2 ストーリーテラーからのおしらせ

レス禁

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  • No.121 by リープ  2018-08-23 02:26:15 

>レナード

私だって、猫じゃない。あの時だって勝手に…
(目の前に差し出された手。あくまでも優しく無理強いはせずに微笑む王子様。頭の中がぼんやりとするくらいに今の状況を身体が拒んでいるけれど…一方であの時とは違うのだという言葉を信じようとする眠り姫。勝手に脚が階段を踏んで勝手に指先が触れて深い眠りに落ちた物語と、今は違う。呪いは…解かれているのだろうか)
__怖くは無いよ。だって、私はちゃんと起きてるもの…行こうか、王子様。でも、絶対に近付いちゃ駄目だよ
(手を伸ばし貴方の手の上に自分の白くなった指先を重ねた。近付かなければ大丈夫、遠くから眺めるだけ、そう自分に言い聞かせて貴方を見据える。震える指先も、あの時の痛みも、魔女の高笑いも…最後に見た景色は何だっけ?心臓が嫌な音を立てて顔が歪む、けれど…嗚呼、この人がいるから大丈夫だなんて…人を信用したら駄目だという教訓は何処へやら)

  • No.122 by レナード[王子様]  2018-08-23 02:34:39 


>>リープ

駄目だよ、過去に囚われては。思い出さないで、俺の体温に集中して
(重ねられた指先は震えていた。彼女の挙動全てがどこかぎこちなく、身が竦んでいるということがよく察知できた。そんな様子にざわりと嗜虐心をくすぐられるが、まだこんなものでは内なる獣は解き放たれない。優しくゆっくりと諭すように言葉を並べながら、包み込むように彼女の手を握って。絶対に糸車には近づくなと釘を刺されれば、ふわりと微笑んだ)
ああ、大丈夫だよ。絶対にこの手は離さないから
(エスコートするように、静かに歩み出す。階段を一段ずつ踏みしめる跫音が、城に虚しく木霊した)

  • No.123 by リープ  2018-08-23 02:51:53 

>レナード

…あっは、王子様はキザでいらっしゃる
(指先に触れた体温は自分が起きている今を実感させるには十分。模範解答の様な笑みにほっとしたように表情を緩めては後に続く為に脚を踏み出した。冷たくて無機質な音に首が絞まる感覚、ぐっと指先に力を入れて何度も貴方の存在を確かめてしまうのは真っ暗な眠りの中に戻りたくないから。あの時、こうして独りで階段を上がって…塔の上には糸車。だけど、あの時確か…確か倒れる私を抱きとめた誰かがいたような?考えるのはよそう、だってあれは王子様曰く過去なのだから)
…王子様、早く行って早く戻ろう?
(ふと指先が冷えていることに気が付いて下を向く、上を見たら今すぐにでも逃げ出してしまいそうだ。行って、見て、戻る、直ぐに戻る…そう何度も頭の中で繰り返して貴方に向けて放った言葉は懇願の様で嫌になる)

  • No.124 by レナード[王子様]  2018-08-23 03:02:17 


>>リープ

(キザだと言われれば、当然だというように無言でただ微笑みを返した。糸車までの距離が縮まっていく間で、何度となく彼女が指先に力を込めるたび、それに応えるようにしっかりと手を握り込んで体温を知覚させてやり。こんな様子を見れば、あの子はどう思うだろうか。その表情を見るのも楽しそうだと夢想するが、その時間もリープの懇願のような言葉によって終わりを迎え、現実に引き戻される)
そうだね、でも歩くのはゆっくり。足が縺れて転んだりしたら大変だからね。……さあ、開けるよ
(もっともらしい理由を付けて、わざとこの時間を長く堪能しようと目論む。全ては、恐怖と過去に怯え震える眠り姫が可憐すぎるからいけないのだ、と心中ではサイコパスを遺憾なく発揮しており。それを微塵も表に出さない演技力は、もはや二重人格の域。否、本当にそうなのかもしれない。そうしている内に、辿り着いたのは塔の最上階、糸車の鎮座する部屋の前。その扉に、そっと手をかける)
…………あれが……。不自然なくらい綺麗だね
(部屋の中は薄暗く、中の様子を知るために一歩踏み入る。リープの手を先ほどより強く包み込みながら。やがてぼんやりと、部屋の中央に見えてきたのはかの凶悪な糸車。長らく放置されていただろうに、埃一つも被ってはいない。何者かが定期的にメンテナンスでも行っているのだろうか)

