名無しさん 2018-08-16 14:59:05 |
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(/お待たせ致しました。某トピでお声掛けさせていただいた23780の匿名の者です。
参加許可、トピックを立てて頂き有難う御座います!
拙い部分もあるかと思いますが、宜しくお願いします。
早速ですが、此方の提供への希望や世界観等、検討しているものがあれば参考までにお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか?
もし途中で相性が合わないと感じた場合は、遠慮せずに仰っていただければと思います。)
(/この度は、参加希望ありがとうございます。
時代設定としては、19世紀末のヨーロッパをイメージしております。提供キャラ(シスター)が務める教会は大きな街から少し離れた小さな町にあり、そこに老いない孤独な吸血鬼がやってくる、という感じでしょうか。
歴史的背景として、まだ魔女狩りや吸血鬼といった悪魔的存在を狩ろうとする集団や、闇の魔術を我が私益のために使おうと禁術に手を染める組織などがあり、吸血鬼はそういったものからも狙われている、という設定があっても面白いなぁと思いました!
キャラについてですが、数百年以上生きてきた吸血鬼は孤独で、また命すらも狙われる立場から、多くの人間との関わりをあまり持たず隠れるように生きてきた、というイメージなので、明るすぎな性格ではなく、どちらかというと寡黙で、他人を寄せ付けないような言動があるも、心の芯は優しい、みたいな感じでしょうかね。
ぎゃくに、シスターのイメージや萌萎などありましたら気軽に仰ってください。他にも、こんな設定も入れたいや質問など、ご自由どうぞ!)
(/それは面白そうな時代背景ですね、是非それでいきましょう!
吸血鬼について少々深堀をしてもよろしいでしょうか。もし、この類について当方の裁量で決めていいのであれば、それでも構いません。
例えば、対吸血鬼で有効な道具は多数あると思いますが、条件次第では効かないものがあってもいいかなと考えているのですが…いかがでしょう。どれも不快な物であることには変わりないものの、狙われる身で長年生き延びていることからそれなりに力や抵抗力はあるではと思いまして…。(十字架は信仰や祈り等の度合いに応じて効力が変動する。日光は弱体化。etc.)
また、吸血行為をした場合は、その相手も吸血鬼に「なるorならない」、「可能性がある」のどれがお好みでしょうか。当方はどれでも美味しいかなと楽観的に考えてました。笑。
シスターについては、聖職者だけあってお人好しや世話焼き、周囲から人望のある懐の深い方なのかなとイメージしておりました。当方の萎えは「鸚鵡返し、受け受けしい、過度な甘々(適度は萌え)」、萌えは基本それ以外となります。主様のお好きなように作成していただいて構いません。
お声がけの際にも記載しましたが、種族の違いや粗筋からシリアス傾向の展開を想像しておりました。心情の変化や物語の流れから次第に友情・恋愛発展は好物ではありますが、過度な甘々急展開は苦手としています。そのため、仮に警戒心があった提供吸血鬼が心を開いた途端に甘えまくる等は薄いかと。徐々に物語を紡ぐ形を好むので、予めご了承いただければ幸いです。
長々と失礼しました。もし何かあれば、お気軽にどうぞ!)
(/そうですね……吸血鬼対策という点に関しては、吸血鬼は基本的に頭を切り落とすか、心臓を潰さない限り死なない、というイメージですね。その中、強い光(例えば太陽の光)には動きが鈍くなったり、聖香と呼ばれる悪魔祓師が使う特殊な力が込められた香の匂いを嗅ぐと五感が鈍くなる、という設定があっても面白いかな、と。弱手に関しては、追加で増やしたり訂正していったりしてもいいかなと、思っています。基本的に吸血鬼の身体能力は超人並です、五感も同じく。
吸血行為についてですが、吸血鬼の中には見境なしに人間の血を飲み干す悪い吸血鬼もいれば、動物の血しか飲まないという平和の吸血鬼もいます。でも、やはり吸血鬼とだけあって吸血衝動というものがありますが、吸血した相手が吸血鬼になるか、という設定ですが単に相手の血を吸うだけでは吸われた相手は吸血鬼にはなりません。吸血した際に、吸血鬼自身の血を相手の体内へ送り込むと吸血された相手も吸血鬼になる、という設定ではどうでしょうか?
