〖 非募集 〗砂糖と昼寝。

折角のイチャイチャタイムなんだから晴の顔も見てぇじゃん。(程なくすれば緩んだ表情のままこちらを向いてくれる相手、額が合わされば触れている部分を少しでも感じようと擦り寄っていき。小さなリップ音立て瞼へとキス落とせば思い出したかのように口を開き)…そう言えばさ、どこ行きたいの？

……まだ内緒。(額を擦り寄せられると擽ったそうに肩を竦めて笑い、瞼へ唇が触れれば目を伏せて。しかし行き先を問われると答えてしまおうかと悩み一時口を噤んだ後、ゆるゆると首を左右に振り)

えー、んな事言われたら気になんじゃん。(行き先は簡単に教えて貰えるであろうと考えていたものの、相手がその事に関して口を開いてくれず拗ねたような、むすりとした表情を顔に浮かべ。最後に相手の事抱き締め、首筋に口付け落とし)…んじゃあそろそろ出掛けっか。

でもだーめ。楽しみにしといて。(声色からして相手の表情は容易に想像でき、クスクスと笑いながら後ろ手にぽんぽんと頭を撫でて宥め。ふと体に回った腕に力が込められたかと思えば首筋に擽ったい感触があり笑みを零すも、同時に聞こえた言葉に頷くと漸く相手の腕の中から離れベッドから降り)ん、これ以上イチャイチャしてたら家から出たくなくなるな。

晴のケチ。(頭撫でられれば頬を緩ませるものの尖らせた唇は元に戻さずそのままで。腕の力を緩まれば必然的に離れて行く相手の体温、仕方の無い事だと分かっていてもそれが妙に物悲しく感じてしまう。ベッドから降りた相手の手首を掴み此方側へと引き戻そうかと考えるも、相手が己を誘ってまでも出掛けたい、という場所にも興味があるのは事実。途中まで伸ばしかけた腕を押しとどめ、何事も無かったかのように立ち上がって)俺としてはこのままイチャイチャして一日が終わるのも良いんだけどな。

どんな反応すんのかなーって見てみてえの。(相手の不満も理解できるが、どうしても先に行き先を明かすのは惜しまれ笑いながら宥めて。未だ外出を渋っている様子の相手の手首を掴むとリビングへと引っ張っていき)だぁーめ、今日絶対行く。

んな引っ張んなくても晴の行きたいとこ連れてってくれるんだったらちゃんと歩くってー。(立ち上がるなり手首を掴まれ、そのまま向かう先はリビング。ゆっくりとした足取りでしかし確りと自分の意思で歩みを続けられるのだが、相手が触れていてくれるのであればこんな状態も悪くは無いか、と。冗談めかした駄々っ子のような口振りで言葉を紡ぎつつもその視線は穏やかなもので)

ん、じゃあ行く準備してくださーい。(リビングの真ん中で立ち止まると振り返って外出の支度を促すも、言葉とは裏腹に徐に互いの両手を繋ぐとゆらゆらと左右に揺らして)

っは、これじゃ用意出来ねぇんだけどなぁ？(リビングの中心にて立ち止まったかと思えば、両の手を繋ぎゆらゆらと左右に揺らす相手。くはり、と吹き出せば揺らす片手を意図的に持ち上げて手の甲へと唇触れさせ)

んん…外出たら全然綾に触れねぇんだなって思って。(持ち上げられた手の行方を目で追っていればそこへ触れる唇に僅かに頬を緩めるものの、すぐに表情は些か浮かないものへと変わり。互いの関係に後ろめたさは無いにしても堂々と街中で手を繋げる程度胸は無く、ぎゅっと握った手に力を込めては小さく呟いて)

なぁんだ、んな事なら早く言えよ。(何とも可愛らしい事を言う相手に破顔すれば、少し身体近付け目元へとキスを。そっと繋がれている手を離せば寝室へと逆戻り。小物入れの中へと雑多に入れているレザーのブレスレットを見つけ、それを後ろ手に持ち相手の元へと戻って)…ほら、腕出して。

ん、…え、綾？(相手の顔が目前に来れば最早条件反射で目を閉じてしまいながら、目尻に触れる唇の感触に目元緩め。しかし指先が解けると同時に寝室へ消えて行く姿に戸惑いつつも言われた通りその場に佇んで相手が戻ってくるのを待ち。戻ってきた相手の言葉に脳内に疑問符を浮かべながら、言われるまま両手を相手の方へと差し出して)

外にいる間の俺の代わり。ほんとは手繋いでても良いんだけど見られんの嫌だろ？(素直に差し出された手、真逆両手を差し出されるとは思っておらず小さく笑い声を上げてしまうも、その片手に持って来たレザーブレスを巻き付けて。ぽんと片手を頭の上へと乗せればわしゃわしゃと撫で始め)

…え、これ…くれんの？(言われた通りにしたというのに笑い出す相手に益々疑問を募らせるが、片手に巻かれたブレスレットを見ると大きく目を見開いて。続けられた相手の言葉は届いているのかいないのか、一心にそれを見詰めた後ぱっと顔を上げて問い掛け。頭を撫でられると頬を緩めながら瞼を下ろし)

そ、頑張ってる晴にプレゼント。…つっても俺のお下がりなんだけどな。(くるくると表情の変わる相手を見ていればふつふつと愛おしさが湧いて出てきて。投げ掛けた質問への返答は返ってこなくても良い、寧ろ肯定された時のダメージの事を考えれば返ってこない方が良い。暫く相手の様子眺めた後にふう、と満足気に息吐き出し)ほら、早く用意して出掛けんだろ？

…お下がりすげえ嬉しい。ありがと、大事にする(感極まった様子で微かに頬を上気させながら礼の言葉を告げると、頬を緩ませながら手首にあるブレスレットに触れ。しかし外出の準備を促されると思い出したように頷き、一先ず洗面所へ向かい)あ、…うん、取り敢えず準備してくる。

んな喜んでくれんだったら、もうちょい早く渡しても良かったかもなぁ。(微かに赤く染まった頬を見せる相手の様子に柔らかな笑み浮かべ。外出の用意を促せば思い出したかのように洗面所へと向かう相手とは反対に着替える為に寝室へと再び足を運ばせ。どこに向かうのかも分からない為、白シャツに黒の薄めのカーディガン、スキニージーンズと場所を問わない服装に身を包み。リビングへと戻り先刻テーブルの上へと置いた眼鏡を掛ければ、そのまま相手が用意を終えるのを待ち)…ん、焦んなくて良いからな。

ん、ありがと。(貰ったブレスレットを濡らしてしまわないよう気を付けながら顔を洗い乱れた髪を整えると、歯を磨いてからリビングへ戻り。既に着替えを終えている相手の服装を頬を緩めて眺めつつ眼鏡を掛けている事に気が付くと、ふらりと歩み寄り声を掛け)眼鏡掛けてくの？

(一先ず洗面所での用意が終わったのかリビングへと戻って来るなり此方へと歩を進めてくる相手。ちらりとその姿を見れば僅かに頬が緩んでいるのが確認出来、出したままにしていた本を片付けたり戸締りの確認をしつつ)んー。コンタクト入れんのも面倒だから眼鏡で行くつもりだけど、どうかした？

別にぃ。俺の彼氏は相変わらずかっこいいなと思って。(頬を緩ませたまま首を左右に振って答えると、一言付け加えながら踵を返して歩き始め。背後の相手へ間延びした声を掛けながら着替えるために寝室へ向かい)じゃ、俺も着替えてくるー。