白む空に燻る紫煙 ---〆

白む空に燻る紫煙 ---〆

刑事A  2022-01-18 14:27:13 
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  • No.5341 by アルバート・エバンズ  2026-02-01 04:05:12 

 




( 記憶に呑まれ、既に今を認識する事が困難になっていた。冷たい水の底に居るかのように身体の自由が効かない。ただ触れている温もりが自分をこの場所から引き上げてくれる事だけを朧げに願って、クラークの腕に指を食い込ませて。断片的な記憶が泡沫の様に浮かんでは弾け、鮮明な、残酷な場面が幾度と蘇る。忘れようとしても焼き付いたまま色褪せない幼稚園の悪夢も、犯人が引き金を引く瞬間の歪な笑みも、光を失った若葉色の瞳と血溜まりに投げ出された白い腕も。慟哭する遺族と、記者やカメラの群れ、次第に心を壊して行った捜査員たち。決して消えない罪が、あの事件の記憶ばかりを自分に見せる。更には建物の屋上でミラーの首に注射器を突き立てた男、薄暗い部屋で罪人の様に扱われた取り調べまで、様々な記憶が押し寄せて。「_____っ、違う、赦してくれ、…!」譫語のように紡いだ言葉は何に対するものか。クラークと視線は合っている、けれど目の前の相手を認識する事は出来ず、焦点が合わないまま苦しげな呼吸が唇から漏れる。やがて薬は現実ではない恐怖をも生み出した。刃物を手にした自分の両手は血で真っ赤に染まっている______顔を上げた先、自分が刃物を突き立てたのは紛れもなくミラーなのだ。声にならない声で“ミラー”と相手の名前を口にすると、身体は小刻みに震え始めて。 )






 

  • No.5342 by ベル・ミラー  2026-02-02 19:42:36 





( “何か”に懸命に赦しを乞う相手の背を優しく撫でていたクラークの手が止まったのは、震える唇が“ミラー”と動いたから。音は無くとも震える身体と息遣いが恐怖の凡そを示して来た。『ミラーが怖い?それとも__貴方がミラーに酷い事しましたか?』今の相手ではまともに答える事が出来ないとわかっていながら問う言葉は底意地の悪さが滲み出ているもので。相手の顎先を固定し視線を強引に合わせたまま次なる言葉を紡ぐ為薄く開いた唇は、それよりも先にソファから伸びて来たミラーの手によって邪魔された。クラークの手を払う事で相手を拘束から解き放った後は紫暗と緑眼がぶつかる。暫く互いに全く別の感情でお互いを見据え続けたも、笑顔のまま先に肩を竦めたのはクラーク。『…ミラーもちゃんと約束を守ってくれたし、今日の所はこれでひくよ。十分満足出来たしね。…はいこれ、遣り方はもうわかるだろうから俺から口出しはしない。』そう言って取り出した解毒剤はミラーにひったくる勢いで奪われ、クラークが相手から離れれば、次は怯える相手に再び謝罪を落とした後、先程と同じ様に首筋に、今度はこの恐怖心を取り除く為の解毒剤を注射して )




  • No.5343 by アルバート・エバンズ  2026-02-04 15:52:58 

 




( クラークが自分に対して何を言っていたのか、意識が鮮明な過去に引き摺られる中では殆ど理解出来ずにいた。首筋に走った痛みに身体は無意識に強張るのだが、悪夢と融合した記憶は解毒剤によって溶けていくように遠ざかり、やがて今を認識出来るようになり。身体には小刻みな震えが残るものの、ソファに手をつくようにして身体を起こす。重たい倦怠感と軋むような身体の痛みを感じながらも、大丈夫だと伝えなければいけないと思ったのだ。褪せた碧眼は未だ不安定な揺らぎを湛えているものの、相手と視線を重ねる。そうしてクラークにも視線を向けると「_____もう満足だろう、」とだけ冷たく告げて。「…タクシーを呼べるか、」と相手に尋ねたのは、互いに運転できる状態では無いながら早く家に戻りたかったから。無機質な拘置所に何日も閉じ込められ、その後がこれだ。一刻も早く安心できる場所に行きたかった。 )





 

  • No.5344 by ベル・ミラー  2026-02-04 18:52:18 





( 相手の冷たい問い掛けにクラークは微笑みを浮かべただけで何も言わなかった。けれどミラーがタクシーを呼ぶ為に電話をした行動を邪魔する事も、出て行く2人を引き留める事もしない事から満足したと言えるだろう。___程無くして今は使われていないBARで何をしていたのだ、とばかりに訝しげな雰囲気を漂わせる運転手が来て、指定した目的地であるアパートへと連れ帰ってくれた。部屋の中はどこか肌寒く、電気をつけてからソファに腰掛ける事もせずキッチンに立つと「…うんと甘いホットミルクにしちゃう?」と、振り返りつつ何時もと同じ…を、心掛けた少しだけ悪戯な笑みを浮かべて見せて )




  • No.5345 by アルバート・エバンズ  2026-02-12 14:07:23 

 




( 久しぶりに帰った相手の家は、主人が留守にしていた為ひんやりとしてはいたものの、長い時間を過ごす羽目になった無機質な拘置所の何倍も温かく穏やかな空気が流れているように感じた。ソファに腰を下ろし深く息を吐き出して、相手の問いに顔を上げる。魅力的な提案ではあったが、相手の身体にもかなりの負担が掛かっているのは間違いない。「有難いが、…お前も無理はするな。少し休んだ方が良い。」と告げて。先ほど薬を打たれた時に感じた身体の芯から震えるような“寒さ”、拘置所内で1人薬も飲めず過ごした感じた中で感じた“寒さ”、其れらから遠い所に居て安心したいという無意識な行動か、ソファの背もたれに掛かっていた毛布を近くに引き寄せて。 )





 

  • No.5346 by ベル・ミラー  2026-02-12 15:06:26 





何かしてた方が落ち着く。
( 確かに身体には大きな倦怠感が纒わり付き、心は解毒剤が打たれて尚、理由の無い恐怖の残りに震えていた。しかし、だからこそか。気を紛らわせる為に動き続けていたいと思ったのだ。マグカップに温かいホットミルクを注ぎ普段より多めの蜂蜜を溶かし出来上がった特別が、何もかもを拭い去ってくれる事を願わずにはいられない。「__毛布よりもっと“あたたかいもの”が、今エバンズさんの近くには居るんだけど。…そっちは選ばない?」沢山の“寒さ”から逃れる為、毛布を手繰り寄せたその行動を一瞥し、感じた言い様の無い切なさは早くあの拘置所から出してあげられなかった事による罪悪感と、助ける為だったとは言えこの手で恐怖を呼び起こしてしまった罪悪感が混じりあったもの。マグカップを目前のテーブルに置きつつ隣に腰掛けると、片手で相手の肩を軽く擦って )




