【 指名制 】香撫町の住人。【 リメイク / 日常 / 考察 】

【 指名制 】香撫町の住人。【 リメイク / 日常 / 考察 】

管理人。  2021-01-29 15:12:00 
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 「 ようこそ、香撫町へ。
   歓迎するよ。たとえ、君が何者であっても。 」


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  • No.52 by 修 / オサム  2021-03-23 22:33:47 



>楸


 【 3月某日 / 神社 / >50 】


 〝ひさぎ〟さん。ほお、珍しいお名前で。字は、どのように書くのですかな。
 ( 新顔の男は、警戒するでもなく、迷惑そうにするでもなく、自然に私の提案を受け入れて自身の名を名乗る。その動作は紳士然としていて好青年に見受けられたが、それ故にこの場所には似つかわしくない気もした。礼儀として「私は修と言います」と返しながら、値踏みするような視線を向ける。飾り気は無いものの、小綺麗な風貌。知性を感じさせる話し方。年齢にしては落ち着き払った態度。人畜無害そうな顔をしているが、何を隠し持っているかは分からない。外で何かをやらかしたか、ただ働かなくて良い生活に釣られたか、もしくは──。頭に浮かんだ一つの想像に、意図して作ったものではない笑みが口元に広がる。これは、もしかすると、久方振りに面白いことになるやもしれん。しかし、そんな心の内はおくびにも出さず、「外と比べると人が少ないですから。大きな工場なんかもありませんでしょう」と、男と他愛のない話を続ける。実際、もしかしてと思ったものの空振りだった、なんてことは今までもざらにあるのだ。勘付かれて疑心を向けられるのはまずい。日頃〝穏やかで親切な老紳士〟という評価を獲得していなければ、正義を実行しても、情状酌量も賞賛も得ることは出来ないのだから。 )
 楸さん、どこか行きたい所はありますかな。町を全て回るのは難しいでしょうから、お好きな所から案内いたしましょう。




  • No.53 by 守 / マモル  2021-03-23 23:26:22 



>圷


 【 4月某日 / 喫茶店 / >51 】


 ( 銀のポットから、挽いて粉状になったコーヒー豆へと熱湯を注ぐ。全体が湿ったら少し蒸らして、それからゆっくりと味と香りを抽出する。窓から柔らかい陽の差す昼下がり。自身の経営する喫茶店は、空席が八割程を占める空き具合だ。普段はそれなりに人が集まるからか、こうした客の少ない時間帯はどうしても手持ち無沙汰になる。それならば少しくらい休めば良いのにと言う人も居るが、そうもいかない。元々何かしていないと落ち着かない性分というのもあるが、何もしていないとあの子の顔がちらつくのだ。あの瞳に無言でじっと見つめられていると、責められている気さえしてくる。あの子がそんなことを考えるはずもないと分かっていながらも、悪い妄想が広がっていくのは止められない。まだ、足りない。もっと、もっと、稼がなければ。少しでも手を止めれば、あの子は僕を許してくれない。そんな感覚に囚われてしまうのだ。取り敢えずは何か行動をしなければ、と、今のところ注文される見込みもない量のコーヒーを淹れながら、カウンター席の客と軽い情報交換をする。最近やって来た住人の話、カタログに追加された商品の話、いつの間にか見掛けなくなった常連の話。どれも他愛ないものばかりだ。そこに、ふいに店のドアが開く音が響く。入り口に見慣れない大男の姿を認めると、一先ずは「いらっしゃいませ」と声を掛ける。カウンター席の客に、話は一時中断だと目配せすれば、メニュー表を持って新たな客の方へと歩み寄って。 )
 お好きな席へどうぞ。……ご注文はこちらから。お決まりになったら呼んでください。


( / 初めまして。こんな自己満足なトピックにお目を留めてくださり、ありがとうございます。PFにもロルにも特に問題はありませんので、是非奥様を探しながら住人達との交流を楽しんでくださいませ。歓迎いたします。 )




