燭台切光忠 2017-03-18 23:04:23 |
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..ああ、分かった
(出掛けるので身支度を済ませようと服は相も変わらず戦装束のカソックとストラ。着替える準備をすれば今日は彼が朝食を作るそうで、料理が不得意の自身は任せる事にしキッチンに向かったと同時に深く溜め息を吐き。着替えつつこのままだと隠し事に気付かれるのも時間の問題で、タイミングを見計らいながら打ち明ける決意をし。部屋を出て洗面所で顔を洗った後、キッチンに移動し)
(彼が身支度を済ませる間に自身は食事を作り。目玉焼きとベーコン、それに食パンをトースターで焼けばあとはコーヒーを煎れるだけで。盛り付けられた皿をテーブルへと運べば丁度彼も準備を終えたようでカップにコーヒーを注ぎながら「いいタイミングだったね、ちょうど準備が終わったところだよ」と微笑み椅子に座って)
美味そうだ
(リビングに来る途中、キッチンの方向から良い匂いが漂っていて食欲をそそられる薫りに一気に腹が減る感覚がしては椅子に座り。手を合わせ食事の挨拶を言うと先に喉を潤す為にコーヒーを飲み、それからパンにバターを塗って食べつつ、他の料理も口に運んでは相変わらず料理が上手いなと思いながら頬を緩ませ)
あっ、美術館に行くまでなんだけど…バスに乗っていく?それとも歩いていく?
(手を合わせて食事の挨拶をするとパンを一口大にちぎっては口へと運びそれからコーヒーを飲んで。彼の表情を見ては、頬が緩んでるようにも思えてこちらも自然と頬が緩み。そうしている内に食事を終えると思い出したように上記を述べて。バスだと早く着く、歩きならは周りの景色なども見ながら行けると自分なりの違いを挙げてみて)
俺はどっちでも良い。 ..が、お前が良いのなら徒歩で行かないか?
(再び手を合わせ食後の挨拶を済ませ腹が満たされ満足そうな表情になり、残り僅かなコーヒーを飲み干すと美術館の行きはバスか徒歩、選択権は何故か自身で最初こそどっちつかず発言をしたものの、案内をしてもらう事を踏まえて徒歩の方が良いだろうと考え)
OK、じゃあそうしようか
(徒歩で行かないかと言う言葉に特に拒否する理由も無いために頷いて。「ごちそうさま」と挨拶をすると食器を重ね立ち上がり、キッチンへと運び。それから先に準備をしようと洗面所へと向かい顔を洗って歯を磨けばそのまま部屋へと行き白シャツへと着替え、黒のコートを手にリビングへと戻ってきては椅子に掛けて)
(美術館までの行き方も決まり此方の分の食器を纏めて重ねてキッチンの方へと持って行ってくれた後、準備の為にこの場から立ち去った背に自身も洗面所に行き。食後の歯磨きをしリビングに戻って来れば、身支度を済ませた彼が居り「もう行くか?」と声を掛け)
うん、そうだね。歩いていくとすると丁度いい時間になるかも
(そろそろ行くかと言われると腕時計を見てここから歩いていく時間も考えるとそれに頷いて。そうしてコートを羽織ると玄関へと行けば靴を履き出ていって。鍵を締めては、覚えているためにそのまま美術館への道を歩き出し)
(家の出て鍵を閉め確りと戸締まりを確認しては彼の隣を並んで歩きながら、見慣れた何気無い近所の道でも平日と違って休日は人通りが少なく感じ。現代の世界は長い間生きてきた刀の自身にとってどれもこれも見慣れない物や景色ばかり、若干キョロキョロと店や自販機などに目移りしながらも足元に気を付けつつ歩いていて)
ふふ、色々と珍しい?
