ANARCHY！SUGAR！SNUFF！ 〆

加賀、ここで合うとるか？（　そうっとドアを開けると顔だけ覗かせながらおずおずと室内に問いを投げ掛け　）…昨日は先に休んでしもてすまんかった。部屋の準備とか色々、ありがとうな。（　しょん、と眉下げつつ微笑んで　）

合ってる！！ええんやで、かまへんかまへん！俺も嬉しいと幸せが大きい過ぎて頭動いてへんかったし冷静になる時間貰うて助かってん(ゆるゆるとにやけてしまう面を隠すことなく露呈しつつ出迎えて)改めまして、なんや照れてまうな。航空母艦の加賀とご縁の縁でカガエニシ言います、お名前だけでも憶えてってくださいね…言うて俺が呼んで貰いたいだけやねんけどこれが俺ん名前ですわ！(んん、と咳払いをしてから教えるには遅れてしまった下の名前を浮かぶ気恥ずかしさを誤魔化すのに軽口のように続けて)お話しするんに当たって上げても下げてもどっちでもええねんけど、柳はどっちがええ？

相変わらず大袈裟やな…でも、俺もなんちゅーか、……昨日はいっぱいいっぱいで、ようわからんくなりそうやった…。（　貴方の緩んだ顔を認め、ほっとしながら部屋に入ると、気恥ずかしさからか目線を若干外しつつ人差し指で頬をかいて　）────縁。はは、改めてこんなんするの恥ずいな、…でも、これからは、下の名前で呼んでも、ええってことやんな？（　昨日貴方が載っていた雑誌は表紙の写真を見てすぐに手を取ったために名前まで確認しておらず、初めて聞く新鮮なその響きを噛み締めるように口にすると、眉下げつつ、はにかんでは貴方に視線をやりながらおずおずと尋ね　）俺もフルネーム、伝えてへんかったな。……植物の柳に、忠誠の誠、武士の士に太郎とか次郎の郎で　やなぎ　せいしろう　言います。今までどおり、柳て呼んで貰ても、名前でも。好きに呼んだって。（　改まった様子で丁寧に名乗ると、薄らと笑み、気安い調子で続け　）二人で話すんやし、特に上げなくてもええかなて俺は思うとるけど。もし、上げた方がわかりやすいなら合わせるわ。今回はとりあえず上げて返すな。

俺な、あんまし物欲とか願望とか無いねん。せやから話すだけで嬉しいなるし心臓破裂すんちゃうかなって思うくらい誰か好きなんのも初めてやし、同じくらい俺の事も好きになって貰いたい思うたんも初めてやってんな。……こんな幸せでええんやろか、天罰当たりそうで怖なるわ(逸れる視線の動きさえも可愛くてコクと喉が動き、伸ばした腕の丸めた指の背で反対の頬を撫でれば強請るように)そっぽ向かんでや。綺麗な目ぇ見して。(ゆるゆると口許に笑みを浮かべ)ええよお、呼んで欲しい。名前で呼ばれるん特別みたいで嬉しいなるわ(双眸をきゅむと瞑る様に細めてから我慢しようにも仕切れない嬉しさが顔つきに出て)誠士郎！せいちゃんやん、自分によう似合う綺麗な響きやんね。柳も誠士郎もどっちも好きやねん、欲張りやからどっちも呼んだろ(教えて貰った名前を自分の声で呼べる事が嬉しくて、おんと頷いてからハートを付けて返事を)ん、なら下げて話そか！かわええ誠士郎んこと隠したんねん、ないないしておこなー(悪戯をするみたいに笑えば発言通り隠そうと覆いかぶさるように抱きしめて)

………その、昨日、本屋行って、…雑誌に加賀が載ってんの見つけたんも、たまたまやねん。でも、加賀の顔、見てもうたら無性に会いたなって。気ぃ付いたら雑誌も買うてたし。………俺な、あんまり自覚なかったんやけど…此処最近は、もうずっと、───加賀んことばっか考えとった。…俺んこと、好きになってくれてありがとうな。自分の気持ちに気付くんが遅れてもうたけど、おまえが思うとるより、ずっと、俺は加賀んことが好きや。（　緊張に揺れる瞳を真っ直ぐに貴方に向け、上手くまとまらない素直な気持ちを少しずつ、ゆっくり吐き出してゆき、最後には思い切り頬を綻ばせながら凛と通る声で告げ　）…もう満足してるんか？罰が当たるんならそん時は俺も一緒や。だから、もっと欲張りになったってええんやで。（　にっ、と挑戦的な笑みを浮かべながら男らしく言い放って　）…じゃあ。こっちの部屋では、縁、て呼ぶな。屋敷の方では、今まで通りに加賀て呼ばしてもらう。？……特別みたい、やなくて特別や。（　未だ呼び慣れない名前を少々ぎこちなく紡ぎ、きょとんとしてからサラリと貴方の発言を訂正しにかかり　）おおきに。好きにしたったらええとは言うたけど…せいちゃんはやめーや、子どもみたいでこそばゆいわ。（　子どもの頃に呼ばれたきりの呼び名に面食らっては、ぺちんと貴方の肩を叩き　）縁もそれでええなら、下げ進行で頼む。……っちょお、！そういうことやないわ！ほんで言おうと思ってたんやけど、デカい男にかわええ言うんも意味わからへんねん！（　覆い被さってくる貴方の体を少し仰け反りつつ慌てて受け止めて　）あ、そうや。こっちの部屋は置きレス式でお願いしてもええか？…時間が取れん日もあるから屋敷の方みたいに毎日チャット形式でやりとりってのは難しいかもしれん。（　そろりと貴方の顔を伺うように首傾げ　）