  • No.54 by 圷 良司  2021-03-24 14:46:56 



>守

 【 4月某日 / 喫茶店 / >53 】


……ブレンドで。
(ふわり。扉を開けると、香ばしい珈琲の香りが鼻腔を擽る。そうして目の前に広がる喫茶店らしい落ち着いた穏やかな空間に、圷は素早くその細い視線を滑らせていく。その眼差しは刑事としての職業病を隠し通せておらず鋭く冷徹なもので、店内の状況を一刻も早く把握しようと努めているようだ。この二つの目に映る限りは客数は当初思っていたよりも少なく、それほど賑わってはいないようだと認識したところで此方へと歩み寄る人影が一つ。自然と無意識に視線を向ければ其処には夜空に輝く月を連想させる頭髪に透き通った翡翠の双眸を持つ美しい長身の青年が居て、彼が発する言葉からどうやら店員のようだと判別しつつ後ろ手に扉を閉めてはメニュー表を手渡されるより前に、およそ殆どの茶店に存在するであろう名称を無愛想に口にして。その後、青年の横を通り過ぎるようにして乾いた靴音を響かせつつカウンター席に近寄り、既に他の客が腰掛けている席より椅子一つ分距離を置いてどっしりと着席し、早速とコートのポケットを探る。長いこと歩き回って少々疲れてもいる、聞き込みは少し落ち着いてからでも良いだろう。何、焦ることはない。急いては事をし損じるとも言う。それに、本当を言うと先日耳にした噂もそれほど信用してはいないのだ。だが、それでも今は、藁にも縋る想いで微かな情報を辿るしか選択肢は残されていない。一息吐き出した男は、ポケットから煙草とライターを取り出した。)


(/歓迎してくださりありがとうございます、これからどうぞ宜しくお願い致します。何か不手際等ございましたら遠慮なくご指摘ください。此方は蹴って頂いて構いません。)

  • No.55 by 守 / マモル  2021-03-25 20:51:08 



>圷


 【 4月某日 / 喫茶店 / >54 】


 かしこまりました。
 ( 素っ気なく吐き出された一言によって、彼へと差し出したメニュー表は行き場を失い、静かに元の場所へと引き戻される。随分愛想の無い客だな。彼の第一印象はそれに尽きた。特段気を悪くしたわけでもないが、これだけ大柄な男だとさすがに威圧感がある。自身の横を通り過ぎて席へと向かう背中に、落ち着いた響きは損なわないながらも、普段より少し高く作った声で返答する。愛想の無い相手を前にすると、何故か努めて愛想良く振る舞ってしまう現象に名前はあるのだろうか。人間は、無意識にマイナスでもプラスでもないゼロの座標に戻りたがるのだと聞いたことがある。もしそれが本当ならば、今のこの苦しさも、あの幸せ過ぎた日々の代償なのだろうか。……考えても、仕方のないことだ。〝こうすれば良かった〟なんて答えは、何処にも無かった。分かっていても、あの子は今も僕を見つめているのだから、この悪夢から逃れる術も同様に、何処にも無い。カウンターの内側へと戻り、注文通りのものを提供すべくコーヒーの抽出作業を再開する。ついでに、カウンター席の客との雑談も。この町において、社会性なんてものは基本的に必要とされない。そもそも社会生活をする必要が無いのだから、役立てる場面が無いのなんて当たり前だ。外での〝優しさ〟と同じ。つくづく自分は役に立たないものばかり持ち合わせているな、と、溜息が出そうになる。それでも、雑談をしていた客との会話が途切れれば、自然に手持ち無沙汰な様子で煙草を取り出す大男へと掛ける言葉が口を衝く。ほんの少し気に掛かっていたことを、何気ない様子で尋ねて。 )
 ……何か探しものでも?




  • No.56 by 圷 良司  2021-03-27 11:37:36 



>守

 【 4月某日 / 喫茶店 / >55 】


ああ、少しな。
(箱と呼ぶにはあまりに心許ない薄っぺらいビニール製のそれから白い紙巻き煙草を一本取り出し、口に咥える。鈍色の安っぽいジッポライターを取り出し慣れた手付きで親指の腹で以てフリントホイールをカチリと回し、丸い先端に火を灯した。役目を終えたライターをポケットの中に仕舞い直しながら、すう、と軽く毒素の強い一酸化炭素を肺臓の中に取り込んだ後に大きく紫煙を吐き出していく。──嗚呼、この瞬間が堪らない。この命を無駄にしている感触こそ、皮肉にも己が生を最も実感出来るひと時なのだ。そうして害的な煙を味わいつつ、先程の店員と常連らしき客が交わす会話に耳を傾けていく。内容としては他愛もない世間話で、その言葉の数々は取り立てて異常なものはないように思えた。この町にまつわる半ば都市伝説めいた突拍子もない噂話は勿論圷の耳にも入っており、リアリストを自称しているからにはそれらを信じている訳ではないにせよどこかしら偏見を持っていなかったかと言われれば嘘になる。彼らにとっての日常は、圷の価値観ともそう大差はないように感じられた──少なくとも、現時点では。そういった思考を巡らせていた最中、耳朶を打つ声に自然とカウンターの向こう側に立つ青年へと目を向ける。自身が腹に抱えるそれを特段隠し立てるつもりは端からなかった為、紫煙混じりに頷いてみせるがしかし、唐突に本題に入るのは些か躊躇われた。それもその筈、お互い出会ったばかりで信頼どころか素性すら何も知らないのだ、そのような心許ない相手から果たして信用に足る的確な情報を得られるだろうか。そう理性的に考えた圷は先ず、無難に青年の由縁を探ることにした。)
……君は、この町はもう長いのか?

