幼なじみの恋…＊.

――…お前それ…マジで言ってんの？
(信じられないような言葉が耳に届けば思わず抱き締めていた腕を緩め、相手の肩を掴んで半ば無理矢理此方を向かせ。相手の気持ちを確認したい思いから真顔で直視し返事を促して)

本当…だよっ
でも、綾斗はそんな風には全然見えなかったから…
だから…言わないで諦めようとしてたのに…っ
(突然視界が一回転すると目の前には相手の顔。今相手の顔をみるには心の準備が必要であったため準備がなかった今は頬の熱が上昇していくばかり。絶対、今顔真っ赤だ…、なんて確認するまでもなく分かれば今の顔を見られたくなく恥ずかしいようで片手で頬を隠すようにしながら俯きがちにぽつりぽつりと言葉を紡いで。

それは…お前と気まずくなんのが嫌でずっと隠してきたんだよ。最初はお前の傍に居られるならそれでいいと思ってた。けど…無理、お前を誰かに取られんのを大人しく見てられるわけねー…
(俯いた顔は片手で半分隠れてしまってはいるが、長年一緒にいれば今相手が恥ずかしがっている事くらいわかる。そんな相手を愛しげに見つめながら心の内を語り。相手の手を掴み半ば無理矢理外させながら「…こっち見ろよ」と真っ直ぐ見つめ)

…やだ…っ、見ないで…
(初めて聞いた相手の胸の内。まさか相手が自分のことをそんな風に思っていてくれたなんて。兄妹のように育ってきたためこの恋が成就するわけないなんて諦めに入っていたため、その分嬉しさは大きく、その嬉しさのあまり瞳にうっすらと涙を溜め始めると顔を隠していた腕を外されてしまった、まだ頬の熱はとれない、そんな顔を見られないよう俯きがちに顔を逸らして)

――…かすみ、
(強引に手を外させた後の上気した頬と潤む瞳を見るなりドクッと胸が鳴り。秘めて来た感情が溢れ、熱っぽく名を呼ぶと顔を背けたままの相手の頬に手を添え此方に向けさせ。「…好きだ」再度想いを言葉にするや否や唇を重ねて)

んん…っ。
(背けていた顔を相手に向かされると同時に唇を重ねられては驚きのあまり目をぱちぱちと瞬いて。初めこそは驚いたが好きな相手とこんな事ができるのは夢の様で嫌なわけがなく次第にはそれを受け入れるかのように目をゆっくりと閉じて)

(重なる唇に相手の抵抗は見られず、このまま口づけを深めてしまいたい衝動に駆られるも、初めての口づけは軽く角度を変えて離すだけのものに止めておき)
……俺もう幼なじみとして接する事出来ねーけど…いいのかよ。
(唇を離すと至近距離のまま真剣さと愛しさを帯びた眼差しで見つめて)

…うん、…だって傍には居てくれるんでしょ？
(口づけを離されれば閉じていた瞳をゆっくりと開いて。お互いの想いを知られてしまったからにはこのままの関係を続けていくことが不可能なのは承知であったため少しずつ変化する関係に対する不安はあるが小さく縦に頷いて。相手の視線を交じ合わせながら首をゆるりと傾げながら問いかけて。)

当たり前だろ。お前が大事な存在なのには変わりねぇから。
(相手の問いにふ、と笑みを浮かべながら頷けば、昔相手が泣いたり落ち込んだりした時と同じように頭を撫でて)

…よかったっ。
(問いかけられることで確かめる事ができれば不安が消え去り柔らかい表情を浮かべて。頭を撫でられればなんだか懐かしく思えては安心するようでぽふっと相手に抱きついては胸板に顔を埋めながら「…綾斗、好き。」と小さく呟いて)

…俺も。
(相手の言葉に頬を緩ませ、胸板に顔を埋めてくる相手を大切そうに抱きながら告げるも、先程からの胸の高鳴りに気付かれてしまいそうで。「…っ、あんまくっつくと濡れるから」照れ隠しなのか少しだけ相手との密着を避けようとし)

…大丈夫、大丈夫っ
(同じ気持ちを聞ければ嬉しそうに微笑を浮かべ。嬉しさがこみ上げてくると離れようとする相手に対し自分はこの幸せを感じていたいようで離れようとはせず上記の言葉を述べると「だから少しだけこういさせて…？」と言葉を続けて)

…俺が大丈夫じゃねぇんだよ馬鹿。
(少し距離を取ろうと試みるも失敗に終わり、服が濡れているせいかよりリアルに伝わる密着感に困惑したように眉を寄せ、相変わらず落ち着かない心臓を気にしながら本音を呟いて)

ーえ？大丈夫じゃないの…？
(相手の背に手を回していると呟いた言葉を耳にし。それはどういう意味なのだろうか、という疑問を抱けば相手の胸板に埋めていた顔を一度離し見上げては首を横にゆるりと傾げては見つめ)

お前が俺を好きだって聞いただけでヤバいのに、こんなくっついてたら…抑えらんなくなる。
(顔を上げる相手と視線が絡めば再びドクンと心臓が跳ねて。相手の目にかかる濡れた前髪をかき上げるように避けてやりながら心の内を正直に語ると視線を逸らし)

ご、ごめん…っ！
(相手の胸の内を告げられれば驚きのあまり大きく目を見開いては動揺しながら一歩後ろに下がり。相手の気持ちも知らず無神経な行動をしてしまったという羞恥にかられては視線を下にして)

…んな露骨に嫌がんなよ、微妙に傷つくだろ。
(逃げるように後ずさる相手を見ては何処か拗ねたような視線を送るも、想いを告げた直後はやはり照れ臭さもあるのか、気を紛らわせるように相手から外した視線をその辺に向け。すると目に止まったのはかき氷の屋台。俯いてしまう相手を笑顔に戻す為と己の自制心を保つ為、とにかく今の雰囲気を変えなければと思えば「かすみ、あれ食おうぜ」屋台を顎で指しながら笑み掛けると屋台の方に足を向けて)

そ、そういう訳じゃなくて…!
(嫌がった訳ではなく驚いただけなため手を左右振り否定の言葉を述べて。まだ恥ずかしさがあるためいつもの調子が取り戻せずどうしたらいいんだろ、と頭の中でぐるぐる考えていると相手が気遣って言葉をかけてくれて。それに共なって顔を上げると自分も屋台が目に入り。「屋台…？そうだね、行こっか」と返事をすれば自分も相手の後を着いて行き

(/遅くなってすみません><)

…わり、考えてみりゃさっきアイス食ったばっかじゃん。別のにする？
(照れ臭さから少し早歩きになってしまう己に気付き、はたと足を止めれば振り返り相手を待ち。相手の事で頭が一杯だったせいか忘れていたが、先程アイスを食べたのにまたかき氷にするのもどうかと相手にも意見を求め。いつの間にか浜辺には人が集まりだし、それに伴い幾つかの屋台も並んでいて)



(/いえいえ、此方こそ遅くなったりしますし;のんびり楽しみましょう^^)

…った。…あ、そういえばそうだね。
でも、ほらっ!ﾃﾞｻﾞｰﾄは別腹って言うでしょ?
(後ろを歩いていると突然止まるなんて思っていなかったため鼻をぶつけてしまい。鼻を抑えながら突然どうしたのだろうか、そんなことを思っていると相手が振り返ったため不思議そうに見上げ。言われてみればさっき差し入れをしたのもｱｲｽだったと今更ながら気がつくが甘いものに目がない自分にとっては食べたいようで上手く方向に持って行こうと企んで←)


(/わわわっ!!ありがとうございます><