302号室 ／ 〆

　じゃあ、俺も呑もうかな。…簡単な肴になるけど作ろうか？ラスクの上に生ハムとチーズを乗せたやつだけど。 (　缶ビール見れば微笑み ／ 冷蔵庫の中身を思い出しながら　)

そう来なくっちゃ。わお、一瞬にして小洒落た晩酌になった。天才料理人の陽人さんにお願いしちゃおう。…俺も何か手伝おうか？（　レンズ越しの双眸を喜々と細め ／ 片手間に材料冷蔵庫から取り出しながら訊ね　）

　そんな持ち上げても何もでないよ？そしたら袋からラスク出してもらって俺が生ハムとチーズを切るから盛り付けをお願い。 (　言葉とは裏腹に表情は緩み ／ キッチンに立てば皿を出し　)

陽人が笑顔になってくれりゃ万事OKのポリシーでやってるからね。──了解。…って、盛り付け担当俺でいいの？士郎さん、その辺のセンスは抜け落ちてる気ぃするんだよなあ…。何が生み出されても美味しく食ってくれよ（　満足気に頬緩め ／ ラスク袋から取り出しつつ掛けられた言葉反芻し、からりと笑って相手に視線向け　）

　本当に男前だよな、士郎って。心配性だなァ…普通にチーズと生ハムを乗せてくれたら大丈夫。──よし、士郎さん宜しく。(　相手の言葉一つに照れた表情を見せれば ／ 視線を交え頷き生ハムとチーズを切れば委ねて　)

あは、お褒めに預かり光栄の限り。俺からすれば陽人の方が何倍も男前に見えるけどね。ん、任された。……ええ～…こんな感じでいいのかね。すげえ自信無い。陽人さん、チェックお願い（　慈愛覗く眼差しで相手見詰め ／ 殆ど勘で盛り付ければ眉間に皺寄せたまま振り返り　）

　あんな男前な言葉は早々、出てこないよ。みんな一発で士郎に落ちそうだから他の人には言わないでな。──うん、綺麗で美味しそう。俺だって人の事は言えないけど…ビールも待ってるし食べよっか。(　モテるであろう相手に独占欲を表し ／ 肩を掴み後ろから盛り付けを見れば笑み零し皿を持ちテーブルへ　)

そんな風に捉えるの陽人だけだっての。他の人達に言ったら鼻で笑われるよ、おっさんの臭い戯言だって。そもそもお前以外に言う宛先が無えんだけどさ。──おー、合格も貰えたことだし早速洒落込もう。嗚呼そうそう、いつもよか早いけど寝落ちちゃったら御免ね。返事が途絶えたら床に転がしといて良いから（　滲む独占欲を察し喉鳴らして愉しげに応じ ／ 缶ビール二人分持ち後に続き　）

　士郎は若く見えるし惚れる人はいると思うけど。…でも宛が無いなら安心か。──毛布くらい掛けるから、それに疲れてるなら寝てくれてもいいよ。毎日、相手してくれてありがとうね。…よし、食べよう。(　妙に安心感が芽生え ／ 皿をテーブルに置き椅子に座れば　)

　寝ちゃったかな…疲れてるのに今夜も相手してくれてありがと。寝落ち確定ゴメン、良い夢を…おやすみ。 (　相手に肩に毛布を掛け ／ 自室へと歩み　)

宣言して早々に寝落ちて御免ね。それと毛布ありがと、お陰様で士郎さんはぐっすり眠れました。先に帰宅できたみたいだし、ホットココアをお供に待機しとく。──それと此方こそ毎日ありがとね。今後も陽人に無理の無え範囲で構ってくれりゃ超幸せ（　目尻緩め ／ マグカップ片手にソファーに身を預け　）

　ただいま。ぐっすり眠れたようで何より、今後も無理せずにな。俺も士郎が相手してくれてるおかげで夜はよく眠れるんだ。──あれ…甘い匂いがする何を飲んでるんだ？ (　帰宅しリビングへ ／ 広がる甘い香りに相手の持つカップへ視線向ければ　)