  • No.57 by 守 / マモル  2021-03-31 21:50:49 



>圷


 【 4月某日 / 喫茶店 / >56 】


 ……3年ほどですかね。
 ( 先程の様子から見るに、問い掛けたはいいものの、返事が返ってこない可能性も充分にあると踏んでいた。しかし、実際には短いながらも返事はあり、更にこちらへと質問を返して来るのだから少し驚く。単に無愛想なだけで、人嫌いというわけではないらしい。世間話と言うよりは、事情聴取のような僅かに警戒を含んだその硬い声に、コーヒーの滴が落ちる様を眺めながらそっと答えを零す。あの子が天国に行って、3年。改めて言葉にしてみれば長い月日だけれど、彼女は常に僕の無意識の中に存在しているから、遠くへ行ってしまった感覚はあまり無い。今だって、ほら、『どうしてお前は生きているのだ』と呪うような瞳でこちらを見ている。〝この町に来て3年ほど〟、その言葉は紛れもない真実だけれど、もしかしたら嘘のように響いたかもしれない。ようやく抽出が終わり、淹れたてのコーヒーの入ったカップを、ソーサーに乗せて彼の前へと静かに置く。小さく添えた「ブレンドです」の言葉に続けて、自分に向けられた質問を相手にも返す。誰に習ったわけでもなく、そうするのが自然だと脳に染み付いているのだから不思議だ。他人の手を借りるつもりが無いのか、他人には言いづらいものなのか、不自然に終わった探しものの話が気になりつつも、ここはひとまず振られた話題を続けることを優先することに決めて。 )
 お客さんは、最近来られたばかりですか?




  • No.58 by 楸  2021-04-03 19:56:17 




>52 修さん


木へんに秋、ですよ。姉が木へんに春で椿なので。
( さらりと答えて、聞かれてもいない答えまで乗せる。自然に重ねた情報は事実であるが、大して知られても問題のないもの。「そうですね。ビルや工場があると風景も変わってしまいますし。自然のままなのも、過ごしやすくて良いでしょう」こくりと頷いて賛同してみせる。実際心地よい風が吹いているのだし、快適であることは本当である。豊富な自然の他に働かなくても良いこととあって、調査目的でなかったとしたらさながらユートピアのようだ。もっとも、此処を出たらもう来られないだろうから、そういう意味でも桃源郷といって差し支えないのかもしれないけれど。微笑みながらも探りを入れるように、少しだけ観察してみる。一見しただけでは、彼は穏やかで優しそうに見える。何があるのかはわからないが、関わったとしても此方に非はなさそうだ。失礼にも思える感想を抱きながらも、それは一切顔に出さず。「何処が良いでしょうか……生憎どんな風になっているのかわからなくて。ああ、食糧は調達しておきたいかもしれません。少し、お腹がすいてしまって」ゆるりと首を傾げて、不安げに瞳を揺らす。暗に案内場所は委ねる意思を示しながらも、照れたように腹部を押さえて )



