彼方の記憶

(今晩の夕食のおかずが出来たようで自身も定位置の席に座ると同じく手を合わせ挨拶しては食べ始めて。空腹も相俟ってより一層野菜炒めが美味く感じては箸を持つ手の動きが止まらずに美味そうに食べていて)

（美味しそうに食事を食べる姿を微笑ましく眺めながら自身も箸を止めることはなく。しばらくして食事を終えるとようやく落ち着いたようでほっと一息ついて）

光忠、風呂に入ってきたらどうだ？
(最後まで綺麗に完食すれば腹も満腹になって満足感を得ると冷たい茶を飲み、自身も一息つき。それから暫くしてゆっくりとしていたものの、徐に席を立つと食器を重ねつつそう言って)

え？ああ…じゃあそうしようかな
（しばらくゆっくりとしながら話をしていたものの、徐ろに立ち上がった彼が風呂に入ってこいと促してきたために頷いて。一度部屋へ戻り着替えを取ればそのまま風呂場へと向かって）

(風呂場に行った姿を見遣るとその間にキッチンへと皿を運んで食器を洗い始めるも、それが終われば次に先程と同様にテーブルの上を綺麗に拭いて。ふう、と息を吐けばやる事も無くなりソファーへと座って)

（しばらくして風呂場から出てくると髪を乾かしリビングへと戻ってきて。ソファーへと座ると｢長谷部くんもおフラ、入ってきたらどう？｣と首傾げ）

そうだな、俺も入ってくるとしよう。
(ゆっくりと待っていると少しして風呂場から出てきた彼の姿を視界に入れ、元々自身も入ろうと思っていたため立ち上がり。一度部屋に戻って着替えを取ると風呂場へ向かい)

…、
（部屋を出る背中を見送ると、特に見たいテレビ番組も無くただ時間が過ぎていくだけで。徐ろに立ち上がればベランダへと出て夜空に煌めく星を眺めていて）

…何を見ているんだ？
(それからしばらくして、風呂場から出てくるとついでに髪も乾かしすっきりとした気分でリビングへと入り。ふと、ベランダに出ている後ろ姿を見つけ近寄りつつ話し掛けて)

え？ああ…星が綺麗だなあって
（しばらく星を眺めていると、風呂からいつの間にかあがっていたのだろう。背後から声が聞こえては振り向きそう言って。｢月も綺麗だよ｣と続けて）

え？ああ…星が綺麗だなあって
（しばらく星を眺めていると、風呂からいつの間にかあがっていたのだろう。背後から声が聞こえては振り向きそう言って。｢月も綺麗だよ｣と続けて）

本当だな、どちらも綺麗だ
(どうやら夜空を眺めていたようで今宵の星と月は美しいらしく、風呂上がりゆえ少し夜風に当たる意味でも一度見てみようと思えばベランダに出てみて。夜空を見上げてはそう言って)

あっ、流れ星！
（しばらく二人並んで夜空を眺めていると流れ星が流れてはそう言って。流れてしまった後だが、密かにこれから先も二人幸せにいれますようにと願って）

俺は出来なかったが、流れ星に願い事でもしたか？
(ふと、不意に流れ星が流れたと聞いては違う方を見ていた上に、ほんの一瞬の出来事だったため時既に遅しで。自身は見ること、況してや願い事なども出来ずでちらりと彼の顔を見て尋ね)

ふふ、うん。これからも僕らが幸せでいられますようにって
（彼はというと違う方を見ていたのか願うことも見ることも出来なかったようでそう訪ねられると、少し気恥ずかしそうにしながらも頷きそう言って）

今でも十分幸せだが、これから先何が起こるかは分からん。ずっと一緒に居よう
(どんなことを願ったのか気になり自身の問いに少し気恥ずかしそうにしながらもそう答える姿を目に入れ。それは二人の幸せを願うもので柔い笑みを魅せて上記を述べ)

うん、勿論。
（彼の言うように確かに今でも十分幸せであって。これから先も共に居ることを約束するとまるで改めて告白されたみたいだと不思議と胸はいっぱいになり微笑んで）

―さて、そろそろ中に戻るか。
(約束を交わした後にもう一度二人で夜空に煌めく星々と月を眺めれば、流石にこのままずっと居るわけにもいかず部屋に戻ろうとそう言って先にリビングの中へと入り)

あっ、うん
（空を見上げ、先にリビングへと入る姿を見れば後を追うように部屋へと入って鍵を締めては｢星空の中で約束するなんて何だかロマンチックだったね｣と笑み浮かべ）

はは、別に意識したつもりは無かったんだがな。
(先に部屋へと入ればそちらの方に身体ごと向けて、先程の雰囲気は女性が憧れるようなロマンチックな場面。自身は本心を告げただけで、そのことを言われるとこちらも小さく笑み)