  • No.5347 by アルバート・エバンズ  2026-02-13 14:22:45 

 




( 何かをして気を紛らわせたいという相手の気持ちも分かる気がした。じっとしていると、身体の内側に残る“恐怖”がじわじわと身体を侵蝕して行きそうで、他の事に意識を向ける事で其れに気付かないフリをする。相手の言葉に頷くと、やがて甘くまろやかな香りが漂い始め、それがまた少し気分を和らげた。マグカップを持ってソファに近づいた相手の言葉に顔を上げると、若葉色の瞳と視線が重なる。「……お前は、体温が高いからな。」という答えは、ある意味照れ隠しのようなものなのだが、仮のこの場に相手の同僚2人が居れば、何故そんな事を知っているのかと問い詰められた事だろう______そんな事は気付きもせず、相手の肩口に軽く顎を乗せるようにして距離を縮める。感じていた寒さが僅かに解け、無意識の内に僅かに強張っていた身体から少し力が抜けて。「…お前がどうにかしてくれなければ、俺は犯罪者に仕立て上げられていた。感謝してる、…あんな事に巻き込んで悪かった。」相手の体温を感じたまま、静かな声色で感謝と謝罪の両方を紡いで。 )






 

  • No.5348 by アルバート・エバンズ  2026-02-14 08:21:11 

 



テスト



 

  • No.5349 by ベル・ミラー  2026-02-14 13:20:32 






今もっとも必要でしょ?…それに、私にもエバンズさんの体温が必要。
( 褪せた碧眼と視線が重なり軽く微笑む。続けられたYESでもNOでも無い照れ隠しの言葉に同意を示す様に頷くと、己の肩口に身を寄せて来た相手の後頭部に片手を添え、焦げ茶の髪を緩く梳く様に撫でながら感じるのは言い様の無い愛おしさと安心感と、それから矢張り少しの罪悪感。瞳を閉じ確かに傍にある温もりの中で紡がれたお礼と謝罪を聞き届け「私も酷い事してごめんね。…あの薬で何方も苦しんだのは間違い無いけど、あの時はあれが最善だったと信じるしかない。」此方も謝罪を紡ぐ。本来ならばクラークと悪魔の契約などせず相手を助け出す事が出来れば、その後の寒さも恐怖も感じる事は無かった。けれどあの時の己の力ではそれが出来ず、相手を犯罪者にしない事が何より最優先事項だったのだ。互いに抱える罪悪感はこの場所に置いて進もうと言わんばかりの前向きな言葉の後、「寒かったね。__エバンズさんが戻って来て良かった。」再び相手の後頭部に添えた手を軽く動かしつつ、安堵にも似た溜め息を吐き出して )




  • No.5350 by アルバート・エバンズ  2026-02-18 00:02:17 

 




( 相手や警視正が、自分の無実を証明する為に奔走してくれていた事は理解している。しかし綿密に仕組まれた今回の件だけを見れば、あの男に頼る以外に道は無かったと言えよう。互いに苦しんだが、相手がそれを“最善だった”と言ってくれるのなら、そう思おうと。後頭部を撫でる相手の手に意識を向ける。今こうして温もりを感じて安心出来る場所に居るのだから、もう大丈夫だと、僅かに身体の強張りが解けて。ややして少し身体を起こすと、湯気の立つマグカップに手を伸ばし、甘いホットミルクを啜る。身体の芯を温めてくれるような感覚に息を吐くと、「……温まる、」とひと言だけ言葉を紡ぎ。 )






 

  • No.5351 by ベル・ミラー  2026-02-18 01:02:39 





__エバンズさん、スパイス系苦手じゃない?
前に行ったカフェで美味しいチャイ飲んだんだけど、今度試しに作ってみようと思って。スパイスが効いてる分、温まるのも早いと思うんだ。
( ホットミルクを啜るその横顔を不躾ながら見詰め、細く吐き出された息の後に溢された一言に破顔する。追う様に己も白を胃に落とし、同じ時間、同じ空間、そうして同じ物を飲んでいる折り重なる温かさを噛み締めた後。マグカップの端から唇を離し、少し前に同僚と訪れたカフェで飲んだ飲み物の話を唐突に。これまで相手には、今飲んでいるホットミルクの他にコーヒーや紅茶といった比較的飲み慣れたものをわたして来たが、あのカフェで飲んだチャイは格別で、相手にも、と思ったのだ。寒さを感じている時は特に、1秒でも早く身体も、心も温めて欲しいと思うのだから )




  • No.5352 by アルバート・エバンズ  2026-02-20 12:38:33 

 




______多分飲める、辛みがあるのは嫌いじゃない。
( 何処か上擦っていた気持ちがようやく少し落ち着くと、相手の問いには小さく頷く。ほとんど飲んだことはないが、スパイシーな物が苦手という訳でもない為、大丈夫だろうと。甘く温かい飲み物が身体を温め心を落ち着けてくれることは相手と時間を共にするようになって実感した事。1人でアルコールを煽るよりずっと心身に健全な方法だろう。相手の家は、この場所は安全だと安心出来る場所になっていた。 )





 

  • No.5353 by ベル・ミラー  2026-02-20 13:54:19 





じゃあ近い内に作るから味見して。流石にお店ほど上手には出来ないと思うけど。
( ジンジャーやシナモンと言った独特な味と香りを持つ飲み物は比較的好き嫌いが別れるだろうが、相手の好みを思えば然程問題は無いのかもしれない。背凭れに深く体重を掛け、少しばかり温くなってしまったけれど、その分甘みを強く感じる様になったホットミルクを飲み干し一息つく。「__今日は早めに寝よ。…勿論一緒に。」心身共に大きく疲弊した今日、何も考える事無く布団に包まれるべきだと思うのだ。落ち着ける場所、落ち着ける人の隣、そうして温かい飲み物を飲んだ事で幾らも解けた“負”が完全に消えるのもきっと直ぐの筈。少しだけおどけた様な口調と共に寝室に軽く視線を流しつつ、きっと翌日からはまた何時も通りが始まる事だろう )




  • No.5354 by アルバート・エバンズ  2026-02-25 18:20:44 

 




