去りし日の箱庭

去りし日の箱庭

語り部  2021-02-01 00:27:15 
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「逃げて!」
大きな声で叫んでも届かない、続々と屋敷にやって来る迷い子達は誰も彼も此処が楽園だと信じて疑わない。
紅い月、血の匂い、地下室から聞こえる嬌声、キョウダイ達の部屋から香る噎せ返るような血の匂い____
これは、とある山奥のお城で今も起きているという
吸血鬼達と迷い込んだ羊達の物語

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  • No.134 by ソフィア  2022-11-14 12:37:34 

>>レヴィ

「お兄さんは、ケンゾク?いるの?」
(話した二つは相手にとっても弱点なのか一瞬目を開いた相手を見て、なんとなくワンピースのポケットをぽんと叩いてみた。眷族というとたしか家来のようなものだっけ?と頭で考え、相手はどうなんだろうと気になった。眷族となった人は吸血鬼になってしまうけど吸血鬼は吸血鬼の血を吸うのかなと思い授業を受けてる気分で相手に聞いて。)

  • No.135 by ソフィア  2022-11-14 12:48:07 

>>イドラ

「いろんなところ……じゃあ私とイドラちゃんはキョウダイ?」
(血の繋がらないキョウダイ、そういう家族の形もあると知ってるし大家族なんて素敵だと楽しそうに笑う。そして色々なところから集まってきたと聞くと自分も街から来たから今日だけキョウダイなのかなと、例えキョウダイじゃなくてもいいからお友達になりたいと思い相手の少し冷たい手を握って。)

  • No.136 by イドラ  2022-11-14 12:48:41 

>レヴィ
(頭に伸びてきた手に目を見開いて怯えたように首を竦め…優しく触れたそれにほっとしたように目を溶かした後、名残惜しい別れを悲しむ恋人のように傷口にキスをして指を離す。唇の端から垂れた銀糸を拭えば酷く疲れたように惚けた顔をして──思う。これから先の長い一生で今日のことをきっと何度も後悔するのだろう。
まとまらない思考の中でも確かにこのキョウダイから離れたくて、立ち上がろうとして足に力が入らなくて尻餅をつくように座り込む。震える体は寒いからなのかもしれないし、怖いからなのかもしれないし…本当は無理矢理こじ開けたパンドラの匣の向こうで吸血鬼の本能が屋敷中の子羊を今狩りに行けば心底楽しいぞと囁くから──その蓋を押さえつける理性が子羊を逃がす為の方法を必死に告げる。ボクだけが彼らを外に逃がせるのだろうと。同時に思う、信用されるボクなら簡単に狩れるだろうと。
顔を上げて涙で滲んでぐしゃぐしゃの視界の中の遠くの方でボクら以外の影が揺れる。人間だ、逃げてきたんだ、こっちに来たら危ないからあっちに行った方がいい…いいな、食べたいな、そうか彼らが冷たくなった後なら何も感じなくて良いのか…)
…ボクは空腹でいい、食べたくない、いらない──キョウダイたちの残りでいい。さっきみたいに飛んだ血でいい、シーツに染みた余りでいい…ボクは、あ、れ?

  • No.137 by レヴィ  2022-11-14 13:50:54 

>ソフィア

___僕はそんなの興味ない。兄様方がいればそれだけでいい。
(そろそろこの純粋な少女との会話も疲れてきた。腕についていた返り血を舌で拭えば甘く生々しい香りが鼻口を刺激した。
人間に興味のない己にとって眷族は必要ない。人間は食糧でおもちゃ。だからそんなのに己の血を分け与えて従えるなんてしたくない。兄様方との普通の生活さえあればそれだけで。)

>イドラ

(今日一日で彼女に対する嫌悪は薄らいだ。かわりに溢れるのは好奇心。己の血を体に取り込んだこの少女は今後どうやって僕を楽しませてくれるのだろう。離された指の傷は既に再生していて___しかしそれを気にすることはなく、そのまま手を彼女の顎辺りまで持っていけば目線を合わせる。名残惜しそうにとろけた顔を、後悔や恐怖が色濃く残る瞳を___。
ここまでするのは怖がるこの少女を落ち着かせる為でも、安心させる為でも、助ける為でもない。ただもう戻れない事を、彼女に希望なんて存在していなかった事を知らせる為。
もう戻れない、戻らなくていい、戻る必要は無い、だって君には半分でも吸血鬼の血が流れている。崇高なその血を体に宿して生まれた時から、人間は食料なのだから。
視界の端にふと人間を捉える。座り込んで立ち上がれない彼女にしてあげられるのはひとつだけ。震えるキョウダイの手を取り立ち上がらせれば、そっと囁いて軽く背中を押す。)
___さぁ、ディナーにしよう。
本能はもうとっくに気づいている。自身の空腹も、あそこにいる人間はご馳走だってことも。