………なんやの、……お前はホンマに、ほんまに愛おしいなぁ(控えめで健気でと思えば一転して男らしく伝えられる言葉にノックアウト、絞り出すような尻すぼみの声色でぽつぽつと呟く顔は幸せに熱を持ち。呆けるみたいな間抜けた顔で真正面より見つめ込み上げる大き過ぎる感情を何とか抑え込み深呼吸を数回繰り返して)っはー…、すき、むり、しんど。ホンマに何なん？お前そぉ言うとこやぞ、すき、…柳誠士郎のここが好き！フリップ作るからちょぉ待って。10分貰えれば一冊埋まるから10分だけくれ(好きの感情のキャパオーバーに片手で頭を抱えながら)ってチャけるんが俺の悪いとこやんな。知ってんねん。…あ゛ぁ、けどホンマに好きやねん、絶対幸せにしたる。俺の持ってるもんも持ってへんもんもぜぇんぶ誠士郎にあげたいわ、うちのかぐや姫さんが欲しい言うもんは何でも手に入れて届けたるからな。(茶化し出す口を止めるためにパチンと頬を叩いてからあなたの片手を包むみたいに両手で触れて自分の額まで運び、こつんと額をくっつければ)せやから一緒に居って。(掠れるみたいに小さな声量で甘ったれた我儘を告げて)あらやだ、ウチのかぁいらしいせいちゃんも思春期やろか、おかん寂しいなるわ。でもそぉやな、立派なお兄ちゃんに育ってもぉて、巣立ちを応援せなダメや。母強し、子離れするんやで私！(肩を叩かれたことを切欠に即席コントを始めると、すっかり母になりきるように片手を自分の頬に添えて。最後にはきりっとやり切った顔で反応を伺い)デカくて可愛ええねん、要らん心配せんでええんよ。誠士郎は世界で一番愛らしいわ(背丈が足りないからこそ悔しくも爪先立ちをしながら、ぎゅむぎゅむとふざけるように抱き締めて)当たり前やん、自分の負担にならへんようにしてくれれば何でもええよぉ。俺かて変事に時間貰てまうかもしれへんし、逆に嬉しいすぎて秒で返してまうかもしれんけど堪忍してな！こっちの返事してへんから向こう行けへんわぁ…とか考えるんはやめたって。向こうに誰か居ったり、居らんくても屋敷行ってええからな！こっちの俺らはゆっくり話そ(抱きしめる腕はそのまま方の力を抜いて、伺うような顔にへらりと笑ってから額をくっつけて)ほんでもって、俺、お喋りやんか。すまんなんやけど長くなってまうねん。テキトーな所で短くして貰てええ？ほんま堪忍したってなぁ(しおしおと眉を垂らして目を細めれば体を小さくして)