( 日常が戻り、再び警部補執務室に電気がつくようになって数週間。比較的落ち着いていたレイクウッド署に一本の通報が入った。レイクウッド郊外から少し離れたアルマノール湖の湖畔にある貸し別荘で、男性が殺害されているのが見つかったというものだった。駆け付けた捜査員によって既に現場検証が始まっているため、捜査を担当してほしいと警視正からの命を受け、ジャケットに袖を通しつつフロアに出る。「ミラー、事件の資料を送った。直ぐに現場に向かう。正面に車を回してくれ。」と相手に声を掛けて。車では片道1時間ほどだろうか、準備を整え執務室の明かりを消して署を出るとちょうど相手が車を正面に着けたところで、助手席の扉を開けて乗り込む。「アルマノール湖に向かってくれ。」と、行き先を告げて。 )





 

  • No.5355 by ベル・ミラー  2026-02-25 20:15:35 





( ___【アンドリュー・ベネット】38歳男性。送られて来た資料の被害者の名前を確認して、期間こそまちまちであるがどうしたって起きてしまう殺人事件に重い息を吐く。助手席に座る相手の言葉に車のナビを目的地の湖に設定し車を走らせれば凡そ1時間で現場に着き。___規制線が張られた先はこじんまりとしているが酷く落ち着けるであろう別荘。入口の直ぐ近くに捜査官に連れられ話を聞かれている、第一発見者の清掃員の姿があり、その様子を一瞥した後建物の中に入る。「金品目的の犯行では無さそうですね。」と言葉にした理由は部屋に荒らされた跡が無かったから。「…彼の他に誰が居たんでしょう。」胸をひと突きにされ絶命しているアンドリューと、テーブルの上に置かれた2つのワイングラスを交互に見てから、その視線を相手に向けて )




  • No.5356 by アルバート・エバンズ  2026-02-25 23:03:35 

 





( 手袋を嵌めつつ現場となった別荘に足を踏み入れると室内を見回し、相手の言葉に頷く。2つのワイングラスと、荒らされた形跡のない室内。「…顔見知りの犯行で間違いないだろうな、」と同意すると、遺体の傍にしゃがみ込み凶器を確認する。ナイフが胸に刺さったままになっており、これが致命傷になったと考えてまず問題ないだろう。キッチンの下の収納を開くと、綺麗に並べられた包丁のうち左から2つめが無くなっている。柄の色やブランドを見る限り、この別荘にもともとあった刃物が凶器と推測される為、突発的な犯行と考えられた。死因が特定できない事件と違って、現場の状態から犯人像や事件当時の状況はかなり絞られる。「_____被害者との間にトラブルを抱えていた人物を探る必要があるな。状況は粗方分かった。」と言いながら立ち上がると、他に気になる事はあるかと相手に視線を向けて。 )





 

  • No.5357 by ベル・ミラー  2026-02-25 23:58:24 





( アンドリューは此処に1人で来て途中誰かの訪問を受けたのか、それとも最初から誰かと一緒だったのか。少なくとも顔を合わせワインを嗜む事が出来る間柄の人が近くには居た訳で、初めは楽しく会話に花を咲かせていたが次第に雲行きが怪しくなり最悪の結末を迎えたのかもしれない。もしくは、然程仲良く無い相手だったがある種の礼儀としてワインを注いだか、酔わせて何か聞き出したい事や目的があったか。___本来包丁がおさまる箇所はぽっかりと空いたまま、そこを見詰め推測を繰り返すも、先ずは相手の言う通り彼と繋がる人物を探し出し話を聞く事が重要だろう。「グラスから彼以外の指紋が出ると良いんだけど、」と、早急な事件解決に繋がる手掛かりを欲しつつ、軽く首を横に振った後「なら、まずは一番身近な人からって事で。」最初は彼の奥さんの所に行くのがベストだろうと別荘を出て。車に乗り込む前、辺り一面をぐるりと見回し「__…こう言う所に監視カメラが無いのって、景観を損なうって理由からなのかな。」と徐に呟いて )




  • No.5358 by アルバート・エバンズ  2026-02-26 03:06:55 






( 現場の状況自体は複雑なものではなかったが、貸し別荘という場所の性質が捜査を混乱させる可能性は大いにあると考え込む。先ずは現場検証で出た指紋などを待つ必要があるため、決定的な証拠を求める相手の言葉は最もなのだが「…不特定多数の人間が出入りする場所だという事を考えると、指紋やDNAには苦労するかもな、」と答えて。相手の言う通り、自然に囲まれたこういう場所には監視カメラが設置されていない事が多い。電源が落ちたまま何年も経過しているパターンもあった。証拠の裏付けがしにくい状況だからこそ、聞き込みで確かな情報やアリバイを浚う必要があるだろう。---被害者の家を訪ねると、妻・ミアは憔悴した様子で自分達をリビングに通した。『夫があそこに泊まるのは珍しい事じゃありませんでした。それがまさか…』と、膝の上に重ねた手の甲に視線をお落としたまま絞り出すように言葉を紡いで。 )


  • No.5359 by ベル・ミラー  2026-02-26 12:17:24 





( ___妻であるミアは当たり前ながら酷く憔悴した様子で絞り出す言葉も弱く、痛々しい程。軽く相槌を打ちながら彼女と同じく膝の上で重ねられた手に視線を落とし、再び見詰める。「…別荘で誰かと会う約束をしていたとか、そう言った話は聞いていませんか?…それと、此処最近のトラブルの有無も__何か知っている事があれば、」開いた手帳の上部にペン先を軽くあてつつ、アンドリューの周囲であった出来事について問う。愛していた夫を亡くし、突如日常が崩れた妻…ではあるが、彼女のアリバイが立証出来ない以上、完璧な白と判断する事もまた出来ないのだ。嘘や淀みが無いかを表情や声色から判断する為、視線をそらす事はせずに )




  • No.5360 by アルバート・エバンズ  2026-02-26 16:04:13 

 




( 相手の問いにミアは首を振り『1人で泊まっていた筈ですが、誰と会っていたかまでは…。トラブルと言えば、会社の事でしょうか。夫はアウトドア用品店を経営しているんですが、共同経営者のジェイソンと最近方針を巡って揉めていると聞きました。』と答えて。経営方針が食い違い、トラブルになるというのはよく聞く話だが、ジェイソンという男に話を聞く必要があるのは確かだろう。「…1人で泊まっていたという事は、奥様は別荘には行かなかったんですね?」そう尋ねると、ミアは少し硬い表情のまま頷いて『夫とは少し距離を置いていたので、』と答え、視線を再び手元に落として。 )






