相乗りで何処までも 【 〆 】

こいつの言った通りだ。……おやっさんはもういなくても、俺達二人でお前みたいな奴から何度でも風.都.を守ってやる
(犯人を床に沈めると相手が犯人の前にしゃがみこみ敗因を告げる。おやっさんは偉大だ、とてもじゃないが追いつける気はしない。だがおやっさんになくて自分達にあるもの、それが二人で一人だという、相乗りだというキーワードだ。相手の言葉にニヒルに笑って見せた後悪あがきをしようともがく男に向かっておやっさんの意志を引き継ぐ者としてこの街を守ることを宣言した。ス.パ.イ.ダ.ー.シ.ョ.ッ.ク.がワイヤーで男を拘束すれば立ち上がり、相手がこちらにやってきて爆弾を外そうと試みる。こちらが見てもその構造はサッパリで「おぅ、頼んだ」と相手に任せることにした。暫くコードを辿ったりして順番に何かしらの装置を外していき最終的には爆弾一式が体から外れて、そこでようやく肩の荷やら緊張感やらが抜けて安堵の息を吐くと「ありがとな、フィリップ」と礼を伝えておいた。相手の言う通り爆弾の処理と犯人は警察に任せるべきだろう。その後はジンさんに連絡を取り暫く慌ただしい時間が続いた。事の次第を説明すればそういう事件は早く通報しろと怒られ、ついたらついたで爆弾がまだ解除しきれていないことにひとしきり騒ぎ、マッキーに嫌味を言われながら事の経緯を説明することとなった。一通りのことが終われば『あとは後日詳しく聞くから、もう帰れ』と水族館を追い出されてしまった。外へと出ればすっかりあたりは夕焼けに染まっている、風が吹きぬけていくのを感じ風.都.タ.ワ.ー.を見上げると「俺達、おやっさんに近づけてるよな」とぽつりと呟いて)

……僕たちは鳴.海.荘.吉の代わりにはなれないけど、その意志を継いでこの街の探偵であることは出来ているはずさ。
（相手の体から爆弾を取り外すことが出来れば漸くずっと続いていた緊張感が少し解けて告げられた礼に「君が無事でよかった」と返しておいた。それからは刃.野.刑事に連絡を取り事件の後始末に追われた。男の事件は署内では有名だったらしく刑期を終えた後も注意を払っていたがまさかこんなことになるとはと話していた。危険な橋を渡っていたことに多少怒られはしたものの爆弾の処理や人質に取られていた先の件の調査もあるようで今日の所は帰される事になった。外に出るとすっかり夕方でかなりの時間経っていたようだ。心配をかけた所長に顔を見せるためにも事務所に戻ろうとするが相手は風.都.タ.ワ.ー.を見上げてぽつりと呟く。男は自分達のことを不合格と言った。勝手な尺度で判断されたのは不愉快であったがまだその背中に追いつけていないのは事実だ。そして多分どれだけ成長しようと完全にその代わりにはなれないように思う。相手の方を向いて近づくと探偵の証でもあるハットのブリムに触れながら真っ直ぐとした視線を送る。そして形は違えど鳴.海.荘.吉と同じこの街の探偵だと誇らしげに告げると「世界で一番の相棒が隣に居るからね」という言葉と共に自信たっぷりの笑顔を見せて）

、フィリップ…お前があいつに言った事、俺が忘れちゃ世話ねぇよな
(愛すべき街を守るため憧れの人から受け継いだ探偵という称号、それを誰かに裁定される筋合いはないがそれ以前にあの背中に追いつけていないことだけは確信できている。雄大に回るこの街の象徴におやっさんの姿が重なりこぼれ落ちた言葉を相手が拾いあげる。相手の指がハットのブリムへと触れる、探偵の魂として受け継いだそれに触れながら真っ直ぐとした視線と言葉を向けられるとじわりと胸が熱くなった。おやっさんの背中は遥か遠い、しかし自分達は二人で一人でいるから互いにやれない事ができて、おやっさんとは違う方法でこの街の探偵をできているはずだ。自信たっぷりの笑みと共に世界一の称号までつけて呼びかけられる、こちらもハードボイルドな探偵に似合いのニヒルな笑みを浮かべれば「あぁ。世界一の相棒とならこの先もずっとこの街で探偵でいられる」と返事を返した。おやっさんの亡霊を追う犯人との決着はついたがふと忘れていたことがあるのに気がつく。事務所に帰ろうというところだが、肝心の所長に事件が解決した旨を伝えていない。恐らく未だスリッパを構えたまま篭城中といったところだろう。これは早く帰らなければまたどやされる、相手の背中を軽く叩くと「俺達の探偵事務所に戻るか」と声をかけて)