私の方も急に甘々というよりは、ゆっくり少しずつ、お互いの心が近づいていくという展開が好きなのでそのような形でも大丈夫です!
他に何か質問や提案などありますか?もし、なければ一旦pf作成にうつりたいと思います。もちろん、質問やストーリーの展開などについては、始まってからでもいつでも仰って頂いて大丈夫です!)
(/たしかに…吸血鬼に対してだと、それ以外だと死なないイメージが強いです。この世界ならではの道具が合っても面白いかもしれませんね! 彼らを狙う集団組織の見せ場にもなりますし。弱点については、試行錯誤しながら少し練ってみたいと思います。
吸血鬼も個体によってそれぞれ、といった感じでしょうか。ぜひその案を使わせていただければと思います!
案を頂いてばかりで、頭が上がりません……ありがとうございます。吸血行為以外にも、変身や支配の能力には個人差がありそうですね。あくまで設定として採用してもいい場合ですが。
物語の進め方に大きな差異が無いようで安心しました!
また必要に応じてご相談すると思いますが、その時はよろしくお願いします。それでは、当方も一旦pf作成に移りたいと思いますので、一旦失礼します。)
名前/セシル
年齢/24
性格/物静かで誰にでも優しく中立な立場を好むが、自分の意見をはっきり言う時は言うし、芯は強く、曲げたくないことは曲げないなど、たまに頑固な所もある。慈しみと敬愛の心を大切にしている。
容姿/普段は仕事着である黒のシスター服を来ており、下は黒のタイツとブーツ着用。仕事が休みの時は基本ロングのワンピースを着ている。身長は約166cm。黄金色の髪を腰の辺りまで伸ばしており、普段は編み込んでお団子に結っている。休みの日は1つの三つ編みにしている。碧眼で、くっきりとした目元だがどこか凛々しさのある目付き。
備考/孤児院の出で、両親は幼い頃に流行病で亡くなっている。孤児院を18の頃に出るとそのまま教会の牧師に引き取られそこでシスターとして働くことに。教会で人々の話を聞いたり、孤児院に顔を出したり、バラやパンを売りに行ったりとそれなりに、小さな町だが楽しくやっている。最近は、黒魔術だとか闇の魔術だとか物騒なことを聞くことが多く、町に危険が及ぼないか心配している。運命の悪戯か、出会った吸血鬼に初めは恐怖を覚えるも、少しずつ相手の心に惹かれていく。
(/簡単になってしまいましたが、こちら提供のpfになります。確認お願いします。
吸血鬼の設定などは、あまり脱線していなければご自由に考えて頂いてOKですよ!細かい設定などについては、進行しながらでも決められると思うので!)
名前:オルトス
年齢:?(見た目20代前半)
性格:プライドが高く頑なに弱みを見せようとせず、人間を下等と評価しない物好き。過去に人間と共存していた時期もあったが、私欲に溺れた民の裏切りから心を閉ざし、以来必要以上に干渉することを避ける。自身が吸血鬼であることを悟られぬよう、多くは語らず人を寄せ付けない態度を取るも、人恋しさを感じては距離感がつかめず葛藤している。
容姿:飾り気のない白のワイシャツにワインレッドの上品な光沢のある生地のベスト、闇に紛れる黒のスラックス、同色のモンクストラップの靴。人里に降りる際にはクロークを羽織り、日差しを和らげるためにフードを深く被る。肌理の細かい透き通った色白に、181cmと細身ながら靭やかで引き締まった男性的な体格。肩にかからず混じり気のない艶のある黒髪、長い睫毛に鋭い眼光を放つ切れ長の瞳の整った顔立ち。日が昇っている間は灰色がかった黒眼と人の子の姿をし、高揚時や日が沈むと瞳が赤眼に変化する。見た目は青年のままではあるが、実際は数百年生きており、他と異なる時を過ごす寂しさから歳を数えるのをやめた。
備考:人里離れた森の奥深くの洋館を根城とし一人でひっそりと過ごしている。森に迷い込んだ人の子が居れば送り帰したり貧しい者に食料を与えては、等価交換として支障がない程度に血を啜る。一定以上血を口にしないと禁断症状に陥り理性を保てなくなるが、欲を満たすことで症状が収まる。超人並みの身体能力や眷属を使役する力等を有するが、強い光や水を浴びると動き鈍くなり一定の力が使えず、銀が有効であることが確認されている。永久に続くと思えた無透明な日々の中、聖職者である彼女と出会い、次第に忘れかけていた色を思い出していく。
(/遅くなって申し訳ありません。能力等はお言葉に甘えて、その都度対応しようと思います!
