贄の子 2016-11-11 23:13:29 |
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ん。唯の貧血だ、気にするな
( 相手が駆け寄る姿を見れば愛おしく思い、ふわりと力なく微笑めば相手の頬に手をやり当てれば使用人が直ぐに来て焦りの表情をしながら駆け寄られれば朔夜の横に来ては「 白様、直ぐに横におなりください 」と真剣な表情で言われれば「 これくらい平気だ 」と白は負けず嫌いなのか、弱っているところを見られたくないのかそれを言い、朔夜をちらりと見れば「 朔夜に看病されたい 」と甘えて )
そんでも、顔色わりぃって…。
(大丈夫だと、気にするなという口調もいつに泣く気力がなくて、表情も青白く見え堪らず心配そうな表情を。駆け寄ってきた使用人が、休んでくださいというもそれを聞こうとせず。そして、なぜか自分の方を見つめ、甘えた態度を見せ。正直に言って看病とは何をすればいいのかわからなかったが、少しでも自分の力になれることがあるならばと、「…わかった。それで、お前が少しでも楽になるなら」こつんと額を合わせて。)
よし、そうと決まれば・・っと、
( 相手の承諾に上記を述べれば立ち上がった後ふらっとしてはそれに驚き呆れたのか「 私も歳をとったか 」と小さく笑い使用人は心配そうに見つめて「 朔夜様、後でお粥でもお持ちします。 」と朔夜に小さく告げれば空気を読むように居間から出て行きすれば白は使用人を見送れば眉を下げ「 すまない、朔夜、肩を貸してくれんか 」と情けないばかりか小さく言って )
いいぜ。少しぐらいなら体重かけてくれても構わねぇから
(使用人に小さく声をかけられれば、相手に聞こえぬようにありがと、と返し。居間から出て行くのを見送り。相手に、肩を貸してくれと頼まれ、申し訳なさそうな表情に、気にすんなと言いたげに笑みを返し、相手の方へ右肩を出して。相手が自分の右肩に捕まるのを見つつ、ふと思い出したことがあって、「お前の部屋ってどのへんだ?」今まで行ったことがないため、道が分からず。念の為に聞いておこうと。)
すまない、助かる。居間を出て真っ直ぐのところだ。
( 体重を掛けても良いと言われても、この身長差のためか出来るだけ体重を掛けないよう遠慮して相手の肩に腕をかければ「 朔夜、感謝する、ありがとう 」といつになく素直に礼を言えば自身の部屋からガタガタと騒がしい音がして )
…なぁ、おい。お前の部屋、騒がしくないか?
(いわれなれないお礼の言葉に、少し照れたり、自分のことを配慮してあまり体重をかけない相手にため息をついたりと、少しずつ廊下を歩いて相手の部屋の前へ。襖越しに聴こえてくる騒がしい物音に、何があったんだと相手の方を見上げ。)
はあ.....。ちょっと待っててくれ。
( それだけ告げればガラリと音を立てスパンと引き戸が鳴れば其処には妹であるスイの姿。何やら色々察して来たのか布団を引いているようで引き戸が開けばびくりと肩を鳴らしあはは、と何処か焦っているような苦笑いを浮かべては「 スイ、其処で何をしている 」と何処か怒っているような表情を浮かべて )
あっ、お前!