  • No.125 by リープ  2018-08-23 03:20:53 

>レナード

(王子様の優しい気遣い…だと思われる言葉を聞けば脚が縺れて階段から転げ落ちて、そうして扉の先に行かずに済んだならと思う程に…どうやらこの扉の先に進みたくないらしいと他人事のように考えた。暗く狭い階段とその先にあった空間はあの日の空とリンクする様にに物語の顛末を訴えてきて脚が竦む…が、貴方の手が扉へと伸びる様子だけはまるで絵本の中に紛れ込ませた写真のように鮮明に脳裏に焦げ付いて)
待っ_
(手を握る力に縋るように引き止めて、それでも先へと進んだ貴方の声に顔を上げる。糸車を視界の中心におさめて、息を飲んだ_嗚呼、あの時と同じ姿だ。綺麗で、真っ暗な中に閉じ込めた呪いの糸車…指先から体温が消えていく。顔から血の気が引くのも分かる。嗚呼嫌だ、浅くなる呼吸も強く脈打つ心臓も、起きている今だからこそ[逃げろ]と訴えている様で脚が震えた。逃げるのは何から?糸車からか、それとも…声が震える)
もう見た、見たから…戻ろう、王子様

  • No.126 by レナード[王子様]  2018-08-23 03:46:39 


>>リープ

(美酒に酔いしれるかのように、一度だけ熱く吐息したのは、糸車の美しさと存在感に息を飲んだからではない。あんなものはただの道具だ。それよりも。そのただの道具にこの上なく怯える眠り姫の姿。まさしく極限状態なのだろう、立っているのがやっとという彼女の逼迫した様子に押し殺した嗜虐趣味を掻き立てられる。が、まだ駄目だ。眠り姫を己の歯牙にかけるには、まだ彼女は痩せすぎている。それに何より、未だ彼女に心から信頼されていない。そんな相手を喰らっても楽しくはないし、獣の心は満たされないだろう。かといって、このまま何もせず戻るのも勿体無い、どうしたものか。――そして閃くのは悪魔のアイデア。妙案だ。否それは、最高に悪趣味で、最低に性悪な奸計。)
っ……あ…………
(突如、王子が苦しげに呻き、身体がふらりとよろめく。彼女の手を握る手こそ脱力していない、なぜなら“絶対に離さない”と約束したから。舌の根の乾かぬ内に約束を破るほど無粋ではない。それにこの状況、己が手を離さなければ彼女は逃げられない、それはとても好都合。か弱い彼女に、成人男性である自分の力を振りほどいて逃げる事なんて出来ないだろうから。謀略のままに、王子は完璧な演技を続けた)
……リー、プ……
(力なく眠り姫の名を掠れた声で囁きながら、空いている片手で架空の頭痛の苦しみに喘ぐように頭を抑える。そして、引き寄せられるように、一歩、また一歩と糸車へと近づいていく。シナリオはこうだ。[呪いはまだ続いていた。が、今回その餌食になったのは眠り姫ではなく青の王子様。必死の抵抗のお陰か、針に触る直前で王子様は呪いに打ち勝ち正気を取り戻す]――。シナリオ通りに事が進むかどうかはともかくとして、今は眠り姫のリアクションを存分に堪能させてもらおうではないか)