っふハ……！………縁の気持ちは、よおくわかったから、ちょっと落ち着きや。いらんフリップ作るんに10分も待たれへんぞ、（　赤くなったり、頭を抱えてみたりと忙しない貴方がおかしくて、可愛らしくて、真面目な表情から一転、我慢しきれず口元を軽く握った拳で隠しながら、吹き出してしまい　）…ん、ありがとお。でもなあ、そんなに色々くれようとしなくたってええんやで。何にも貰えなくたって月の都に帰ったりせえへんわ。って、…俺、そもそもかぐや姫ちゃうけどな。（　空いた方の手で、貴方の髪をふわふわと緩やかに撫でながら、子どもを落ち着かせるような穏やかな声で続け　）一緒に居るよ。大丈夫や、縁。……キメ顔すな！そこキメるとこやないねん！ほんで毎回知らんオカン出てくんなや、んなやかましいオカン知らん！（　突如はじまるコントにずっこけそうになりつつも、肩をばしんと手の甲で叩いてツッコんで　）心配なんかしとらんし、……褒めて貰えるんは有難いけど、世界で一番は間違いなく盛りすぎやで。（　成人男子には到底使わないであろう褒め言葉に若干狼狽えつつも、身長差を埋めるように軽く身を屈めながら抱き返し　）…ありがとう、助かる。返事は縁のペースでかまへんよ。早く貰えるんも、じっくり長考してくれるんも、どっちも大歓迎や。勿論、屋敷のこともそんな風に思うつもりはないで。縁も気にせんと、屋敷の方行ったってな。…おん。ゆっくり、色んな時間を共有できたらええなと思うとるよ。（　額越しにじんわりと伝わる貴方の体温に、目尻を下げ　）わかった、適度に端折らせてもらう…けど、俺もついおもろくて、今回みたいに長めに返してまうときもあるかもしれへん、堪忍な。

……きっと、わかってへんよ。俺の好きは生半可の好きとちゃうもん(笑顔を見て心臓が煩くなるのは貴方にだけ、忙しない心臓音が届いてなければ良いと思いながら笑顔の可愛らしさに双眸は緩み。きゅむと口端を結び顔を寄せれば握られる拳越しにちゅ、とリップ音を立てるキスを行って)せやな、せいしろの方がかぐや姫さんより美人や。…自分の手ぇ優しいなあ。それ、めっちゃ好き。(髪に触れられれば優しい指先に愛おしさが胸元を突き上げて、照れ臭さを掻き消す軽口で続ければ心地よさに双眸を瞑り)わは！俺が誠士郎のオカンやったらアホ程溺愛してまう、手塩に掛けてめっちゃ可愛がんねん。いや、アカン。駄目や駄目、オカンやったらお前に下心持てへんのか。撤回撤回！撤収！(気分の良いツッコミに自然な吹き出し笑いを漏らしてから適当なもしも話を持ちあげて、はたと気づくように眉間に皺を寄せれば大きく音を立てる事を意識した手合わせを二度パンパンと行いじゃれた仕切り直しを)アホ言いなやって、自分の顔の良さをちゃーんと把握しとかんとダメやで。良いか、よーく聞いてな。先ず一も二も無しに顔がええ！きゅっと吊った目もつんってした鼻もちぃこい口も全部かぁいらしい！ほんでな、笑った顔はもっと愛らしいねん。世界一やな、世界三大美男に登録申請したら一発で通る。俺はお前ほどの美人知らんし、つうか居らんのとちゃう？ほんでな、ほんでな、もうちょい付き合うて。誠士郎はな可愛いだけちゃうくて性格もええねん、優しいくて気遣いも上手でシャンとしてんの。まっええわ！時間は仰山やし、誠士郎が世界一のええ男やっちゅうのに気付くくらい俺が自分のええ所教えたんねん(最初はプレゼンを行うみたいにパーツに合わせてトンと人差し指を動かして、背を屈めてくれる優しさに表情を綻ばせば当の本人に語るとは思えない喋り口で沢山の好きを伝え、終始幸せさが浮かぶ柔らかな愛情を見せてええ子ええ子と頬を撫で)くふ！誠士郎の返事が長いのは嬉しいなるな、長いんも短いんもせいしろから返事や思うたらニコニコしてまうねん。今日を一日幸せに過ごせてんのは自分のお陰や！ありがとお。……後な、俺な、此処での交流歴っちゅうんがまだ浅ぁて誰かとこうやって特別な関係になれたっちゅうのも初めてやから、交流の仕方やとか返事の書き方とかで変なん有ったら教えて貰えると嬉しい。手ぇ煩わしてまうと思うけど自分好みのええ男になるから、長ぁい目で育てたって(顔前で両手を合わせれば眉を下げ)