(/お世話になっております！爆弾魔というある意味王道な犯人に対して二人で力をあわせながら人質を助けて、最後に痺れるような緊張感からかっこよく連携を決めることが出来てとても楽しいお話になりました！個人ではおやっさんに追いつけなくとも二人ならば風.都,の探偵であれると答える検索くんがすごくかっこよかったですし、まさに二人を現す言葉だなと背後も痺れておりました。今回もありがとうございました！
この後の展開ですがいかがしましょうか？この時期ならではでお花見しにいってもいいですし、この前あげさせていただいた鬼ヶ島な映画のお話でもいいですし、その他のお話でも良いかなと思うのですが、検索様のご希望などありますか？)

……翔太郎、お花見っていうのは昼に桜を見ることだろう？
(鳴.海.荘.吉の亡霊を追う爆弾魔の犯行を食い止めこの街の探偵であると再度自覚したあの後、事務所に戻ればスリッパを構えたまま籠城している所長が居て直ぐさま一回、事件の経緯を説明してもう一回叩かれることになった。心配かけた事と無事であることを伝え許して貰えた頃には鳴.海,探.偵.事.務.所の居心地の良さを感じていた。それから1週間程、段々と外の気温は暖かくなっていきそれに合わせてか街にも平和な日々が訪れていた。それはこの事務所も例外ではなく依頼人は殆ど訪れなくなって暇を持て余していた。そんな日が続けば所長は痺れを切らして今日は休みにするとの宣言が出た。自分達も休んでもいいとの事だったが何となく事務所に来て各々好きに過ごしていた。窓際で本を読んでいたが流しっぱなしのラジオが天気予報を告げる。各地の桜の開花情報が伝えられ『今日も一日ぽかぽかとした陽気で風.都.は最高のお花見日和です！』とアナウンサーが読み上げるのを聞けば本から顔をあげる。以前デートの依頼の時に夜に咲く桜は見せて貰った事があるがそれ以外では通勤時に見かける程度だ。お花見が桜を見ることなのは分かるが何故ここまで大々的に取り上げられているのか分からず「なんでこんなに話題になってるんだい？」と疑問を投げかけて)

(/こちらこそいつもお世話になってます。大切な物が人質になってピリピリとした中二人らしく事件を解決出来てとても充実した時間でした！爆弾魔の正体がおやっさんを知る人物だったり探偵君が人質になったりと感心するような展開ばかりでハラハラしながら進めさせて貰いました。二人ならば街の探偵として並び立てるのがこの二人の魅力だと思ってるのでそう言って貰えて嬉しいです。今回もありがとうございました。
依頼や事件続きでしたのでお花見しに行くのはいかがでしょうか？定番の名所でも限られた人しかしらない秘密の場所でも良いですし二人でまったりとした時間を是非過ごしたいです。簡単な導入を上部で始めさせて貰ったのでいつも通りいい感じに乗って貰えたらと思います/問題なければ蹴りで大丈夫です。)