  • No.127 by リープ  2018-08-23 04:13:24 

>レナード

ねえ、冗談なら辞めてよ笑えない…から
(頭がおかしくなりそうだ。あの日のコトと今目の前にある糸車が現実を巻き込んでグラグラと思考を焼き切るような感覚すら覚える。早く逃げないと、此処から、でないとあの暗い世界にまた…聞こえた声は自分のものではなかった。揺れた目の前の人間は自分ではない、握られたままの手にはもう熱なんて残っていなくて情けない程に指先が震えている。それは、眠り姫にしてみれば突然の悪夢の再来。呼ばれた名前に目を見開いて、その瞳に動揺よりも濃く絶望を映し出せば身体が硬直した。どうしよう、どうしよう_逃げないと)
…駄目、レナードは違う。連れて行っちゃ駄目なの
(冷静に考えれば分かる話だ。だって、この人は[眠り姫の王子様じゃない]。けれど、震える身体は冷静な思考を欠いたまま貴方の手に縋りついて進む足を引き止めようとして…それでも身体が少しずつ糸車へと近付く度に悲鳴が喉の奥で消える。自分のせいだ、行くって言った自分のせい…恐怖で感覚が麻痺したのか両目から涙が止まらない。長いこと眠っていた自分には大きすぎる感情の起伏に耐えきれなくて、呼吸が下手になる…離れない手に縋り着けば涙が手に落ちていく。全て彼の手のひらの上なのに、眠り姫は思うのだ…嗚呼、何の罪もない王子様を危険に晒して、私はどう償えば良いんだろう。強く噛み締めた唇に血の赤が滲んで鉄の味がした)

  • No.128 by レナード[王子様]  2018-08-23 09:44:45 


>>リープ

……っ、ふ…………
(押し殺した喘ぎのような、吐息混じりの声が、噛み締めた歯の間から零れ落ちた。それははたから聞けば苦痛に悶える呻き声にしか聞こえないだろうが、王子本人だけは分かっていた。それが、愉悦のもたらした甘い吐息だと。じりじりと糸車との距離が縮む。それに比例するように、握ったままの手に込められるリープの悲痛な思いが色濃く刺激を与えてくる。――嗚呼、まずい)
はぁっ……、眠り…姫……、
(王子の手が針へと伸ばされ、もう少しでその切っ先に触れてしまうその寸前で、一瞬だけ王子の身体がガクンと脱力し、何かから解放されたかのように大きく吐息した。無論それも演技。だが、気付けばリープの身体をきつく抱き締めていた。手は未だ握ったまま、もう片方の手を彼女の後頭部辺りに添えてこちらに引き寄せるように。そこまでしてようやく理性が戻って来る。彼女を抱き締めたことは演技ではない。非常に突発的な行動だ。それもこれも全て、恐怖に震えて大きな瞳から宝石のような涙を零す、あの子が愛しすぎたから)
ごめんね……怖かったろうね。俺のせいだ、俺が糸車が見たいなんて言ったから……。……兎に角、ここを出よう
(抱き締めたまま、耳元で懺悔の言葉を。もう狂人の演技は再開されていた。ああ、楽しかった。もうこの部屋に用はない。すっと彼女を己の腕の中から解放すれば、終始握ったままの手を引いて、糸車の部屋を後にしようと歩んで)

  • No.129 by リープ  2018-08-23 11:14:29 

>レナード
(痛い程に握りこまれた手も気にならない、それくらいに糸車までの距離が縮む事実が恐ろしかった。切っ先に貴方の長い指が触れる…そう思った瞬間に強く目を閉じて寧ろこちらが夢であってくれと願う_感じた体温は全身を這って、もう糸車へは伸びない指が後頭部に当たった瞬間に緊張が解けた。ぐっと押し殺したような嗚咽、優しい懺悔の言葉に貴方にしがみつくように一瞬腕を回した後引かれる手に慌てて脚を動かした)
もう少しゆっくり歩いて_ごめん、ごめんレナード…よかった
(今度は寝起きではなく涙のせいで声が出ない。最初よりも酷く掠れた声に自分でも気が付いているけれど、先を歩く速さに恐怖で震える脚が追いつかない。小さな声で安堵の言葉を、それに嘘偽りは無く心からこの人に何も無くてよかったと思ってのこと。ピンチを切り抜けた、そんな事実が無償の信用を確実なものにして、まるで彼の国民のような気分だ。細い蜘蛛の糸で首が絞まるような感覚…糸車のせいなのか他の何かなのかは今のリープには分からなかった)