  • No.138 by ソフィア  2022-11-14 14:11:51 

>>レヴィ

「嫌いなのに人間食べるの?
それとも嫌いだから食べるの?」
(不機嫌そうな顔を見つめながら尋ねる。人間に限らず動物や虫だって嫌いな物は食べない、なのに相手は嫌いだという人間をわざわざ食べる。それも吸血鬼の生態なのか…感情の見えない目で相手の返事を待つ。)

  • No.139 by イドラ  2022-11-14 15:10:21 

>ソフィア
──ボクらはトモダチ。キョウダイはそんなにいいモノじゃないから、トモダチの方がずっと素敵だよ
(無邪気で緩く己の心を抉る言葉に困ったような笑みのまま、ただ小さなトモダチがこの屋敷で狩られないようにと思うだけ。仮に人間の世界に戻って大きくなったとしてもここに戻ってこなくていいように。握られた手でこの小さな存在を冷やさなければいい…どんなに願っても叶わないことはあるが。空いた手で緩く小さな頭を撫でるように手を伸ばしてから、そういえば湯浴みは難しいとして寝巻きくらいは用意した方がいいのかと思い至り)

>レヴィ
(褒めるように細い指が顎を掬って赤い瞳をどろどろとした黒い瞳で見つめて、ボクの頭の中はぼんやりと…血の味を反芻する愚かな本能と今直ぐにでも目の前のキョウダイを消してしまって人間を守りに行きたい理性が鬩ぎ合う。残り物でも良いから血が欲しいなんて思う日が来ると想像もしたくなかった。血は要らないと断言出来るものだと思って、信じて…人間みたいに縋っていただけなのに。
血の味を知って、狩猟本能ばかりが先に出る。そもそもボクは…ボクは人間を吸血鬼から守りたかったのか、それとも連れ戻しにくる人間から盗られないようにしていたのか…ボクは何度、人間を逃がして、行き場のない彼らを何度招き入れたのだろう。どちらの牧羊犬なのだろう。
促されるままに立ち上がり混濁した思考のまま裸足の足先に力を込めれば…物音なく風を切るように走る。止まらないといけないと分かっていて、軽い跳躍をしたあと振りかぶった脚は逃げ遅れた人間の頭部を捉えて──屋敷の壁に衝撃音と共に打ち付けた人間は、簡単に動かなくなって──ふわりと着地したところではっとした。ボクは何をしたんだ、)
──あ、ごめ、ん、ごめん、大丈夫?キミ、手当しないと、血が、ごめん痛いよね、ごめん、

  • No.140 by ソフィア  2022-11-14 15:26:21 

>>イドラ

「じゃあ……またここに来ていーい?」
(優しく頭を撫でられるとお姉さんが出来たような気持ちになり微笑みながら聞いてみた。多分また困らせちゃうかもしれないけど。ここはそんなに安全な場所じゃないと薄々気づいてるけど、相手は自分の恩人で優しくしてくれたって事は本当のことだから時々でもいいからまたお友達と遊びたいと思ったのだ。)

  • No.141 by レヴィ  2022-11-14 17:33:23 

>ソフィア

___そう考えていられる内は幸せだって思った方がいいよ。
(僕らは好き嫌いで判断していない。人間が食糧だから。人間の血を食らわないと生きられないから。人間だって同じだろう。食料があるから好き嫌いで食べるか食べないか選ぶ。選べる内は幸せだろう。飢餓が来れば極限状態で人間が人間を食うなんて事だって起こる。まあそんな事、この目の前の碧く澄んだ瞳の少女が知るはずないんだけど。)