───！（　まるで少女漫画のワンシーンかのように拳に落とされた口付けとほぼ同時、少しの驚きに目を見張るとともに、頬にぶわりと勢い良く熱がこもって。自分はこんなに初心だっただろうか、と火照る顔を冷ますように2、3度頭を振ってから、明らかに勢いを失った情けない声色を伴い、両の手の平で顔を覆い隠し　）…こ、小っ恥ずかしいことすな、あほ…。……髪、柔こいな。ふかふかや、（　柔らかな髪を撫でるのが楽しくなってきてしまったのか、かき混ぜるようにまったりと撫で回し、機嫌良く笑って　）………も、もうええ！もうええわ！わかったから！ちょお、…待ち、（　まさしく立て板に水、甘やかな声で紡がれる止まらない賛辞を最初は涼しい顔で受け止めていたものの、段々と貴方の勢いに圧倒され、あたふたとその口を止めようとするも虚しく、漸く終わる頃には焦りか羞恥からか、照れくささにほんのり赤くなりつつ、嬉しそうに、噛み締めるように礼を述べては頬に触れる手におずおずと擦り寄り　）おおきに、縁。そうやってずっとおまえに認めて貰えるように、頑張らんとな。………幸せて、ホンマに、大袈裟や。でも、役に立ててるなら良かった。（　きょとん、とした後破顔して　）俺こそ縁に色んなもんたくさん貰っとるよ、…お前がおるからちょっと大変な日でも一日乗り切ろうて思えんねん、ありがとうな。……そんなん俺かて初めての若葉マークや。変やないから気にしなくてええよ。縁もなんか気になることあったら遠慮なく言うてな。………せやな、交流の仕方なんやけど例えば、もう少し場面設定を加えて描写を今までみたいに付けて話すのはどうや？設定言うても簡単なもんでええと思うんやけど。ほんだら、屋敷で話しとった、一緒に出掛ける、とかカップケーキと飲みもんの食べ飲み比べ、とかできると思うし。（　顎に手をやり、暫し思案する様子を見せると、緩く首傾げながら提案し　）

……きゅううん。隠れんぼがお上手な誠士郎もかぁいらしけど、いけずせんで可愛ええお顔見して欲しいな(握る手の平越しのキスとは言え、顔を近づければ長い睫毛が揺れるのに見惚れてしまう。普段と違う弱る声と熱を含んだ顔色と、貴方を成す全ての魅力に当てられては呼吸も忘れて頬が火照り。口頭でその高鳴りを挙げれば見惚れる事で作られた不自然な沈黙間を誤魔化しに掛かり。成人男性らしい大きな手にすっかり隠されてしまった顔を無理強いで開くことはせず、むずとにやけてしまう口許が幸せを語らずとも喧しく訴える中で行動だけは大人しく待ち)…んふふ。いつ触ってもええよぉ、俺のふかふか触り放題のパス発行したろ。期限は無しでいつでも使えるやつ。誠士郎だけ特別やで(優しい指先に撫でられれば心地よくてつい微睡んでしまい、気の緩みから少し間延びするとろんとした声色で)ん、向上心がえらい高いとこも好きやけど、ええのええの、自分は無理して頑張らんでええんよ。俺は今んままのせいしろに惚れてんのやし、これ以上ええ男になられたら心臓何個持ってても足らへんなってまうよ(すりすりと手の平で感じる頬の柔らかさが子猫を撫でている時にも似た優しい気持ちを与えてくれて、控えめな手つきで触れる指先を頬から首元へするりと滑らせれば茶化すようにこしょこしょと擽って)……！ほんならな、いつか誠士郎と一緒に行きたいなぁて思うてた店有んのやけど…行かへん？。あんな、チョコレート専門のカフェでな…えぇと、ここ。そう此処！何とかさん言うたショコラティエが腕によりをかけたチョコレートをたくさん用意してて、好きなのん一個から買えるんやて、カフェならケーキとかパフェとかも有るって聞いたしココアちゃうけどホットチョコレートも飲めんねん。夜やったらチョコレートのお酒も有るんやって。せいしろと行こ思うてたから俺は行ったことないねんけど、聞いたら美味しい言うて有名らしいで。行ったこと有る？(提案を聞けば身を乗り出しパッと明るい表情でスマホを弄り、ブックマークしていたホームページを開いてメニューを見せつつ)……でも俺まだスタンプ貯まってへん。デート出来んのとちゃうか(ウキウキと弾む声と顔がピタリと止めば約束のご褒美時に行くつもりだったのを思い出し、むぐぐと口を閉じ)

