大倶利伽羅 2018-03-29 19:10:42 |
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っ、おい…!待て、待ってくれ廣光!
(パシッ、と軽く手を払われただけでより傷ついた表情で彼を見詰めつつ名を呼んで。俺はまたなにか彼を傷つけてしまったのだろうか。そんな不安を過り始め彼は戻れと言われようが、こんな悶々な状態でカラオケに戻れるわけがないと逃げるように走り出した彼を追いかけ)
構うなと言っている!これは、俺の問題だ。あんたは何も悪くない。
(自身を追いかける彼の声がするとギリ、と下唇を噛み締め。立ち止まり振り向けば眉を寄せ思わず声を荒げてしまい。しかし彼が悪い訳では無い、自身が勝手に嫉妬して逃げてきただけだとそう言って)
っ…!
(びくっ。彼が初めて声を荒げて拒絶され走る速度は緩め立ち止まってしまうと肩を揺らし。眉を下げこれ以上彼を追いかけるのは止めた方がいいかもしれない、そう思ってしまうと「……すまない。」と謝罪しては少しずつ後退りその場を後にしようと歩きはじめ)
っ…、俺こそすまない。
(思わず声を荒げてしまったことに内心後悔して。しかし今は自身を落ち着かせるために一度頭を冷ました方がいいのかもしれないと1人になることを選んでは「その…、落ち着いたら連絡する」と言って追いかけることはせずに)
(その後、カラオケへと帰っていき部屋へと入っていくと生徒が心配そうに次々に言われるも”何でもない。用事ができて来れなくなったみたいでな”とだけ伝え納得したように”それなら仕方ないな”と苦笑いを浮かべ納得すると歌い始める生徒達。それも一切歌うことなく生徒達の歌を聴き何時間か歌って満足したのかカラオケ店を後に。そこで二次会行こうぜ、と誘われたもののそれは断りを入れ家へ帰って行き)
(調子が悪い時は運も悪いのか帰り道に声を掛けてきたのは高校の頃に喧嘩をしたことのある人で。面倒な時に会ってしまったものだと舌打ち零せばそれが癪に障ったのか突然殴られてしまうとそのまま喧嘩が勃発してしまい。偶然そこを通り掛けた燭台切が止めなければいつまでも続けていたかもしれない。高校の頃の自身を知っている為に咎めるようなことはせず手当をしたいという事で彼の家に寄ることになり)
(鞄からスマホを取り出し彼から連絡がないかどうか確認するように電源を付けるもののそういった連絡はない。それも何度も何度もしては溜息をしての繰り返しているといつの間にやらマンションへと辿り着き。階段を上り部屋に辿り着き鍵を開け玄関には昨晩夏祭りの金魚掬いで取った二匹の金魚。水槽の中で気持ちよさげに泳ぐ姿に小さく笑って”ただいま”なんて口にし。金魚用の餌をやってからリビングへ向かいソファーで寝転んで)
(燭台切に何があったのかを尋ねられ話をしていくうちに“伽羅ちゃん、それは嫉妬だよ。恋愛をしていると誰しもが通る道なんだ。やっぱり伽羅ちゃんはいつになっても素直さが足りないな”と告げられ、あのモヤモヤとしていた気持ちの意味が分かり。長義にも迷惑を掛けた、謝ってくると告げると燭台切はそれを止めることなく頷いて見送ってもらう頃には深夜を過ぎていて。喧嘩をしたせいで服や顔も汚れている、やはり迷惑になるのではと思ったがこういう時は勢いが大事だとも言われていたためにマンションに辿り着き階段を上がって彼の家の前につくと一息ついてからインターホンを鳴らし)
――…ん…っ、
(そのままソファーで寝ていたらしくインターホンの音で意識を浮上させゆっくりと上体を起こし腰を上げ玄関へ行き扉を開けて見れば彼の姿が。やっと彼が来てくれた、それだけで嬉しいのか安心したような表情を浮かべるも電気の明かりでよくよく見て見れば所々怪我をしていたり、汚れていることに気付きそれを見たな否や顔を青ざめ「…廣光…あんた…それ、」と彼に近づき怪我をした頬へ優しく触れ)
