ありったけの砂糖を貴方に　/　〆

ふーん。 ってことは無意識に俺のこと好きになってくれてるんでしょう？、頭で考えるの通り越して好きとか、むしろ本望かも。 ( 意識していても無意識でも好きでいてくれるのは嬉しいが、考えるより先に好きという想いが先走っているのが常な自分なので、相手もそうなのかと思うだけでも嬉しく調子に乗り。 本当にそうなのかは別として、何より振り向いてくれて、好きになってくれたことが嬉しいのが一番なので先ほどから嬉しさが隠せず相手の手を握りにぎにぎ小刻みに握っていて。 「 んー。 ちょっと甘い、 から中和ー、 」 冷たい言葉を言っていてもきっと相手なら食べさせてくれるだろうと待っているとやはり食べさせてくれて。 相手のために買ってきた物なので思っていた通りそれは自分にとっては甘く。 生クリームが多いなと思いつつ味わっていると、美味いかと聞かれたので少し考えてから答え、顔が近いことをいいことにテキトーな理由をつけ口付けをし。 口内に少し残るクリームのせいか余計に甘ったるく、でも癖になってしまいいつもより長く口付けをして。 )

どこまでポジティブなんだよ。直ぐに調子乗って、毎回都合よく捉えて … 。（　 自分はまだ何も言っていないのに、相手はすっかりその気の様で。然し自分も否定するわけではなく。溜息と呆れ混じりに上記をぽつぽつと呟くが、そういう所も相手の好きな箇所でもあり。ずっと手を握っているので、吃驚させる為に一度ぎゅっと強く握りしめて直ぐに力を抜き。「 … お前いつも急すぎ、」好物を前にして完全に油断していたので、突然口付けされると驚いたように目をぱちぱちとさせ。生クリームの所為か、口付けしているのが相手だからか、とびっきり甘く感じ。急なことだったので、いつもより長めの口付けは途中で息苦しくなり。とんとん、と相手の胸元を優しく叩いてから離れて上記を。毎度の如く言葉では文句に捉えることを言いつつ、照れている様子は嫌がっている様子はなく。羞恥故に視線を彷徨わせ、直ぐに再び前を向いてぱくりとロールケーキを食べるのを再開させ。　 )

世界で一番幸せなことだと思うんすよ、好きな人に好かれるの。 だから今俺が世界一幸せなんです。調子にものりますよ。 っ、…俺の好きな人も幸せでいてくれてくれてたら文句ナシなんすけど、どうなんすかね？、 ( 相手の言葉が相手の本当に考えていることと一致しなくても、本心では好きでいてくれるならそれだけで嬉しいので世界一なんて大袈裟に言って。 突然握っていた手から反応が返ってきて、驚いて手がぴくりと反応して止まり。吃驚したので、仕返しだと言わんばかりににやりと口角をあげると手をぎゅっと握り、話の続きをゆっくりと顔を近付けながら言い、はなとはなが触れ合う直前まで近付いて。 答えてくれなきゃ離さない、と言うようにぎゅうっと手を握って。 「 はは、自覚済みですよ。 薫さんにとっては急かもしれないっすけど、俺は割といつもキスしたいなって思ってるんで大変なんすよ。 」 受け入れてくれる相手だからか感情を押しつけるように夢中になって口付けをして。離れろと旨を叩かれると離れ、口付けで相手の口の端についたクリームを舐めとってから離れ。 急と言われると確かに相手にとっては急だが、事あるごとに口付けをしたくなってしまうのでまるで困っているかのような言い振りで。後ろから手を伸ばし、自分もフォークでつついてケーキをまた食べ始め。 )

世界一幸せか … それは大袈裟すぎだろ。あとこれ以上は何にも言わねぇから。お前を調子乗らせないために。（　 自分と居ることで、自分が好きだと思うことで、大好きな恋人が世界で一番幸せだなんて言ってくれるのが嬉しくて。大袈裟過ぎだなんて正論をぶつけるが、その様子は満更でもなさそうで。ぎゅっと手を握られたまま一気に距離が近付くと、ゆっくりと目線を逸らして。自分も文句が一切ない程幸せな日々を相手と共に過ごしているが、恥ずかしいので言葉にする気はなく。「 … まぁ、別に俺の家だったりお前の家なら、そこまで我慢しなくてもいいけど 」デートに出掛けても手を繋いだり、人前で口付けをしたり出来なくて、相手も窮屈な思いをしているだろうと思い。直ぐに照れてしまうということは置いておいて、恋人としてはいつも口付けがしたいと思ってくれていることは嬉しくて。外では相手が自由に出来ない分、家の中等で二人っきりの時は別に我慢しなくてもいいと、恥ずかし半分でぼそぼそと呟き。　 )

