語り部 2021-02-01 00:27:15 |
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>117 イドラ
っ......だ、大丈夫......?
(パニックになっていた所に誰かから話しかけられ、怯えたように肩を震わせる。びくびくとへたりこんだままで恐る恐る声のする方を向くと、夜に染まったような髪と目の少女が立っていた。彼女は、見た事がある。吸血鬼だが人間は食べないらしいと聞いていた。そう考えてすこし起こしていた過呼吸が治まりながら、弱々しい声で大丈夫だと答えてみるが、明らかに大丈夫では無い事は自分でも分かっていて疑問形になってしまう。ひとまずは立ち上がらなければ。何も出来ないし、この間に別の吸血鬼が来る事も十分にあり得る。そうして手をついて立ち上がろうとするが、どうやら完全に腰が抜けてしまったようで、上手く立ち上がれない。些か恥ずかしく思いながら、手を相手の方に差し出して言う。)
あの....ごめん............手、かし、て...たてない...
>118 レヴィ
ヒッ...!
(急に現れた吸血鬼に驚きさらに声をあげて後ずさる。どうしよう、どうしよう、見つかってしまった。恐怖に満ちた目で相手を見つめる。はやく、逃げないといけないのに。でもどうすれば?グルグルと思考を回しても答えは出てこない。大して威嚇にもならないのは分かっているが、床に投げだしていた竹刀を拾い両手で持ち相手に向ける。歯を食いしばって、自身を鼓舞する為にもギュッと握る手に力を込めてなんとか立ちあがる。大人ぶった顔で相手を睨むが、先程まで泣いていて、今も縮こまって震えているその姿は、子供の強がりにしか見えないであろう。虚勢を張りながら、思いきって竹刀で相手の肩辺りを打とうとする。)
...く、来るなっ......!!
>119 ソフィア
あっ...ありがとう。貴方は...人間、だよね...?
(一人か細い声で泣いていると、誰かが近づいてくる。階段からではないので恐らく人間だろうと思い顔を向けると、絵本の中から飛び出してきたような愛らしい子が近づいてくる。床に転がっている脚とぐちゃぐちゃに泣いている自分という痛ましく薄汚れた状況に、不釣り合いに元気な少女が出てきたことで少しあっけに取られる。声を出したら皆にバレるという言葉に慌てて泣き声をあげるのをやめる。少し落ち着いて、差し出してくれたハンカチを受け取るが、綺麗なハンカチを自分の涙で汚すのが忍びなく、腕で涙を拭う。)
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