  • No.59 by 圷 良司  2021-04-09 14:38:03 




>守

 【 4月某日 / 喫茶店 / >57 】


ん……、まあな。何分越してきたばかりで勝手が解らん。だから少し散策していたところだ。
(三年。目の前の青年はこうして喫茶店に勤めている上他の客とも親しげに言葉を交わしていたため随分この街に馴染んでいるように思えたが故に少々短くも感じられて、しかしながらまだ香撫町を訪れて数日しか経過していない己と比べればその差は歴然としており、その上彼は接客もしているのだからそれなりに街の地理だけでなく人間関係にも詳しそうだと紫煙を燻らせながらそう推察していると珈琲の注がれたカップがソーサーに乗せられ眼前に差し出されて。それを見た圷は近場にあった灰皿を引き寄せるなりその端っこに吸い差しの煙草を一旦置き、カップを口許へ運んで香り高いブレンドを少量口に含む。淹れたての温かいそれは適度な苦味と絶妙な酸味が絶妙な味わいを演出していて、その味に満足そうに一つ頷きつつ投げ掛けられた問いを一先ず肯定した後、自らの於かれている事情を簡潔ながら正直に打ち明けていく。こういうことは下手に隠そうとせずに事実を告げた方が話はスムーズに進むものだと経験上重々承知しているのだ、そしてある程度順序立てて事を運ぶ必要があることも。まだ六分ほど珈琲の揺蕩うカップを一度ソーサーに置いては青年を見上げ、その端麗な容貌をつぶさに眺めつつ。)
──俺は圷、圷良司だ。君は?

  • No.60 by 修 / オサム  2021-04-14 22:12:46 



>楸


 【 3月某日 / 神社 / >58 】


 ほほお、ご姉弟揃って素敵なお名前だ。さぞご両親も立派な方なのでしょうな。
 ( 感心したように僅かに目を見開いて見せる。一つではそのまま受け止めるだけだったものが、二つ並んだ途端に意味を持ったように感じられる。勉強法に取り入れられるほど、関連性というものは人間にとって重要らしいと聞くが、なるほど確かに。彼の名前はしばらく忘れることは無さそうだ。しかし、季節の漢字を用いるところから見て、彼の両親は4人子どもをもうけるつもりだったのだろうか。人様の家庭のこととは思いながらも、ついつい勘繰ってしまう。うちは一人娘だったが、随分と手を焼いた。4人など育てようものなら、きっと手がいくつあっても足りぬだろう。二本の腕では、せいぜい人一人を殺めるのが関の山だ。「若い人は沢山食べませんとな」腹の辺りを押さえて、はにかんだような表情を浮かべる彼に、高らかな笑い声をこぼす。私も若い頃は常に腹を空かせていたと言っても過言ではないほどよく食べたが、歳を取って〝腹が減った〟という感覚も薄くなってしまった。今では決まった時間に機械的に食事を摂るのみ。やはり歳は取りたくないものだ。携帯端末をちらりと確認する。時刻は11時過ぎ。昼食にしてはまだ少し早いが、移動するうち丁度良い時間になるだろう。思いついた食事処をいくつか挙げた後、回答を待つように彼の方へと視線を合わせる。選択肢は然程多くない。大して決めるのに時間は掛からないだろう。 )
 食事処なら、東部にある無人のファミリーレストランか、若い奥さんが切り盛りされている定食屋か……ああ、丁度あなたくらいの歳の青年が経営している喫茶店も、南部と西部の間辺りに。自炊なさるなら、スーパーマーケットは大体どこの辺りにもありますよ。一番よく利用されているのは、やはり北部のスーパーマーケットでしょうか。




  • No.61 by 守 / マモル  2021-04-14 23:23:27 



>圷


 【 4月某日 / 喫茶店 / >59 】


 ああ、僕も、この町に来たばかりの頃は戸惑ったなあ。
 ( 彼の人間味の滲む言葉に、少しだけ気が緩めば懐かしむように笑みを溢す。平日の昼間でもショッピングモールが賑わっているし、まだ大人に守られるべき小さな子どもが一人で寮生活をしている。〝しなければいけないこと〟が一つも無い、今までの常識が常識でない町。この町に来てまず思ったのは、自分がいかに〝何もしない〟ことに対する適性がないかということだった。この町に来たばかりの、抜け殻のような状態でもどうにも手持ち無沙汰だったし、あの子の居なくなった町を見ていたくなくて逃げてきたのに毎日あの子の声を聞いた。ついでに言うと、この町は自治が基本なのに、前任の管理人はあまり仕事をしてくれなくて治安も今より悪かった。一週間と経たずに、僕はこの町に来たことを後悔した。「僕で良ければ手助けするので、何でも言ってください」今はもう過去になった苦い思い出を振り返りつつ、少しだけ胸を張って見せる。見るからに年上だし、身体つきも強そうだが、ここに居る時間だけは僕の方が長い。先輩風を吹かせるくらいは許されるはずだ。カップを下ろす、淀みのない所作につられてソーサーへと視線を落とす。次に視線を元の位置へと戻すと、ふいにこちらを見据える目とぶつかった。仕事柄、相手が名前を名乗る時は、仲を深めたいと思ってくれている時か、依頼、またはそれに類似する何かがある時だ。緩んだ表情が僅かに緊張を帯びるも、珍しいフルネームでの名乗りに、気になったことをそのまま無遠慮に訊いてしまって。 )
 僕は、守。『守る』って漢字そのままで、守です。……って言うか、もしかして圷さん本名ですか?