(先に入っていった相手が発した声に、ひょいと後ろから中を覗き込めばいつかの、妹の姿に声を上げてびしりと指を突きつけ。しかし、相手の持っている布団を見ればコイツも心配しててたのだろうかと思いあたり。何故か怒っている相手の横をすり抜けて、中へと入り。「まぁ、白、怒んなよ。こいつだって、お前の事心配してたんだろーし」未だ、認めたわけではないけれど今日ぐらいは庇ってやろうと。)
私は朔夜と...まあ、良い。スイ、朔夜に免じて許してやろう
( ひょいと現れた朔夜の言葉に直ぐ様いつもの表情に戻れば上記を述べスイに近づき頭を撫でてやれば「 に、兄様、後、これを届けようかと迷ったのですがやはり目を通した方がよろしいかと思ったのもありスイは参りました。 」頭を撫でられ照れながらも封を握りながら渡したくないのか恐る恐る渡そうとして白は心底面倒くさそうな表情をすれば「 ああ、分かっている。いずれは来るかと思っていた。にしても、懲りん奴だ、ありがとうなスイ 」とそれだけ告げればジィッとスイは朔夜を見つめ )
(自分が間に入ったおかげか、そこまで悪い空気にはならなかったようで。何時もどおりに見える会話に、ほっと安堵の息を付いて。相手の方へと手渡された封筒。その面倒くさそうな顔に、そういえば以前から届いていたなとふと思い返し。ふと気づけば、妹からの視線。「な、なんだよ」顔を合わせば、兄様、兄様と騒がしかったくせに逆に何も言われないのが気まずいのか少したじろぎながら問いかけ。)
朔夜!兄様困らせたら承知しないんだからね!?わかった?!あ、それからこれ、式場の案内状。兄様には渡ってると思うけど、兄様のことだから読まされてないと思って!
( ブラコンであるスイは人差し指をビシッと突き立てれば上記を述べ、恥じらいもなくその封を渡せば満足げな顔をしては兄に向かい「 じゃ、兄様後はヨロシクしといてくださいな。スイは帰ります 」と告げ、ふわっと煙になり消えれば白は満足げな顔をしたスイに呆れたのか安心したのかやれやれと言わんばかりの顔をすれば「 騒がしくてすまないな 」と朔夜に詫びの言葉を言い )
…嵐のごとく、だな。
(受け取った案内状を片手に、何事もなかったかのように過ぎ去っていった彼女に、ポツリとそんな喩えを。受け取ったそれを、ぼんやりと見つめ、以前にも式だ云々の話をしていたような気がするなと。「別にいいぜ。あいつが騒がしいのはいつものことだろ」読みながら答えているせいか、上の空になりながらも相手の言葉に返答し。)
まあな、朔夜にあんな事を言うだなんてスイも素直になったもんだ
( 今までを思い返せば縁側にて柱に背を預け空を見上げれば結界を張った場所を確認して静かに目を閉じサラサラと長い髪は下に向かって流れていくように落ちて行きそれをかき上げれば手を床につけて相手を見れば微笑みながらポンポンと叩いて )
あれでも、素直になった方なのな…。人差し指突きつけられたぞ、俺。
(今までの騒動のことを思い返しては、遠い目でどこかを見つめて。われに返って、手に持っていた案内状を手頃なところに置けば縁側で柱にせをあずけて座る相手の姿が目に入り。せっかく用意してくれたのだから横になっておけと言おうとして、髪をかきあげる仕草に目を奪われ。はっと気づいたのは、相手がこちらを見つめ隣に来るように催促している時で、「隣に、座ればいいのか?」首をかしげつつ近寄って隣に座り。)
それもアイツの愛情表現みたいなものだ。そう、朔夜、おいで?
