Destiny ─ 始まりの冒険の書 ─ / 非募

･･･夜遅くにごめんなさい｡カミュさんも眠れずにいたのですね｡起こしてしまったのかと思いました｡来て良かったです｡あっ､はい･･･？( 暫くして声が聞こえ扉が開くと目を合わせ｡此方から一方的に来たにも関わらず､貴方が起きていた事に少しホッとし胸を撫で下ろして､改めて外へ行こうと誘おうとすれば､待っていろと言われ返事をして"どうしたのだろう？"と思い首を傾げ､その場に止まり待つと､貴方からブランケットを肩に掛けられれば優しさと温かさに包まれて笑みを返し )･･･わぁ､凄く温かいです｡これなら風邪の心配はありません｡ありがとうございます｡では､少しだけお散歩へ行きましょうか？


( / わかりました！緊張して変な事を聞いたらごめんなさい！では､此方も失礼します！ )

( 微笑む相手に笑み返すと、宿屋の外に出てゆっくりと歩き出し。一人旅も長かったせいかこんな風に誰かと夜の散歩をしている事が不思議で。何となく照れ臭いような気分になり、まず何を話そうかとふと夜空を見上げれば一段と星が輝く夜であり ) ──…今日は星が綺麗だな。マユの世界もこんな風によく見えるのか？

( 一緒に外へと出て暫く歩き､今日の今まで一緒に居たのに､その凛とした横顔を改めてよく見つると､直ぐに視線を反らして｡よく考えると男性と星空の下で２人っきりで歩く事など無かった為に散歩とは言え､いざ貴方の横に並び歩幅を合わせて歩くと緊張し､夜の静寂の中で心臓の音が一段と聞こえて､それを隠すようにブランケットの端をぎゅっと握り歩けば言葉を交わし )──･･･ほんと､綺麗ですね｡はい､私の世界もこのように星が輝いていて運が良ければ流れ星も見えます｡同じ空なら､もしかしたら私達の世界は繋がっているのかもしれませんね？･･･あの､カミュさん｡よかったら座って星を見ませんか？( 貴方の方へ顔を覗かせて微笑むと訊ねて )

そっか…どんな所なんだろうな、マユの世界は。( 星空が綺麗で流れ星も見える世界。きっと綺麗な場所なんだろうと想像し、穏やかな表情を向けながら彼女を近くのベンチへ誘導し腰をおろして ) もし時間の流れがオレ達の世界と同じだとしたら、マユの家族は今頃心配してるよな…。せめてマユが無事だと伝える事が可能ならな。手紙、…なんてのは無理か。( 星空を仰ぎながらふと彼女の家族の事を考え、心苦しくなりながらぽつりと呟き。一瞬閃きかけるが、世界そのものが異なるのでは望みはないかと小さく溜め息を溢し )

私の世界･･･上手く言えないのですが､私みたいな服を来て学校へ行って勉強して友達と他愛もない会話をして帰ってお風呂入って寝て･･･ってこの話は私の話なんですけど｡でも､魔物はいません！あんな､ぷにぷにして動く物は初めて見ました！( 貴方の話を聞きながらベンチに座ると､どんな世界と聞かれ頭の中で想像してみるも､どう説明して良いか分からず､自分の日常的な事を話し｡今日見たスライムを思い出せば首を左右に振り少し青ざめて )･･･心配してるかな｡おたずね者みたいに顔写真いっぱい貼られて､ある意味有名！逆に帰りづらいよ！みたいな｡もし､手紙が書けてたら心配しなくても大丈夫､凄く頼もしくて優しい人が傍にいますって書きたい( 星空を見つめ家族の事を思い出せば寂しさを隠す為か半ば冗談混じった事を言い微笑み､少し暗い貴方に視線を向けると､想いを綴らせ述べて｡ふと､貴方に寄り添い肩がつく程の距離を縮め､ブランケットの半分を肩に掛けて )･･･寒いと思って｡もし､良ければカミュさんの家族の事も聞かせて下さい｡