 

  • No.5361 by ベル・ミラー  2026-02-26 17:18:06 





( 経営方針の食い違いで揉め衝動的に殺害、は理解こそ出来ないが“その人”にとっては動機として十分なのだろう。手帳に【ジェイソン】の名前を書き、次なる聞き込み先を彼の居るアウトドア用品店に決めた所で、相手の問い掛けの答えが鼓膜を揺らし思わず頭が持ち上がる。もしその話が本当だとすれば、家に居る時間を居心地悪く感じたアンドリューが毎週1人になれる別荘で寝泊まりを繰り返していた、と言う事にも繋がるかもしれない。「失礼ですが、距離を置いていたというのはどう言った理由で?」と問い掛けつつ、2人の間にあった夫婦関係を客観的な立場で見た人の話も聞きたい所だと考えて )




  • No.5362 by アルバート・エバンズ  2026-02-26 19:04:15 

 




( ミアが一瞬答えに言い淀んだのは、動機に繋がると警察に捉えられかねないものだったからか。『…よくある夫婦仲の悪化です。喧嘩が増えたので、少し距離を置く事にしたんです。あの人はアウトドア好きだから、別荘で過ごす時間も気に入っていたと思います、』と答えて。死亡推定時刻はまだ分からないが、毎日清掃に入っていると考えれば殺害されたのは昨日の可能性が高い。「…ご主人と最後に会ったのはいつですか?」と尋ねると『金曜の朝です。金曜日に仕事が終わると直接別荘に行って、土日は別々に過ごすのが最近のルーティンだったので。』という返答。この状況に緊張しているのか、ミアの表情は硬いままで。 )




 

  • No.5363 by ベル・ミラー  2026-02-26 20:25:12 





( 夫婦仲の悪化で距離を置く事を選ぶのは特別変わった事では無い。実際近過ぎる距離のせいで起きた問題が少し離れる事で修復されたり、解決の糸口が見付かる事は良くある話だ。緊張気味に紡がれるミアの言葉を再び手帳に書き記し、未だ明確になっていない死亡推定時刻を思案する。「__金曜の夜から、今日ご主人が亡くなったと連絡を受けた時間まで、何処で何をしていたのか教えて貰えますか?誰かと一緒に居たのならその人の名前も。」と、此方からは最後の質問を。此処でミアの確実なるアリバイが取れれば良いのだが、何方にせよアウトドア用品店に行く必要があるのは確か。尚も硬い表情のままの彼女に、これ以上の緊張は…と表情を緩め軽く微笑むも、疑われている状況の中では難しい話だろう )




  • No.5364 by アルバート・エバンズ  2026-03-01 02:37:34 

 



( 相手の問いに対してミアは『友達の家にいました。大学時代の友人何人かと集まって、ホームパーティーをしたんです。』と答えて。友人からの証言が得られて、正確な死亡推定時刻と擦り合わせる事が出来ればアリバイは成立する訳だが、現時点では其れを疑う事も信じる事も出来ない。滞在していたという家の主である友人の名前を尋ね、手帳に“キャサリン”とその名を記すと、追ってアリバイを確認するために話を聞こうと。ひと通りの聴取を終えると「…何か気になる事や思い出した事があれば、直ぐにご連絡下さい。」といつもの言葉を事務的に述べて立ち上がる。被害者の周囲に居ると思われる犯人を炙り出す為に話を聞くべき対象が大勢居る訳で、相手と共に車に乗り込むと「次はアウトドア用品店だな。」と告げて。 )





 

  • No.5365 by ベル・ミラー  2026-03-01 10:57:06 





ジェイソンとの揉め事は気になる所だね。
( ___運転席に座り相手の言葉に頷くと車を走らせる。“共同経営者”なんて経営方針の面でもお金の面でもある程度の擦れ違いは出て来る所だろう。赤信号で停止したタイミングで前を見据えたまま徐に言葉にしたのは「__…“被害者の親族”に向ける感情と、“被疑者である親族”に向ける感情とに、前ほど偏りが無くなった気がする。…今回で言えばミアね。昔は“被害者の親族”に話を聞いてるっていう気持ちがほぼ100%を占めてて、だからほら、エバンズさんがその人達を疑ったりすると正直冷たい人だなって思ってた。でも今は__、」と言うもの。途中で信号が青に変わり車を発進させる為言葉を切るのだが、再び「…今は、親族の悲しみに寄り添う前に、アリバイを探す事、動機を探す事が優先になってる。それが良いとか悪いとかじゃなくて、ただ……自分の中で不思議な感覚で、…今更だけど変化に戸惑ってるのかな、誰かに話したいって思って。」今の気持ちを整理する様に時折言葉を止めながら、最終的には聞いて欲しかったのだと。やがて車がアウトドア用品店に着くと「到着。」と、普段通り、これから聞き込みをする刑事らしい表情を浮かべて )




  • No.5366 by アルバート・エバンズ  2026-03-01 16:13:52 

 




( 相手がハンドルを操作しながら溢した言葉に、車窓の外を流れる景色をぼんやりと眺めながら耳を傾ける。経験を経て刑事としての視点が備わったという事だと思うが、感受性が高い相手からすれば其れは“冷酷になった”という変化として捉えてしまい、戸惑いがあるのかもしれない。「_____新しい視点が備わっただけで、優しさを失った訳じゃない。冷酷になれるようにもなったという事だろう。」視線は前に向けたまま、そうとだけ答える。「…犯人を取り逃がさないように全てを疑う視点は、刑事として必須のものだ。それが“ようやく”お前にも備わってきた。それに加えて共感性の高さがあれば、強みになるんじゃないか?」聞いて欲しかったのだという相手に対して、ご丁寧に皮肉も加えて答えると、悲観する事など無いと。一方的に考えを伝えると車を降りて、ジェイソンがいるであろう本社の入る建物へと向かい。---いくつかの地元企業が入る、然程大きくはない5階建の建物。3階がアウトドア用品店の本社兼倉庫となっているようで、そこへと向かいジェイソンと話がしたいと伝える。フロアで働いている数人の社員が物珍しそうに此方を気にしていたものの、会議室に通されると程なくジェイソンがやって来て。ワイシャツにチノパンというオフィスカジュアルな服装の上に、自分のブランドのパーカーを着ている。『どうも。…驚きましたよ、まさかアンドリューが殺されるなんて。まぁ、警察が来るだろうとは思ってました。』そう言って椅子に腰掛けて。 )





 