( 妹の事を思えばそれを言い、相手が素直に訪ねてきては嬉しく思い、ふふっと小さく笑えばまたも床をポンポンと叩いて「 朔夜、私は人間が苦手だった。でもお前は違う 」と優しい表情になりながら本心を言えば煙菅を袖から近くにある棚から取り出せばそれを口に含み )
そういえば、前にも言ってたな。…つか、よくもまぁ人間嫌いのくせに俺をここに置く気になったもんだ。
(愛情表現と言われれば、そんなものかとなんとなく納得し。向けられる優しい眼差しが、どことなく気恥ずかしくて目線を床へと落とし。そういえばと、出会い頭のあの会話を思い出しつつ今となっては遠い昔のように感じながら返して。「なぁ、それ、美味いのか…?」再び口に加えられる煙菅をじぃ、と見つめて。己のように貧乏人には、話には聞くものの、見かけないものなのか少し興味ありげな瞳をしていて。)
なんか、な。お前にどうやら私は惹かれたようだ。
( ふと当時の事のように思い出し一人浸っていれば煙管に目を向けた相手を見ればお、と少しばかり驚いて「 朔夜はまだ駄目だな、身長止まるぞ? 」と相手の背丈を思い出せばふと笑い )
身長止まんのかよ!?なら、嫌だ。
(やってみたいという好奇心はあったものの、身長について指摘され、ぐっとそれを押しとどめて我慢することにしたようで。それでも、完全に抑えることは無理だったのかちらちらと視線は送り続け。はた、となにか重要なことを思い出し、「ってかお前、こんなことしてねぇでさっさと寝ろ!まだ疲れてんだろーが。折角布団も用意してもらったんだし」すっかりと話を流されてしまっていたが本来の目的思い出してば、その場に立ち上がって。)
ふ、まあ私は両親共々背が高いからかこの背丈だが。
( 相手の反応を見るや、クスっと笑い自慢じゃないがと思いながらもそれを言い、「 一緒に寝てくれないか? 」と無意識かちらりと相手を見れば眉を下げ恥ずかしげもなく伝えれば煙管をカタリと置いて温もりが恋しくなったのか急に相手を抱きしめて )
俺の親も、普通に身長はあったけどな!
(負けじと言い返すも、自分で言ってなんとなく悲しくなり。けれど、こうして憎いと思っていた両親のことを口に出すことができる日が来るとはと自分でも少し驚いていて。突然包まれる相手のぬくもりと、無意識のうちに発したであろう甘えたい気持ちが詰まった言葉。こうした言動が時折ずるいと感じながらも、結局は断れない自分も大概甘いと内心息をついて、「…わかったから、さっさと寝ろ」ぽんぽんと、背中を軽く叩いて。)
....ん。そうする。
( ふと微笑みを浮かべれば、立ち上がり静かに足音を鳴らさないよう布団に潜り込み、ぬくぬくと温まり隙間を開けるよう掛け布団を開けて来いと言わんばかりに相手を待ち )
(己から離れ、大人しく布団へ潜りこむ相手を満足げに見つめ。しかし、自分を誘うように場所を開けてくるので仕方がないと苦笑しつつも歩み寄ってはいそいそと相手の隣に収まり。だんだんの暖かくなっていく体温を感じつつ、果たしてこれは看病というものなのだろうかと疑問に思うも、そもそも普通の看病の仕方すらわからないため考えても無駄だと思考を破棄して。「――…そういや、あいつ…、スイから封筒みたいなもん受け取ってたみたいだけど、あれ。何なんだ」以前から、どこか難しげな顔をして受け取っているそれに興味を示し。)
ん、ああ...。それは妖界からの招待状だな。私は追放された身だから、何とも言えないが。
( 大人しく布団に入って来てくれた相手を見れば満足げにくすりと微笑み、そのせいか少しばかり過去の話も含め相手が訪ねて来たことを返せば「 朔夜が式をあげたいと思えば私は行くよ 」と過去を思い出したのか何処か寂しげにでもそれも愛おしそうにふわりと笑えば自身の手を相手の頭に乗せて柔らかく撫で )
…別に俺は、女のようにそういう儀式に憧れを持っているわけじゃないし。式をあげなきゃ一緒になれないわけじゃねーんだろ?…だったら、無理して行く必要はねぇ。
