‥ 睡眠薬をお一つ ( 〆 )

そんな態度で欲求が全て通るなんて思わねェ事ね。＿＿残念だけどアタシがアンタの担当なの。そこ座ンな。
( 響き渡るとても上品とは思えない笑い声が荒々しく鼓膜を揺さぶる中で毅然とした態度を崩さなければ、胸ぐらを掴まれた状態のまま真っ直ぐ射抜くような視線を向け、目の前にある椅子に座るよう伝えて )

出てけっつってんのがわかんねえのかクソジジイ。……まあ、イカれたジジイが主治医じゃそりゃ死にたくなるよなぁ。
（ 余裕のある相手の態度に不機嫌そうに目を細めては腹の底から低く吠え。暫し睨み合いを続けるが、ふいに手を離すと独り言のように小さく笑い。代わらないなら代えればいい。座れと促された椅子を掴めば、何の躊躇もなく相手めがけて思い切り振り下ろし ）

＿＿っ、
( 互いに至近距離で睨み合ったまま流れる時間は重たいものであったが、ふいに己の胸ぐらを掴む手が離れれば変わった空気に僅かに目を細め。大人しく椅子に座り会話に持ち込むなんて事が"代わった"相手に限ってあるはずが無い。そしてそれは案の定。少しの躊躇も労りも感じられない強さと速さで頭上目掛けて振り下ろされたパイプ椅子を頬擦るギリギリで受け止めては、勢いを借りたまま横の壁まで投げ飛ばし空いたその手で間髪入れず目前の相手の頭を鷲掴みにしようとして。それが叶うならば、同じく何の躊躇いもなく真下の机へと叩き付ける事だろう )

──ッ！！
（ 椅子を奪われ、僅かにバランスを崩した隙に頭を掴まれると鈍い音と激痛が頭蓋に響き。医者らしからぬ反撃に相手を呆然と見上げるが、その表情はすぐさま怒りに歪んで「…患者に手ェ上げてんじゃねえよヤブ医者、離せ、触んな気色悪ィ…！」腹立たしい。面白くない。そんな感情のままに畜生畜生と毒突きながら、ぐらつく視界の中相手の腕を退けようと爪を立てて足掻き ）

都合の悪い時だけ患者なんて言葉使ってんじゃねェわよ。
( キャンキャンと野良犬の如く吠え立てる要望をピシャリと跳ね除けては頭を鷲掴みにする指先に僅かに力を込め。このまま意識を失わせてもいい。薬を使わないやり方とはそういう事だ。けれども"相手"に必要なやり方はそれじゃない気がするのだ。力を込めた指先から動く事は出来ないだろう加減まで力を抜けば、血の滲む手の甲に気を止める事もなくにんまりと口角持ち上げ。「取り引きしましょう。アンタはアタシの暴挙を誰にも言わない。その代わり明日の午前中、外に連れ出してやるよ。病院ばっかじゃつまらねェでしょ？」上司が聞いたらどんな顔をするか。どうだとばかりに緩く首を擡げて )

……どこまでイカれてんだよ。本物のヤブか？
（ 爪では到底敵わない力が僅かに緩めば、滞っていた血がズキズキと巡る感覚に顔をしかめて不敵な笑みを仰ぎ。脳天を割ろうとした人間を保護室ではなく外に送るなど己でも異常とわかる。荒い呼吸の間に詰るが「──注射も拘束もナシだ。外に出んのはオレとアンタだけ、監視も要らねえ。いいな？」相手を片すなら外のほうが遥かに楽。明日目覚めたのが己でなければ──それはそれで好きにすれば良い。丸腰の条件を呑めるかと、凶悪さを隠そうともしない笑みで半ば脅しのように答え ）

全員が全員同じ医者じゃ面白くねェでしょ。
( 面白いか面白くないかで測る問題ではないと言うのに軸はブレない。頭を掴んでいた手をゆっくりと離し半ば無理矢理した荒々しい拘束を解けば、突き付けられた条件に無論最初からそのつもりだとばかりに頷き。「昼飯何食べたいか考えときなさい。それと＿＿"アンタ"が来るのよ。アタシは"アンタ"と出掛けるんだからね」前者に場違いな世間話を。後者には今目の前に居る相手を強調して。…こうやって少しずつ相手自身がコントロール出来るようになれば、最初はそこから始めたい )