ん？……そりゃ桜の満開時期が数日しかねぇし、花見っていや桜の木の下で集まって飲み食いする定番のイベントだからな。桜が咲いたら冬が終わっていい感じの気温になってるってことだし、でかけるキッカケにもなるってとこだ
(爆弾魔を二人で一人の探偵が下した後、事務所に帰ったものの所長がなかなか二人を本物の探偵だと信じず、鍵を使って無理やり入ったら入ったでスリッパの一発をもらい『まずは電話で解決したって連絡しなさいよ！』とまた一発貰って暫くは所長と言い合いする羽目になった。そんな慌ただしい幕引きの日から一週間、今日の風.都.はまさに春の陽気に包まれている。心地よい気温と風が吹く街は誰もが朗らかになるのか事務所には全く依頼人がくる気配はなかった。その空気に所長から休みの日にすると宣言がなされて、入口横にあるソファに座りながら雑誌を読んでいた所に相手から声をかけられる。どうやらラジオから流れてきたお花見というワードに興味を示したようだ。雑誌から顔をあげるとお花見について説明してやる、祭りのように伝統や意味があるわけではないが春の訪れを感じつつ出かける口実になる花見は立派な季節行事といったところだろう。夜桜は二人で見た事があったがそれ以降じっくり桜を見たことはなくて「せっかくなら花見しにいくか？今日逃したらもう満開の桜見られねぇだろうし」とちらりと窓の外をみてから誘ってみて)

(/すみません、昨日夜背後が忙しく帰宅してそのまま倒れてしまったためお返事出来ませんでした。お待たせいたしました！
それではお花見するお話といたしましょう。ピリッとしたお話な後ですし、ゆっくりと二人の時間がすごせれば幸いです。今回もよろしくお願いします！/こちら蹴りで大丈夫です)

へぇ、春の訪れを感じる一種の恒例行事という訳か…。 行ってみたい！
(雑誌を読む相手に素朴な疑問を問いかける。今までさほど興味を持っていなかったが桜が満開になるのは数日しかないらしい。加えて花を見ながら食事をするというのも面白い文化だ。この事務所を訪れる人が少ないのもその影響があるのかもしれない。相手の説明に感心するように頷いていると興味を持ったのを察してかお花見の誘いがかかる。今年満開の桜が見られるのは今日だけだと条件がつけば分かりやすく瞳を輝かせて賛成の返事を返す。元々今日は休みの日だ、街の人と同じく春の陽気に触れるのも悪くないだろう。パタンと本を閉じて立ち上がると「この街で桜が綺麗に見られる場所、君なら知っているだろう？」と期待を寄せる表情で相手に尋ねて)

俺を誰だと思ってんだ。風.都.で一番桜が綺麗な場所に連れてってやるよ
(花見に誘ってみればこちらの予想通り相手はその誘いに乗ってきて椅子から立ち上がる。期待を込めた視線と言葉を投げられてしまえばこの街を庭と称する身としてその期待に応えないわけにはいかない。雑誌をゆっくりと閉じながらクールな笑みを浮かべキザったくひらりと手を振れば雑誌を置いて立ち上がった。花見といえば桜の木の下で飲み食いをしなければ盛り上がらない、事務所の奥、雑多にものが積み上がっている場所に近づけば「確かこのへんに…」と呟きつつレジャーシートを掘り出す。ついでに大きめのバッグを取り出しレジャーシートを放り込めば「よし、まずは食うもん買いに行こうぜ」と声をかけ、ガレージへの扉にかけられたハットを頭に乗せると相手と連れ立ち事務所を後にして)

それは楽しみだ。ああ、せっかくだし食べ物もちょっと良い物が良いな。 一昨日ぐらいに美味しそうなデパートのチラシが入っていただろう？
(誰よりもこの街に詳しい相手に桜の名所を聞けばクールな笑みが浮かんでキザっぽい仕草で返事がされる。相手がこういうのなら期待できる場所に違いない。こちらも無邪気に楽しみなのを滲ませた表情を浮かべると早速準備に取り掛かる。相手が事務所の奥の物置のような状態になっている所に近付いて取り出した大きめなバッグに何かを詰めている。恐らく花見に必要な物なのだろう。今日は店仕舞いだと事務所を閉めると相手の後を追って外に出た。外はすっかり寒さは和らぎ暖かな陽気が満ちている。そんな中を歩いていれば気分も弾んでお花見で食べる物のランクアップを相手に要望する。いつもはスーパーなどで済ませてしまうが一昨日に事務所で見たお花見特集の乗ったデパ地下のチラシを思い出すとそれを話題に出しながら「ね、翔太郎」とオネダリするように見つめ続け)