えぇー…だめっすか？、どうしても？、ケーキ買ってきたのに…あ、じゃあゲームで勝ったら言ってくださいよ！、ハンデはありで！、 ( 何もいってくれないと宣言されてしまえば、さっきは言ってくれたのにと表情を一転し悲しそうに眉を下げ。 額をくっつけぐりぐりと頭を揺らし押し付けいじけてぶつぶつと呟いていると、ゲームして勝ったら言ってもらおうと突然案が浮かんできてまたまた表情が変わり。 ちゃっかりハンデはつけてもらおうと。 「 …男に二言はないですよね？、 薫さん。 」 相手の口から我慢しなくていいなんて言ってくれる時が来るなんてと少し驚くも、これはチャンスだとにぃっと笑い、手に持っていたケーキを置いて相手の顎に手を添えこちらを向かせ。唇を奪うと、最初は触れるだけの口付けを何度も繰り返し、だんだんと甘く深い口付けに変えていき。 離れないようにぎゅっと抱きしめたまま口付けをし、少し満足したところで唇を離すと。 愛おしくって堪らなくて幸せだと顔に書いてあるかのようにわかりやすい表情で頬や額にも口付けし、最後には肩に顔を埋め、 「 …なんか薫さんのことどんどん好きになる。 」 と呟き。 )

… 俺にゲームで挑んでくるなんていい度胸じゃねぇか。俺が負けたらお前のお願いなんでも一つ聞いてやるよ。絶対に負けねぇから。（　自分の得意なゲームで挑まれたら受けるしかなく。スイーツを前にした時もそうだが、好きな物となると切り替えは早くて、既にゲームにやる気満々で。先程共にゲームをしていた時は全勝だったが、回を重ねる事に相手も上手くなって少しずつだが差は埋まってきていたので少し危機感を感じ。それなのに大口を叩いてしまい。早速コントローラーを手に持つと、ハンデとして相手よりもレベルの低いキャラクターを選択し。「 … お前はもう俺の事大分知ったわけで、それでも好きでいてくれて、なんつーか、そんなの初めてで俺自身もよく分からねぇ 」勿論相手が言うように男に二言はないので、口付けされても拒むことは無く受け入れ。先程よりもずっとずっと甘く感じて、気が付けば自分も相手のことを求めるように口付けをしており。深く口付けをして離れた時に自分と相手とを繋ぐ糸が自然と切れるまでぼうっと見てから上記を。今まで付き合ってきた人は自分の愛情表現が下手な所や思ったことを言葉にしない性格に痺れを切らして別れを告げられることがお決まり。けど相手は全てを受け入れて、今もこうして好きと言ってくれるので、それが本当に嬉しくて。　 )

負けねぇっすよー、 本気出すしかなさそうっすね…！、 ( 相手が乗り気になったところでこちらも本気の見せ所だと腕まくりをしやる気満々で。本気を出すと言いつつも今まで本気でやって勝てていないのでもちろん見栄っ張りだがお願いを聞いてくれるとなると燃えていて。ゲームが始まると手に汗握りながらも良いところまで行き、ついには相手を追い詰め。しかし同時に自分も追い詰められているようなもので。 「 こんなにかわいい人なのに、放っておく人の方が理解できないっすよ。逆に俺は意外でしたよ、薫さんが俺のことだいぶ知って、それでも拒否しないでいてくれんの。 」 いつもは受け入れるだけなのに、相手からも求めるような口付けにくらりと目眩のような感覚があり。 こんな感覚は初めてで、自分が気が付かない間にこんなにも相手の事が好きで堪らないのだと気づき。 口付けの後ぼうっとしている相手にもう一度齧り付きたくなるのを抑えながら相手の言葉を聞き。 口付けをしてこんな表情なのも、知っているのは自分だけと思うと堪らなく、目を細めつつ相手の頬を撫で。 恋愛対象として以前に同性を好きになった自分を受け入れてくれているし、今まで狡いこともしてきているし一方的な想いの押し付けにはなってやしないかと不安もあったり。 )