(己の頭を優しく撫でて、愛おしそうに、寂しそうに、何とも言えぬ表情を近くで見ればきゅ、と胸を締め付けられるような感覚を覚えて。式にあまり興味がないというのも事実ではあるものの、そんな顔を浮かべて欲しくないのが本当の理由で。ふいに自分は、相手を知ら無さ過ぎることに気づいて。いつか、しれたらいいと胸の底で思い。)
そうか?なら構わない、したくなれば言えば良いさ。私はーー・・・。
( 話して入れば束の間返事を聞けば安心したのか言葉は途絶えう虚ろになれば静かに目を閉じ相手を撫でるその手は動きを止めて静かな寝息を立てて眠れば暫くたち、寝言から「 朔夜・・ 」と相手の名を呼び目を細めてまた深い眠りにつき )
…――おやすみ、白。
(たちまち口調がとぎれとぎれになり、瞼も重くなっていき。いつしか聞こえてきた寝息と、寝言で呼ばれた名前にふ、と頬を緩めさせ。相手の頬に手を寄せればその額に軽く口づけを落とし。相手を起こさぬようにいそいそと布団の中からはいだして、布団のそばに腰を下ろせば漸く一息ついて。ぼんやりと寝顔を見つめていれば、失礼しますという声とともに開かれる引き戸。そこには、お粥をお盆に乗せた使用人の姿が有り。寝ていることに気づいていないのか、そのままの音量で声を出そうとする彼女へ顔を向け、己の口元に人差し指を上げて、しっ、と静かにするように合図すると使用人もようやく気づいたようで。お粥を置いて、出て行く使用人を見送れば再び部屋の中は静かになり。)
…ん。ああ、寝てたのか。
( パチリと目を開ければ横にいる相手を見ては安心して、微笑みながら上記を述べればよいしょと言わんばかりにゆっくりと体を動かし壁にもたれかかるように背を預けてあぐらをかけば近くにあった煙菅を取り一吸いすれば煙を吐き、「 すまない、暇だっただろう? 」と眉を下げては訪ねて )
…もう起きたのか。もう少し寝てりゃいーのによ。
(ぼんやりと縁側を眺めていれば布団が動く気配に視線を動かして。体を起こす相手にもう少し休んでおけばいいののにとこぼし。さきほど聞いた話によれば、宴の準備はちゃんと進んでいるとのこと。それまで時間があるのだから今はゆっくり休めて欲しいと。「平気だ。ぼんやりとするのも案外楽しいしな。――…と、さっき使用人の奴がお粥持ってきたんだ。少し冷めてるけど…、ほら」先ほど運ばれてきたお粥のお椀を持ってくれば、相手の方に差し出して。)
いや、自然と目が覚めたよ。不思議と疲れは取れたさ
( 上半身だけ布団からむくりと出せば髪を結んでいた紐がほどけさらりと髪が垂れ下がりいつものことのように慣れた手つきで髪を耳にかけてちらりと相手を見ては外を眺め黙って相手の話を聞いては頷き「 ありがとう 」と微笑み、粥を食べ始め「 ん、疲れが取れたのは朔夜のおかげかもな 」と満足気に笑い )
別に俺は、何もしてねーよ。
(相手の言うとおり、表情には疲れは一切見えず、ちゃんと休めていたことに安堵の息をこぼし。素直な感謝を伝えられれば、慣れていないからなのか照れくさげに顔を背けさせて。粥を食べる様子を横目で見ていればふと思い出したことが有り、「…あぁ、そういえば。それ持ってきた時に使用人の奴が言ってたんだけどよ…、『宴の準備は順中に進んでおります』…だとさ。だからもうちょっとここでゆっくりしててもいいと思うぜ」相手の方は見ず縁側に見える景色を見ながら告げ。)
そうだな、ん、朔夜?おいで
( 相手の言葉を理解して気づいたら粥は食べ終わり床に置けば空いている手が暇になってしまい寂しくなったのか微笑みながらぽんぽんと布団を叩き上記を述べ 、甘えられる相手がいるという幸せを思うとふと本音がポロリと出て 「 嗚呼、私は本当に朔夜に惚れ込んでしまったようだ。 」もっと言いたいことはあったがそれはそっとしまいこみ )
…っ、うっせ。何度も言わなくたってわかってるっての。
(時間は余っているし、厨房にでも行って手伝えることはないか探しに行こうと腰を上げると同時に呼ばれ。布団を叩く動作に、一瞬迷うように視線を彷徨わせればまぁ、仕方がないかと相手の傍に移動して。ポロリと溢れたであろう本音。恥ずかしげもなく行った相手に対し、どうしようもない照れくささについつい本音と真反対の言葉が飛び出して。)