  • No.5367 by ベル・ミラー  2026-03-01 17:03:52 





( 刑事としては甘い考えである事は百も承知、けれど己が大切にして来た“寄り添い”が消え失せた訳では無く“他の視点を獲た”___つまり何方も選べる様になった、と言う事だと相手の言葉で腑に落ちた様に口角を持ち上げるのだが、ご丁寧に付け加えられた皮肉には肩を竦める。「“ようやく”エバンズさんの足を引っ張らないで済みそう。」同じ単語を態とらしく使い、それでも胸に灯った確かな優しさを抱えたまま建物へと入り。___会議室で顔を合わせたジェイソンは、警察が当然話を聞きに来るだろうとわかっていた様子で狼狽える事も無かった。「まだ詳しい事はお伝え出来ませんが、早急な事件解決に尽力します。」との前置きの後「何点かお伺いしたいのですが、まず…アンドリューさんと最後に会ったのは何時ですか?」と質問を始めて )




  • No.5368 by アルバート・エバンズ  2026-03-05 16:29:25 

 




( ジェイソンは相手の問いに対して『金曜日に会いましたね。商品の仕入れの事で話をしました。』と答えて。「…アンドリューさんとは、経営の方針を巡って揉めていたそうですが、」と早々に切り出すと、『_____まぁ、意見の違いはありました。でも、あいつとは長い付き合いです。口論なんて日常茶飯事ですよ。殺すほどの恨みなんてありません。』と肩を竦めて見せ。少なくとも金曜日までは被害者の生存が確認できており、遺体が見つかったのは日曜の午前。正確には死亡推定時刻の発表を待つ必要はあるが、金曜日の夜から土曜日の夜の間に犯行が行われたという事だろう。彼の答えを手帳に書き記して。 )





 

  • No.5369 by ベル・ミラー  2026-03-05 16:59:55 





( 相手からの鋭い言葉にも特別緊張する様な様子も、狼狽える様子も見せないジェイソンはあくまでも冷静に答えていく。金曜日の夜から土曜日の夜が凡その犯行時刻だとすれば、週末アンドリューがあの湖畔の別荘に行く事を知っている人物ならば誰でも犯行は可能と言う事だ。「…では、アンドリューさんとトラブルになった方について、心当たりはありませんか?何か相談を受けていた、でも。」共同経営者ならば、そう言った類の話を聞いている確率は高いと踏んでの質問を続けて )




  • No.5370 by アルバート・エバンズ  2026-03-06 00:44:33 

 



( 現時点では不確定要素が多いため、話を聞いたそれぞれのアリバイは検視結果が出てから改めて確認する必要がある。相手の問いに対してジェイソンは足を組み替え『_____トラブルって言うなら……まあ、俺だけじゃないですよ。アルバイトのダニエルなんて、毎日のように叱られてた。俺が言うのもなんですけど、あれじゃ誰だって不満は溜まるでしょうね。』と答えて。アウトドア用品店のアルバイトだというダニエルの名前を手帳に書き留めつつ、意外と小さなトラブルの多い人物だった被害者像が明らかになってくる。次の約束があると言うジェイソンから、ダニエルが働いている近くの店舗を聞き、また近く話を聞きに来ると告げて一度建物を後にして車に戻り。 )





 

  • No.5371 by ベル・ミラー  2026-03-06 01:15:08 





__早めに正確な死亡推定時刻が欲しい所だね。…取り敢えずダニエルの所に向かう。
( 車に戻り第一声は、明日以降になるであろう死亡推定時刻の確定を望むもの。妻であるミアのアリバイも、ジェイソンがアンドリューと最後に会った曜日の真偽も、明確にする為には絶対的に必要な情報だ。一度だけ軽い息を吐き出してから車を走らせ数分で到着したお店の扉を開ける。入退出を知らせるベルの音に続いて、いらっしゃいませ、との声を受けながら奥に進み。カウンターに立つ男性店員の胸に【ダニエル】と書かれたネームプレートを確認しては「FBIです。アンドリュー・ベネットさんの件でお話を聞かせて貰えますか?」と、警察手帳片手に声を掛けて )




  • No.5372 by アルバート・エバンズ  2026-03-08 21:36:54 

 




( ダニエルは警察手帳を示した自分たちを見て表情を固くした。「アンドリューさんが亡くなった事は聞いていますね。最近の彼との関係に問題は?」警察手帳をしまう代わりに手帳取り出して早々に尋ねると、ダニエルは『えぇ、聞きました。関係は……ただの上司と店のバイトです、問題はそんなに…』と歯切れ悪く答えて。「叱責される事も多かったそうですが、」と間髪入れずに尋ねると、彼は少し焦ったように視線を泳がせた『そ、そうですね……。でも、別に恨んでたとかじゃないです。ただ、ちょっと怖かっただけで……。』曖昧な答えとともに恨んでいた訳ではないと強調しつつ、目の前のエバンズと視線を合わせる事なく下に視線を落としたのち相手を見て。 )




 

  • No.5373 by ベル・ミラー  2026-03-08 23:15:20 





( 淡々と淀み無く紡がれる相手の問い掛け、加えてお世辞にも柔らかい表情をしているとは言えないものだから、遣り取りの様子を見ていて恐らく彼にとって苦手…言葉を借りるのなら“怖い”相手になるのだろうと察する。過去に何か悪い事をしていて警察の世話になった事がある、もしくは本当に今回の事件の重要参考人で、後ろめたい事があるが故の反応である事も否めないが、恐怖心から来る萎縮であるのなら、このまま言葉に詰まり続けてしまう可能性もあるだろう。現段階で明確にどちらかを判断する事が出来ないならば、と、一度落ちた彼の視線が持ち上がり、頼りなく重なったタイミングで軽く息を吐き。「…私達が今日此処に来たのは、事件解決の手掛かりを探す為です。貴方を犯人だと決め付けてる訳じゃないんですよ。…なので、もし何か知っている事や、話しておきたい事があるのなら聞かせて貰えませんか?」表情、声色、使う言葉、全てにあくまでも穏やかさを滲ませる事に努める。彼の今見せてる怯えや焦りが何から来るものなのか、もし女性警察官相手なら騙し切れるという考えの元の演技ならば、隣に立つ嘘や隠し事に敏感な相手が見破れない訳がないと、確信があった )




  • No.5374 by アルバート・エバンズ  2026-03-08 23:49:33 

 