  • No.130 by レナード[王子様]  2018-08-23 14:45:35 



>>リープ

.....少し、失礼
(覚束無い眠り姫の足元。それも無理もないか、と内心で得心すれば、簡潔に断りを入れた後にふわりと彼女を抱き上げる。いわゆるお姫様抱っこの形。なんて軽いんだ、と反射的に思う。少し腕に力を入れれば壊れてしまいそうな、繊細な儚さは飴細工にも似ていて)
リープは何も悪くないよ。俺が軽率だったんだ。怖い思いをさせて本当にごめん。.....ああ、泣かないで
(彼女を抱きかかえたまま軽々と階段を下り、行き着いたのは城の中庭。花や木々、小さな噴水が演出する穏やかな雰囲気は、彼女の気を落ち着かせるのに最適だろう。手頃なベンチを見つけてそこに彼女を座らせれば、お姫様抱っこの為に離していた手を再び繋いだ。極めて優しく穏やかな声音で言葉を紡ぎながら、眠り姫の顔を覗き込みつつ、己の指先でそっと彼女の目元を拭って。この優しさが演技なのか、それとも王子の本心なのかは、彼のみぞ知るところで)


(/いくつか確定ロルを使用してしまっております、大変申し訳ございません。問題があれば書き直しますので、何なりと仰ってくださいませ/礼)

  • No.131 by リープ  2018-08-23 15:42:21 

>レナード

(冷えた足元の感覚が遠のく。暗い階段と重苦しい部屋も遠のいて、まるで夢から覚める直前のようなふわふわした感覚がした。穏やかな場所は先程とはうって変わって柔らかな空気が流れていて、夢へと再度脚を踏み入れた様。少しずつ身体に血が、温度が戻る感覚を覚えながら目元に触れた指先に顔を上げた。優しい言葉に意地悪な影も冷たい影も無い、ほっとした表情をしてしまう…良かった、優しい王子様だ)
運んでくれてありがとう。貴方が無事で良かった…近づいちゃ駄目って言ったのに、貴方に何かあったらお姫様に申し訳ないでしょ

(/大丈夫です!こちらもロルの形式がまちまちで申し訳ないです…返しにくい箇所などありましたら何なりと仰っていただければと思います)

  • No.132 by レナード[王子様]  2018-08-23 16:27:02 


>>リープ

朧気にしか覚えていないんだけど……まるで強い磁力に引き寄せられてるような感覚がしたよ。必死に抗ったけど、あれじゃあか弱い君はひとたまりもなかったろうね
(相手の安堵の表情を見遣れば、ようやくずっと握ったままだった手を離す。近付いては駄目と言ったのに、と諫められれば、神妙な表情を作って瞳を伏せて見せて。ふと人魚姫の話題になれば、はっとした表情に変わって)
……そうだ。俺の姫を見なかった?ここ何日か姿を見せてくれなくて
(リープと廊下で出会う前、一人で青の部屋にいた時のことを思い出す。物悲しい部屋の雰囲気に辟易していたところを救ってくれた眠り姫には感謝しなくては。そればかりか、暇潰し以上の素晴らしい反応をしてくれたのだ。眠り姫か、ノーマークとは迂闊だったと、内心でそう考えつつ人魚姫の所在を問うてみて)


(/いえいえ、毎回素敵なロルで楽しくレスさせて頂いております。糸車の絡み、とても楽しかったです……!此方がやりたいことに付き合わせてしまったので、もし主様がご所望のシチュエーションがあれば、愚息でよろしければ喜んでお相手させて頂きますので、何なりと仰ってくださいませ)

  • No.133 by リープ  2018-08-23 17:26:04 

>レナード

…ごめん、見てない。もし見かけたら、王子様が心配してたって伝えておくよ
(離された手の感覚を何度か握ったり開いたりとを繰り返して取り戻す。か弱いと言われてしまえば否定は出来ないが肯定するのも悔しくて唇の端に滲んでいた血を舐めた。眠り姫の王子様でない以上、誰かの王子様であるはずで…その姫の所在を答えることが出来ないのが申し訳ない、微かに眉尻を下げて返事をしては)
王子様の部屋で待っているのが得策じゃない?色々話を聞かせてよ、お姫様のこと
(ぐっと脚に力を入れて立ち上がる。もう大丈夫だ、糸車は遠くで王子様は怖くない人だって分かったから。無償の信用は人の身を滅ぼし食い尽くす、それを知っていたはずなのに眠って忘れてしまったのか?ハッピーエンドだったはずのお話を聞かせて欲しい、と子供の様に話を強請った)

(/ひえええ勿体ないお言葉!ありがとうございます、こちらもとても楽しかったです、心の中で娘よ逃げてと叫びまくりました。またこちらも良いシチュが思い浮かびましたらお願いするかと思いますので、その際はお付き合い下さい…!)