学校か…。この世界でも学校はある。そういえばそこの生徒はみんな同じ制服を着てたな。マユのも制服ってやつなのか？( 以前訪れた場所にあった学校を思い出すと、彼女の服装を物珍しそうにまじまじと見つめて ) 魔物が居ない世界か…平和で裕福で幸せな世界なんだろうな。マユを見てると何となくそんな感じがするんだ。( 魔物が存在しない世界は想像もつかないものの、彼女を見ていると心が和み優しい気持ちになれる気がする。寄り添いブランケットを掛けてくる彼女の優しさに少しばかり照れ臭そうに〝サンキュ〟と笑ってみせ ) 家族、か…。( 家族の話を振られると僅かに俯き加減になり口ごもるも、やがてふっきれたように空を見上げて語り出し ) オレには親は居ないんだ。生意気な妹ならいたんだけど…まぁ色々あってさ。元気ならちょうどマユと同じくらいの歳かもな。

この世界にも学校があるのですね！？どんな勉強をするのですか？･･･はい､この服は制服と言います｡制服にもタイプがあるのですが､スカーフでは無くリボンやネクタイのものとか､ブレザーと言って上着のように羽織るものもあるんですよ( 同じ学生がいる事に驚くも興味津々に聞けば｡自分の身に付けている赤いスカーフを持ち上げたり制服の裾を摘まみ見せたりと説明して )幸せや裕福と感じるのは人それぞれだと思いますが､私は元の世界に家族や友達が居て､此処ではカミュさんが助けてくれて幸せ者です｡それに､魔物がいる分､ここの人達は逞しく生きていると感じます｡はい､カミュさんが風邪を引いたら困るのは私もですから( 貴方の笑顔を見ると自ら近付いた距離感に今さら恥ずかさが芽生えスカートをぎゅっと握り少し俯き )･･･そうだったのですね｡もし､嫌な気持ちにさせてしまったらごめんなさい｡カミュさんは私と会う前は１人で旅をしていたのですか？私には兄弟が居ないので羨ましいです､逢ってみたいな( 自分の発言に後悔をし謝罪して､兄弟の話になれば､貴方を見つめ妹の姿を想像し小さく呟き )

オレは学校には通った事がないからどんな勉強をするのかわからないんだけどさ、そこの生徒さん達は楽しそうだったぜ。ふーん…制服の事はよくわからないけど、何ていうか…その制服はマユによく似合ってるな。( 丁寧な説明を興味津々に聞きつつ、制服姿の彼女は何だか眩しく見え素直に誉めて ) …マユは優しい奴だな。逆にオレはマユに助けられてる気がする。一人旅は気楽だけど、たまに負の感情に押し潰されそうになるんだ。でもマユと一緒にいる間は余計な事考えずに済む。何となく安心するっていうか、穏やかな気持ちで居られるんだ。…サンキュな。( 周囲の人々に感謝を忘れない彼女の考え方に感心すると共に気持ちが安らいで。彼女の存在は今の自分には有り難く、柔らかな笑みを返しながらぽんぽんと頭を撫でて ) あいつ…マヤも、マユみたいに可愛いげある妹ならいいんだけどな。

ここの世界にも学校がある事に驚きました！本とか読んでみたいです｡似合ってますか？ありがとうございます･･でも､同じ服を来た女の子は学校に沢山いるので､その中でも私は取り柄もありませんし､地味ですよ( 誉められて嬉しいはずなのに､素直になれず自分は華やか子では無く､ごく一般的な女の子だと話しは眉下げ笑みして )──･･･私は何もしてません･･寧ろ私の方が助けてもらってばかりです｡隣にいる事で助けになるなら､毎日います！･･あっ､こ､これは｡そう言った意味では無く､カミュさんがもし･･負の感情に押し潰されそうになったら私が助けます｡いつでも手を取りますから( 初めて見る貴方の柔らかな笑顔に見惚れ静止し､頭を撫でられ我に返り頬を仄かに紅く染めれば俯き｡会話をする中で自分の今までの行動を否定するように首を左右に振り､有りの侭の気持ちを言うも誤解の招く言い方に慌てて赤面し､力になりたいと改めて言い直して )･･マヤさんと言うのですね｡名前がマヤとマユ似てますね？ふふっ､カミュさんはマヤさんの事を大切に思ってるのですね｡