っ…、
(夜中ということもありやはり寝ているだろうかと思っているとドアが開いて彼が出てくるとこちらも安心したような表情になり。しかしそれも束の間でこちらが怪我をしたことに気付くとその顔は青ざめ頬へと伸びてきた手が怪我をした場所に当たれば痛むのかビクリと肩揺らし。「……喧嘩になっただけだ。」と視線逸らしつつそう言って)
っ、すまない…でもなんでそんな…こと
(触れられてはビクッ、と肩を揺らす彼に慌てて手を離すも心配げに見つめて。ここで立ち話もなんだと彼の手をやんわり掴み入ってくれと促しリビングまで招き入れ)
(部屋へと招き入れられるとソファーに座って。「あんたは知らないだろうが、高校の頃…俺は問題児だった。その頃に喧嘩をしたことのある奴と会ってそれで殴り合いの喧嘩になった」と怪我をした経緯を告げ)
(彼の隣へ座り怪我の経緯を聞いては、あのモヤモヤの後にその人と会って喧嘩になったということなのだろう。俺の所為で…、と自身を追い詰めてしまうと彼にやんわり抱き着き「…俺の…所為なんだよな。あんたを傷つけて…」と今にも泣きそうな声でそう呟き)
っ、違う!俺が勝手に…嫉妬しただけだ
(不意に彼が抱きついてくるとそれを受け止めこちらもぎゅ、と抱き締め返して。彼が悪いのではないと首を横に振ると何故あんな行動をしてしまったのか、燭台切に教えて貰った感情だったことを告げて)
っえ…し、嫉妬…?
(あの行動をとった意味が彼の言葉でやっと理解すると顔を上げて見やり呆然とし。ある男子生徒と話したり歌ったりしたことが嫌だったのか、それであの行動に。嬉しい反面照れくさい気持ちになると同時に抱きしめていた腕を強めて)
(彼らが友人として仲良くしていたことは分かっている。それでもその景色を見るのを拒む自身がいた事に気付いて。「…女々しいのは承知している。」と目を伏せて)
(ふるふる、と左右に首を振り顔を上げては「女々しいなんて思わない。…その、…そう思ってくれたこと…なんというか…嬉し…かった。」と小さく笑っては正直に自身が思ったことを告げて)
…そうか。
(拒絶されるかもしれないと思っていたがそれは杞憂で嬉しかったと言われては僅かに微笑んで。すり、と控えめに擦り寄っては「俺はあんたさえ居ればそれでいいと思っていたが…欲深くなったみたいだな」と苦笑を浮かべて)
(控えめ此方へすり寄る姿がなんとも愛おしくて頭を優しく撫でてやると手当してある怪我の方へ視線をやり触れ「それは…独占欲というものだろう。あんたからそんなことを聞けるなんて正直驚いた。…派手にやったな…高校の時もそればかりしていたのか」その頃はまだ記憶もない高校時代であり平穏に暮らしていたような気がしつつそんなことを思い返しそう問いかけ)
…意外かもしれないが、俺は中学まで俗に言ういじめにあっていた。
(頭を撫でられると目を細めつつ話を聞いていては徐に口を開き。物心がつく前には親に捨てられ施設へ送られる前に叔父の長谷部が引き取ってくれていたがそれだけでも子供にとっては十分だったのだろう。それを理由としていじめ続けられていたがそんなものに心を痛めているはずはなかった。しかし、自身でも知らないうちにそれは溜まりつ続け高校に入った頃に爆発し、一度道を外れると戻るつもりにもなれず喧嘩に明け暮れる毎日を過ごしその度に長谷部に叱られていて。「まともな高校生では無かっただろうな。長谷部にも迷惑ばかりかけていた」と苦笑浮かべて)
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