(隣を並んで歩く彼は何もかもが珍しいのか、辺りを見回していて。その姿は何処かおかしく、クスリと笑えば一応人通りは少ないとはいえ外ということには変わらず、小さな声でそう尋ねて)
ああ、俺が長く刀で在っても見た事の無い物ばかりだ。
(時折彼のような面妖な格好で街中を歩いている若者を横目に、何処か興味深く眺めて居れば隣で笑った声が耳に届き。彼の方を向くとそう尋ねられ、長い間生きている身、昔には存在するはずの無かった道具やらがあり珍しくこくりと頷き)
そっか、長谷部くんは刀の神様だもんね。
(隣にいる彼は刀の付喪神。出会った頃はそんな話を信じられなかったが話を聞いていくとそれは嘘ではなかったことも分かってきて。遠い昔から人の世を渡り生きてきた彼には便利になったこの世の中全てが珍しいのだろうと思い。周りにあるものすべてが珍しい彼に今の世の中はどう写っているのだろうかと思いながらそう言って)
まあ、神の端くれだがな。
(隣の彼が人間に生まれ変わると願い現世でお互い再び再会した頃の事を思い出し、刀の神様であるのを謙遜した物言いで口にすれば家から美術館までの距離をだいぶ歩いた気がすると「あと何分で美術館に着くんだ?」と小さな声で聞いて)
ふふ、それでも神様に変わりはないよ。
(神の端くれであろうと神様であることに変わりはないとそう言って。彼ならば自身には見えていないだけで存在しているかも知れない他の付喪神も見えるのだろうかと思えばこれから見る刀剣“燭台切光忠”の神様もいたりするのだろうかと思って。彼に問い掛けられると「あっ、見えてきた。あれだよ、美術館」と緑地が広がる中に見えたその建物へ視線を移し)
あれが美術館か。
(彼の声と同時に正面を向けば草木の生い茂っている土地が広がる中に存在する建物が見え、あの美術館に燭台切の刀が在るのかと思い。刀を拝見した時、彼は自分の前世が付喪神だったと思い出すだろうか。ちらりと顔を見、矢張り刀剣の展示とあって次々と人間達がその建物の中に入って行く様子を眺め「俺達も入るか」と人が多いため声を潜めて美術館の中に入り)
うん、楽しみだなぁ
(はやり刀剣となるといつの時代でも人々に愛されるのだろうか。思ったよりも人は多く、驚いて。彼の言葉に微かに頷けば美術館内へと入っていき、入場料を払っては順路を辿りながら展示品を眺めていき)
(入場料を払った後、彼と共に順路を辿りながら展示品を眺めていく。かつて刀剣男士として戦場で戦った仲間を密かに探してゆきつつ、人込みを避けて通り本日の目玉商品である“燭台切光忠”の刀が展示している場所に来るも、その周りにはガラスケースの前に人が囲んで居り。「..流石に名刀なだけあって人気だな」と小さく感嘆の声を上げ)
…燭台切…長船…伊達…?
(目当てである刀剣の神様も周りには人が多く、その間に説明文の書かれたパネルを読んでいて。ぽつりぽつりと言葉を紡いではなにか引っ掛かるのか首を傾げていて。やっとのことで刀剣を見ることが出来れば突然脳裏に昨日見た夢と同じ風景が浮かんできて。それと同時に涙が溢れてきては声を詰まらせ、周りの目を気にしてか口元を抑えていて。足早にそこから離れると休憩用のソファーがありそこに座れば「あの風景…何処かで…それに…」と呟き)
.. なあ、長船──。
(少しの間、その場で待って居るとようやく刀剣を見ることが出来、ガラスケース越しにこうやって改めて拝見するのは不思議な心境だが心なしか切なさ感じ。隣の彼を見ると目から涙が溢れ口元を抑えている様子、驚いた表情でここから離れる背にもう一度名を呼ぶが届かず追い掛けて行き。すると、休憩用のソファーに座っていた後ろ姿を見つけ駆け寄れば「..大丈夫か、長船」と心配そうに眉を下げ見つめ)
…あ、ごめん。何だか涙が出てきちゃって…なんでだろ、懐かしく思えたんだ。あの桜吹雪…何だったんだろう
(しばらく流れる涙に困惑していたものの、深く息を吸い込んで落ち着こうとしているようで。やっと涙が止まればいつの間にか置いてきてしまっていた彼が傍に来ていて。一言謝れば静かに自身が感じたことを告げていき)
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