良い物か……確か花見特集だなんだって…、……満開の桜が見れんのは一年に一回だけだ。なら、ちょっとくらい美味いもん食わねぇとな
(事務所を出て街へと繰り出す、春の陽気に包まれた街は外出するにはちょうど良い気温で風が僅かに吹いているが寒さを感じるほどでもない。まさに絶好の花見日和というやつだろう。当然のようにスーパーへ行くものだとその方向に歩いていたが相手から食事のランクアップを提案されると目を瞬かせる。どうやら事務所に入っていたチラシから得た知識らしい、確かそのチラシにも桜の花びらがプリントされていて花見のお供にぜひ、といった文言が書き添えられていた気がする。チラシの内容を思い出しつつふと相手の方を見るとこちらに期待やらを込めたオネダリの目が向けられていて、そんな状態で恋人に甘えるように名前を呼ばれてしまえば抗う術はない。胸が鼓動を打つのを感じつつ呆れたように笑いながら了承の返事をした。花見という特別な機会ならば特別なものを食べるのは道理というものだろう、それに相手にとっては花見だって『初めて』だ。行き先をスーパーからデパートへと変更すると足取りも軽くデパ地下へと向かって)

ふふ、そうこなくては。 …といってもお花見といえば何を食べるんだい？
(お花見だからとランクアップを求めれば相手の目が瞬いた。だが相手がイベントごとが好きなことも自分に甘いことも知っていれば更に追い討ちをかけるように名前を呼んだ。すると相手の顔に呆れたような笑みが浮かんで了承の返事がされる。こうやって自分のわがままが許される瞬間は何度見たって嬉しくて無邪気に笑顔を見せると行き先を変更してデパートへと向かった。地下へエスカレーターで降りていくと今日が桜のピークとだけあって人も多く桜の飾りなどで売り場が彩られているようだ。お弁当から焼きたてパン、スイーツまでお花見フェアに参加しているようでこれだけでも一種のお祭りのようだ。だが便乗してかあらゆる物が売られているせいでコレといった定番品が見分けられない状態である。軽く見て回りながらも相手にスタンダードな飲食物について聞いてみて)

(/お返事大変遅くなってしまいすみません……。普段トップ画面のレス数の偶数奇数＋通知でお返事を認識してるのですがこちらのミスで逆になったのを忘れていたのと通知が来なかったのでまだ返事待ちかとばかり思っておりました。こちらの不確認でお待たせしてしまって本当に申し訳ないです、特に何があった訳でもないので引き続きよろしくお願いします)

……そういやお花見の定番料理ってのはないな。時代劇だと団子のイメージだが、今はどっちかっつーと酒の席って感じだし。二人なら弁当買うか小さめのオードブル買うかってとこじゃねぇか？
(相手と共にデパ地下へとたどり着くと売り場はなかなかの賑わいを見せている。絶好の花見日和に加え今日が満開のタイミングとなれば同じようにお花見をしようと考える人が多いのだろう、売る側の店もなかなかの気合いの入りようで呼び込む声が四方から聞こえてくる。そんな中で相手から花見で食べるものを聞かれると数秒固まってしまった。というのもこれといった料理が思い浮かばず、花見といえばどちらかと言えば宴会の色が強い。当然この二人で酒盛りは出来ず、となるとちょっと良い料理を食べる、というぼんやりとしたものが答えだろう。それをそのまま伝えるのもどうかと思い少々具体的な例をあげつつ「あっちに弁当屋があって、あっちに惣菜屋があるな」と売り場を指さし)

(/いえいえお気になさらず！こちらのひとつ前のレスがたまたま検索様の更新直後に見かけたのと後に用事があったのとで直ぐに返信してましたので、もしかしたら気づいていないかも…と薄ら思っておりました。ここの通知かなり不安定なのできっちり仕事して欲しいですよね…検索様に何事もなければそれで問題なしですので、引き続きこちらこそよろしくお願いします！/こちら蹴りで大丈夫です！)