おかえり。士郎さん、安眠作用あるのかねえ。自分にも跳ねっ返りで効いてる気がすんだけど。──ホットココアだよ。調理スキルゼロの俺でも作れちゃう、簡単美味しいスーパー美味いドリンク。飲む？（　相手の姿見留ゆらゆら隻手振り ／ 湯気立つマグカップ擡げ　）

　士郎もお疲れ様。それはあるんじゃないか？結果も出てる訳だし。抱き枕より効果あるよ。士郎も眠れてるみたいでよかった。──それじゃあ、士郎さんお手製のスーパー美味しいココア頂こうかな。士郎って甘い物好きなのか？ (　ネーミングと説明に表情を綻ばせ頷き　)

…それさあ。いい事思い付いちゃったんだけど、俺を抱き枕にしたらすげえ快眠になりそうじゃない？──よーし、任せとけ。一日頑張った愛しの同居人くんに、士郎さんが腕を奮ってホットココアを作って差し上げよう。此処で良い子で待ってな。…甘いモンねえ、最近になって進んで飲み食いするようになったわ。歳かね。陽人は好き？甘いの（　真面目な表情作り戯れに冗談 ／ 相手の頭わしゃりと一撫ですればキッチンへと歩を進め　）

　確かに良い案だけど、朝までずっと抱き付きてたら暑苦しくない？──うん、お願いします。士郎お手製ってのが良いよね。最高のご褒美だ。嫌いではないんだ？甘い物を食すると疲れが取れるとな言うもんな…。俺は職業もあるけど好きだよ、それなら今度ケーキでも買って来ようか？ (　小首捻り考えてるも現実的な疑問抱かせ ／ 撫でられれば返事しソファーへ座り淹れる姿を見つめ　)

あは、確かに色んな意味で暑苦しいわ。絵面は陽人が居ることで大分緩和されてるけど、寝苦しい以前に実質大の男が抱き締め合って眠ってる訳だしねえ。──あー…密かに巻き起こってる俺の甘い物ブームは疲れ云々が原因っぽい気がしてきた。マジ？その筋の陽人が選ぶケーキ、すげえ気になる。士郎さんガッツリ楽しみにしてます。……偶に忘れちゃうんだよなあ、陽人の職業。俳優やらモデルでも通りそうな見た目してるから（　生真面目な応答に思わず一笑し ／ 温めたミルクにココアパウダーと僅かな砂糖を丁寧に溶かしながら苦笑零し　）

　でも寝てるのは俺達だけだから誰にも迷惑は掛けてない。暑苦しいって言ったけど…本当は毎日でも一緒に寝たいよ、抱き付くのがダメならベッドの端っこでもいい。──会社でチョコやら飴やら食べてない？女性社員に貰ったりとか…。何かハードル上がってるのは気のせいか…色々あるからなァ、悩む。……只のカフェやってる者だよ。士郎だって背高いしスタイル良いし一緒に歩いてたら周りの目が気になるよ。 (　俯くも必死に願望を口にし ／ 相手の背丈を見つめ呟けば　)

ベッドの端って。そんな杜撰な扱いする訳無えじゃん、おばか。陽人の体温心地好くて好きなんだけどさあ──俺も男なのでね、手ぇ出しちゃうかもしれねえのよ。だから駄ァ目。陽人ってばエスパー？職場の女性陣すげえ恵んでくれるよ、薄っぺらな身体だけどそんなに飢えてるように見えんのかね。気付かれたか、ハードル地味に上げましたからね。最早期待値MAX。俺にそんな事言うのお前くらいだよ。相当な物好きと見た。はい、お待ち。士郎さんお手製、ハイパー美味いココア──だっけ。…まあセンス皆無の名前はさておき。飲んでみ（　妖艶な笑みで己の口許に食指あて ／ 照れ臭さ誤魔化すように湯気立つマグカップを相手に差し出し　）

　俺からお願いしてんのに…じゃあ、士郎が寝た頃を見計らって布団の中に入ってやる。──士郎の所の社員は優しいんだな、ハロウィンに沢山貰えるんじゃないか？…上げすぎ期待し過ぎ、もう王道の買ってくるよ。本当の事なんだけど、士郎は自分が男前って早く気付きなよ。…あは、そんな感じ。ありがと…今日は尽くしてもらってばかりだ。(　変化したネーミングに笑み零し受け取れば、ホッと息を吹き掛け　)