そんな事ないだろ。マユは普通に可愛いんじゃないか？目もぱっちりしててさ。何ていうか…女の子らしい雰囲気だよな。( 地味だとは思わなかったようで意外そうに目を丸くし、やや照れつつも思った事をそのまま述べ ) ははっ、別に変な誤解はしてないぜ。マユが居てくれるならオレも心強いな。考えごとしてる暇も無さそうだし、楽しく旅が出来そうだ。( 慌てる様子にきょとんとするが、直ぐに意味を把握しおかしそうに笑って。妹の事を思い少しだけ切なげな笑みを浮かべた後、しんみりしたくなかったのか話を変えるように ) マユにも大事な人はいるだろ。家族は勿論だけど、友達とか…恋人、とかさ。

えっ･･可愛いですか！？や､やだなぁ･･･カミュさん､お世辞が上手なのですね( 男性から初めて容姿を誉められて､ぽっと顔を紅くしては貴方の腕の辺りを数回バシバシ叩き照れ隠しして )心強いですか？魔物がいても､私は戦えないし､ぱふぱふ屋ではカミュさんに迷惑掛けてしまったし｡どうしたら強くなれるのか教えて欲しいです｡本当にお話しか出来ない女ですよ？( 笑われて少し不満な顔をするも､自分には此れと言って得意な事も無く､上記を述べて瞳を合わせ首を傾げ )はい･･大切な人ばかりです｡特に仲の良い友達とはお昼にお弁当を食べたり｡一緒に買い物へ出掛けたりします｡私には恋人はいませんが･･１つ年上の人で憧れと言うか良いなぁって想う人がいます｡皆､どうしてるかな･･｡カミュさんも､好きな人はいるのですか？( 顔を上げ星空を見つめ友達や先輩の顔を思い出しながら話すと､最後は小さな声で呟き｡貴方の恋への関心に目を向けて )

いや、お世辞のつもりはなかったんだけどな。それに迷惑なんかかけられてないし、マユといると新鮮で楽しいよ。( 腕を叩く行為が彼女の照れ隠しだと伝われば微笑ましげに見つめ、頷いて ) …そっか。友達やその憧れの奴の元へ早く帰してやらないとな。( 大切な存在について聞くと此方も星空を見上げ、一刻も早く彼女を無事に元の世界に戻そうと決意を固め呟き。その後投げられた質問には困ったような笑みを浮かべながら答え ) あー…オレは今のところそういうのは居ないんだ。元々あんまり恋愛には興味ないっつーか、一人の方が気楽でいいからさ。

･･そ､そんなこと言われたら本気にしますよ！カミュさんは何処から来たか分からない私を受け止めてくれました｡それは私にとって凄い救いです｡いつでも私の居た世界の話しますからね！でも､私が居たら足手まといになりませんか？カミュさんに怪我させたら､私･･( 本意なのか自然と発する貴方の言葉に再び頬を染め｡魔物とも戦えず､ただ居るのが申し訳なく思い､もしもの事があったらと言葉を詰まらせ )･･はい､私も情報を集めてなるべく早く帰るように頑張ります｡これ以上は迷惑かけられないので･･｡また歩いたら違う町へ行けますか？カミュさんと恋バナしてるみたいですね｡そう言って､カミュさんはモテるのでしょ？格好良いし優しいのになぁ･･私の世界でしたら､絶対モテますよ( 貴方との恋の話はどこか新鮮で少し可笑しくなり微笑んで｡否定的な貴方を信じられず､横顔を見つめ容姿や性格を褒めては足を揺らし述べて )

気にすんなって。戦闘は慣れてるし、マユが一緒となれば極力安全なルートでいくさ。( 足手まといだと気にしているらしい彼女を励ますよう軽く背中を叩きにっと笑みかけ ) …あのさ、何回も言うけど迷惑だなんて思ってないからな。旅ってのは色々あるから楽しいんだ。少なくともオレはマユに出会ってワクワクしてる。異世界の住人に会えるなんて貴重な体験だしな。( 迷惑なんかじゃないと分かって欲しくて、真っ直ぐに見つめながら素直な気持ちを伝え。誉め言葉は何だか照れ臭いのか少し困ったような笑みを浮かべながら ) そういうのは自分じゃよくわかんねーけど…サンキュな。…さて、そろそろ戻るか。明日も歩くだろうからな。( 外の空気を吸って彼女も少しは気分転換になっただろうか。色々あって疲れただろう彼女をそろそろ休ませなくてはと、半分掛けてもらっていたブランケットを彼女に巻き直し腰を上げ )