ん、やはりこの温もりは誰にも渡したくないな。
( 側に来た相手をぎゅっと抱きしめればその温もりはとても心地よくそれと同時に心地の良い風が吹きふわふわと耳が揺れ、これが幸せというものかとそれは言わずにそっと心にしまいこみ、暫く心地の良い時を染み渡らせれば部屋の引き戸から使用人であろう声がして )
…つーか、お前のもんだろ。婚約した時点で。
(傍に来いと言われ近づいてみれば急に抱きしめられ。しかし以前のように抵抗しよういう気も起きず、ただ居心地のいい腕の中にずっといたいと思い。微かに響く胸の音にす、と目を閉じかけたところで部屋の向こうからの声に目を開けて。「…ん、誰か来たみたいだぞ」自身としてはこんなところ誰かに見られたくなくて、もぞもぞと体動かして腕の中から抜けだそうと試みて。)
まあ、そうだな。ん?見せつければいいだろう
( もぞもぞと抜け出そうとしているであろう相手を背後からぎゅっと抱きしめながら引き戸からすっと引き戸を引いて使用人が現れれば「 支度が整いましたので、お庭にてお待ちしております 」と丁寧に今の様子を伝えて来て「 ありがとう、直ぐに行く 」と白はそれを伝え、使用人が下がればちらりと相手に顔を向け )
ちょ、離せ…っ。
(もう少しで抜け出せると言うところを背後から腕を回されたせいで、できず。慌てた声をあげるも力は緩むことなくて。結局、抱き締められたまま使用人との会話を終え。去り際の使用人の緩められていた頬にまた噂になるぞと、げんなりとした顔で。不意に視線を感じて、「…なんだよ?」見つめ返しながら、首を傾げて。)
いや、照れている朔夜も嫌いじゃないと思ってな
( 慌てている相手を自身では異常なくらい愛でたくなる気持ちをグッと抑えながら言った言葉が其れで、自身でもまだまだ照れ臭い思いがありながら不器用な言葉を並べ、さてとと言わんばかりに相手を離し立ち上がる仕草を見せれば「 行くか? 」と一言伝え自身は宴があると酒も入り踊る癖があるため桜柄の扇子を帯にしまい )
は、はぁ?…意味分かんねぇ。
(いきなり何を言い出すのかと目を丸く見開いたあと照れ隠しか顔を横に背けさせて。先に立ち上がる姿を見て、先程からやられてばかりだと少々不満に思って。自身も立ち上がえば、相手の肩を支えにしてわずかに背伸びをすれば軽く相手の口に地震の唇重ね。「…っ、先行っているからな」恥ずかしさや照れくささでどうにかなってしまいそうなのを堪えつつ、先に部屋を出ていけば庭の方へ向かって。)
....っ。
( 唇が重なれば驚きのあまり目を見開き口を囲うように抑え、相手が部屋から出て行くのを確認すれば空いてる手の方を壁にやり何やら耐えていて、落ち着けば済ませたような表情をしながら庭へ向かい )
…よし、俺頑張った。頑張った、…よな?
(廊下をすたすたと歩き、後ろから相手が追いかけてこないのを確認すれば歩みを一旦止めて胸に手を当てて息を吐き。触れた感触がまだ残っており、頬の熱も未だ覚めてはいないがいつになく満足感があって。暫くすれば再び庭の方へ歩きだし。)
今日は酔うな、きっと。
( ふと、長い廊下を歩きながらピタリと止まり、窓の外を見て赤く夕陽に染まる空を見上げればポツリと独り言を呟き、ふっと小さく笑い自身の唇に手を当て先ほどのことを思い出せば「 慣れないことを 」と相手を思うことからこの言葉が出て、愛おしいと言う気持ちに心が温かくなり )
…あー、そういや考えてなかったけど。白と顔合わせた時どうすっかな。
(頬の熱も収まり始めた頃、ようやく見えてきた目的地。不意に思い出せば重く長い息を吐き出して。深く考えずすぐに行動を起こすこの頭の中をいつかはどうにかしなければと心に決め。ふいに後ろからの気配を感じ振り返れば先ほど別れたばかりの姿。「おー、遅かったな白」できるだけ平常心を装い、へらりと笑ってみせ。)
ああ、朔夜からの口づけについ、惚けていて、な?