>イドラ

(あれ程守りたがっていた人間に蹴りを入れて吹っ飛ばした様は悲劇か喜劇か。ほらね、やっぱり僕の言った通り。半分だって吸血鬼。人間と手を取り合って仲良くだなんて、そんなお伽話はもう終わった。きっと君はこの夜の事を忘れられない、ずっと後悔するんだろう。まあでもそれは、彼女の中にまだ正常な、さっき冷たくなった人間を庇っていた時には確かにあった理性があれば、の話だけど。
ゆっくりと彼女ともう手当しても間に合わない人間に近づく。彼女の白い肌は返り血で、真っ黒なはずの瞳は目の前の真紅を映している。もう一度優しく彼女の頭を撫でてやる。君は何も間違っていない、人間となんら変わらない行為をしようとしているだけだと言い聞かせる様に。それからすっとしゃがんで冷たくなり始めた人間の腕を掴み持っていた包丁で傷をつける。真っ赤な血が溢れ出して、周囲にはさらに生臭い___甘く鼻腔を刺激する香りが漂う。空腹の姫の壊れかけた理性を“もう大丈夫”と言って壊す様に。)
___可愛いイドラ、“僕らの”牧羊犬。
君の食事さ、君が食らう為に殺した食糧。
存分に堪能するといい、愛しいキョウダイ?

  • No.142 by ソフィア  2022-11-14 17:59:59 

>>レヴィ

「……そっか
ここにきちゃダメなら他の場所は?」
(相手の言葉には言い返さず短く返事を返して笑みを作る。相手は人間が嫌いで嫌悪感もヒシヒシ伝わってくるけど、それでもこちらの聞く事にはなぜか答えてくれる。また呆れられるかもと思うと少し俯くが、恐る恐る他の場所だったら話し相手になってくれるかと聞いてみて。)

  • No.143 by イドラ  2022-11-14 19:50:56 

>ソフィア
──それもダメ。ボクのキョウダイたちはね、優しくないんだ
(無邪気で明るくて穢れがなくて、キョウダイたちも好んで食べようとはしないだろうがこの場に置いておくにはあまりに勿体ない小さな人。駄々をこねるように尋ねられた言葉にまた困ったように表情を歪めたまま小さく首を振って…森の奥まで入り込んでくるのは行き場のない人間ばかり、消えたところで誰も困らない人だけ、故に──この少女もそうなのだと分かっていて、この場に残しておきたくはない)

>レヴィ
(肩で息をする──頬に飛んだ血と足に纏わりつく赤と服から地面へと落ちていく液体全部が己を人間でないと示すようで、否最初から人間にはなれないことなど分かっていたけれど。
目の前で銀色に光った調理器具が、本当に人間が調理をする時のように肉の塊を切り裂いて飛び出した赤が足元に斑点を残す。これは己が狩りをした正当な報酬で、やっていることは人間が鳥を銃で撃ち落とす行為と同じであって──でもこの赤と同じものが己の中には半分も流れている。ボクは、立場が違えば狩られる側だったのだと。そう分かっていて、このキョウダイの言葉に甘えてしまえば今だけは楽になれる…ボクは逃げたい、今この一時だけでもキョウダイたちと同じ立場になってしまえばボクは…ふらつく足で数歩進んで、ぴしゃっと血を跳ねさせてその場に座り込む。
顔の形は原型を留めていない、痛みを感じ取ることすら出来ない、化け物みたいなボクでもキョウダイは認めてくれるのだろうか──牙が短い己は上手く噛みつけないから、叫び声もあげられなかった可哀想な口から溢れ続ける血を求めるように冷たい唇に真っ赤な唇を寄せて、空腹のせいかキョウダイの血で最初から脳髄が溶け切っているのか全部が美味しくて仕方ない)
っ、ごめ、ん、ぅ──好き。キミの血、すき、美味しい、美味しいよ、すき、好き…

  • No.144 by ソフィア  2022-11-14 20:12:05 

>>イドラ

「そっかぁ……じゃあ森は
森のなかだったら誰にも、見つからないでしょ?」
(予想してた通り断られてしまうとヘラッと悲しそうに笑って。お城の中にいちゃダメなら次に思い付いたのは自分がやってきた森で。送ってくれるという事は相手は森に行けないわけではなさそうだし、自分も明日道を覚えようと思い。少し俯きながら「私遊べるおともだち少ないからお姉ちゃんと遊びたい……」と寂しそうに言う。)