… 完全に俺の負けだな。あーっ、本当に悔しい。悔しいしか言葉が出てこねぇ。（　ハンデとして相手よりもレベルの低いキャラクターを使っているので、その所為で一時は追い込まれ。然し負けず嫌い故になんとか巻き返したが、レベルによって使える技が少ないので、普段最後に使っている得意な必殺技が使えなくて少しの差で負けてしまい。ハンデありだとしても得意なゲームで負けるのは相当悔しくて、がしがしと頭を掻いて上記を。「 俺は未だにお前が言う可愛いの意味が分かんねぇよ。… 確かにお前は自由で大型犬のペットみたいで、偶に無茶言う時もあるし何もかも急すぎるし … けど、それが嫌だと思わなくなってきた 」相手に頬を触られるのは嫌いではないが、冬場で少し乾燥気味なのが恥ずかしく感じ。男とはいえこれからは少しだけ肌の手入れも必要だろうかと思いつつ。よく可愛いと自分に対して言うが、未だに何が可愛くて言っているのか理解に欠け。これだけじゃなくて相手に対して未だに分からないことは沢山あるし、真逆のような性格故に上手いこと一致しない時もある。けど、そんな相手の本性も今では嫌だと感じなくて。別れようと思わないのはそういう点も含まれているのだろうと思い。　 )

っしゃー！、 すげぇ僅差、でも勝った！、っはは、お願いなんでも１つでしたっけー？、 ( ゲーム画面とにらめっこする中、ちょっとの差で勝つことができ歓喜して。 嬉しくて相手に抱きつき左右に揺れ喜びを露わにし。始まる前に相手が言っていた、勝ったらなんでも言うことを聞くと言っていたのを聞き逃しはしなかったので、相手の顔覗き込みながら問いかけ。 「 愛しくて堪んないってことっすよ。 逆に俺のこと可愛いって…まぁ、思わないか。 愛おしいぐらい思ってくれたらいいんすけどねぇ。 無理強いはしません。 …嫌じゃないなら良かった。 」 可愛いとはよく言ってしまいそうになるが、きっとそれはフィルターがかかっているように相手のことが見えてしまい、それは愛しさからくるものだと。相手も愛おしい、なんて思ってくれたら嬉しい程度に呟き。ペットのようだと言われるとなんだか恋人と意識されてないんじゃないかと苦笑するが、嫌ではないのなら安心したと、ゆるく抱きしめると髪に鼻を埋め口付けを。 )

… 一つだけ、一つだけだからな、！（　余程負けたのが悔しいのか、相手に抱きつかれて揺らされながら敗因を考えて反省会をして。なんでも言うことを聞くと大口を叩いたのは自分なので、男に二言はないと上記。幸せかどうか尋ねてきたのでその答えを聞くか、はたまた別のお願いをするのか、相手は何を聞いてほしいのだろうかと反応を待ち。「 … お前は俺から可愛いって思われてぇの？… 嫌だったらとっくに別れてる 」相手の方が歳下だし、人懐っこい性格から可愛いと感じることは言葉にしないだけで所々あり。けど、口付けしてくれたりエスコートしてくれることが多いので、相手に対してはカッコイイと思うことが多く。若しかして相手は自分に可愛いと思われたいのかと捉えて問い掛け。相手の性格に関して嫌なことがあったら、何かしら直してほしいと言っていると思うし、何よりも別れを告げているかもしれない。こうして抱きしめられている状態が心から幸せだと感じるので別れていないのだと。　 )

こっち、来て。 んで、俺の目見て、俺が薫さんのこと幸せにできてんなら、薫さんからキスして。ちょっとえろいやつ。 ( 勝ったことに関してはもう満足し、次は言うことを聞いてもらう番だと一息つくと、正面に座り直し相手に対面に座ってもらうよう促し。 相手の腰に腕を回し近よせると、相手を見上げつつお願いを一つ。 最後に大事なことを付け加えるとにんまり笑い。 「 可愛いよりかっこいいの方が嬉しいかな。 どっちにしろ好きって思ってくれんなら文句ないっすけど。 …そっか。そうだよなぁ。うん。 」 可愛いと思われたいかというとそれはまた違うし、でも好きでいてくれるならそれでいい気もして。嫌って思われてたら相手の性格上じっと黙っているわけではないし愚問だったかと納得すると、嬉しそうにまたところどころに口付けを落とし。 )