( 相手のへらりとする余裕の表情を見れば此方は素直に思ったことをいちいち強調するかの様にわざと言い、告げれば小さくくすりと笑うと相手に近寄って耳元でぼそりといつもより少し低めに「 ありがとう、朔夜。可愛かったぞ 」と伝えそれを言い終えれば満足げな表情をして )
…っ、余計なことばっかり言いやがって。
(余裕だという態度を装ったのにも関わらず、相手の目の前は無意味だったようで。耳元に囁かれた言葉で、顔にさっと朱色が帯びて。満足気な表情に囁かれた側の耳を片手で覆いつつ、わなわなと体震わせながら熱の残る顔で相手睨み返し。)
ふ、そんな可愛い顔をしても無駄だぞ。朔夜
( キッと睨まれていても微動だにせず、寧ろ楽しんでいる自身は余程の物好きなのだなと実感して、すればずらりと横一列に並ぶ使用人がサッと宴の準備が出来ましたと言わんばかりに避け、1人の使用人が「 お話中失礼致します。ささ、白様、朔夜様どうぞ此方へ 」と案内をする様に中腰になりながら手を前に出し案内しようとして )
……なんつーか、まだこの感覚はなれねぇもんだな。
(自分が出来る限り睨んでやったはずなのに微動だもせず、さらりと交わすさまをぎりりと奥歯噛み締めては悔しがり。さて、口づけ以外に目の前の男を動揺させる方法はないのかと早速考え始めて。まるで向かい入れるかのような体制に村にいた頃とは全く違う扱いの差であるためか、苦笑いをしつつも歩みを進めて。)
時期に慣れるさ。
( 歩きながら上記を述べ、案内された場所に移動し、胡座をかいて隣に座る様そこにポンと手をやればニコニコと笑い使用人達が酒を持って来れば2人の席に置いてある酒皿に注ぎいざ乾杯の合図をしようとすれば )
そーいうもんか…?
(相手に指図されるがままにその隣に座って。なにか壺のようなものを運んでくる使用人を見つつそんな日は一生来ないような気もするだなんて呟いて。目の前の更に注がれたものだから漂う香りに酒だということに気づけば、ばっと相手の方へ向き「ちょっと待て。俺、酒なんて飲んだことがねぇんだけど」自分たちが生活するので精一杯だった村での生活。酒だなんて贅沢なものを飲んだことがあるはずもなく。)
朔夜は、いや、お前は変わらなそうだな。
( 胡座をかきながら相手に視線を写し、相手の素性を何となく知った上でか何かを言いかけたが、少し視線をずらしながら取り消すかのように付け加え話し続けそれが言い終わればフッと小さく笑い、使用人が持って来た酒に対し慌てる相手を見るなり悪戯する子供のような企んだ表情をしながら 「 ああ、朔夜はミセイネンってやつだっけか? 」飲んだ事ないと言う言葉とはまるで違う言葉で返しニタニタと口角を上げて )
な、…お、俺だって酒ぐらい飲めるっての!
(何かを言いかける相手であったが、ふーんと相槌を打って顔を見つめるだけにとどめ。その言いかけた言葉を深く追求するようなことはなく。口角を上げながら言う様に間違いなくからかっているのだとうことは十分理解していたが、未成年という言葉の裏で背丈のことを馬鹿にされているような気もして。売り言葉に買い言葉。ついつい勢いに任せて強気に言い返し。)
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