【1879→】(ひぼ)

ごめんなさい、言おうとしたらすっかり忘れてたわ
(真顔で伝え忘れたことを謝り。子供のようにベソをかく相手に溜息をつき「あなたは充分すごい男ってのは分かってるわ」ティシュを渡し)

いいよ、俺のTシャツなんて君にとったらそんな程度なんだよ
(受け取ったティッシュで音を立てて豪快に鼻をかみ涙を脱ぐって上げた顔は先程と違ってスッキリしたものに「なぁガモーラ、俺だって着替えがないと困るし今から買いに行こう。一緒に！」にっこり満面の笑みでさりげなくデートに誘い)

買い物？いいわよ、行きましょ
(相変わらず切り替えが早いと関心しつつ、デートの誘いとは知らず相手の誘いに乗り)

よし来た、ガモーラは何か欲しいものある？ロケットに言ってくるから考えといてよ
(見えない所でこっそりガッツポーズ、にやけた面構えは普段よりも一層楽しそうに。服の他にも船内の飾りなんかも買っても良いかも、操縦席のアライグマに寄り道する旨を伝え)

欲しいものなんて別にないわよ
(そう叫んだところで相手の耳には届いてないだろうと、欲しいものと言われても物欲がないせいか何が欲しいのかも思い浮かばず。とりあえず相手が戻ってくるのを待ち)

おーけーお待たせ、んじゃ比較的治安が良くてお洒落な店がある星に行こう
(程なくして宇宙船が停止、繋いで貰えたら幸せなんて運試しに降りる際に然り気無く手を差し出し)

ひとりで行けるわ
(治安が良くても悪くてもどちらで構わないと口にすれば相手はダメだ、と言うのが目に見えてわかるので口にはせず。出された手をしばらく眺め、軽く手を叩いては宇宙船を出て)

あいてっ、ガモーラの照れ屋さん
(断られて元々と考えていたってガッカリするもの、背後からロケットとドラックスが笑いを圧し殺す声が聞こえたり呑気に手を振るマンティスがいたり。さっさと歩いて行ってしまう相手を追い掛け隣に並び)

別に照れてないわよ
(自分では気がついてないが照れ隠しなんだろうと、宇宙船を降り暫く歩くとショッピング街へと入り中は色んな店や人が楽しそうに行き来をして)
こんな所もあるのね

そうそう、いつもは治安の悪いとこばっか行くけど宇宙には平和な星もあるんだよ
(ガーディアンズへ仕事の依頼が来るのはゴロツキの集まる星ばかり。此処では様々な肌の色をした人々が花や果物に手作りの小物まで売ってたり、気分はご機嫌でカラフルなドライフラワーを手に取り)

賑やかな場所ね
(生まれた環境が環境だからかあまり慣れず、キョロキョロとあたりを見回し。もしこういう環境で育っていたらどんな風になってたんだろうと、有り得ない自分を想像し)

ガモーラ、ちょっとこっち来て。これ君に似合いそうだなって
(辺りを窺う彼女を手招き、反対の手には毛先の赤と同じ色をした小振りの雫形のペンダントを手に取り)

何よ…。これ私に？似合わないわよ、マンティスがよほど似合うわ
(呼ばれる方へ振り返ると、光に当たりキラキラと輝くペンダントトップを見つめ。自分に似合うと言われれば、手を横に振りこんなに綺麗なものは似合わないと)

そうかな、君ってば綺麗なのに…
(光に当たって輝くアクセサリーを見ればマンティスは喜ぶに違いはないのだが、それでも好きな人に何かを贈りたい気持ちは変わらず目を盗んでこっそり購入し)

そうかしら？そうだとしたら、あなたの目は節穴ね
(ふっと鼻で笑いながら、止まって足を進め相手を置いて特別目的地もないショッピング街を歩き向かい)

俺の目が節穴だって？そんな訳ないだろ
(プレゼントは鞄の奥底へと突っ込み「待ってガモーラ、服は多分あっちだから俺に似合うの選んでよ」追い掛け当初の目的の品を遠目に発見し手招きして)

そう、節穴よ。
(可笑しそうにクスクスと笑い、当初の目的をスッカリ忘れており相手に言われようやく思い出し「そうだったわね、忘れてた」手招きに誘われ方向を変え)

あーん、これは？それかこれもクールだよな
(ラッキーな事にTシャツのワゴンセールを発見。訳の分からないキャラクターの描かれた物や、ジュラシックパークの文字が入った物を広げてはチラリと窺い)

…、あなたってセンスないわね
(相手がシャツを物色してる隣でガラス細工やレトロな雑貨を売ってる棚を眺め、いいものが見つかったのかと相手の手元を見るととてもセンスがいいとは思えない柄のシャツにボソリとつぶやき)

これ良いかと思ったのに残念。ここは無難に無地にしとくか
(濃いグレーの無地を発見、これならセンスがないとは言われまい。会計を済ませ隣を見ると何やら雑貨に興味があるようで「何か良いのあった？」肩越しに後ろから覗き込み)