鋼のこころ 〆

っ！クソっ！どうって准将、あの野郎捕まってたんじゃなかったのかよ！？

（会場内に入るや否や変な連中に銃口突きつけられオマケに閃光弾で目眩まされ身動きが取れなかったとは言え、何も出来ずみすみす大切な彼女を奪われてしまった自分が不甲斐なく酷く腹が立ち壁に拳を叩きつける。数年前、軍上層部からの命令で弟と協力して奴を追い詰め捕まえた相手。奴の身柄を駆け付けた憲兵に渡し投獄された筈だ。それが何故こうしてこの場に現れたのかと、近付いてきたロイに八つ当たり同然に喰って掛かり。）

【マスタング】



それに関しては、こちらに落ち度があるな。
数日前に彼が脱獄したと、知らされた。だから警備は万全を期していたはずだったが…どうも仲間がこちら側に紛れ込んでいたようだ。彼女を巻き込んでしまってすまない。
相手の声明は、君に1人で来いという条件つき。
しかし錬金術が使えない君に勝てる相手ではない。

( 凄い剣幕で詰め寄られれば、彼の言う事に関しては此方が悪いと非を認め。モーガンが脱獄したことに関しては数日前に知らされており、そのためパーティの警備も固めたはずだった。そして彼がエドに恨みを持っていることも知っていた。彼女を巻き込んだのはこちら側の責任。しかし1人でこいという言葉通りに彼があちらに行けば、錬金術も使えない丸腰で挑むことになる。少し考える素振りを見せて。 )

だったら何故ッ──！！
…言っとくが止めても無駄だぜ。錬金術が使えなかろうが、丸腰だろうが関係ねぇ。俺が行かなきゃウィンリィを救えねぇ。

（脱獄したと知っていたのなら事前に教えて欲しかったと言おうとするが、謝罪してきたロイに硬く拳を握り言葉を飲み込み。これ以上誰かを責めてもウィンリィを助けられる訳じゃない。ロイの言う通り、錬金術を使えない自分が行っても勝てないかもしれない。けれどそれでも准将達に任せてジッとしてはいられないし、命よりも大切な人を失いたくない絶対に。錬金術は使えなくとも体術は使える。キッと前を見据え、絶対に助けるんだと言う強い意志を眼差しに宿せば）

奴のお望み通り出向いてやろうじゃねぇか。准将、動きやすい服貸してくれ。それから援護頼む。

【マスタング】


…あぁ。君ならそう言うと思っていた。
止めても行くんだろうな。

大尉。

( 近くにいるホークアイへと視線を送り、共に援護に回ることに。相手の覚悟を受け止め、「こちらにこい」とホテル前に止めてある車に乗り込み。ジャケットを外しやネクタイを緩め、相手にも動きやすい服、それと拳銃を一丁を渡し。)

…拳銃は受け取れない。人を撃つための道具に変わり無いから。

（後を着いて行き同じ様に車に乗り込めば、同様に着ていた上着やネクタイ、ベストに手袋と言った上に着ていたものを脱いで受け取った動きやすいシャツに着替え。拳銃については受け取るか躊躇してこんな事言えば生温いだのと言われるかもしれないが、以前と同様に上記を述べ）


（／この後モーガンも出す様なので、ホークアイは出さずにいかせて頂きますね。ロイと行動を共にするのは間違いないので、適当にロルに組み込んで頂いて大丈夫なので！／レス蹴り可）

【マスタング】


…相変わらずだな。
よし出すぞ。

( 相手の言葉には、錬金術が使えなくなってなお考え方は変わらないのだと思えば、小さく笑って。隣にホークアイが乗ったことも確認すれば車を出し倉庫へ走り出す。)



(/ 了解です！！ありがとうございます！！)

──あんま近いとバレる恐れもあるから、この辺で降ろしてくれ。ウィンリィを保護したら合図を送るよ。

（暫く進むと指定された二番街倉庫付近まで来て、車を停めてくれる様に頼み。会場内にあれだけの人数が居たのだから、何処に奴の部下が潜んでいるか分からない。車から降りると十分に警戒しながらも歩き出して扉を開け倉庫へ）