  • No.62 by 楸  2021-04-21 22:53:29 




>60 修さん

親がどうかはわかりませんが……センスは良い方だと思いますよ。
( 思い出すのは幼少期。忙しく働きながらも遊んだり勉強を見てくれたり、それなりにちゃんとしていた人だと思う。数多のものから何かを選択するときも、意味を持って取捨していたのが記憶に新しい。どんな人かと問われたら、ただ良い人としか言えないけれど。答えは素っ気なく聞こえるかもしれないが、愛情がないわけではない。さて、前に里帰りしたのはいつだったか。研究に没頭すると時間感覚さえ曖昧になるのだから困ったものだ。「では、スーパーマーケットに。ファミリーレストランなんかも気になるところではありますが……」幾ら働かなくて良いといっても、外食ばかりで浪費してしまったら話にならない。取り敢えずは安定を求めるのが得策だろう。それに、そんなにお腹のすいていないかもしれない人を付き合わせるのも良くない。その程度の気遣いは欠けていないはずであり。此処の食事処はどんなものか、スーパーマーケットの品揃えはどの程度であるのか。気になることはたくさんあるけれど、まずはゆっくり観察していくとしようか。選択肢の中から2つを拾い上げて口に出しつつ、様子見とばかりに首を傾げて )
修さんは、どんなものがお好きですか?よく行く食事処なんて、あったらお聞きしたいです。


  • No.63 by 圷 良司  2021-04-25 12:24:21 



>守

 【 4月某日 / 喫茶店 / >61 】


生憎と名前を使い分けられるほど器用なタチじゃないもんでな。何、探られて困ることなんざなにもねえよ。
(守──そう名乗った相手が続けて放った問いに、圷はこの町の片鱗を垣間見た。成程、香撫町では偽名を用いることが常識らしい。とはいえ、だからといって二つ目の名前を用意しようという協調的な考えは頭に浮かんでこなかった。どうせ自分は隠すほど大層な身分でも大した人間でもなし、下手な嘘で塗り固めて後で出てきたボロをあくせくと埋め合わせをする方が面倒だと、圷はそう考える人種だった。しかしながら他人にも同じことを求めるつもりは更々ない。単に自分自身がそうしたいだけに過ぎない。いつの間にかすっかり灰が落ちきってしまった煙草を灰皿にぐりぐりと押し付け、新たに取り出した紙巻き煙草へと火を灯し、一度深くニコチンを体内に取り込んでから豪快に紫煙を吐き出した後、短い背凭れにぐっと腰を預けて値踏みするような眼差しを守に向ける。矛盾してはいるが、一刻も早く妻を見出したい気持ちと愛しい彼女の姿を他人に、しかも自分より遥かに見目麗しい男に見せるということに躊躇いを覚える気持ちはいつも表裏一体で付き纏うもの。けれど、そんな瑣末な嫉妬心などやはり妻に会いたい欲求に比べれば塵に等しいと判断するや否や上着のポケットから白いワンピースを身に纏った痩身の女性が映されている草臥れた写真を一枚取り出し、それを相手に向けて差し出した。)
……この女が俺の探し物だ。見たことはあるか?