  • No.145 by レヴィ  2022-11-14 20:32:26 

>ソフィア

___なんでそんなに話したいわけ?
(きっとこの子に回りくどい言い方は分からないだろう。
相手の質問には答えず己の質問をぶつける。さっきから少し話が噛み合っていない気がする。この人間はどうしてここまで僕に話を聞こうとするのだろう。恐る恐る聞くのは気を遣ってかなんなのか。普段あまり話さないせいか喉が乾く。すぐに思い浮かぶのはさっき壊した人間の血で。しかしこの少女がいればまた純粋な質問を繰り返されるだろう。そんな面倒はごめんだ。)

>イドラ
(震えながら、ふらつきながら、しっかりと黒い双眸で赤を捉えた少女。噛み付かないのはまだ理性が飛んでいないのか、はたまた出来ないだけなのか。人間に肩入れしキョウダイを憎み、吸血鬼を憎む少女などもうここにはおらず。ここにいるのは、嬉しそうに、満足そうに、美味しそうに、真っ赤な唇を真紅に染めて、捉えた獲物の血を啜る吸血鬼がいるだけだった。己が思っていたよりもすんなり欲望に従う少女。あれだけ人間を庇い、仲良くしようとしていた面影は何処へやら。そういえば僕はなんでこんな事をしているんだっけ。吸血鬼らしくない彼女が嫌いだから?人間に肩入れするのが気に食わないから?人間が嫌いだから?
___多分そのどれでもない。僕はただ、本能に従っただけだ。彼女の同じように。快楽くらいしか感じられない僕の、全部を壊したいなんていう衝動に。人間を壊すのは楽しい。彼女を壊すのも楽しい。なのにこれだけ快楽を感じてもずっと満たされない。それが何かはわからない。でも、葛藤で苦しむ彼女を、少し羨ましいと思うのは何故だろう。わからないから彼女の横にしゃがんで乱雑にその人間に噛みついた。)
___今度こそようこそイドラ。僕の可愛いキョウダイ。
君は吸血鬼。人間が好きなんじゃない、助けたいんじゃない。
ただ食糧が無くなるのが嫌なだけのただの吸血鬼。

  • No.146 by ソフィア  2022-11-14 20:57:21 


>>レヴィ

「退屈だから?
ご本は難しいお話が多くてよく分からないし……お外はあんまり言っちゃだめって……」
(問答無用で追い払われるかと思ってた為、逆に質問されると少し驚き。遊べる物が少ない自分にとって人と話すことが退屈を紛らわせる方法で小さな声でそのことを伝える。そういえば自分に外は危ないから遠くに行っちゃだめだよと教えてくれた人も相手と同じ目の色をしてたな、と赤い目を見つめながら思った。)

  • No.147 by イドラ  2022-11-14 22:12:59 

>ソフィア
森もダメ──ソフィア、それならボクがキミのところに遊びに行くよ。だからいい子にしておいで
(寂しそうに友達がいないのだと言う少女を見下ろしながら、友達なんてものがいない己は──これがどういう感情なのか分からないけれど、気まぐれに優しくしたくなったのかもしれない。日が暮れた後なら、少しくらいなら人間の真似事も出来るに違いないなんて希望に縋って願望にも似た約束を口にして。)

>レヴィ
(視界の中で銀色の髪が揺れた、整った口元から鋭い牙が覗いて目の前の食糧に深く深く──それは泡沫の夢から覚めたような感覚だ。シャボンの泡が弾けるように目の前に色彩が戻って、視界のピントが合った。真っ赤に染まった手と足と体と目の前のひしゃげた人間の顔を黒い目が順に追って引き攣った悲鳴が喉から漏れる。キョウダイの言った言葉が呪いのように頭に焼き付いて離れない。嘘だ、嘘、これは嘘、夢、夢だ、夢に違いない──ボクがこんな風に人間を食べるなんて有り得ない、だってこの人はボクと“半分同じなのに”! せり上がってきた吐き気に耐えられなくてその場に背を丸めて蹲り、地面に飲み込んだばかりの赤を吐き出して噎せる。そこかしこから鉄の匂いがして気持ちが悪い。耳鳴りがして苦しい。ヒューヒューと喉を鳴らして呼吸をして、ごぽっと音を出して血を口から吐き出して、目の前で冷たくなっていく人間に縋るようにして何度も謝罪の言葉を口にして、ボクは──ボクは、キョウダイたちと同じ吸血鬼なんかになりたくない)
ごめ、なさ──上手く飲めなくて、ごめん、なさ、ボク、キミを食べたくない、ごめん、傷付けて、上手に飲めな──ごめん、ごめ、