( 未だ詳細が分かっていない以上、現時点ではあくまで動機があると考えられる人物に確認として話を聞いている状況。被疑者を相手に取り調べをしているという段階ですらなく、高圧的な態度で問い詰めている訳ではないのだが、ダニエルにはかなり怖がられているようだった。溜め息を吐きつつも、質問を続ける事はせず相手に任せると足を組み直す。『話しておきたい事は、特には……アンドリューさんと最後に話したのは、金曜日です。店で。ちょっと注意されましたけど、それだけです。それ以降は会っていません。』と、視線を落としながら言葉を紡ぐ。「注意された、というのは?」相手に任せるつもりだったものの、反射的に尋ねてしまい、またしても彼は萎縮した様子で視線を泳がせる。『いや、それはその……品出しのミスです。よくあることで…。』普段からオドオドしている方なのか、やましい事があるのか、会話からは図りにくい人物だと思った。その後ダニエルは相手からの問いに幾つか答え、必要な情報をメモする。明日以降改めて来ることを伝えて店を出ると、溜め息を吐きながら「_____どうにもペースを乱される奴だった、」とぼやきつつ車に乗り込み。「検視結果が出て正確な情報が分かったら、今日話を聞いた3人のアリバイを確認しよう。並行して現場検証の資料も上がってくるだろう、」と告げる。移動距離が普段よりも長いのが面倒だが、今日の所はレイクウッドに戻ろうと。 )




 

  • No.5375 by ベル・ミラー  2026-03-09 00:22:26 





( 現状わかった事と言えば、先に聞いた2人同様に“金曜日に会ったのが最後”と言う事。その他としては特別この段階で捜査が大きく動く様な情報は無く、相手の言う通り検死結果や現場検証の資料を待つ他無いのだろう。「今日はそこまで怖い顔してなかったのにね。」と、ぼやきに対して肩を竦めた戯言で返した後「警視正に頼んだら、この付近でビジネスホテルとってくれないかな。」矢張り距離の遠さは些か気になる所なのか、冗談か本気かわからぬ声色で呟きつつも、エンジンを掛けレイクウッドに戻る選択肢以外は無く。来た時と同じ道を走り、少し経った頃。ふ、と気になったのは先程ダニエルの様子を見たからか。「__エバンズさんって、誰かを怖いって思う事ある?…ものでも良いや。怖いもの。」頭は真っ直ぐ前に、運転に集中しながらも唐突過ぎる問い掛けに相手は怪訝そうな表情を見せるだろうか。その表情を見えない事をいい事に、返事を待ちながら時折バックミラーで後方の車を意味無く確認する仕草を見せて )




  • No.5376 by アルバート・エバンズ  2026-03-09 01:27:59 

 




( 窓の外を流れる景色に視線を向けつつ、本気か冗談か相手が紡いだ言葉には「_____片道1時間じゃ無理だろうな。其処に予算を割けるだけの余裕が無いだろう、」と、あくまで現実的な返答を。ここ最近、1件の捜査に割ける予算を減らされている現状に対するぼやきのようで、相手と泊まる事どうこうについては特に反応を示さなかった。急に投げ掛けられた問いには怪訝な表情を浮かべ「…特にない。」とだけ答えたものの、少しして「……強いて言えば、“あの人”が妙な笑顔で近づいて来た時だな、」と呟く。「行きたくもない飲み会に連行される。断る隙も逃げる時間もない。」と、冗談めかす訳でもなく至極真面目なトーンで答えるが、それがダンフォードの事を指しているのは明らか。相手が求めていた、想定していた答えとは違うだろうが、そう答えたきりで。 )





 

  • No.5377 by ベル・ミラー  2026-03-09 07:47:54 





( 月日の流れに加え慣れは人を変えると言うが全く以てその通り。数年前までは一緒の部屋で一夜を明かす事にも微妙な反応を見せてた筈の相手が、今は“泊まり”に対して随分とハードルが低くなった様に思う。今回の話に関しては、それよりも此処最近の予算削減の方がよっぽど重要視する事だったかもしれないが。何にせよ現状同じ家で寝食を共にしてる今、それこそ今更だろう。「大きい署な訳じゃないし、元々の経費が多く無いんだろうって事はわかるけど…難しい所だよね。」と、同意を示しつつ、矢張り効率的な捜査や進み具合に多少は関係してくると溜め息を。唐突な質問に返って来た返事は想定していたものと違ったのだが、相手らしさに溢れていて思わず笑みが浮かぶ。“あの人”が誰を指しているのかは明白で、飲みの席での豪快な飲みっぷりや笑顔が瞬時に思い出せるものだから、懐かしさも感じる始末。「エバンズさんを飲み会に連れて行けるのって、ダンフォードさんくらいだろうね。」相手はこう言うが、何だかんだで相性の良さそうに感じる2人を見てるのは微笑ましくもあったのだ。___そんな他愛無い雑談をしていれば、景色は直ぐに見慣れたものに変わる。レイクウッドの町に入れば署までは直ぐで、数分の所にあるコンビニの手前で「何か買って行く?」とだけ問う。何も必要じゃなければこのまま真っ直ぐ署に戻ると )




  • No.5378 by アルバート・エバンズ  2026-03-09 14:33:54 

 




( 彼が妙な笑みを携えて執務室にやって来たが最後、どう理由を付けようにもほぼ強制的に飲み会に引き摺られて行く羽目になるのは経験済み。だからこそ、執務室の扉が開き顔を上げた時に笑顔のダンフォードと目が合う瞬間が“怖い”のだ。「……フロアで顔を合わせても誘って来ない、必ず“逃げ場がない”あの部屋に来る。お前も執務室の中にいれば、俺の気持ちが分かる。」用意周到なのだとそんな事をぼやくも、相手は可笑しそうに笑うばかりで不服そうに再び窓の外に視線を向けて。「…コーヒーだけ良いか、」と、相手の問いに珍しく店に寄る事を選ぶ。少しの疲労感があり、署での作業を捗らせる為にもコーヒーを買っておきたいと思ったのだ。コンビニに寄りカップのブラックコーヒーを買うと、助手席でそれに口をつける。ほろ苦い香りを漂わせつつ、車窓の景色は見慣れた街並みに変わって行き。 )





 