  • No.64 by 修 / オサム  2021-04-28 19:59:14 



>楸


 【 3月某日 / 路面電車 車内 / >62 】


 恥ずかしながら、私は料理が出来ないので、白米と野菜だけ用意して、おかずはスーパーのお惣菜や冷凍食品で済ませてしまってばかりです。
 ( 出来合いの食事ではなく、材料を買って自炊するらしい彼に、娘が『最近は男も料理をする時代だ』と言っていたことを思い出す。男は外に出て働き、女は家庭を守る。そんな時代はとうに終わったのだと。目まぐるしく変化する時代に、私は置いてけぼりだ。ひとまずは北部のスーパーマーケットへ案内しようと、北部との境へ向かう路面電車に乗り込む。もう年単位で香撫町に居るが、この無人のシステムには未だに慣れない。「いやはや、こんな事なら私も少しくらい料理の勉強をしておくんだった」空いている車内の座席にゆっくりと腰を落ち着けると、眉を下げて面目無げに微笑む。「外では女房が毎日手作りしてくれていましたから、時々無性に人の作ってくれたものが食べたくなってしまって。先ほど候補に挙げた定食屋なんか、値段もそこまで高くないのに美味しくてですね、奥さんも気立ての良い方で、よく立ち寄らせていただいています」聞かれたことに対して、出来るだけ誤解のないよう正確に、素っ気なくなってしまわないよう愛想の良い返事を、と心掛けていると、どうにも一方的に喋ってしまうのが私の悪い癖だ。歳を取ってくると、良い意味でも悪い意味でも周りが気にならなくなって、目の前に相手がいるという意識が抜け落ちてしまいがちになるのだろうか。しかし、今日のやり取りで、後に残るのが『年寄りの話は長い』という印象だけになってしまっては困る。上辺を撫でるような言葉の交わし合いはやや退屈ではあるが、まずは親交を深め、彼の人となりを知るところから始めなければ、私の目的は叶わない。足掛かりとして、こちらからも何でもない質問を投げることに決める。 )
 楸さんは、よく料理なんかをされるので?




  • No.65 by 守 / マモル  2021-04-28 20:00:04 



>圷


 【 4月某日 / 喫茶店 / >63 】


 ( ……ああ、そうか。目の前に差し出された写真を見た瞬間、心に引っ掛かっていたものがすっと下りていくような感覚に襲われる。微かに感じていた違和感の正体。この人は、この町に〝第二の人生〟を求めて来たわけではない。外の世界を引き連れたまま、何かを取り戻しに来たのだ。彼が〝探しもの〟だと言った写真の中の女性を眺める。白いワンピースに身を包んだ、痩身の女性。綺麗な人だな、と思うより先に、その人がカメラの方を向いて映っていることに安心する。何でも屋なんて仕事をしていると、隠し撮りのような写真で、きな臭い依頼を持ち込んでくる人も少なくないのだ。「……この人は香撫町に?」最初に口に出したのはその一言だった。写真の女性の顔に見覚えは無い。しかし、このタイミングで事情を話したということは、手助けを必要としているということ。話を前に進めるように、この町に居ることは確実なのか、という事実確認から始める。頼まれてもいないのに首を突っ込んでしまうのは、多分もう習性のようなものだ。一度入れば二度と出ることは叶わない、と噂される香撫町まで追い掛けて来るほどなのだから、きっと信用に足る情報と相当な覚悟があるのだろう。必ず見つけてあげなければ、と一人で張り切る反面、思う。香撫町は、ここに暮らす住人たちにとって、言ってしまえば最後の砦だ。この女性を探し出してしまうことは、目の前のこの人に引き合わせてしまうのは、果たして彼女にとって喜ばしいことなのだろうか。少し考えて、すぐに首を振る。そんなことより、金だ。余計なことを考えている暇があれば、一刻も早く、一銭でも多く、金を稼がなければ。優しさなんて、何の役にも立ちはしない。第一、会ったこともない人の気持ちなど、僕がいくら考えたところで分かるものでもないのだ。ふと、差し出された写真に目を遣る。草臥れたそれは、窓から差し込む陽を反射して、その表情を見せはしなかった。 )




  • No.66 by 管理人。  2021-04-29 23:54:06 




( / 参加者様、参加を検討されている方へ。この度、当トピックに【ストーリーシナリオ選択】と【居住歴】を追加致しました。以下、新しい移住届となります。項目の付け足しは可。住人、調査者の区別はありません。ご質問も受け付けておりますので、気になることがあればご遠慮なくお声掛けください。ご迷惑をお掛けしますが、これからも皆様に楽しんでいただけるトピックを目指して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。 )