（ ／ 前回から大した間も空けずに背後が失礼致します…！そして黒江の暴挙も大変申し訳ないです！
今こうして裏透君ともお話をさせて頂いて、この前決めた進む道とは別に、透君自身の最終的な終着点を背後様はどんな感じで望んでいるかな？と思いまして。治療やカウンセリングによって最終的に裏透君が完全に居なくなる事を望むか、はたまた共存する事を望むか。今の段階で黒江は、同一人物ではなく別々の人物として扱っていますが、本来解離性同一性障害は主人格が日々のストレスや不安や恐怖、トラウマ等から開放された時にもう一方の人格が消えるって感じだったと思うんですよね。でもその通りにいってもいかなくてもいいかなと私的には思っておりまして！笑
透君背後様が望む透君の最終的な所と、それに伴って黒江にこんな方向でカウンセリングしてほしい！等ありましたら聞かせてもらえると助かります！でも、今はまだ決めないで交流していく中で流れによって決めていきたいと言う事であれば、それでも勿論構いません！
長々とした文章になってしまいすみません！！ ）

あぁ？……あー、あいつの死にたがりも治んねぇ訳だ。
（ 漸く起き上がることができると打ち付けた箇所を手で押さえ。流石は医者か、痛みの割に出血が無いのを確かめつつ雑な発言を鼻で笑い、一発殴りに来た理由である"彼"の希死念慮にも主治医がこれではと勝手に合点して。「んなモン知るか。アンタがスカート履いて迎えに行きゃあパニック起こして"オレになる"んじゃねえの？」その度胸は買うが、約束は己に言うなとバッサリ切り捨て。ついでに歪めた唇で相手ともう一人の己を小馬鹿にし ）


（ / いえ、いきなり殴り込んだにも関わらず華麗に捌いてくださって有り難かったです…！外出中もちょっかいをかけるかもしれませんので引き続きよろしくお願い致します！

一応、現時点では最終的に裏透が消える、というか透の一部になるような結末を想定しております。あまりにも黒江先生との掛け合いが楽しいとどうなるかわからないのですが…！笑
透の病因はとある「不安」なので、先生には今までのような「アンタが何しようが別に気にしねェわよ」的なスタンスで信頼感を稼いでいただければと思います！
また、原因等は裏透のほうがベラベラ喋りやすいので、裏透から色々聞き出す→透の問診で確認を取る→情緒不安定になったら上記のようにスルー、という流れだとスムーズにカウンセリングしていただけるかなとも考えておりました。カウンセリングについてはどうか主様に負担のない形でお願いします…！

全て明かすのは引き取られた後のほうが良いかと思い、色々と勿体ぶってしまっているのですが何か問題はないでしょうか？やりづらい点やここは知っておきたいという箇所があればご指摘ください！
こちらこそ長々と失礼致しました。 ）

アンタのその口振りだと、互いに入れ替わってる間もその記憶が残るのね。＿＿で、アタシに喧嘩売りに来た理由は？
( 容赦なく叩き付けたからこそ額は赤くなっているのが見てとれるが、まぁ、傷も無いし大丈夫だろうと適当な判断を胸に一つの確信と問い掛けを行い。相変わらずの小生意気な発言にはやれやれと肩を竦ませ「ヒールは履いてもスカートは履かねェのよ」と一喝した後に、徐に立ち上がり投げ飛ばしたパイプ椅子を元の位置に戻してから「座る？帰る？」と先の選択肢を委ねて )


（ ／ ちょっかいウエルカムです！笑 やり方がいろいろとアウトな時も多々と思いますがよろしくお願い致します！

なるほど！ベラベラ喋るに思わず笑ってしまいましたが了解致しました！それを念頭に置きつつその場その場の流れでカウンセリングしていきますね！全てが明るみになるのが引き取られた後というのは大歓迎です！なので、今は取り敢えずこのままいかせてもらえたらと思います！
長ったらしい確認にお答え頂きありがとうございました！改めまして引き続きよろしくお願い致します！ ）

子守りじゃねえんだ、朝から晩までは覚えてねーよ。アンタの名前もどっかの看護婦締め上げて聞いた。でもまぁ、このザマじゃ何があったか馬鹿でもわかるだろ。
（ 交代も記憶の共有も全ては曖昧だと、未だ包帯が残る腕をかったるそうに掲げ。現に傷に関する記憶は無い為に自傷＝希死念慮と解釈し「勝手にウロチョロされて死なれたらこっちが迷惑なんだよ。マトモになるまでどっかぶち込んどきゃいいだろうが」治療方針への不満を理由として不機嫌に、しかし先程よりは静かに述べ。用が済んだ以上長居する訳も無く"帰る"と言う代わりに直したばかりの椅子を蹴飛ばし、先程から続く騒音に駆けてきた職員と入れ違いで部屋を出るが「──明日。オレだったら肉な」一度振り返っては昼食のリクエストを残して ）


（ / こちらこそいつも丁寧に相談に乗ってくださってありがとうございます…！
キリが良かったので一度回収させていただきましたが、外出前に挟みたい会話等があればそちらを。特に無ければ次の日までスキップをお願いできればと思います！ ）