  • No.5379 by ベル・ミラー  2026-03-09 15:01:55 





( “俺の気持ちがわかる”と相手は言うが、そもそも自分は署員達と飲み会に行く事を嫌だと思わない為、逃げ隠れする必要は無いのだがそこは胸の内に置いたまま。まるで、肉食獣相手に逃げ場の無い場所で追い詰められた草食獣の様な発言だと一瞬過ぎったのもまた言葉にする事は選ばず、その妙に感じる可愛らしさと面白さを胸に「今度助け舟を出すよ。上手くいく保証は無いけど。」とだけ伝えておく。___相手がブラックコーヒーを買い、自身はカフェラテを買って署に戻る。検死結果や現場検証の結果が挙がって来るまで出来る事は、今一度被害者と被疑者の素性を調べる事だろう。何時もと同じ様に、執務室に入る相手の後を追って部屋の中のソファに腰掛けると、「…結構こまかい問題の多い人だったね。それが全部殺人の動機に結び付く訳ではないだろうけど、絞込みが大変そう。」買ったカフェラテを啜りながら、話を聞いた中で見えてきた被害者の細かい問題の多さを口にして )




  • No.5380 by アルバート・エバンズ  2026-03-09 16:12:48 

 





( 相手と共に執務室に戻るとデスクにコーヒーを置き、椅子に背中を預ける。相手の言う通り被害者は小さなトラブルが多く、所謂聞き込みの段階で“動機がある”と見なされ被疑者から外れない人物が周りに多い印象だった。「並行して話を聞く必要がある人物が多いな、…1人ずつアリバイを確認して絞り込んで行くしか無いだろう。」と答えて。22時を回った頃、執務室の扉がノックされ検視官が入ってくる。普段よりも早く出た結果に「_____早いな、」と時計を見上げつつ資料を受け取って。『胸を一突きされた事による失血死で、死因の特定はスムーズでした。現場の方が大変みたいですよ。貸し別荘という特性上、大勢の指紋が出ているみたいでかなり混乱していました、』顔馴染みの検視官は、死因の特定は問題なく進んだと伝えた一方で、現場検証を行なっていた鑑識が複雑な状況に悩まされていたと肩を竦めて。「…そっちの報告書が上がってくるのには時間が掛かるかもな、」と答えつつ礼を述べると、鑑識官は頭を下げて部屋を出ていき。「_____死亡推定時刻は土曜の20時から22時頃。ひとまず3人には詳細な行動を確認する必要があるな、」と資料を相手に渡しながらそう告げる。現場の状況が明確になるまでに時間が掛かる事を思うと、早めにそれぞれのアリバイを立証しておく必要があるだろう。 )




 

  • No.5381 by ベル・ミラー  2026-03-09 16:50:18 





( 死亡推定時刻を含む検死結果が出たのは夜の事。どれだけ早くても明日の午前中だろうと考えていただけに、良い意味で予想外の検視官訪問に捜査の先行きが少しだけ晴れた様な気になるのは些か単純か。ただ、場所が場所なだけに現場検証の方は予想以上に時間が掛かりそうだとの言葉には納得せざるを得ない。明日、最悪明後日以降になる可能性もあり、それまでにある程度の除外や立証は必要だと頷き、空になった紙コップを傍らのゴミ箱に捨てて。受け取った資料に視線を落とす。「…3人共、アンドリューに最後に会ったのは金曜日__それに不自然な点は無いから、何にせよ明日だね。」と、口にしてから顔を上げ「キャサリンの住所は調べてあるから、朝いちでミアのアリバイ確認に行こう。…ダニエルのあの落ち着かなさも気になるし。」3人の内1人でも被疑者から除外出来ればと。___時刻は22時30分過ぎ。今日此処でこれ以上出来る事はないだろうと立ち上がると「エバンズさんも帰るよね?夕飯って呼べるのか怪しいくらい遅いけど、何か買って帰ろう。」扉の前で一度振り返り、極当たり前の普段の生活の会話を続けて )




  • No.5382 by アルバート・エバンズ  2026-03-09 20:21:40 

 




( 相手も言う通り先ずは明日それぞれのアリバイを確認する事が急務と言えよう。現時点でこれ以上出来る事はないため、帰るかという確認に軽く頷いて。これまでであれば、残業で帰りが遅くなれば何か食事を買って帰るのも面倒でそのまま家に戻り夕食を抜く事もざらだったのだが、相手の家に居候している今はそんな事もなくなった。「……あぁ、」と同意を示すべく返事をしたのだが、ふとこの生活を“日常”としてしまって良いのかと、これまでにも何度か浮かんだ思いが顔を覗かせる。家が直ぐに見つからなかったという理由ながら、仮にも女性の部下の家に長く泊めてもらっているのだ。何か言おうとして、しかし呼び止めるほどの事でも無いと声を発する事はなかったものの、捜査が落ち着いたら本格的に家探しを再開するべきだろうかと考えつつ帰り支度を整えて。 )





 

  • No.5383 by ベル・ミラー  2026-03-09 21:07:59 





( この時間までフロアに残っている署員は居らず、互いに帰る支度を済ませて部屋の電気を消した後署を出る。家との丁度中間地点にあるスーパーに立ち寄って軽く食べれる物を数個見繕い家に到着したのは23時を少し過ぎた頃。「さすがに眠たい、」と溢しつつ寝室のクローゼットに上着を掛けルームウェアに着替えると、先程買った惣菜数個を皿に盛り付ける事も無くそのままの状態でテーブルに並べ準備完了。お互い向かい合って食事を共にするこの時間を何度繰り返しだろうか。値引きシールが貼られた緑一色のサラダをぼんやりとした頭で咀嚼しながら「……さっき、帰りの執務室で。何か言いかけたでしょ。」飲み込んだタイミングで口を開き。ほんの一拍程の間だったかもしれないが、相手のそう言う間には何時の間にか敏感になっているようで、緩く首を擡げながら何を言おうとしていたのかと )




  • No.5384 by アルバート・エバンズ  2026-03-09 21:47:42 

 




( やはり相手は僅かな空気の変化には目敏いようだった。惣菜を口に運びつつ尋ねられた言葉に一瞬間が空くも「あぁ、…そろそろ部屋探しを再開すべきだと思った。」と答えて。「レイクウッドに戻って随分経った。いつまでもお前の家に居候している訳にもいかないだろう。部屋探しは後回しにしていたが、良い加減本腰を入れないとな、」と。相手の家で過ごす時間が不便でも居心地の悪い物でもなかったため、すっかり甘えて家探しをストップしていた訳だが、いつまでもこうしてはいられないとずっと考えてはいた事。「この辺りは署にも近くて住みやすい。近場で空きのある部屋を探してみる。」場所としてはこの周辺が住み良いため不動産屋にもう一度当たってみると言いながら、野菜の入ったスープを啜って。 )




 

