彼方の記憶

お前にはいつも感謝している｡今度俺が月見うどんを作ろう
(先程まで皿の上にあったｶﾙﾎﾞﾅｰﾗを綺麗に平らげると両手を合わせ食事を終え､水分を取るため茶を飲んだ後にじっと彼を見据えながら改めて感謝の気持ちを告げ｡自身が唯一作れる月見うどんを食べてもらおうと申し出て)

(/そう言って頂けて嬉しいです！勇気を出して提案した甲斐がありました｡採用ありがとうございます､では翌日からそのようにしましょうか！)

えっ、ほんと？実は今度作ってもらおうと思ってたんだ。ありがとう、楽しみだなぁ
（他愛ない会話を交えながら食事を終えて。彼と同じように手を合わせ「ごちそうさまでした」と言い一息ついていて。彼の視線を感じ、どうかしたのかと微笑みつつ首を傾げては今度彼の作るうどんが食べられるようで。少し前に望んでいたことがまさかすぐにかなうとは思っておらず、嬉しそうな笑みを浮かべながらそう言って）


(/はい、そのほうで行きましょう！)

そうなのか？…まあ､期待しててくれ。
(うどんを作ると宣言したのち､まさか彼もほぼ同じ事を考えていたとは思っておらず少し驚いた表情を浮かべ｡毎日料理を作ってくれる彼に何か礼は出来ないかと思考を巡らせ､辿り着いた結果が先程の発言で嬉しそうに笑う姿にふっと表情を和らげ)

(/相談したい事はもう思い付きませんので､また何かありましたらその都度相談させて頂きますね！主様も何かあれば遠慮なく仰って下さいませ…！ではでは､背後はこの辺りで失礼致します)

うん、期待しとく
（彼なりのお礼なのか、そう話を進める彼に微笑み。そうして食事を終えた食器をまとめ、洗いながらも言葉をいくつか交わしているといつの間にか休日も終わりに差し掛かってきていて。先に風呂に入らせてもらい）

(今日の溜まった疲れを癒しに風呂場へと向かう姿を見送ると､食事を済ませた後のこの時間は何もやる事が無くなり｡風呂から上がって来る彼を待つ間､暇潰しにﾃﾚﾋﾞがついたままなので適当に番組を見ており)

あ、長谷部くん。君も入っておいでよ
（暫らくして入浴を済ませてリビングへとやってくると珍しくテレビを見ている彼の姿があり。暇つぶしなのか、それとも興味があったのか。後者ならば後でもいいかもしれないが、一応声を掛けてみて）

…ん？ああ､ならそうする
(ﾃﾚﾋﾞに集中していると風呂から上がって来た彼に声を掛けられ､暇潰し程度に見ていたためそう返事を返しながら立ち上がり｡ﾘﾋﾞﾝｸﾞを出てさっと風呂の準備をすれば早速入浴して)

（彼が風呂に行ったのを見送ればそのままソファーへと座り。今日は色々と起き頭の中はまだ混乱しているところもあって。今になって疲れが一気に来たのか、欠伸を噛み殺していたものの眠気には勝てずにそのまま眠りに着いてしまい）

なが──…寝てる？
(入浴後､さっぱりとした姿でﾘﾋﾞﾝｸﾞに戻って来ればｿﾌｧｰの上で眠っている彼の姿が目に留まり｡目の前まで近付いて気持ち良さそうに眠るその寝顔を見れば起こすのも気が引け､そっと彼を姫抱きすると自室まで運んで｡ゆっくりと起こさぬようﾍﾞｯﾄﾞに下ろし布団を掛けて遣り､自身も布団に潜って眠りにつき)

（翌日、目覚まし時計のアラーム音で目を覚ましてはいつの間にかベッドで横になっていたことに気付き。恐らく彼がここまで抱いてきたのだろうと思い。ふわりと欠伸をひとつしては、もそもそと緩慢な動きでベッドから降りて）

おはよう､長船｡…昨日はよく眠れたか？
(いつもの様に彼より先に朝早く起きると学校の準備もあるため､彼の負担を省こうと簡単ながら朝食を作れば丁度起きて来た姿を見遣り挨拶し｡机の上に出来立ての料理を運びながら聞けば椅子に座り)