……いや口で言うな、（　どこどこと煩い心臓を押さえ付けて大きく深呼吸すると、顔を覆い隠していた手を退けて、ゆっくりと瞼を持ち上げ。不意打ちだったとはいえ、情けない姿を晒した僅かな悔しさを覗いた瞳に滲ませながら、口を真一文字に引き結び幾分か赤みの引いた顔を背けては、スッと右手を伸ばし、八つ当たりでもするように貴方の鼻をぎゅむりと摘んで　）パス制なんかい、……あー、でも、いつでもやなくてたまにでええかなあ。（　乱れてしまった髪を手櫛で梳かし直してから、仕上げとばかりにひと撫ですると手を離し、ふっと揶揄い混じりに笑い　）なんやそれ、心臓軟弱すぎるで……ッ、こら、（　首筋をなんともこそばゆい感覚が襲って首を竦めると、嗜める声と共に悪さをする貴方の手首をさっと捕まえ、痛まない程度に力を込めながら己の胸の辺りまでぐっと引き寄せ。どこか色気を滲ませた笑みを見せてから、すりと人差し指と中指で手の甲を悪戯に擽り。ごく自然な流れで瞼を落としつつ貴方の手のひらに顔を近付け、そのまま少々かさついた唇を押し当てて　）─へえ、専門のカフェなんてあるんか…！（　身を寄せると、見せられたスマートフォンの画面を覗き込みながら、心なしか声を弾ませ、問いかけには首を横に振って答えて　）サ店ならたまに行くけど、こういう洒落たとこは行った事ないわ。………すごいなあ、ホンマにチョコばっかあるやん。（　すっかりメニューに目を奪われ、感心した様に呟き　）ああ、それなんやけど。（　思い出したように、近くに置いていた鞄の内ポケットを探り　）……実は、もう一枚満了してん。（　鞄から取り出した真っ白なカードは、厚紙を切って作られたもののようで、10個に区切られた手書きのマス目、いずれにも貴方が購入した花丸のスタンプが押印され、右下の余白に＂よくできました＂と赤いインクの几帳面な文字が並び。おずおずと不安げに差し出し、貴方の表情を伺って　）屋敷で会うたときにカード貸したってって言うタイミング失ってもうてなあ。せやから、…勝手に作ってん。お前の持っとる買ったカードみたいに綺麗やないけど、……貰ってくれるか？

……キャ、柳美容整形外科さんは鼻高くする手術を麻酔無しで行うんねや。どぉ？、ウチ別嬪になれそう？？。失敗したら責任取って先生ぇがウチのこと娶ってや(手の平が退かされれば気の強さが滲み出た表情が可愛らしくて反射的に感想が口をつきそうになり、それよりも先に鼻先を摘ままれれば裏声を用いて悪ふざけに花咲かせ)？！、なんでや、嫌や嫌や。そんなん嫌や～、フリーふかふかやから触らんかい！(青天の霹靂とばかりに微睡んでいた双眸を確り開くと揶揄いに見事釣られて駄々を捏ねるようにきゃんと喧しい我儘を)ん。…は。ァホちゃんやん、お前はホンマに…っ。俺が人より理性シャンとしてるから助かってんの自覚せえよ！(主導権を握るように気儘にじゃれていた手が自由を奪われるのを好きにさせ、一連の動作に大きく膨らんだ喉仏がゆっくりと上下に揺れてゴクリと生唾を飲むのが見てわかり。熱情を煽るような笑みが焼き付いて離れなければきつく両目を瞑って手を出しかねない自身を制して)！、ほんなら此処にしよや。近くん所で待ち合わせて一緒に美味しいチョコ探そぉな、…ばっちりお洒落して行くから惚れ直すで、覚悟しとき！(弾んだ声色に気付けばリサーチしていて良かったとひっそり緩い拳を作り小さなガッツポーズを、前向きな反応に人懐こい笑顔を浮かべ軽口交じりに約束を取り付けて)……？──！！！これ！！！誠士郎が作ってくれたん？！ホンマに！！！えっ、どぉしよ、宝物出来てもぉた。あかん、嬉しい……(頭を傾けつつ差し出されたカードを一瞥、声にならない歓喜の声を上げたかと思えば声量が馬鹿になった大きな声でカードを大切に大切にと手にして向き直り。)……ありがとお、こんな嬉しいのん初めて貰た。(ボリューム最大だったかと思えば噛み締める様に今度は最小へ、八の字眉を極限まで下げて満面の笑みを)…！ご褒美デートに使いたいんやけど、これは俺のお守りにしたいからカード預かりせぇへんで貰てもええ？頼む！堪忍したって！！！(花丸のスタンプが並ぶ枠線が愛しい、人柄を現すみたいな綺麗な平仮名が愛しい。ふつふつと感情が込み上げる最中、ポイントカードのよくあるシステムが頭を過りひんひんと嘆くみたいに頼み)


せいしろ！ほんなら次のレスで場面設定加えたデートの待ち合わせのん出しとくから、今やってる絡みは切ってかまへんよ。ハンドメイドのスタンプカードが嬉し過ぎてどーーーっしても自分の口で有難う言いたかってん。ホンマにありがとおね(嬉しさを噛み締めたままゆるゆると表情を和らげて)