… 最後の一言が本当に要らねぇ。（　相手からのお願いを聞くと明らかに不満げな様子で。然し負けたのは自分なので大人しく従うことにして。どんな風にしようかと暫く考えた後に言われた通りに向かい合わせ座ると相手の下唇に口付けをして、そのまま目線を少し上げて上目遣いでちらりと見つめ。唇から離れずにそっと上に移動をし、今度はちゃんと唇とを重ね。口を半開きにすると舌先で相手の唇をなぞり、口内へと這わせてから絡ませ。果たしてちゃんと相手の望み通りだろうかと不安に感じつつ、自分なりに精一杯答え。「 あっそ。まぁ、俺からどう思われるのかはお前次第だけど。… お前、酔うとキス魔になるタイプ？ 」普通の恋人同士なら自分がここで、お前はいつも格好良いと言うのかもしれないが、もちろん恥ずかしいので言えるもけもなく。格好良いとか可愛いには興味がないといった風を演じ。我慢しなくていいと言ったのは自分だし、色々な所に口付けをされるのが嫌なわけでもなく。普段でここまで甘えてくるのなら、相手は酔うとキス魔になるタイプなのではないかと思って問いかけ。　 )

…ん、 ( 不満そうな表情なのに口付けはしようとしてくれるところを見ると幸せで居てくれてるんだなと安堵し。 しかし下唇に触れるだけの口付けで、お願いと違うななんて思っていると視線が交わり、焦らされているような気分に。それから極力こちらからは何もせずに目を開けたまま相手の口付けを堪能していたが、ぎこちなさが残る口付けにも焦らされ待っている方がきつくなり。 だんだんこちらも応えるように舌を動かし、腰に回していた手を体を伝って首元までもってくると指先を耳に触れさせて。 「 んじゃ折角なんでかっこいいって思われるように頑張りますね。 あー…まず酔わないようにはしてるんすけど。…酔うとですね、キスもそうっすけどスキンシップが増えますね、結構しつこいの。 」 折角なら恋人からはかっこいいと思われたいのでこれからも精進しようと。 酔いすぎて良かった事はなくて、強めと言えど抑えてはいるのだが、前に酔った時キス魔なんて軽いものではないほどのスキンシップをしていたので、酒が入ると面倒になると気まずそうに視線を逸らし。 )

… っ、… 満足しただろ？（　相手と出会ってから毎日幸せで、それに嘘はないので口付けをしたのはいいが、自分に色気があるか等が分からなく。困った結果焦らすようになっていると、次第に舌に絡めてくる熱い感覚が。付いて行こうと途中から必死に食らいついていたが、耳に指が触れられた感覚がするとビクッと肩を揺らし。耳が普段から弱いのに、甘い口付けをしたせいで普段に比べて熱を帯びて敏感になっており。耐え切れなくなって、相手を軽く押して離れると荒くなった息を整えながら上記を述べ。「 … お前が言う程だからかなりだな。なんか逆に見てみたいかも。あれな、もちろん遠目から 」スキンシップが全くと言っていい程ない自分からしたら、普段の相手もかなりスキンシップが多いと思っており。そんな相手が言うぐらいだから、と納得し。恥ずかしいので酔った相手にスキンシップされる側にはなりたくないので、それを遠目から見ていたいと言ったのはいいが、他の人にくっ付く相手を想像したら少しモヤモヤして。　 )

…本当はもう少し堪能したかったっすけど、遠慮がちなのとか、余裕なさそうなのとか、堪んなく好きなんで満足です。 ( どんどん熱を帯びていく舌の熱さに頭がくらくらして、余裕のなさが表情にも出てきて。もっと欲しい、なんて貪欲な気持ちが手に出てきて、思わず服を捲し上げ肌に直接触れようとしてしまいそうになると熱が離れていき。 物惜しげに艶がかった唇に見惚れていると、満足しただろうと聞かれ、惜しそうに本音を口にし。 ありがとうございます、と礼を一言言えば頬に口付けをして。 「 …へぇ。確か来週末かなんかに薫さんの部署で飲み会ありませんでした？、 俺もお邪魔しようかな。薫さんは、俺のこと遠ーいところで見てればいいっすよ。 」 遠目、ということは自分が他の人にスキンシップしてしまうことを良しとするということだろうか、と考えが至ると目細め。 自分の元いた部署の飲み会があるというような話を小耳に挟んでいて、みたいならそこで見ればいいと。 )