……なるほど、だからこんなに色々な種類の物がお花見向けで売られているのか。ならどっちも見てみよう。
(これまで季節の行事といえばハロウィンはお菓子やかぼちゃ、クリスマスはチキンとケーキ、バレンタインはチョコレートなど特定の食べ物と結びつきが強いイメージがあった。それに倣ってお花見についても聞いてみれば数秒固まった後意外な回答が返ってきてキョトンとする。続けられた説明とお花見の意味からするに人が集まって食事をする機会に重きが置かれているのかもしれない。そうすればデパ地下の売り場の様子も納得が出来て感心するように頷いていた。相手から具体例があがれば早速弁当屋の方に向かった。正方形の仕切りの中に丸っこいおにぎりとおかずが入ったものや季節の野菜や魚を綺麗に飾りつけした上品なお弁当など色々な物が並んでいてつい目移りしてしまう。続いて惣菜屋の方に行けば丁度良い大きさの容器に半分はサンドイッチ、もう半分は一口サイズのミートボールや唐揚げなどのおかずが少量ずつ入ったオードブルを見つけると「これとかどうだい？」と相手に提案して)

まぁようは騒げりゃなんでもいいって感じだな。____お、いいなこれ。上品なのもいいけどこういうパーティーって感じの方がいいだろ
(花見は親しい人と集まって桜をみつつ飲み食いするのが目的となっていて花より団子とはよく言ったものだ。となれば外で食べられるちょっと良い物を探すことになるわけでお弁当のコーナーと惣菜のコーナーを順に巡る。お弁当も普段食べないような彩り豊かで春を思わせる色彩が散りばめられたものが多く心惹かれるものがあったが、相手が見つけた少量のオードブルの方を見ればより心が動く。ひとりずつ弁当を広げるのもいいがこういうのはシェアして食べる方がより盛り上がる。相手の提案に同意を示すと早速二人用のオードブルを購入した。ついでにお茶類も買い揃えてしまうと「他に買っときたいもんあるか？」と相手の方を見て)

二人で分けるならこっちの方が取りやすそうだ。特には……、桜餅？
（その他の行事と違って決まりがない分かなり自由度が高い行事のようだ。その分お弁当や総菜も和食から洋食、中華などバラエティ豊かだが少しずつ色々な種類を楽しめるオードブルを見せれば相手からも好意的な返事がされる。大勢で食べるならもっと違ったものを選ぶだろうが二人で楽しむならこれくらいがちょうど良いだろう。お茶類なども一緒に購入すればひとまず飲食するものは揃ったことになる。相手に他に欲しい物があるかと問われると辺りを見ながら特にないと返事しようとするが少し奥の和菓子屋に気になった単語を見つける。興味惹かれるようにそのお店に近づくとお団子などが並ぶ中に葉に包まれた二種類のピンク色の見た目の和菓子が並んでいる。一方はつぶつぶとした丸っこい見た目でもう片方はピンクの薄い皮に餡子が包まれた形をしているがどちらも桜餅という表示がしてある。同じ名前で二つの見た目の和菓子に興味をそそられ唇に触れながら「興味深いねぇ…」と呟きを零すとその由来が知りたい気持ちが先行して店先に突っ立ったまま目を閉じて地.球.の.本.棚に飛ぼうとして）

なら、…ん？……あぁ桜餅な。そういやなんで見た目が違って名前がおな……ちょ、待てフィリップ！花見せずにここで突っ立ってる気か！！
(食事と飲み物の用意ができればひとまず花見の準備は完了だろう。他に欲しい物がないか聞いてみるが追加購入はないらしい。それならばと会場に行こうかと思ったところで相手が何かを呟いてふらりとそちらへと歩き始める。後を追うようについていけばたどり着いたのは和菓子屋で桜餅を見つめているのを見ればようやく何に惹かれたのか理解する。この季節に売り出されるものだが同じ名前で形は二種類存在する、特に考えたことはなかったが確かに不可思議なものでその疑問を素直に口にしつつ相手の方をみた。すると相手はあろう事かこの場で目を閉じて地.球.の.本.棚,に入ろうとしていて慌てて相手の肩を掴んでゆすると無理やり意識を現実へと引き戻そうとする。最近では出先で突然検索を始めることは少なく自制が効いていたがこの浮かれた空気に好奇心を掻き立てられたのかもしれない。なんとか興味を花見へ戻そうと「どっちも買ってやるから検索はせめて桜みてからにしろ！」と相手に向かって叫んでいて)