また、素敵な娘様をありがとうございます。当方も提供のpfが完成しましたのでご確認よろしくお願い致します。)
(/素敵なpfありがとうございます。イメージ通りです。
では、お互いのpfも上がったことなので、始めていきたいと思うのですが、何か希望のシチュエーションなどありますか?)
(/ご確認にありがとうございます。
先に申し遅れましたが、相性重視でお相手できればと思っておりますので、もし相性の不一致を感じた際には互いに忠告又は縁切りをご容赦頂ければ幸いです。
現状思いついている段階で此方からご提供できそうなのは…
➀追手に追われ逃げてきた
②迷い子や森の薬草らを届けてきた
③教会に興味を持ち
簡易に提示しましたが、大筋はこれらの経緯から教会を訪れたといったところでしょうか。
他の希望があれば仰っていただければと思います。)
(/そうですね、相性が合わないと思ったらお互いに縁切りと致しましょう。
開始の件ですが、追手をまくために教会へ逃げ込んだところ、からでどうでしょうか?)
(/互いに気持ちよく進めるためには必要な事でしたので、ご了承ありがとうございます。
絡み文は何方からにしますか? 逃げ込んだところから、だと解釈次第でどちらからでも始められそうなので、一応確認を。
此方からであれば、重複しますが追手に追われて撒くために逃げて訪れるところから。その場合、追手の手法はある程度此方に一任させていただくことになります。
主様からであれば、恐らく一度追手(NPC)が吸血鬼を追っている場面から、又は、既に教会に紛れ込んでいるところからも案として考えられるかと。追手からなら、世界観や対吸血鬼への現状も把握しやすく、教会からなら対吸血鬼については一旦寝かせることができるのではと考えていますが…。
いかが致しましょうか。当方は、どちらでも構いませんので主様のお好きな方をお選びください。)
(/では、こちらから。時は夕刻。教会へと戻った提供キャラが物音に気づき、追手をまくために教会へ逃げ込んだ吸血鬼と出会う、というところからにしようと思います。拙いとは思いますが、よろしくお願いします。)
ありがとうございます。
(小さな町で、毎日教会の庭先で採れる美しい赤と黒のバラは町の人々にとても人気で、町でひらかれる祭り事などには教会のバラが装飾されるほどだ。手提げの篭にはまだ数十本バラが残っているが、今日はそれなりに数が売れたのであとは、教会のマリア様へと捧げようと、夕飯の買い出しをしてから、町の少し外れにある小さな町のシンボルでもある教会へと帰路につく。もうじき、夕刻を告げる教会の鐘が鳴る。その前に教会に戻って残りの仕事を片付けてしまおうと考えていると、ビュウと冷たい風が吹くと真っ黒なカラスがギャァと鳴きながら飛び立つ。どこか恐ろしいほどの夕焼けに真っ黒なカラスはとても残酷に映る。その光景が、とても胸騒ぎがして帰路を歩く足が早くなる。教会の門のところまで来ると、バダバタと真っ黒なローブを被った数人の男が走ってくる。横切る寸前「どこに行った!?」「もっとくまなく探せ!」などと、何やら急いでいる様子だが、それ以上にどこか危ないと自身の警鐘が告げる。すぐに門を通り抜け教会の木製の扉を押し開けて中へと入ると同時にゴォーン、ゴォーンと重い鐘の音が響き、思わず驚く。そして、何やら物音に気づいて肩が震える。)
誰か……いるの?