… 改めてそういうこと言うな。（　当たり前だが自分ではどんな表情をしたりしているのか分からないので、相手から見た自分を言葉にされると恥ずかしくて。相手は満足したと言っているが、自分の服まで手が伸びていたのを見逃してなく。それに、口付けしてくれる辺り本当に満足してくれたのかと不安になり。… 本当に ？、とそっと相手の目を見て。「 … やっぱなし。他の人に迷惑かけんのは駄目だろ。それにお前は今うちの部署じゃねぇし 」他の人にくっ付く相手を考えてモヤモヤするのが嫉妬だということに薄らと気が付いてきて。それを悟られないように普段通りを装い、適当な理由をつけて駄目だと。それでも行くと言わないように、最後に止めを刺し。とにかく駄目だと、先程の見てみたいという意見とは反対のことを述べ。　 )

…、それを聞くってことは、まだ俺を満足させてくれる事をしてくれるんすね？、 ( もう少しなんて口にしたがやはり物足りなく感じてしまい。というのも、いくら相手と濃厚な口付けをしても相手をもっと求めてしまうので自制をしていて。なのに不安げに問いかける相手を見たらその自制もどこかへいってしまいそうで。 目を細め、熱を持った目で相手を見つめると、ゆっくりと相手を押し倒し体勢を変え上記を呟き。 まだ少し紅潮している耳に触れ、首筋、鎖骨を指先でなぞり、腹部まで手を滑らせ、それを視線で追った後、また相手に視線を戻し。 「 どっちなんすか、もう。 実際に見せればすぐ分か…、あれ、もしかして薫さん、嫉妬した？、 」 急に意見がころりと変わり困ったように笑い。 見たいなら見ればいいしそれで妬きでもするかな、と思っていると、もしや既に妬いているのかと勘付き。 にやにやと笑みを浮かべながらじりじり近寄って相手の顔を覗き込み。 )

… やっぱり満足してねぇじゃん。お前も遠慮するんだな。（　押し倒されると分かって、力を抜いて応じた自分もいて。いつもは暖かく感じる相手の指先も、今は自分の方が熱を持っているのか冷たく感じ。ひんやりとした指が触れて驚いたのか、弱い耳に触れられたからなのか、ピクっと小さく身体を揺らし。服の上から焦れったく触れられているのが余計に擽ったく感じ。恥ずかしいなんて簡単な言葉に表せられない現状に耐え切れなくて。再び目線が交わった後に上記をぽつりと。余裕なんて全くないくせに、つい強がって上からの言葉を並べ。「 してない！ … だから、その、俺は他の人に迷惑をかけんなって言ってるだけで、」図星を突かれては直ぐに食い気味に否定をし。その理由を再びもごもごと説明を。顔に出ないように、顔を覗かれると直ぐに逸らして。妬いていたなんて知られては絶対に茶化されると思って意地でもバレないようにしようと思い。　 )

…止まらないんすよ、あんま煽んないで。 これは遠慮じゃなくて、理性との闘い。 ( 自分の下で身を捩り、視線を絡み合わせてもなお恥じらいのある相手を見て身を引いているのは遠慮ではなく自分の理性との闘いで。 どくんどくんと全身が脈打っているのがわかるほどで、唾を飲み込み、相手に覆いかぶさり自分の体の中心の熱を伝えるようにぴたりと体をくっつけ。首元に顔を埋めれば、上記を余裕なさげにつぶやくと。 「 あーれ？、なんか慌ててるんすよねぇ。 分かりやすすぎっすよ。 でも俺は嬉しいっすよ？、 愛されてる感あるし。 」 態とらしく推理するかのように顎に手を当てにやにやしたまま相手を覗き込み。 慌て具合から見てもなんとなく察し、相手にとって恥ずかしい事かもしれないが自分にとっては嫉妬されるほど好いていてくれているのかと思うと安堵もあり。 )

… お前の理性がんばれ。（　理性との戦いだと言っても、相手が我慢しているとは思えないしオーバーに言っているだけだろうと軽く見ており。然し、相手と体が密着すると鼓動の高鳴りも熱も全て伝わってきて。余裕がない様子も普段は分かりやすく見せないし、煽んないでと言われれば寧ろ煽りたいし、一旦冷静になって相手が耐えている姿を見たいと興味半分で。ぽんぽんと頭を軽く叩くように撫でながら上記を述べ。確かに恥ずかしいけど、今は少しだけ余裕もあり。「 … 言い訳するのも馬鹿馬鹿しくなってきた。」もう既にすっかり見抜かれているようなので、その状態で違う違うと言い訳するのも格好悪く。確りと認めてこそいないが、間接的に認め。羞恥も既に一周回って、嫉妬して悪いかとでも言うように不満げな様子で。　 )