▷ natural ◁

（ 特訓、という言葉はｽﾙｰしておこう。(←) そして水着を直せと言われると慌てて首裏の紐を結び胸の位置に合わせ。Tｼｬﾂを彼に差し出すと「 ありがとう。ごめんね、背中隠してたのに.. 、」と先程の周囲の反応から、頭を下げ謝り。）

あぁ。
(Tｼｬﾂを受け取ると立ち上がり、窓へ向かい、そこから腕だけ出して外でTｼｬﾂをきつく絞り。それを広げて再び着ては、また椅子に座って。「気分はどうだ。」と尋ねながら、小さなﾃｰﾌﾞﾙに置いていたお茶を相手に差し出し)

全然平気! （ 溺れた後にも関わらず気分は悪くは無くて、問い掛けられるとにっこり笑みを浮かべ上記述べ。そして差し出されたお茶をまた口に含み周りを見渡せばﾗｲﾌｾｰﾊﾞｰも誰も居なくて。「 さっきの続き。」と溺れる前のｷｽの事を口に出し、ちょっとだけ唇を突き出して人差し指でちょん、と触りｱﾋﾟｰﾙをしてみて。）

さっき何回もしたんだけどな。
(相手の要求に、暗に先程の人工呼吸のことを指しつつ、ﾌｯと口角を上げ。「…欲求不満か？」と言いながら、ゆっくりと相手の方へ身を乗り出していき。そして、目を細めて妖笑し片手で相手の頬を包み)

さっき? （ 先程は1回しかしてない様な気がするけど、と思い眉寄せ首傾げて上記を聞き返し。そして頬を掴まれ欲求不満かと問われれば、「 .. そうかも。」と素直に同意し至近距離にいる彼の唇に重ね合わせる様に近付く、と同時に” 大丈夫か!? 蓮の彼女が溺れたって聞いて、” と扉が壊れる程の騒音靡かせ、彼の同級生さんが入って来て。あと数ｾﾝﾁで邪魔されてしまい「 .. ﾀｲﾐﾝｸﾞ悪過ぎ! 」と睨みながらほぼ初対面の同級生さんにﾂｯｺﾐを入れ。

(突如入ってきた同級生に、反射的に視線を向け。同級生に突っ込んでいる美月の頬に添えた手は未だそのままで、同級生が居ても構わず、美月を此方へ向かせて唇を重ね。ﾘｯﾌﾟ音立てて唇を離してから、「…もう大丈夫だ。」と同級生へ向けて平然と言ってのけ)

（ ぷんすかと怒っていると彼に先程からの流れを変えずにそのまま唇を重ね合わせてきて。一瞬の出来事だったのできょとんとするも、人に見られたという羞恥心から顔を真っ赤にして彼の胸を両手でぽかぽか叩き。「 .. す、すいません。もう平気です.. 。」と先程突っ込んでいたのは何処やらで、恐縮しながら頭を下げて。）

…ちょっと、お前のとこで休ませてもらうわ。
(気まずそうにしている同級生に向け、上記の様に頼んで。すると同級生も気を取り直し、"おう、分かった。じゃ、良い席空けて待ってっから。"と言って救護室を後にし。それから美月に向かって、「ちょっと待ってろ。荷物取ってくるわ。」と、相手の頭を軽くﾎﾟﾝと撫でてから立ち上がり、救護室を出て、己らの陣取っていた場所に向かい

（ どうやら海の家で休ませて貰うらしい。同級生さんも彼も出て行ってしまった救護室で1人顔がにやけてしまい。だって頭ぽんぽんは女の子の憧れだし、何と言っても彼が優しい。普通に前から優しいがこんな明らさまに優しくされると嬉しくて堪らない。まあ、溺れてしまった事からだろうが。そんな事を考えていると数分経ち自分も外に出ると丁度向こうから彼がやって来ていて。そして2人並んで海の家に行くとお昼時はもう過ぎたからか、人は疎らでゆっくり休めそうな空間であり。）

…おう。
(海の家の中に入ると、同級生が空けておいてくれた席を教えてくれ、上記の様に片手を上げて返事を返し。その席は店内の奥の方にあるが海も望めて、なかなか落ち着けそうな場所で。そちらへと歩を進め、椅子に座ったところで、ﾊﾞｲﾄの子がﾒﾆｭｰを持ってきて己らに広げて見せつつ、明るく挨拶をしてきて)