【モーガン】

ふっ、来た様だな。鋼の錬金術師！おい。

（条件通り一人で現れた人物に怪しくも笑みを浮かべる。武器を持っていないか念の為ボディーチェックする様部下に顎を使って指示を出せば、部下が言われた通りにチェックし問題ないと報告を受ける。）

【マスタング】


気をつけろ、鋼の。

( 自分たちは車を離れに置き。車から静かに降りるとその場で待機をして。)



【ウィンリィ】


ん…、エ…ド…？

( 眠っていた状態から目が覚めると、状況が未だ読めず。ただ向こうにいる相手を見て身動きをしようとするも、後ろ手で縛られており、そこから動くことが出来ず。)

──ウィンリィ！ッ……望み通り一人で来た、ウィンリィを解放しろ。

（暗くてよく見えなかったが明かりがつき彼女を見付けると大声で名を呼び。しかし後頭部に固く冷たい感触を感じ銃口を突きつけられているのだと分かり汗が顔を伝い両手を挙げる、それでも声には怒りが含まれており低い声で彼女を解放する様に要求し）


【モーガン】

解放？フハハハッ！笑わせるな、解放を約束した覚えはねぇなァ。…大人しく命を差し出すってんなら考えてやっても良いが？

（何を言ってるんだコイツはと小馬鹿にする様に笑えば、部下も釣られて笑い倉庫内に笑い声が響き渡る。だがここまで一人で来た度胸を買い、此方の要求に応えるならと条件を出して）

…！
エド…だめ！

( 今の自分の置かれている状況がはっきりとし始めた。彼の命を差し出す？そんなことは絶対に許されない。首を横に振り、それは止めてほしいと苦痛の表情を浮かべる。こんなことになるなら、会場で素直になればよかった。彼から離れなければ…など後悔ばかりが募り。)

ッ！…ウィンリィ、大丈夫だ。大丈夫だから…な？
──アンタの言う通りにする、だからウィンリィを解放してくれ。頼む。

（約束が違うと唇を噛み締める。だがここで下手に抵抗すれば彼女を傷付けてしまうかもしれない。ならばいっその事モーガンの要求を飲み開放させるのが先決。苦痛の表情で名を呼ぶ彼女に視線を向ければ＂俺を信じろ＂と言う真剣な眼差しを向け最後には安心させる為にふっと笑みを浮かべて。すると直ぐにモーガンへ視線を戻せば、示された条件を飲む代わりに彼女を解放して欲しいと頭を下げ）


【モーガン】

くっ、クハハハハッ！鋼の錬金術師も随分と落ちぶれたもんだなァ。よし、良いだろう。解放してやれ。

（嘗て自分を捕まえ牢獄送りにした此奴が大切な者が絡むとこうもあっさりと要求を飲むとは笑える。数年前の威勢はどうしたのやら。素直に受け入れると言う此奴の言葉を信じ、部下に人質を解放する様指示を出す。部下はウィンリィを立たせると縛っている手を掴み歩く様促して）

……っ。

( 相手の眼差しに、少しだけ気持ちは楽になるも、不安は拭えず未だ泣きそうな表情を浮かべる。思ったよりすんなり解放してくれそうな雰囲気になれば、言う通り立ち上がり歩き始め。)

【モーガン】

外まで送ってやれ。
──さて、どんな風に痛ぶってやろうか。お前に付けられたこの傷、お前をなぶり殺しにしろって疼くんだよなァッ！！

（部下が外までウィンリィを連れて行くと縛っていた手を解放し。それを見届けると江戸に近付いて、機械鎧の左手で顔を殴り間髪入れず腹部を膝を使って蹴り上げ）


【エド】

うぐっ！ッ、そんなもんか？怪物でかダルマ！

（顔を殴られて蹌踉めき、更には腹部に蹴りを受け肋骨何本かイカれた様な音と共に飛ばされて木箱に激突し苦痛に表情が歪む。それでも隙を見つける為に睨み付け余裕を見せて暴言を付け加え挑発。それに乗り殴りかかって来たモーガンに足蹴りを食らわせれば他の木箱にぶつからせ、その衝撃で木箱の中身の酒瓶が割れて液体が辺り一面に溢れる。この倉庫は大量にアルコールが保管されている場所であるため、倉庫内にアルコールが充満し銃でも打てば火花で火が燃え広がる。それを利用して銃を撃つ様に逃げ回れば案の定成功。つまりこれが突入の合図で）

