ストーリーテラー 2018-08-02 22:59:06 |
通報 |
>レナード
私だって、猫じゃない。あの時だって勝手に…
(目の前に差し出された手。あくまでも優しく無理強いはせずに微笑む王子様。頭の中がぼんやりとするくらいに今の状況を身体が拒んでいるけれど…一方であの時とは違うのだという言葉を信じようとする眠り姫。勝手に脚が階段を踏んで勝手に指先が触れて深い眠りに落ちた物語と、今は違う。呪いは…解かれているのだろうか)
__怖くは無いよ。だって、私はちゃんと起きてるもの…行こうか、王子様。でも、絶対に近付いちゃ駄目だよ
(手を伸ばし貴方の手の上に自分の白くなった指先を重ねた。近付かなければ大丈夫、遠くから眺めるだけ、そう自分に言い聞かせて貴方を見据える。震える指先も、あの時の痛みも、魔女の高笑いも…最後に見た景色は何だっけ?心臓が嫌な音を立てて顔が歪む、けれど…嗚呼、この人がいるから大丈夫だなんて…人を信用したら駄目だという教訓は何処へやら)
トピック検索 |