_ 凄いいっぱいあるね! 何にしよっかなあ、（ 外を見れば海が一望できここは素敵な席であって。ﾊﾞｲﾄの子に挨拶を返すと、美味しそうな写真が載っているﾒﾆｭｰ見てうきうきと彼に話し掛け。かき氷は絶対に食べたいし、たこ焼きも美味しそうだけど焼きそばも美味しそう。頭の中で迷いながらﾒﾆｭｰを行ったり来たりして。）

俺はｱｲｽｺｰﾋｰ。
(相手が楽しそうにﾒﾆｭｰを見ている様子に、それほど体調が悪くなっていないことが分かり。相手の問い掛けには上記の様に答え、荷物に手を伸ばすとそこから煙草の箱を取り出し。ﾃｰﾌﾞﾙ上の灰皿を己の方に寄せつつ、１本を口にくわえ、それに火を着けて一服し)

（ やっぱりたこ焼きにしよう。やっと決め終えると店員さん呼んで「 ｱｲｽｺｰﾋｰとたこ焼きとかき氷の苺味下さい。」と彼の分も一緒に頼み。店員さんが去って行き、彼を見ると煙草を吸っている様子。「 .. ねえ、煙草って美味しいの?」と何気に疑問に思っていた事を聞くと頬杖付き首傾げて。）

……まぁ、味はする。 …吸うか？
(相手の問い掛けに、紫煙を一筋斜め下に吐き出してから、指にある煙草へ視線を向けつつ答え。それから、煙草を空いている方の手で摘まむように持ち、相手の方へ差し出してみて)

（ 見れば普通に美味しそうに吸う彼。問われて吸ってみたくなった理由はただの好奇心と、もっと彼に近付きたくなったから。こくりと頷き差し出された煙草を不器用ながら一息吸えば、肺に苦い空気が入り込んで思わず吐き出し咳き込んで。「 うわ苦い、けほｯ、」と半分泣き目になりながら彼に煙草を返すと、二度と吸わないと心に誓い。）

…別に、吸うことを勧めはしない。
(煙草を返してもらうと、己が初めて煙草を吸ったときのことを思い出しつつ、上記の様に話して。先程溺れた相手に、煙草を吸わせるべきではなかったか、と少し思っていて。ｱｲｽｺｰﾋｰが来るまで、海を眺めながら煙草を燻らせ)

.. 蓮さんも肺癌とかならないように気を付けてね。（ そういえば彼はいつも煙草を吸っている。漸く咳も落ち着き、癌になって欲しくない一心から懇願するように上記述べ。そう話す内に頼んだ物が来て、一気に顔が綻びたこ焼きとかき氷に目線向けて。たこ焼きを一つ口に放ると熱かった為に口元抑えて涙目になってしまい。「 あっつい、でも美味しい! 蓮さんもどうぞ。」と熱いけど美味しいこれを彼にも勧め差し出しては。）

…気を付けようがねぇな。
(相手の言葉は、裏を返せば煙草を止めるということで、上記を独り言のように返して。煙草を灰皿に押し付けて消していると、頼んだものが運ばれてきて。ｱｲｽｺｰﾋｰを一口飲んでいると、相手はたこ焼を熱そうに食べており、それを己にも勧めてきたので、一つを口に放り。熱かったが久しぶりに食べたそれは意外と美味しく)

美味しいね!（ たこ焼きを食べた彼も顔が緩んでいたから美味しいんだろう。にっこり微笑むと同調する様に彼に話し掛けて。そして暫くして食べ終え、かき氷を食べようと。既にちょっとだけ溶けているが苺味がとても美味しい。彼にもｽﾌﾟｰﾝに一口分のかき氷を盛り あｰん しようとした所、” あっれぇｰ? 瀧賀さんじゃないですかあｯ! ” と高らかな声が聞こえてきて。ゆっくり声の方に振り返ってみるとそこに居たのは友達数人と来ていた瑠奈さんで。「 .. な、何で瑠奈さんが、」と嫌そうに声上げるもｽﾌﾟｰﾝの位置はそのままでいて。）

……あ？
(かき氷も一口貰おうかと思っていたところで、女の声で名前を呼ばれればそちらへ視線を向け。しかし、全く覚えがなく、眉間に皺を寄せ、低い声で上記を洩らし、鋭く睨んで。女よりかき氷の方に気持ちがいっており、止まっている美月のｽﾌﾟｰﾝを勝手に取り、一口食べて)