( 翌日、朝8時。普段の白衣姿ではなく、紺のニットに白のスキニー、黒の薄手ロングコートで病室まで来れば扉を軽くノックした後にガラリと開き。「おはよ、よく眠れた？」当たり障りのない挨拶から様子を伺って )


（ ／ 回収ありがとうございます！次の日にしましたのでよろしくお願い致します！ ）

……まだ寝てる。
（ ボサボサの頭でベッドの上にあぐらをかいたまま開いたドアへ視線をやり、やや遅れて相手とわかれば"透"の不在を答えて。「何混ぜたんだよ薬に」一晩経っても己のままという状況を不審がりつつ、ガラガラのクローゼットからコートを引ったくるだけの準備をし ）


（ / ありがとうございます、外出先でも何卒よろしくお願いします！それでは長々とお邪魔しましたが背後は一度引っ込ませていただきますね。また何かありましたらお声掛けください！ ）

何も混ぜてねェよ。＿＿ちょっとおいで。
( 目が覚めたその時から"副人格"である事に不信感を抱いている相手に無実だとばかりに軽く両手を挙げては、二つの目的をもってちょいちょいと手招きしつつ相手を呼び )


（ ／ 此方こそです！初病院外での絡みよろしくお願い致します！はい、私もここで失礼致します！ ）

何だよ。拘束はナシって言ったろ。
（ 昨日のように不意を突かれたら面倒だ。手招く相手を訝しげに睨んでは、腕を伸ばして重い体を慣らしてから距離を詰め ）

しねェって言ったでしょ。＿＿髪くらい梳かしな。
( 警戒心剥き出しの野良猫の如く近付いてくる様子を内心可笑しく観察しながらも、寝癖のついた頭で行くのはどうかと徐に伸ばした手でワシャワシャと適当に梳かし。結果的にそれくらいじゃ直りはしないもののやらないよりはよし。続いて第二の目的として髪を梳かした手で相手の片腕を掴んでは、言葉よりこっちの方が相手には良いだろうと己のズボンのポケットに突っ込ませ。「入ってねェでしょ、注射器」確認したならば早速外出しようか )

──ベタベタ触んな気色悪ぃ。粉臭えんだよてめえ。
（ 伸びてくる手に拳を構えるが、ただ髪を撫ぜる意味のわからない行為にひとまず化粧っ気への罵声のみ返し。一つのポケットを確認しただけで納得は出来ないものの「次触ったら折るぞ」と威嚇しては腕を振り払い「マジで連れ出すとか、お前本気で脳ミソぶっ壊れてんだろ。ちゃんと遺書書いてきたか？」にやりと悪態を吐きながらも相手を押し退け部屋の外へ出て ）

相変わらず威勢のいい餓鬼ね。遺書書いてる程暇じゃねェのよ。
( 振り払われた腕は行き場所を無くしそのまま下ろされるもわかっていた事であれば尚も噛み付く様子にクツクツと喉の奥で低く笑い。相手が廊下へと出たならば己もまた病室を出て廊下を進み。途中すれ違った看護師に「何処行くんですか？」なんて声を掛けられるも、「散歩よ散歩」なんて適当に返事をしつつそのまま病院を出て行き )

（ 余裕綽々という態度が尚更気に障る、そんな内心を隠さぬ表情で、ポケットに手を突っ込んだまま離れて歩き。しれっと嘘を吐く姿に胡散臭い眼差しを向けつつあっさりと外へ出ては「……保護施設、だっけ？そこに連れてくんなら殺す」病室からは見えない空を物珍しげに仰ぎながら今更の懸念を口にして ）

アタシの独断では保護施設に連れてく事なんて出来ねェのよ。＿＿ほら、それ乗んな。
( 病院を出ればスタスタと駐車場を抜け、その一番端に止められている深緑の軽自動車を顎で指し示し。車内は特別飾り付けされている訳でもなく仄かに香る爽やかな香りだけが主張されていて。運転席の扉を開け中に乗り込んでは、相手が助手席に乗り込むタイミングで「昼飯まで時間あるわね。何処か行きてェならそこ行くけど」とこの後の予定を問うて )

車はマトモなんだな。車だけは。
（ 減らず口は止めずとも、一応は相手の言い分を聞いて車に乗り込み。乱暴にドアを閉めると別段女らしいわけでもない車内を意外そうに見回し「──寒ぃ。服」此処以外なら何処へでも。そう答えようとするも、冷気に肩を竦ませては反射的に口にして。買いに行こうが着替えを取りに行こうが何だって良いという様子で後は黙ってコートの前を閉め ）