  • No.5385 by ベル・ミラー  2026-03-09 22:24:47 





( 事件の事では無いだろうと何となく感じていたが、まさか部屋探しの話だったとは。だが当たり前と言えば当たり前だろう、相手は正式に此処に住んでいる訳では無いのだから幾ら時が経ったとは言え、この話題が何時か再び浮上して来る事は何も可笑しな事では無かったのだ。「……そっか、」とたっぷりの間の後、何とも歯切れの悪い短い返事をし一度視線を目下のサラダに落とす。半ば押し切る形で強引に決まった共同生活の終わりの言葉は妙に寂しく、家に帰って来た後の日常の中に当たり前に組み込まれていた相手の存在が急に無くなるのは、不思議な感覚でもあった。「…そうだよね。」自分自身に言い聞かせる様な呟きを落とし、けれども何も遠い所に行ってしまう訳では無いし、同じ職場なのだから顔だって普通に合わせると自己解決した後。「職場から近いのは大切だよね。私も良さそうな所あったら教える。」と、軽く微笑みサラダにフォークを突き刺し。しかしそれを口に運ぶ前、再び口を開くと「…引っ越しても、たまには泊まりに行っていい?」普段の押しの強さはやや影を潜めた、何処か控え目な問い掛けを送って )




  • No.5386 by アルバート・エバンズ  2026-03-09 23:04:13 

 





( 相手の控えめな問い掛けに視線を持ち上げると「…此れだけ泊めてもらった分際で断れないだろう。お前がそうしたいなら好きにすれば良い、知ってると思うが面白い物はない。」と告げて。散々泊めてもらって、相手の宿泊は拒むという訳にはいかない。泊まっても楽しいことは無いと言いながらも、自分の空間に相手を入れる事を嫌だとは思わなかった。昔は心の距離を詰められたり、自分のプライベートに踏み込まれたりする事が心底嫌だったのだが、相手に対しては何も思わなくなっていた。寧ろこの距離にいる事が当然のような気さえしているのだ。「明日も長距離の移動だ。早く休め、」と告げると、空になった皿をシンクに持っていきつつ相手にも明日に備えるよう告げて。 )





 

  • No.5387 by ベル・ミラー  2026-03-09 23:27:27 





( 相手がこれまで何度も口にした“好きにしろ”が遠回しな拒否では無い事はもう既に知っていた。本当に拒絶したい時はこんな、此方に判断を委ねる様な言葉は選ばないからだ。「エバンズさんが居ればいい。」相手の部屋に何か興味を唆られる様な物や楽しめる物が無くたって、そこに相手自身が居ればそれで十分、それが望みなのだと嬉しそうに目を細め、夕飯と呼ぶには遅過ぎる食事を終わらせて。後は少しでも長く睡眠に時間をあてたい所。シンクのお皿は明日洗う事にして水にだけ浸した後「それはエバンズさんも同じでしょ。後何回この部屋で一緒に眠れるかわからないんだから、時間は大切にしなきゃ。」やや悪戯にはにかみつつ、寝室の扉を大きく開けその場で立ち止まって見せて )




  • No.5388 by アルバート・エバンズ  2026-03-10 01:13:34 

 




( 相手の仰々しい言い方に呆れたように溜め息を吐きつつも、温かく安心できる場所で身体を休めたいのは確かだった。「お前が寝不足だと、俺も道連れにされる可能性があるからな。」といつも通りの真顔で軽口を叩きつつも寝室へと向かう。一時期は毎晩睡眠薬を飲み、なんとか眠っているような状態だったが、其処までの不眠はだいぶ軽減されたと言って良いだろう。眠る事に恐怖心が無いと言えば嘘になるが、誰かのぬくもりと安心できる場所というのは時に薬以上の効果を発揮する事を知った。その後寝る支度を整えると、相手と共に布団に入り電気を消して。---翌日、再び片道1時間掛けてアルマノール湖畔の方へと向かう。3人に詳細な行動を聞く必要があった。 )




 

  • No.5389 by ベル・ミラー  2026-03-10 07:26:56 





( ___前日あの時間まで仕事をし、何だかんだと眠りについたのは日付を跨いだ遅い時間だった訳だが、ゆっくりと眠る事が出来たと感じたのは隣に相手の温もりがあったからだろうか。片道1時間の道のりも眠気に襲われる事無く、相手と共にまず先に向かったのはアルバイト店員のダニエルの元。棚の商品を整えている彼を見付け近付くと、気が付いた彼は矢張り戸惑う様な曖昧な表情を浮かべた後、近くの店員に断りを入れ奥の部屋へと通してくれた。「今日は、もう少し詳しい話が聞きたくて来ました。土曜日の夜…8時から10時頃は何処に居ましたか?」用意されたパイプ椅子に腰掛け手帳を開き、早速昨夜出た死亡推定時刻の間のアリバイ確認を、と問い掛けて )




  • No.5390 by アルバート・エバンズ  2026-03-10 13:55:49 

 




( 大きな湖があり豊かな自然の広がる、アウトドアにはもってこいの町である事は確かなのだが、少し湿気を感じる冷たい空気が自分にはあまり合わないようだった。レイクウッドよりも澄んでいるように感じる空気は、気持ちの良い一方で肌に纏わり付くようにしてひんやりと体温を下げる。コートを羽織りダニエルの働く店に向かうと奥の部屋で彼と向かい合う。相手の問いに対してダニエルは『えっと…湖で釣りをしていました。22時まではかからなかったと思いますけど…。』と答えて。湖のどこで釣りをしていたかという問いに対して“いつもの場所”と答えたダニエルに対して「“いつもの場所”では分からない。具体的に教えて下さい。」と告げる。ダニエルは焦ったように視線を泳がせ、どこと表現すれば良いかも思い付かないようで言葉に詰まり。 )





 

  • No.5391 by ベル・ミラー  2026-03-10 14:18:25 





( 相手の言葉は最もで、彼の知り合いでも無い自分達には“いつもの場所”など到底知るよしも無いのだ。至極当たり前の返しに対しても彼は昨日同様に焦り言葉を詰まらせる。確かにこれはやり難い、と苦笑が滲みかけるのだが軽い深呼吸一つで抑えると、上着のポケットから携帯を取り出しこの地区周辺のマップを検索する。それから航空写真に切り替えた画面を彼に見せ「夜釣りって、昼間よりも多くの魚が釣れるそうですね。」と、先に軽い世間話の様な釣りの話題を持ち掛けた後「…大体の位置、これでわかりますか?」触って構いません。との言葉を付け足し様子を伺って )




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