夕樹 美月 2016-07-23 13:13:25 |
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(その日の昼頃、携帯にメールが届き。確認してみれば今朝連絡してきた同級生で。店に来てくれれば特別待遇でもてなす、とのこと。それを見て軽く溜め息を吐き。そこまで誘われては行かないわけにもいかず、ただ、1人で行くような場所でもなく。携帯を手にしたまま美月へ宛ててメールを作成。『今朝のテレビでやっていた海へ行くことになった。店に迷惑が掛からない日に休みを取れ。』と送信し)
(やっと今日も無事レストランの仕事が終わり、更衣室で着替えながら何の気無しに携帯を見ればメールが来ており。それは彼からで朝見たあの海に連れて行ってくれるそう。画面を見て思わず頬が緩み片手でぐっ、と握り拳作って喜びを露わにし。水着買わなきゃ。そう思いながら高ぶった気持ちでキャバクラに行き、店長に休みを貰いたい事を伝えると明後日なら良いという事で。それを聞くや否や直ぐにメールを作成し、『 明後日なら大丈夫! 水着姿楽しみにしててね。』と彼の元に送信しては。)
(デスクワークに勤しんでいれば携帯が鳴り、メールを確認して。その文面の"水着姿"というワードに引っ掛かり。"…海に入る気か? 海パンなんかねぇぞ…。"と内心で呟き。しかし、それを文字に起こすことはせず、『了解。』とだけメールを返し。それから同級生に電話を掛け、「…明後日、お前んとこ行くから。」といった旨を口頭で伝え、電話を切り)
( / 飛ばします!
__.. 後5分だけ待って。( 今日は待ちに待った海に行く日。昨日アパートを引き払い、そこから荷物を色々持って来て自室となっているここにはまだ段ボールが山積みで。洋服店の店員さんと選びに選んだ、淡いピンク色のノースリーブワンピースに髪の毛は片側で三つ編み。後は化粧だけなのだが先程から準備完了の彼が早くしろと煩い。女の子なのだから準備に時間が掛かるのは許して欲しい。ドレッサーの前で顔と睨めっこしながら上記述べ。そしてそれから5分後、何とか全てを完了させ水着の入った少し重めの鞄を手に持ちリビングへ歩を進めては「 ごめんなさい、お待たせ。」とにっこり微笑み述べ。)
(出掛ける当日。己は洗顔歯磨きと何時も通り準備を進め、服装も白Tシャツに淡い色のデニムと簡単に決めた為、早く準備が済んで。リビングで壁に凭れながら相手を待っていたが、なかなか姿を現さず。やっと来た相手に、「これも頼む。」と相手の鞄の上に海パンだけをポンと置き、一緒に持っていかせようとして。すぐに立ち上がり、吸っていた煙草を消してから玄関へ向かい)
( 彼が渡してきた物は水着だ。一層楽しみになり、頬が緩みっぱなしなのは許して欲しい。うきうき気分で玄関であまり高くないヒール履き彼の一歩後ろを付いて行って。エントランスを抜けると外は猛暑であり、思わず目を細め片手で陽を遮る様に頭の上に上げ。)
…車、持ってくるからまだ中に居ろ。
(先に外へ出ていった相手に後ろから声を掛け、顎でエントランスを指しつつ上記を。己は再びエレベーターに乗り、地下駐車場へ。3年前と変わっていない愛車に乗り込み、地下から地上へエンジン音を響かせて。エントランスの前で車を停め、美月が来るのを待ち)
_.. ありがとう。( 暑いから中で待ってろ、というのは彼なりの優しさだろうと信じたい。颯爽と居なくなった彼にぽつりと感謝の言葉を呟いて。暫し待つとエントランス前に明らかに高級車な格好良い車が停められ、中を凝らして見ると彼が乗っており。小走りでそこまで向かい助手席の扉開け中に乗り。「 じゃあ、海にしゅっぱーつ! 」と動き出した車と同時に片手で拳を上げ気分高めに、にっこにこ笑顔で上記述べて。)
(妙にテンションの高い相手にフッと口角を上げ。車を走らせると日差しが強く、視界が眩しかった為、サングラスを取り出し、それを掛け。「…高校の同級生が海の家を始めたらしい。そこに向かう。」と、そういえば美月に伝えていなかったな、と思い起こし直前に伝え。道が混まないことを願いつつ車を走らせ)
へえ、高校生の時の。蓮さんの高校生ってどんなんだった? ( 消えて行く景色を見ていたら海の家の説明が。納得しながらさり気無く彼の高校時代の事を聞き出そうとし。そして車内はクーラーのお陰で涼しいものの外からの直射日光で肌が焼けそうで、持って来ておいたカーディガンを羽織れば。)
……少年院へ送られなかったのは、儲けもんだったな。
(どんな高校生だったのかと問われると、自ずとその頃の自分を振り返り。断片的に思い出されては上記の様に答えるが、それは決して武勇伝を語る感じではなく、若気の至りを悔いるようで。暫く車を走らせていると、少しずつ車が増えてきて、渋滞が予測され)
.. そ、それ以上は聞かないでおくね。( 暴走族の総長で、とか成績優秀で、とかそれなりの返答を待っているとそれをも超える凄まじいもので。若干顔が引き攣りながら上記述べ。そして窓の外を見ると先程より遥かに増えた車の数。渋滞か、運転大変そうだな。だが彼とこんなにゆっくり話せる時間は今までに数少なく、「 そういえば、蓮さんの誕生日っていつ? 」と何とも初歩的だがずっと聞きたかった事を聞き。)
4月30だ。
(そういえば、少年院云々の話は中学の頃だったか、等と記憶を紐解いていれば、相手から次の質問が。上記の様に簡潔に述べて返し。己にとって誕生日は然程重要ではない。しかし、「お前は。」と聞き返してみて)
春生まれなんだね。( 自分の勝手な妄想では彼は冬生まれの設定だったが真逆の春生まれで。相槌打ちながら上記述べ。そして自分の誕生日を聞かれると、「 1月28日だよ。」とだけ言うと口角上げ微笑み。)
そうか。
(此方から聞き返したが、その日付はまだ先で、きっと忘れてしまうだろう。「お前、父親はいないのか?」と、ゆるゆると車を走らせながら問い掛け。母親の話は出てくるが、父親の話は聞いたことがなく、クローンでもない限り父親は居るはずで)
_お父さんは、.. 今頃私の事なんか忘れて新しい家族と楽しくやってるよ。( 彼と初めて出会った時はまだ両親はいたが、どちらも家に帰って来ずにお互い恋人が居るらしくて。しかしこの3年間の間に離婚し自分に残ったのは勝手に保証人にされた借金だけで。と、久し振りに両親の事を思い出し、父親の事を聞かれると自嘲的な笑みを浮かべぽつりと述べ。「 蓮さんのご両親はどんな人? 」と暗くなった雰囲気を変えるかの様に明るく問いみて。)
今はどっちも居ない。
(相手が明るく聞いてきたが、その答えは大して明るくなく、己も淡々と答え。「母親は俺を産んですぐに、父親は俺が二十歳の時に死んだ。」と付け加えて。特に己にとって悲しい記憶でもなく、飄々とした雰囲気さえ醸し出していて。喉の渇きを感じ、すぐ其処にコンビニが見えると左折して車を乗り入れ)
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