(いつもより暗く感じる教会内に、とても重たい空気を感じ、鼓動が早くなる。恐る恐る上記を言いながら、物音が聞こえたマリア像の方へとゆっくりと近づいていき)
――教会の人間か……丁度いい、薬を貸せ。敵意はない、用が済んだら直ぐに立ち去る。
(待ちわびた日が沈みかけるのと同時に、躍起になって追い回す黒ずくめの追手から得体の知れない液体を腕に浴びせられ、体制を崩されながら宙を駆け回り小さな町に紛れ込む。その最中、身を隠すのに体の良い建物が目に留まり、変化を解けば急ぎそこへと潜り込み、祀られる忌々しい聖母の陰に身を顰めて。低俗の者ならその聖域に踏み入れることさえ阻まれるものであれど、多少長く生きそれに見合うだけの物に触れてきた己にとってはどうということのない。ましてや今は人の子の姿を保ち、追われる身の迷い込んだ者ならばと、慈悲深きマリア様とやらは寛大な処置を施すのか一時の休息と安息の暗闇を与えられほっと息をつく。魔の者が聖域に踏み入れるとは思いもよらないだろうと過信しすぎたのか、鐘の音に潜んだ来訪者にも気付かずに、先に負った焼けた肌に幾つかの切り傷に触れていた矢先、教会内に小さく人の声が響き息を呑みながらそっと様子を伺う。既に薄っすらと赤く浮かんだ瞳に映ったのは黒ずくめの者共ではなく、微かに肩を震わせながら此方の様子を伺う先程すれ違った聖職者の女。害のない人間と知れば顰めていた姿を現し、患部を抑えた際に手の平にべっとりと付いた黒く滲む血を見せつけ、淡々と応急処置に必要な物を要求し。)
(/了解しました。少々遅れましたが、此方こそよろしくお願いします。では、背後は一旦これで失礼します。何かありましたらお気軽にどうぞ。)
えっ…貴方──
(異様なほど暗く感じる教会の中は、壁に明かりのためのランプやマリア様の石像の周りを囲むように数百本のロウソクがありほんわりと明るいはずの中がいつもよりも暗く、遠くから雷鳴も聞こえる始末。そんな中、聞こえた物音の方へゆっくりと近づくと自分よりも遥かに背の高い男が現れ、その容姿から真実を聞いた訳でもないのに普通の人とは違う何かを感じられずにはいられなかった。その何かというのを説明しろと言われても、うまい言葉は見つけられずただ呆然とするしかなく、しかし相手から視線を逸らすことが出来ずその時間はほんの一瞬だったはずのに、永遠にも思える長さで、慌てて相手の手元へと視線を移すと、べっとりとその大きな手に血が付着しており、驚く。その血液は人間の赤ではなく黒色でとても普通の色とは違うが今はそれどころではない、相手の出血の量からきっと大きな怪我をしているに違いない)
すぐ、血を止めないと…!
(慌てて建物の奥にある小さな小部屋へと向かうと、神父から応急処置の手法なら教わっておりそれに必要な道具を持って再び相手の元へとやってくると礼拝者が使う左右に置かれた長椅子を見て「ここに…座ってください。手当します」とどこか懇願するような、心配するような声色で言って)
(適度な暗がりを生み出し、辺りを照らす灯りがゆったりと揺らめく暫しの間、要求に応えずに姿を見せるなり唖然とその無垢なる眼に此方を見据えられ。人間とは異なる魔の者が、平然と聖域に現れたのだから無理もなかろう。ましてや、我らと好き好んで関わりを持つ者などそう多くなく、同胞らがこの町に頻繁に出入りしているわけでもなさそうだ。蛇に睨まれた蛙の如く固まっていた視線が、見せつけたそれに移り変わるとハッとした様子で目の色を変え、止血のために奥へと駆けていく姿を目で追って。その慌てぶりを他所に乾いた唇を軽く舐めると、背筋に重く鋭い視線を感じ「…別に取って喰ったりしねェよ。」信仰深いのか、マリア像からの威圧にやれやれと言わんばかりに溜め息を洩らす。一先ず追手らを無事撒けたかと意識だけを扉の方に向けているうちに、相手が道具を持って帰って来るや、唐突の申出に思わず眉間に皺を寄せ。)
……いいだろう。ただし、妙な真似はするな…。不審な動きがあれば、容赦はしない。
(警戒心を隠すことなく鋭い睨みを利かせるも、何時また追手が来るかもわからず、処置を行うのであれば人の手を借りる方が早い。声色から察するに恐らく単に治療が目的と断定すれば、冷たく言い放ちながら渋々と促された椅子へと腰を下ろし、広範囲に焼け爛れた火傷や指先にまで切り傷を負った片腕を差し出して。)
傷口……酷いですね。
(相手に半信半疑で、椅子に座るよう促すと予想外に椅子に腰掛けてくれたので安堵したのも束の間、鋭い双眼で睨まれるとどうやらこちらを警戒しているらしく、「大丈夫です、ただ怪我を見るだけです」と一瞬怖気ずくもぐっと堪えて相手の目をしっかりと見つめてから相手より差し出された腕を見るなり、自分の想像を遥かに超える深い傷口に眉間に皺を寄せる。上記をポツリと言うとガーゼを切る用の小さなナイフを取り出すと服があっては、処置も出来にくくまた服に血が付着したままでは、衛生面でもよくないので傷口が見える程度にシャツを少し切ってガーゼに町の医者から定期的に購入している消毒液を染み込ませて血を拭き取りながら、傷口を消毒して)
痛みますか…?少し、我慢してください…
(たまに、けが人の手当をすることごある。町の医者にどこかの国の負傷兵が流れてきたり、子どもの怪我をみたり、でも、所詮は医者の助手の助手がいい程度で、本格的な治療法は知らないし薬だって詳しくは知らない。そんな無知に等しい状態で今回の傷の大きさは、正直どのようにすれば1番良い方法なのか最適な治療までは分からないが、傷口を清潔にして、ガーゼと包帯で保護することくらいならできる。
傷口を消毒しながら相手に上記を問いかけては、緊張しているせいか汗が出てきてそれを拭いながら何度も何度も消毒を繰り返して)
……お前、自分が何をしているのか本当に分かっているのか?