【移住届】

名前: 本名である必要は無し。読みまで。
年齢: 
性別: 
容姿: 
性格: 
備考: あれば
移住理由: 任意。詳しく書いても、断片的に書くのでも、書かなくても。調査目的の者は、町に入る際に騙った移住理由を。
居住歴: 来たばかりの時点から始めたい方は『来たばかり』と記載。14年以上は不可。
希望シナリオ: 日常 / 探索謎解き / 記憶喪失 のいずれか。希望エンドがあれば >67 より番号で。
初回指名キャラクター: >3 より選択
初回ロル: 多少短くても大丈夫です。最初に【 日付 / 場所 】を明記すること。日付は『○月某日』や、特に指定が無ければ季節だけでも可。場所もある程度の創作可。



  • No.67 by 管理人。  2021-04-29 23:55:31 





「 実のところ、この町から出る方法はあるんだ。でも、大抵の人が辿り着けないから〝出られない〟ってことになってる。……現実は、いつだって僕らには優しくない。 」


何もかもが少しずつ歪んだこの町で、あなたが見つけるのはどんな物語?


ストーリーシナリオ:

□日常
心に仄暗い歪みを抱えたまま、それでもここは外の世界よりずっと息がしやすい。香撫町での第二の人生。夢幻の安寧の日々。
※守の店の従業員、鏡華のクラスの生徒、特定キャラクターのご近所さん等、指名キャラクターとの関係性を持たせるキャラメイクは可。職業持ちも可。ただし、縋の探している〝あの子〟や、双葉の両親、前任の管理人等、重要人物は不可。開始時点から恋人や親友等も不可。

エンド ) 1/2/3/7/8
町から出る条件は『自身の歪みを受け入れ、正すこと』。望むエンドに基づいた行動を。


□探索謎解き
一体誰が、何のために、こんな町をつくったのか。何も知らないままでいることと知ってしまうこと、どちらが不幸なのか。隠された真実へと手を伸ばす物語。
※ソロル、強制指名あり。元々住人で、何かをきっかけに町の秘密を探り始めるのでも、最初からその目的で町へやって来たのでも可。難易度は高め。

エンド ) 1/4/7/8/9/10
参加者様の行動によってエンドが決まります。


□記憶喪失
ここはどこ?私は誰?目を覚ましたその場所は、香撫町というらしい。普通の町とは少し違うこの町で、失くした記憶を辿る物語。
※指名の都度、記憶を失くす前の関係性を指定していただきます。

エンド ) 1/5/6/8/9
エンドは原則ランダムです。ご自分で指定したい場合は、その旨を主まで。



エンド一覧:
※エンドを迎えた後は、別世界線でリスタート、もしくは転生の選択が出来ます。

エンド1:日常
香撫町での平穏な暮らし

エンド2:旅立ち
一人で香撫町を出る

エンド3:新たな日常
特定キャラクターと共に香撫町を出る

エンド4:第二の人生を送る場所
香撫町の真実に辿り着く

エンド5:過去に殺さる
???

エンド6:消えないもの
???

エンド7:「ずっと一緒だよ」
朔良に食べられる

エンド8:檻の中
縋に囚われる

エンド9:香撫町の管理人
透が使命を果たす

エンド10:正義の犠牲
修に殺される




  • No.68 by 管理人。  2021-04-29 23:57:13 




指名キャラクターの居住歴:

 透  - 2年と1ヶ月
 朔良 - 5年
 睡  - 1年と9ヶ月
 來  - 1年と9ヶ月
 幸  - 1年と8ヶ月
 守  - 3年と6ヶ月
 縋  - 4年と1ヶ月
 逸  - 1年と2ヶ月
 命  - 2年と3ヶ月
 遊  - 1年と7ヶ月
 瞳  - 2年と5ヶ月
 修  - 9年と11ヶ月
 双葉 - 4ヶ月
 鏡華 - 4年と3ヶ月
 朝  - 6ヶ月



  • No.69 by 管理人。  2021-04-29 23:58:18 




登録住人名簿:

 月( >5
 景( >23
 楸( >46
 圷 良司( >51



>月ちゃん/楸さん本体様、景ちゃん本体様、圷さん本体様

( / 現在、月ちゃん、景ちゃん、圷さんは【日常】シナリオ、楸さんは【探索謎解き】シナリオと認識しております。認識違いや、希望エンド等がございましたら主までお申し付けください。ただ、エンドに関しては必ずご希望に添えるとは限りません。ご了承ください。また、絡みの途中ではありますが、居住歴を『来たばかり』から変更したい場合も主まで。お手数をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。 )