【マスタング】


( 既に倉庫周辺の敵は一掃しており、ウィンリィが出てきたのを見れば大尉に保護を頼む。自分は倉庫付近へ行くと、入口から侵入。既に銃の発砲により火が燃え広がりつつある中、発火布手袋を手にはめ挨拶もそこそこ、にっこり笑うと。)

やぁ、久し振りだな。モーガン。
さて、この状況で私が指を鳴らせばどうなるか分からない程、馬鹿ではないな。

ッ、准将後は頼むっ。

（痛みに耐えてゆっくりと立ち上がれば現れたロイに後を託し、錬金術を使えない以上此処にいても邪魔になるだけだとその場から離れ大尉とウィンリィが居るであろう方へ歩き出して）


【モーガン】

チッ、焔の錬金術師ロイ・マスタング！
貴様が何故此処にいやがる！…捕まるくれぇなら、テメェをぶっ倒しで逃げてやるまでよッ！！オラァッ！

（周りは既に火の海、逃げ場もない状況に追い討ちをかける様に現れた相手。なぜ此処に居るのかと尋ねるが、エドと繋がりがあるのだと知っていた為此処に居る理由にも納得。務所暮らしはもう沢山だと抵抗して殴りかかろうとして）


（／この後はモーガンを捕まえるも良いですし、抵抗した為にやむを得ず倒したでもお好きな様にして頂いて大丈夫です！）

【マスタング】


あぁ、どうやら能無しだったらしいな。

( 抵抗してきた相手に向かって発火。勿論手加減はして。呆気なく火傷を負って倒れ込む相手を見て鼻で笑い。外に応援に呼んでいた部下に「捕らえろ」と一声。また刑務所入りだ。)



【ウィンリィ】



エド…！！

( 出てきた相手に駆け寄り、どうやら怪我を負っているが無事に戻ってきてくれた相手の姿に涙が溢れ。自分のせいで彼に怪我を負わせてしまったことが情けなくて仕方がない。涙を手で拭いながら。)

ごめんなさい…っ。


(/ ありがとうございます！)

ウィンリィ…泣くな、俺は平気だから。それにお前の所為じゃない。俺のいざこざに巻き込んで怖い思いさせちまってごめんな。

（あの頃の様にまた泣かせてしまった、こういう事で泣かせないと決めていたのに。申し訳なくもあり情けなさもあり、自分が嫌になる。泣き続ける彼女を安心させる為、頭をそっと撫で優しい声色で謝罪の言葉を掛け。肋骨辺りを抑えながら、心配そうに彼女の身体を見ては）

怪我してないか？大丈夫か？

…ばか…。
平気じゃないでしょ…っ。

あたしは、大丈夫…。

( 己のことよりこちらの事を気にかける相手には、思わず上記のような言葉が出るが、内心怪我はしているけれど、大怪我でなかったことにほっとしていて。優しい声色と頭を撫でる相手の手に更に安心感は増して、ぎゅっと抱き着きたい気持ちになるが、相手は今怪我をしているためそれはやめておこうと堪え。「病院いかなきゃ。」)

あはは…そうか、良かった。

（怪我について言われれば苦笑いを浮かべ返す言葉もなく。彼女が怪我をしてなくて本当に良かったと心底ホッとする。大尉からも先ずは治療しなければと言われ回してもらった車に乗り込んで。）

( こちらも同じように車に乗り込み。病院につくと、エドは看護師さんに治療室に案内されて。待合室にて、椅子に座り。ホークアイやマスタングは事後処理があるからと、先程の現場に戻ったため1人で待つことなった。)