  • No.134 by レナード[王子様]  2018-08-23 17:33:52 


>>リープ

……そうしてくれると助かるよ、ありがとう。一人でずっと待つことに少し飽いてね。彼女と一緒なら弾むような水滴の音も、一人で聞くと孤独を加速させるばかりでさ
(眠り姫の厚意に素直に甘えることとしよう。人魚姫が己の手の中から離れていくことなんてありえない。否、絶対にそんなことはさせない。彼女を愛すのも、壊すのも、全て自分の特権だ。心中で行き過ぎた亭主関白を拗らせつつも、表面では姫に会えず寂しさを募らせる王子を演出しながら苦笑して)
人魚姫の話?そうだな、どこから話そうか。……リープは、海を見たことはある?


(/かしこまりました、どうかその時はご遠慮なく仰ってくださいね!それでは、今後ともよろしくお願いいたします/蹴推奨)

  • No.135 by リープ  2018-08-23 17:47:32 

>レナード

海は…無いな。でも、どんなものかは知っているよ。大きくて、広くて、何もかもを飲み込む青
(一人でずっと待つ…その言葉に執事が頭を過ぎった。起きた時、彼が傍に居た時…安心したけれど抱いた違和感は忘れていない。海を見たことがあるか、という問いには記憶を探るように宙を視線で数度撫でてから返事を…資料くらいは見たことがあるが)
人魚姫のお話は、いつか読んだよ。だけど、私が呼んだのはハッピーエンドじゃなかった
(物語は、王子様をナイフで貫けなかったお姫様が海の泡に…そんな結末。呪いはいつまでもお姫様を縛り続け、足の痛みも出ない声もお姫様を苦しめて…王子様は一途に愛されて。貴方を見て首を傾ける、貴方が人魚姫の苦しみに気が付かないような鈍感な人には見えないのだけれど)

  • No.136 by レナード[王子様]  2018-08-23 18:16:09 


>>リープ

そう、何者も海の力には敵わない。俺もその力に呑み込まれたんだよ。嵐の中、海に転覆した爺やを助けようとした時にね。死を覚悟する間もなく濁流が意識を攫っていく中で、柔らかい何かが俺を陸へ押し上げてくれた。コマドリやイカルとは比べ物にならないほど美しい声で歌う、あの子の傍らで目を覚ましたんだ。……それが、俺と姫の出会いだよ
(闇夜を切り裂いた霹靂、荒げた声すらかき消す暴風雨、マストより高い大波。ああいう状況をまさに混沌と呼ぶのだろう。その混沌に自ら身を投じたことを、愚かだとは思わない。今となっては、そのおかげで愛しいあの子に出会えたのだから。人魚姫との馴れ初めを語る王子の表情は、どこか遠くを見つめるような、茫洋さの中にも愛情を湛えていて)
人魚姫のお話は人気だから。尾が生え鰭が生え、どんどん結末が変わっていってしまうんだね。でも安心して?俺と姫は幸せだったよ。とても、――とても
(ハッピーエンドではない?そんなことはありえないとでも言わんばかりに、王子は目を閉じてその幸せを懐古する。思い浮かぶのは、人魚姫の笑顔と――自分にはあまり見せてくれなかった、苦痛に歪む顔。声を奪われ愛を囁けないもどかしさに涙する姫も、歩くたびに襲い来る激痛に耐える姫も、全てが美しく、愛しくてたまらなかった。まるで自分たちが幸せだったのは当たり前だと言わんばかりに、堂々とした口調で王子は紡ぐ。自分たちの物語を、ハッピーエンドじゃないなんて言わせない。それはある種、脅しや威嚇にも似た危険な雰囲気を纏っていて。その延長線上だろうか、王子はにこりと微笑んで次のように問うた)
さあ、今度は君の話を聞かせてくれる番だよ、リープ。君の王子様はどこ?