  • No.70 by 月  2021-04-30 10:24:13 




>43 睡

( 騒がしいゲームセンターの中だから、小さな言葉は伝わらない。否、伝わらなくても良かったのだ。お節介だと思われて、離れられてしまったら、きっとその方がずっと辛い。だから、これは予防線。面と向かってはっきりと、伝わる声を出すことができないわけじゃない。静かに呟いたのは、聞こえても、聞こえなくても良いようにしたかったから。彼も來も、過去の呪縛に囚われているのだと思う。断片的にしか知らないくせに、心配して突っ走るのはどうなのか、とも。「そっか……うん、頑張って」二人が、ちゃんと話すのが良いと思った。追うつもりもなければ、一人でこのままメダルを消化しようと。そのつもりだったけれど、彼の瞳は此方を向いている。きっと心配と不安が顔に出てしまっていたのだろう。隠すことができるほど、器用じゃない。「一緒に……でも、良いの?一人で行くんじゃなくて」本当は、聞くよりも早く探してあげるべきだとわかっていた。來は今見付けてあげないと、心を閉じたままでいるんじゃないか。わかっていても尋ねてしまうのは、まだ自分が部外者だから。いくら仲良くなったといえど、兄弟の問題に踏み込んで良いものなんだろうか。考えていても無駄なのに、色々なことがぐるぐると頭を回る。冷静になろうと、機械的にメダルを投入して、操作する。先程まで順調に吐き出されていたものが、今はあまり出てこない。不思議とタイミングが掴めなくなっていた。不器用にも程がある。「私は、睡と來がまた話せるようになったらって思ってるよ。嫌だ、じゃなくて、悪くはないって思えるような手伝いができるなら。やっぱり重いかな?」ぽつりと呟いた本音。歳上の威厳も何もない、ただのお人好しとしての言葉だった )



( / 名前を見たらつい動かしたくなってしまいまして、突然再開の文章を投げることをお許しください。希望エンドに関しまして、月は1か3(3については二人を連れ出すことが可能であればのこと、基本は1を主軸として)、楸は4に向かって動いていて、最終的には物語を離脱しようとしておりますが、1に落ち着くのもありなのかな、と。相変わらずふわっとした答えで申し訳ないです。現在楸の方もお返事作成中です。 )


  • No.71 by 圷 良司  2021-04-30 16:12:20 




>守

 【 4月某日 / 喫茶店 / >65 】


……少なくとも、日本中で探していない場所は此処だけだ。
(彼から齎された問いを耳にしたその瞬間、抱いたのは落胆だった。どうやら心当たりはないらしいと、言葉だけでなく表情からも読み取ると無意識のうちに紫煙に嘆息が混じってしまう。だがそれは、言い換えてみればいつもの出来事だった。淡い期待を抱いては打ち砕かれる、その事象の繰り返しは最早日常に等しいある種のルーチンワークと化してしまっていた。──これではいけない。あくまでも気持ちは前向きに、確たる証拠がない以上諦めてはいけないのだと自分自身を鼓舞しながら相手へ投げ掛けるのは相変わらず低く無愛想な、けれど何処か哀愁の隠し果せていない言葉だった。探せる場所は探し尽くした。それこそ、私生活を投げ売って。見覚えがないのなら仕方ない、と妻が此方に向かって淡く微笑むその写真を仕舞い込もうとして寸でのところで思い留まる。見たところ彼はこの町の住人とそれなりに交流がありそうで、尚且つ三年ほど居住しているという礎もある。新参者の圷にとっては、人の集まりやすい喫茶店の従業員という存在は簡単には手放したくない貴重な"情報源"の一つに違いなかった。故に、「君さえ良ければ、協力してもらえないか。勿論、タダでとは言わない。それなりに報酬は弾む」極めて落ち着いた口調で、しかし他の客に聞こえてしまわぬようやや前のめりになり、潜めた声でそう持ち掛けてみる。実を言うと刑事という過去の仕事柄、こうしたやり取りは珍しいことではなかった。妻を見出す為なら、利用出来るものはどんなものであれ利用する。例えそれが物であっても、人であったとしても。圷は煙草を指の間に挟んで持ち、カップを手にして珈琲を味わいながら返事を待つことにした。)


(/お世話になっております。圷のストーリーシナリオについてですが、日常という認識で相違ありません。エンディングに関してですが此方から希望するものは特に無く、流れに身を任せてどのようなエンドに辿り着くのか、その過程と結果を楽しみたく思っております。居住歴は『来たばかり』から変更はありません。)


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