  • No.148 by ソフィア  2022-11-14 22:35:13 

>>イドラ

「嬉しい!!じゃあお家に…あ、お家はだめだから…えっと……街の一番おっきな公園で待ってて。
ぜったい行くから…ね?」
(せっかく相手が遊びにきてくれるのだから自分のお家に招待と思ったけれど両親の、カンカンに怒った顔を思い出して。よそからきたお友達だと気付かれてしまえば多分相手に嫌な気持ちにさせてしまうかも。そこで自分が家を抜け出してよく行く公園で、待ち合わせとゆびきりしようとして。)

  • No.149 by レヴィ  2022-11-15 08:35:35 

>ソフィア

___残念ながら僕は退屈じゃない。他の優しい人にでも遊んでもらったら?
(拷問器具達を眺めながら振り返らずに淡々と告げる。あー小さい子には優しくしなさいって兄様が言ってたっけ。なんでただの食糧に優しさなんて与えるんだろう。その方が美味しくなるのだろうか。そんな質問の答えを目の前の少女に求めても無意味たまろう。背中に刺さる様な視線を感じるも特に興味を示すことはなく。ただ喉の渇きを早く潤したくて仕方がない。)

>イドラ

(噎せてしまったのかそれとも理性が戻ったか。答えは簡単で恐らく後者。口から先程喉を通した鮮血を吐き出しては苦しそうに息をあげる姿を見て思うことは一つ。____勿体ない、と。
人間だったらこういう時優しく背中をさすって気を紛らわしてあげるのだろう。でもそれを僕がする必要は無い。あぁ、僕が彼女を美しいなんて思ったのは彼女が壊れていく所だったからか。こうして嫌悪感や後悔から吐瀉する彼女にはもう興味など無く。
彼女は今何を思っているんだろう。夢だ、なんて考えて現実から逃れようとしているんだろうか。それじゃあ面白くない。せっかく壊した意味も、僕の血を飲ませてあげた意味も。もう幾ら人間の様に振る舞っても、仲良くなろうとしても、助けても遅い。全部無駄だ。だって彼女は僕らの牧羊犬。人間でも吸血鬼でもない異端児。本能が濃く血の味を刻んでしまったら戻ることなんてできない。きっと。血で汚れた口を拭えばもう一度考える。僕が彼女に抱いた羨望について___あぁそうか、簡単に人間を騙して食糧を手に入れられる事へのか。そうであってもらわなきゃ困る。彼女と僕らは同じじゃない。人間への慈悲を持ち、それでも人間を食らう。本当に残酷なのは、一体どちらか。)
___あーあ、もう少しで壊れたのに、残念。
牧羊犬、君が殺した人間は一体何人?何人の血を啜った?
君の存在自体が、自分の行動を、その残虐さを、何よりも証明すると考えないのかい?同じになんてなれない、人間にも吸血鬼にも。よく刻んでおきなよ、その人間の顔を。

  • No.150 by パピー  2022-11-15 09:02:04 


>117 イドラ

っ......だ、大丈夫......?
(パニックになっていた所に誰かから話しかけられ、怯えたように肩を震わせる。びくびくとへたりこんだままで恐る恐る声のする方を向くと、夜に染まったような髪と目の少女が立っていた。彼女は、見た事がある。吸血鬼だが人間は食べないらしいと聞いていた。そう考えてすこし起こしていた過呼吸が治まりながら、弱々しい声で大丈夫だと答えてみるが、明らかに大丈夫では無い事は自分でも分かっていて疑問形になってしまう。ひとまずは立ち上がらなければ。何も出来ないし、この間に別の吸血鬼が来る事も十分にあり得る。そうして手をついて立ち上がろうとするが、どうやら完全に腰が抜けてしまったようで、上手く立ち上がれない。些か恥ずかしく思いながら、手を相手の方に差し出して言う。)
あの....ごめん............手、かし、て...たてない...