･･はい､ありがとうございます｡そしたら､カミュさんの後を付いて行かせてもらいますね！( 旅には危険が付き物と考えていて怪我をさせたくないと一心だったが､貴方からの言葉に安堵して､笑みを返して )そう言ってもらえて､嬉しいです｡最初に出会った人がカミュさんで本当に良かった｡これからも旅する仲間として､ご指導の程よろしくお願いしますね？女の私が言うのですから､間違いないですよ｡･･そうですね､そろそろ明日に備えて休みましょう( 真っ直ぐ向けられた瞳を見つめ返し､プラスへと考えてくれる貴方に感謝を述べて頷き｡ブランケットを肩に掛けら微笑み握り締め､もう一度､星空を見つめて一呼吸し立ち上がり )

( その後、他愛ない会話を楽しみながら宿屋へ戻ると、部屋の前で“おやすみ”と告げて自室へと。良い気分転換になったのか、ベッドに入り程なくして眠気がやって来てそのまま朝を迎えて。──翌朝、自室にて朝食や支度を済ませると、彼女がいる隣の部屋の扉をノックし )
おはよう、マユ。起きてるか？先にロビーで待ってるから準備出来たら来てくれないか？慌てなくていいぜ。

( 宿屋へと戻る途中も笑顔が絶えず､あっという間に部屋へと着き｡部屋の前まで送ってくれた貴方に"お休みなさい"と告げて入り､ベッドへ潜り天井を見つめながら､異世界から来て不安だらけだったけど､今日１日を通して愉しい事の方が多く､過ごしていく中で彼との距離も少し縮んだ気がして､そんな事を思い安らぎそのまま眠りにつき──･･･翌日､朝になり起きて朝食を済ませ支度をと鏡の前へ座るとノックする音がし貴方の声が聞こえれば扉に向かって返事をし )･･･はい！起きてます！わかりました｡もう少し掛かるので待っていてもらって良いですか？ごめんなさい！

わかった。ゆっくりでいいからな。俺はロビーにいる逆に聞き込みしとくから。( 急かしたつもりはないにも関わらず、何処と無く慌てた様子が扉越しに伝わるとふっと笑みを浮かべながら返し。その場を後にしロビーへと向かえば宿泊客に片っ端から話を聞き始め。他には…と辺りを見回せば、旅行中でもあるのか朝からわいわいと賑わう女性三人組が目に入り。話に夢中のようなので割り込むのは少々気が引けるが、彼女の為だと思い直し声をかけてみて ) なぁ、あんた達──…、

はーい！わかりました！直ぐに行きます！──･･･今日からまた頑張らないと！( 大声で返事を返して｡再び鏡の前に座り直し自分の顔を見つめ元の世界へと戻る為に意気込み｡気合いを入れる為､髪を櫛で梳かし１つに高く束ねては結び左右に顔を振り確めて｡よしっ！と納得すれば立ち上がり部屋を出てロビーへ向かい貴方を探し姿を見つけ､手を振り呼ぼうとすると､女性達と会話をしている姿を目にし直ぐ様手を引っ込め刹那に見つめ )･･聞き込みしてるって言ってたけど､邪魔したら悪いよね｡カミュさんから声掛けたのかな･･って､何を気にしてるのよ｡終わるまで座って待ってよう( ロビーの椅子に座り視界より楽しげにしている貴方を見ては気になり､そわそわしながら会話が終わるのを待ち )

──マユ！( やがて女性達と会話を終え軽く挨拶すれば辺りを見回し。そこで椅子に腰かける相手の姿を視界に捉えれば、笑顔で声をかけ歩みより ) 昨日はよく眠れたか？…ん？何か雰囲気が違うと思ったら…髪型変えたんだな。こっちも似合ってると思うぜ。( 彼女の体調を気遣うも、話していて雰囲気の変化を感じ不思議そうに首傾げ。髪型のせいだと分かれば納得し、似合うと頷きながら毛先を揺らすように軽く触れ )