……(到着したのは予定していた待ち合わせの時間よりもずっと早く、今日と言う日を余程楽しみにしていたらしく時間隔を見失うまでに浮かれ調子に乗っているようで。一見平然とした佇まいで立っているが、口端に意識を置かなければ勝手に緩んでしまう笑みを薄い紫レンズのサングラスと黒いマスクで隠し。デートの服を悩むなんて今日日の女子高生じゃ有るまいに、それでも散々悩みあぐねて選んだコーデは襟付きの白いシャツと黒いニット、ダメージジーンズの黒スキニー、それにアクセントとシンプルなシルバーネックレスを一つ。特徴的な派手髪を隠すためか黒いつば広帽子を被りつつ、落ち着かない心境のままはみ出た襟足部分を指先で弄り)───。(まだ来ないと理解しつつ通り過ぎる人の流れを横目に見ては、頭の中で(はよ会いたいな)(誠士郎喜ぶやろか、喜べばええなぁ)(一緒に出掛けんの嬉しいなあ)なんて考えがいくつも浮かび、そんな思いが有れば寒さなんて二の次らしい。スマホで時間を確認すれば待ち合わせ時間はもう少しだと、マスクに隠される口許にプレゼントを待ち侘びる子供みたいな笑みを浮かべて)

声デッカ！耳キーンてなったわ。ホンマやっかましいねん。（　耳を塞ぎ、顔を顰めるもカードを気に入ってくれた様子の貴方に内心満更でもなく口元を僅かに緩ませ　）…そんカード、もともと縁にやるつもりやったやつやし、好きにしてええで。俺がやりたくてやったことやし、お礼言われるようなことしてへんわ。

先に出してくれてありがとう。流れに任せてやってけたらとは思っとるけど、なんかある時はまた話しかけてまうかもしれんから堪忍な。蹴ってええ言われたのに返してもてすまん。縁もこっちは蹴ってかまへんよ。

　　　

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────。（　約束の時間まであと20分、待ち合わせ場所までは現在地からあと数分というところまでやって来ると歩調を緩め、己の格好を確かめるように視線を下へ向けて。こっくりとしたブラウンのざっくり編まれたタートルネックの裾からちょっぴり覗くオフホワイトのインナー、細身の黒いジョガーパンツと露わになったくるぶしを隠す真っ白な靴下、皮製で黒色のローカットブーツに包まれた爪先までを確認し終えると、おかしいところはないだろうかと今更な気掛かりに襲われながら視線を戻し。いつもよりもふんわりとかきあげた前髪に更に落ち着かない心地になりつつも、小さなボディバッグから取り出したスマホで時間を確認し、貴方に会えるまであと少し、と意識せず浮き立つ気持ちに比例するように目的地へ向かう足も早まって　）…嘘やろ、もうおるやん、（　ちょうど15分前に待ち合わせ場所へ到着すると、少し離れたところで既に待つ貴方をあっという間に発見し、驚きに瞳をまんまるくさせながら周囲には届かない程度の小さな声でぽつんと焦ったように呟いては、人の波を縫いながら急ぎ足で近付いてゆき　）

声のデカさが俺の嬉しさやで！(最初より隠すつもりも秘する気持ちも無い為、浮かぶ表情はそのまま目が消えてしまう程の破顔の笑みで。嬉しさにニコニコと溶け緩んだ素直な感情を浮かべながら)やっぱり俺には誠士郎しか居らん。こんな嬉しいサプライズ生きてて初めてやもん。(一度頭を縦に振ると実感していた事では有るが今一度再確認したその気持ちを言葉で残し)

そんなんあたり前田のクラッカーやで！いつでも声掛けてな。今の交流がキリがええとこまで行ったとかなったらまた相談して次の場面設定置こぉ。ほんで俺に誠士郎を蹴ること無理やったわ…！返してもぉてスマンやけど許してな！今度こそ此処で終わらせたって。


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………。───！、誠士郎！美人さん過ぎて目ぇ慣れるまで直視出来へんかってん、気付くん遅れてもぉた。(時間を確認すれば後たったの15分でやって来ると言う事実に気持ちが逸り、自分と会うために恋しい人がここまでやって来るのだと小さな緊張へと姿を変える。まだ早いと分かりながら上げた顔が、その空間だけを丸っと切り抜いたみたいにチカチカと光って見えて。約束より早い時間に現れたあなたを見れば、自分同様に今日を楽しみにしてくれているのではと自惚れ、喧しい口が仕事を放棄してしまう。ワンテンポの反応が遅れてから歩み寄り、隣に並んで作ってしまった間を取り戻すお喋りを見せて)なぁなぁ、ちょこっとだけお揃いみたいとちゃう？なんやっけ、よび方、あれ。シミラールック！それみたいやんな(近くで見た貴方は端正な姿が更に強調されているようで好きが込み上げてしまい、人前にも限らずいつもの調子で好きを伝えてしまいそうになるのを我慢しながら貴方だけを見つめ。そして気づいた色味は違えどほんの少し被る着こなしが心をくすぐれば、くふと息を漏らすように微笑み)…ほな行こか。お外の寒さでせいしろが風邪ひいたらあかんわ(ここから直ぐやでと声を掛けつつ、手を繋ぎたくなる思いをぐっと堪えて緩く握った拳の人差し指だけ解き行き先を示して)