  • No.137 by リープ  2018-08-23 18:30:52 

>>レナード

そう…ハッピーエンドだったってわけね。王子様を助けたお姫様、愛情の限りを尽くして二人幸せに暮らしましたとさ…ってことか
(真っ直ぐで真っ赤な愛情を孕んだ狂気が身を焦がす様だった。真っ暗な青に身を落として、そこから救い出した光のお姫様なんて…物語の中でも綺麗なお話だろう。こちらに向けられた問いかけに、軽く首を傾けてから笑う)
王子様なんてどうでも良いよ、私は。糸車で眠った私には幾つかの呪いがあって、物語によって違う…王子様のキスで目が覚めたり、100年経たないと目が覚めなかったり…嗚呼、糸車じゃなくて茨も私を刺したかな?優しい顔をして近付いてくる人は、牙を隠しているの
(目が覚めたらそこに王子様、恋に落ちる瞬間なんてあるはずもない。感謝の印に捧げられたお姫様、人身御供、それが私…キラキラした物語が全部登場人物から見てもハッピーエンドだなんてありえない。でも、目が覚めた時、目の前にいたのは執事の彼だった。だから…、貴方に向けた笑顔はどこか歪んでいたかもしれない)
私は私の王子様なんて知らない。私にあるのは、あの糸車の呪いだけで良い…それが私を私にしてくれる物語

  • No.138 by レナード[王子様]  2018-08-23 18:40:44 


>>リープ

へえ、そうなんだ。君を糸車の呪いに貶めたその人は、きっと一番優しい顔をしていたんだろうね。俺から言わせれば、その人こそ君の王子様だ
(彼女の話を聞いていて、脳裏に浮かんでくるのはこの城に彼女と共に閉じ込められた、かの執事の姿。人魚姫は王子様と共に。これは得心がいく。アリスと白兎。シンデレラと魔法使い。この法則性から、眠り姫の伴侶としてここに顕現したのがかの執事。それがどういうことを意味しているのか、王子は一足先にやんわりと感付いたようだ。確信を持っているわけではないが、それでも王子の推察は邪推と呼べるほど荒唐無稽なものでもなさそうで)
では君は、呪いと共に生きたいの?

  • No.139 by リープ  2018-08-23 19:58:32 

>レナード

…呪いと共には生きたくないけどさ、なんだろう、あれだよ。レナードが事故にあったからお姫様に会えたのと同じ、呪いがあったから私が私になったわけで
(呪いは魔女のもの、そう思っていたけれど王子様の目にはどうやら別のものに映っているらしい…呪いと共に生きたいとは思わない、けれど、呪いのおかげで私が登場人物の物語がハッピーエンド足りえたのも確か。だから、運命を恨んでも糸車を怖がっても、それを拒絶は出来ない)
レナード、意地悪を言うけれど…貴方はお姫様が貴方とお喋りが出来なくて、歩くのも辛かった時どんな気持ちでいたの?
(好奇心。眠りから目覚めない私の隣にいた番犬のような執事と似たような心持ちだとは思わないけれど、似たようなものであったなら…私は彼を理解出来るだろうか。ふと目に付いた薔薇にはトゲがある、ぎゅうぎゅうと少しずつ運命が狂っていくこのお城にいてはいつか…本当に恐ろしい眠りに落ちるような嫌な予感がして、一瞬泣きそうな目で空を見て)

  • No.140 by レナード[王子様]  2018-08-23 20:13:24 


>>リープ

意地悪?その問いのどこが意地悪なのかな?
(問われた言葉に、レナードの纏う雰囲気が一変する。人の生皮を剥いで、内側から獣が牙を剥いて現れたような錯覚すら与えるかもしれない。だがそれは一瞬だ。これは猟奇なんかじゃない。愛。溺れるほど歪で、狂おしいほど純粋な愛情)
どんな気持ちかって?さっきも言ったけれど、勿論とても幸せだったよ。俺の愛を乞う縋るような瞳。俺と共に歩むため、痛みを堪える殊勝な心。その全てが、この世で一番美しかった。手放したくないと思った。ずっと、永遠に俺の傍に――。……ねえ、これってハッピーエンドでしょ?互いが互いを想う愛に溢れて、これが幸せでないなら何?

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