>118 レヴィ

ヒッ...!
(急に現れた吸血鬼に驚きさらに声をあげて後ずさる。どうしよう、どうしよう、見つかってしまった。恐怖に満ちた目で相手を見つめる。はやく、逃げないといけないのに。でもどうすれば?グルグルと思考を回しても答えは出てこない。大して威嚇にもならないのは分かっているが、床に投げだしていた竹刀を拾い両手で持ち相手に向ける。歯を食いしばって、自身を鼓舞する為にもギュッと握る手に力を込めてなんとか立ちあがる。大人ぶった顔で相手を睨むが、先程まで泣いていて、今も縮こまって震えているその姿は、子供の強がりにしか見えないであろう。虚勢を張りながら、思いきって竹刀で相手の肩辺りを打とうとする。)
...く、来るなっ......!!


>119 ソフィア

あっ...ありがとう。貴方は...人間、だよね...?
(一人か細い声で泣いていると、誰かが近づいてくる。階段からではないので恐らく人間だろうと思い顔を向けると、絵本の中から飛び出してきたような愛らしい子が近づいてくる。床に転がっている脚とぐちゃぐちゃに泣いている自分という痛ましく薄汚れた状況に、不釣り合いに元気な少女が出てきたことで少しあっけに取られる。声を出したら皆にバレるという言葉に慌てて泣き声をあげるのをやめる。少し落ち着いて、差し出してくれたハンカチを受け取るが、綺麗なハンカチを自分の涙で汚すのが忍びなく、腕で涙を拭う。)

  • No.151 by ソフィア  2022-11-15 13:10:10 

>>レヴィ

「……じゃあお話ししてくれたら血をあげる
お兄さん言ったよね?吸血鬼は人間みたいに美味しいまずいでご飯食べないって…」
(冷たくあしらわれたからなのか噛みつかれる痛みを想像したからなのか少し顔をこわばらせながら声だけは強気に取引を、持ちかける。相手の言う通り人間はズルくて汚いし自分も自分の暇つぶしのために相手を利用する。自分の血は美味しいのか分からないけど野菜やお肉と一緒で朽ちるだけの人より、生きてる人の新鮮な血の方がマシじゃないかと考え血色がいい腕を見せた。)

>>パピー

「うん人間だよ
お姉ちゃんここにいたらお屋敷の人に見つかっちゃう……立てる?」
(相手の問いに頷きながらハッキリ答える。目をこする所を見ると抱きしめたくなるけど経験的に血の匂いに誘われてそろそろ、屋敷の人が掃除をしにやってくるかも。そして彼らは掃除のついでというように見つけた目撃者を消す、そうゆう場面を何度も見てきたから自分達も見つかればタダでは済まないと直感で思い。混乱してる相手に申し訳ないと思いつつ逃げるために手を向けた。)

  • No.152 by パピー  2022-11-19 20:29:56 


>151 ソフィア

よかった...ありがとう、立てる
(きっぱりと人間だと言われ恐怖心が無くなり、気を持ち直す。向けられた手を取ると、片方の手で床に手を突くと力を入れてすっと立ち上がる。ゆっくりと深呼吸をすると、気分が良くなって目の前の少女に微笑みかける。今も少し横を向けば転がっているであろう脚を見ないように少女の顔を見ると、今の状態で探索を続けることは良い選択ではないなと思い、そして久しぶりの人との交流に、彼女ともっと話そうと持ちかける。)
助けに来てくれて、本当にありがとう。...そうだな、見つかったらどうなるか...私の部屋、来ないか?もっと話してえんだ。なにしろここの生活はストレスが酷いからな。

  • No.153 by ソフィア  2022-11-21 00:28:58 

>>パピー

「少し駆けつけるのが遅れちゃったけど……でもお姉さんと会えてよかったぁ
えへへ、お友達と遊ぶみたいで嬉しい。バレないようにそーっと行こっか」
(自分でも少し引っ張りながら、相手を立たせてあげて。涙が止まりさっきより明るい表情になった相手を見てホンワカした気持ちになり、よく分からない場所でも自分と似たような立場の人と会えて、本当によかったと思う。自分の部屋にこないかと誘われれば嬉しそうに体を乗り出して手を繋いだまま歩こうとして。)

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