すまん、待たせてもうたな。……て、なんで人んこと見んのに順応する必要あんねん、散々俺んこと見とるやろがい。（　此方に気付くと一瞬惚けた表情を浮かべ、近付いてくる貴方に脳内で首を傾げつつ、開口一番申し訳無さそうに眉をハの字にし軽く頭を下げ。いつもの軽口がはじまると、じゃれるように返しながら少しばかり体を屈め、薄い紫色のレンズ越し、真っ直ぐ視線が合わさる程度にすました顔を近付けては、ふっと可笑しげに表情緩めて　）…それは＂映え＂的な単語の仲間か？──確かにちょっと似とるかもな、（　単語の意味としては理解できるものの、直訳しただけでは少しばかり意味が違うように思えるそれに小首を傾げてから、改めて貴方の姿をまじまじと見つめ。いつもの濃灰色のスーツとは異なる、落ち着いたモノトーンの装いがとても格好良く見えて。どきりと跳ねた心臓を宥めつつ、穏やかに頷きながら口元を綻ばせ　）……おん。…なあ、縁。縁は…デ、デートんときは手ぇ繋がない派なん？（　僅かに持ち上げられた貴方の手に、期待して不自然に上げてしまった自分の手を羞恥に襲われながらすごすごと下ろし。目的地へと歩きはじめようとする貴方を意を決して呼び止めると、ほんのり頬を赤くし、いつもは吊り上がっている眉と目尻を下げながら、右の手のひらを控えめに差し出しつつ、おずおずと気恥ずかしそうに尋ね　）あっ。………でも、おまえ有名人やからあんまり外でこういうんしたらきっとあかんな、堪忍したって。（　ハッと気付くと声を潜め、軽率な行動に謝罪を入れつつ差し出した手を引こうとし　）







　

全然待ってへんよぉ、ちょい前についてん。…俺もびっくりしてんのやけど、誠士郎んことだけペカペカって光って見えてんな。お星さんとか宝石とか見たときみたいに眩しいなってたわ。───白昼堂々えっっろい顔止めて貰てええですか！(下がった頭を前にすれば「ちゅーしたろ！」と茶化す事で男同士の悪ふざけを周知させてから下がる髪へ一瞬触れるキスをして。手をグーパーと何度か繰り返して光を表現しつつ後者を告げると、射抜くような綺麗な双眸が自分にだけ和らぐ瞬間の直視に生唾を飲んで。その攻撃力に顔に熱が募るとカチコチと固まった声で続け)そおそお、お揃いしよななんて言うてへんのに似てるなんて俺らの相性ぴったんこカンカンやな(ご機嫌のままくふくふと息を漏らす笑い声を溢し、そんな余裕ある上機嫌も短く終われば続いた発言、表情、動作に堪らず動揺しカヒュと乾いた呼吸音が小さく響き)……つ、…繋がして貰てええんですか！！！(控えめに下がる手を引き留めるように自分の手が動いたのは反射的で、手を繋いでから体温の違いを実感すると)ちょお待って、いまアホみたいに冷たなってるわ。早ぉ温くならんかい！(一瞬触れた手を離してから火でもつけるみたいに慌しく両手を擦りハーと暖かい息を吹きかけて。悪足掻きでは有るが少しだけ血の巡りを良くすれば)……まだ冷たいけど堪忍してな(申し訳なさから萎む声量で前置きを置いて、手放したばかりの手を指を絡めるように繋いで。その手を少しでも温めようとコートのポケットへ引き入れて歩みを進め)

オイ。今、なんかしたやろ？！………っそんな顔してへんわ、人を変態みたいに言うなや。（　髪に触れた唇には気付かなかったものの、態とらしい宣言に加え、ほんの一瞬周囲の視線が集まった気がして、ばっと顔を上げて問い質し。嗜めるように小声で否定しつつ、広いつばの前側をふわっと下ろし貴方の視界を塞いでしまうと、体を素早く離し　）──圧！圧が強い…うっさいわ。……つ、繋いでええから聞いてんねやろ。むしろおまえはええんか？（　一瞬触れたあまりの手の冷たさと痛々しい程に赤くなっている見た目にぎょっとして。あまりに勢い良く来るものだからつい弾かれたようにつっこみ返してしまいつつも、改めて聞き返されるとますます恥ずかしくなり、尻窄みに頷いた後、心配そうに表情曇らせ。指が長く、全体的に細く見えるがしっかりと男性らしい手が慌ただしく、必死に温められていく様を気遣わしげに見守っていると、再び右手が取られ　）……謝らんでええて。こうしてればそのうち温くなるしな。ったく…まーたアホみたく冷たなっとるやん、（　まだ随分ひやりとしている指に己の指をきゅっと絡め返し、貴方の手の甲をすりすりと温まるように撫でていると、コートのポケットの中で互いの体温がゆっくりと溶け合ってゆき、ほっと肩を撫で下ろして。隣を歩く貴方の先程触れた手のあまりの冷たさに、じぃ、と疑わしげな視線をやり　）…縁、おまえだいぶ前からあそこで待ってたんとちゃう？