(生々しい跡を見せれば聖職者としての強がりが晴れるかと思いきや、間近で見るなり顔を顰めて憐みを掛け、恐怖を抑えてまで放った言に偽りなく手を動かし始め。相手がナイフを取り出した瞬間、本性を現したかと警戒を強めるも血に染まった袖を切り離すに止まり、覚束ない手付きで懸命に治療を試みられ。油断し近づいたところを刺す、治療薬に紛れ込ませた劇薬を塗る、いくらでも付け込む機会を与えているのに素振りすら見せぬ姿勢に、次第に毒気を抜かれ眉間の皺を緩めては張り詰めていた息を吐く。消毒液を十二分に染み込ませたガーゼを介して、じりじりと液体が肌に触れるのは気持ちのよいものではないが、本来なら魔の者に手を貸す等とあるまじき行為であろうにも関わらず、手を休めずに試行錯誤を繰り返す相手に痺れを切らし呆れながら疑問を投げかけて。私欲に塗れた黒ずくめの奴等が、血眼になってまで追い回した獲物をみすみす逃すような真似、慈悲を与えるにも程がある。多少の心得はあろうとも人とは違う変質した症状に、戸惑いを隠せず緊張しているのが肌に伝わり、人間に施すのと同じ手法ではあるものの、何とも見ている側がひやりとするたどたどしさに思わず口を出し。)
痛みはない、が……薬の使い過ぎだ、下手に触れば悪化する。後は患部を包帯で保護すれば十分だ。腕は炎症を、指先は傷を隠せればそれでいい。
私は──
使いすぎ…ですよね!包帯、巻いていきますね…!!
(相手に問いかけられると顔を上げて相手の瞳を真っ直ぐ見る。なぜ、そんなことを質問するのだろうと考えを巡らせていると、消毒の使いすぎだと指摘を受け、慌てて患部を見ては確かにいくら出血と傷口が酷いとはいえこれでは意味が無い。相手に指示されると、すぐに清潔なガーゼで保護しては包帯を取り出して巻いていき。一度腕の傷口で巻き終えれば、もう一枚包帯を取り出して指先にかけても巻いて。その間相手のことは見ず、先程の質問について考えていた。
まるで、こちらの行動が相手にとっては不思議、もしくは想定外なことでもあるかのような問いかけ。だが、その真意までは分からないがきっと自分が相手と出会った時に感じたあの違和感は本物なのかもしれない。うまく言葉は出てこないが、相手の雰囲気は普通の人間のそれとは違っていた。何も寄せ付けぬような気配はこちらの全身を恐怖で包み込むような、足がすくむような感覚。瞳だって一瞬だったが人間とはかけ離れた赤色のようにも見えた。殺気を帯びたような瞳を見た時、恐怖を感じたがそれ以外にもどこか相手も何かに怯えているようにも思えた。自分が何をしているのか、それはつまり自分は何を助けているのか分かっているのか、という問いかけかもしれない。そっと包帯の余りをテープで固定しては)
私は、ただ、怪我を負った人の手当をしただけです──。それだけです。
(先程までの緊張は何故か自然となくなり、相手の包帯巻きになった腕から伝わる人とは少し違った体温に表情が緩み微笑んでは相手の顔を見上げて)
――怪我を負った人の…か。何とも聖職者らしい発想だな。