…なんだい、……じゃあそうしよう。
（桜の名前を模した和菓子が同じ名前で二種類ある謎は気になってしまうと居ても立っても居られず早速いつものように本棚に入って調べようとする。目を閉じて暗かった視界が明るく開けそうになった途端、騒がしい声が近くから聞こえてきて入り込む事を引き留められる。目を開けば何処か必死な顔をした相手に肩を揺すられていて邪魔をされたことに少々不満げに呟く。だが相手が持っている荷物から花見前であることを思い出し、両方買う提案を受けると何回か相手の顔と桜餅を交互に見て悩んだ後相手の案に乗る事にした。店員に違う形の桜餅を一つずつ頼みパックに詰めて貰う。検索は出来なかったものの可愛らしい形の和菓子が手に入ればご機嫌な様子に戻り「これで食後の甘い物も完璧だね」と告げ）

あぶねぇ……あぁ、これで花見の準備は完璧だな。よし、公園の方行こうぜ
(相手の意識を無理やり引っ張りあげれば相手からは明らかに不満気な声があがる、だがさすがにここで検索を許すわけにはいかない。なんせここは人通りの多いデパ地下だ、和菓子屋の前で目をつぶって佇むなんて白い目で見られるに違いない。なんとか二種類の桜餅を買うことで相手の機嫌は治って一安心といったところだろう。食事もデザートも整ってバッグの中には花見を楽しむための準備が詰め込まれている。ご機嫌な相手に返事をすれば花見の会場、公園へと向かった。少し前に警察の催しが行われ、ド.ー.パ.ン.ト.絡みでひと騒動あった大きめの公園へとたどり着く。入口に差し掛かると早速道に沿って桜がずらりと並んでいてそのどれもが満開のピンク色に染まっていた。公園へと足を踏み入れ桜のアーチの下に入れば木の方を見上げて「一面桜だらけだ…」と呟きを零して)

おぉ…見事に満開だね
(一通りお花見の準備が整うとデパートを後にして公園に向かう。パトロールに同行する時に度々通る道だが今日はお花見が楽しみで足取りも軽やかだ。そのまま歩いていれば以前ド.ー.パ.ン.ト.騒ぎの時に訪れた公園に辿り着く。あの時は半ばパニック状態だったが今は多くの花見客で良い意味に賑やかだ。ずらりと並んだ桜はどれも満開で青空と良いコントラストになっている。公園の中に入ると道沿いの物よりも大きな桜の木があって見上げながら感嘆の声をあげる。この景色も数日しか見られないのなら皆こぞって花見をしたがる気持ちも分かるような風景だ。辺りを見渡すと朝からの花見客が帰ったのか桜の木の下に二人なら余裕で座れそうな程のスペースが空いてるのに気付くと「あの場所とかどうだい？」と指さして提案して)

あぁ、今日休みでラッキーだ。アキコに感謝しねぇと。お、いい場所じゃねぇか。あそこにしようぜ
(この時期にしか見られない木々が桜色に染まる風景、満開の花びらは木の枝を埋めつくしてしまってまさに絵にかいたような花見日和だ。たまたまとはいえこの日を休みにしてくれた所長に感謝しつつ道を進んでいく。ちょうど人々が入れ替わる時間なのか桜の木の下は程よい混み具合だ、そんな中で二人でゆったりと座れるスペースを相手が見つける、ちょうど木の下で存分に桜をみながら食事が出来そうだ。早速その場所に移動するとレジャーシートを広げる、二人分が座るスペースに加えて食事を置けるように少々ゆったり目に広さを取ると早速靴を脱いでシートの上にあがる。バッグを傍らに置き胡座をかいて座って上を見上げれば満開に咲く桜がすぐ側にあって「特等席だな」と上機嫌に呟いて)