……なんもしてへん。ぅお、してんの！お前ホンマに自分の顔の良さ自覚しろて、男も女も犬ちゃんも猫ちゃんもお前に微笑まれたら惚れるし花は咲き誇るっちゅうの(口の両端を横に広げるように悪戯を隠してひひと上擦る声で笑い、帽子が視界を塞げば驚きの声を反射的に短く上げて再度被りなおす様に帽子を正して唇の先を尖らせつつ至って真面目に語り)ちゃうよお、誠士郎より少しだけ早くついてたけど。手ぇは冷え性やからちょぉと冷やこくなってもぉただけやで(悪い事はしていないが心配はさせたくないと口を付いたのは嘘にも至らない自分基準の返事で、最後にはハートを付ける様に楽天的な声色で誤魔化して)折角繋いだんに離すの嫌やなぁ、……遠回りしてまう？(ポケットの中で触れる手は見ずとも形の良さを教えてくれて、少し力を籠めれば細い指の繊細さを感じることが出来た。ついぞ、ふっくらと柔らかくて温かい手を離すことを惜しんでしまい、表情だけは平然と目尻を下げ口角を上げると言ったあっけらかんとしたまま冗談めかして、顔を上げればもう見えている店を前に言うにはとても冗談にも為らない言葉を吐き)なーんて、手ぇはこれから何回でも繋げるやんな(へらと表情を緩めれば幾許か本気だった前述を引っ込めて)なぁなぁ、腹減らして来た？しょっぱいのんも有ればええね。甘いのだけやったら量食えへんもん(気を引き締めるみたいによしと短く息を吸い込み、到着した店の扉を開き)どーぞ、……こんにちはぁ、予約お願いしてた加賀ですう。(扉を支えて貴方を促せばその隙間から愛想よくニコニコと笑顔を浮かべ店員へ挨拶をし、落ち着いて楽しめる様にと前以て奥まった席をお願いしていたらしく、他のお客さんとは隔たれるような静かな一席への案内に有難うと感謝を伝え)

おん。実はな…今日、めっちゃ楽しみにしとって昼メシ軽めにしてきてん。（　貴方の問い掛けに頷き、はにかみつつ内緒話でもするように答え。すっかり合わせた手が温もった頃、到着した目的地の瀟洒な佇まいに気後れしそうになりながらも、スマートに開かれた扉の向こうに広がる甘い香りにむず、と口元を緩めて。小洒落た制服に身を包んだ店員ににこやかに迎え入れられ、知らぬうちに予約がされていた事実にぽかんとしそうになりつつも、薄らと微笑み返しながら会釈をし、チョコレートが並ぶショーケースや他のカフェスペースの更に奥にある席へと腰を落ち着け。チョコレートは先程通り過ぎたショーケースの近くにいる店員に声を掛けるか、メニュー表を見て一粒から注文できる事、その他のものはすべて通常のカフェのようにオーダーすれば良い事、などの利用方法についての説明を真面目な面持ちで聞き、お決まりのごゆっくりどうぞ、の台詞とともに離れてゆく店員の背を見送ってから口を開き　）…予約しといてくれたんやな、ありがとう。（　店内の淡い照明のもと、向かい合うように座る貴方に、わくわくを抑えきれないといった表情を隠しもせず、嬉しそうに笑い掛け。早速テーブルの上に置かれたメニューを貴方にも見えるように横向きにし、ぺらりと捲って　）おお、色々あるんやな。





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縁。どんどん場面展開してくれてありがとうな。つい最初のやり取りにつられてもうて、全部返そうとしてまうんやけど、先に進めていかなあかんから前半部分ばっさり蹴ってもうた。堪忍や。（　眉下げつつ、両手を合わせ　）返事し直した方が良ければ遠慮無く言うてくれ。それと、描写の長さの好みとか聞いてへんかったわ…もっと長い方がええ、とか短めにしてさくさく進めたいとか希望あるか？…言うて、期待にきっちり応えられるかは怪しいんやけど。（　苦笑し、片頬をかいて　）