あ、おはよう長谷部くん。昨日はありがとう、運んでくれたんでしょ？おかげでよく眠れたよ
（顔を洗いに行こうと自室を出ると自身よりも先に起きていた彼の姿があり。笑みを浮かべ挨拶を返しては昨日の礼を述べ。それから一度顔を洗いに洗面所へと向かい。戻ってくるとすでに机に並べられていた彼の料理を目に「ふふ、今日も美味しそうだ。いただきます」と椅子に座り手を合わせて）

いただきます
(昨晩はｿﾌｧｰの上で眠る程疲れが溜まっていたのだろう､熟睡出来たと聞けば安堵の表情を浮かべ｡それから再び彼を戻って来て席につくと同じく手を合わせ､食事の挨拶を言えば食べ進めていき)

（食事を終え、学校の制服へと着替え準備を終えると家を出ていつもの通学路を歩き。近所の人や友人と挨拶を交わしながら学校へとたどり着くといつもの教室が何か騒がしく。先に来ていた友人にどうかしたのかと聞けばこの時期に新しい転入生が来るらしく）

(学校に辿り着き教室を入る前から何やら騒がしくざわざわと声が重なって不思議に思いつつも､友人である人物にこの状況を飲み込めず彼が聞くと季節外れの転入生が来るとの事｡一応理解すれば担任の教師の後ろから教室に入って来る人物を見遣れば「！？……つ、るまる？」と驚きに目を見開くとぽつり呟いて)

（教室に担任の教師と共に入ってきたのは、色素の薄い白髪に雪のような肌を持つ何処か儚げで憂いさえ帯びている様な彼の姿。それに驚いたのは自身だけでなく他の生徒も驚きを隠せない表情と声、淡々と紹介をしていく彼の名前は五条国永という者らしく。彼の席は自身の空いた隣の席、こちらへと歩み寄って席に座った五条は人懐っこい笑みを浮かべながらこちらへと挨拶をして。自身も挨拶を交わし）

(珍しく驚いた表情のまま自身の頭が混乱する中､そんな事お構い無しに話が進んで淡々と紹介され黒板に綺麗な字で¨五条国永¨と名が書かれている｡五条の席は彼の隣の席､此方に来る人物は色素の薄い銀髪に雪の様な白い肌､どこか儚げな印象を与える様は矢張り鶴丸と重なり｡──彼奴には俺が見えるのか､と観察していて)

(/済みません､鶴丸は長谷部の事を見えるかの設定は如何致しましょう？)

…えっ？今、なんて？
(彼と言葉を交わし、授業を受け今日の学校生活も終わりに差し掛かっていて。終礼も終えいつもならばすぐに教室を出るのだが、今日は五条との話がどうしても盛り上がってしまいいつの間にか教室には五条、長谷部、自身を入れての三人しかおらず。そうしていると、不意に五条の口から出た｢先程から君の後ろにいるのは誰だい？｣と言われると驚きに目を瞬かせ)


(/そうですね、ここで初めて自身以外に長谷部の姿を認識できる者を入れるのも面白いと思うので、見えるということにしたいと思います。)

──！？……俺の事が見える､のか？
(担任の教師や他の生徒が居なくなった夕方の教室でいつもなら直ぐ様近所の店に寄って帰宅する時刻だが､今日に限って転入生の五条と話が盛り上がり気が付くと周りには誰も居らず｡それを見計らってか否か､唐突に五条の口から出た問いに目をぱちくりとさせ｡まさかとは思ったが彼以外に自身を認識できた事実に半信半疑で口を開き)

(/確かに認識できる設定だと今後の展開もすらすらと進みますし､何より面白そうなのでそうしましょう｡あと､三人でｼｮｯﾋﾟﾝｸﾞﾓｰﾙとかに行って普段から戦装束の長谷部の服をｺｰﾃﾞｨﾈｰﾄする､というのも楽しそうだなぁと思っているのですが…)

えっ…と、彼はその、僕の保護者的な…？
（まさか自身以外にも見える人がいたなんて、驚きを隠せずにいるこちらを気にもせず｢勿論、最初から見えてたぜ。変な奴がいるなと思ったがどうも周りの奴らは気付いてないようだったからな｣とニッと悪戯っぽく笑みを見せて。彼は意外と周りを見るタイプだったのか、なんて思いながらもどう説明をしたらいいのかわからないようで）



(/そのような展開も面白そうです…！今までは2人だけで行動、という設定から3人に増えることでいろいろと出来そうですし、やってみましょう！
ちなみに、鶴丸の会話の方はどう致しましょう？前の会話のように入れるか…二役になってしまいますがそのような形にするか…もし後者の場合ですと当方が担当させてもらおうと思います。)