(問いに戸惑いながら此方を見据えられるも、すぐさま口出しした指示に従い先と違った手付きで的確な処置をし、炎症を起こした箇所に次々と包帯が巻かれ跡が隠されていく。同様に、切り傷を塞ぐために指先に触れられた際、火傷によって多少熱を帯びていたとしても人の子に扮しても隠しきれない程と、明らかに違う体温に眉一つ動かされず。威勢よく治療を申し出たと思えば素人臭く、怯えたかと思えば柔らかな笑みを浮かべる理解しがたい言動の数々に、皮肉めいた言葉をぽつりと呟き。――何時以来だろうか、私欲に溺れた人の子意外とここまで口を利き、目を見て語り掛けてくる者は。意図して周囲を寄せ付けずに過ごした時期が続いたからか、悪意なく接する感触がこそばゆく、その昔に同じように関わりを持った人間らとの出来事が頭を過る。懐かしさの反面、人間の本質は反吐が出る程見飽き、結んだ契りさえも出来心一つで簡単に移り変わる脆さは既に痛感してきた。だからこそ、何時の日か目の前の相手も――。徐々に変色する瞳の奥で零れた憂色を悟られぬよう影を落とし、処置を終えた腕を引き感覚を確かめるように何度か掌を握り。追手に仕掛けられた液体の匂いが鼻から抜けないからか、未だ感覚が鈍いものの幾らか戻ってきた五感を感じながら、手の平に付いた味気のない自身の血を舐め始め。)
けが人を放っておけなかっただけです。私がただの町民でも同じことをしました…。
(聖職者らしい、と言われると目をぱちくりさせては小さく笑って。前にも一度誰かに同じようなことを言われたことを思い出して。何時の日だったか、ある時こんな小さな村に異国の負傷兵がやってきたことがあった。戦争に負け、国を無くし路頭に迷っていた。町の医者は少なかったし、ここには大きな病院もない。だから教会に務めていた私も手伝いに向かうことになった。不慣れなことだったが、1人でも多くの人を傷から癒してやりたいと思った。だが、自分の担当にもったある1人の兵士は、自分と同い年くらいで致命傷とも言える深傷だった。それでも、傷の手当をした。だけど、彼はずっと「死にたい」と言っていた。もう良くならないから、と命を諦めていた。それでも、命を救いたいと必死になったが結局、苦痛だけが彼の心にも残り数日後、自分の目の前で息を引き取った。最期に「価値のない命を助けるとは、いかにも聖職者のすることだ」と言い残して。その言葉は、恨みとも憎しみとも悲しみともとれた。自分がやっていたことはただの自己満足なんじゃないか、と聖職者という肩書きにハマり周りが見えていなかったのではないのか、と。いつかあの日の彼を、もう瀕死だと分かっていた彼の手当を施した答えが見つかるように、ここまで生きてきた。そして、今目の前の男と出会った。相手が言わずともわかる。彼は自分が関わってはいけないような世界に生きている人で、怪我を負ったから、という理由もきっとまだ聖職者の肩書きの言い訳になるかもしれない。それでも、助けたいと思った。彼の瞳を見た時、あの日の兵士のそれと似ていたように思えた。表面では、自分に関わるなと壁を張っていてもその奥に見える孤独──その揺らめきを彼にも見た気がする。だから、傷を直した。聖職者としてではなく、1人の人間として彼に声をかけた。どこか昔を懐かしむような優しい笑みに戻れば上記を言って)
だ、ダメですよっ!血なんか舐めたら、感染症の原因に────!!
(相手が手を動かして感度を確かめてそれなりに動かせると安堵したのも束の間相手が、わずかに残った血を舐め始めて慌てて、相手の手をとって止めるが、その瞬間に見た、あの瞳の色。先程までハッキリとではないが、ゆらりとしたあの色が瞳の中で広がっている。それと同時に言葉を失いただ唖然とするしかなかった。そして、相手の人間とは異なる気配が何であるのか、1つの疑問がまだ正確ではないがゆっくりと、しかし確実に答えと繋がっていくのを感じると相手からゆっくりと手を離して、立ち上がれば半歩ほど後ずさりをして)
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