月に照らされた一輪の白花（非募・ＢＬ）

…アレン（僅かに間を置き、右手の指先でアレンの首筋を伝い、顔を近づけ）

神田…、誰か来たら見られちゃいますよ…（首筋を伝う指先にぞくりと体を反応させながら軽く神田の胸を押して）

そうだな（すっと離れ、名残惜しさも残さず少し距離を取り）そろそろ戻るか（冷えた風に肌寒さを感じ扉に向かい）

はい…そうですね（微笑み、相手の背中を追いかければ一歩後ろを歩き部屋へと向かって）

寒くはないか？（長い廊下を歩きながら、白く息を吐き、アレンは寒くないだろうかと思い）

少し冷えますね、でも神田も寒そう（体を縮こませながら歩き白い息を吐く神田を見れば心配そうに見つめ）

俺は、お前とは鍛え方が違う（息は白く、部屋までの距離が近づく中意地の悪い笑みで答え）ほら、もう少しだからこれでも巻いてろ（アレンに依然もらったマフラーを巻いてやり）

だから僕だって鍛えてっ、…ありがとうございます…
（神田の意地悪な笑みと言葉に反論しようとするもふわりと首に掛かったマフラーに口元を埋め小さくお礼を言い目線を逸らしながら部屋と向かって）

風邪を引かれても困るからな（部屋に続く廊下の先を見つめ歩みを進め、ようやく部屋に到着し）

はい…（神田の気遣いに嬉しくなり笑みを浮かべながら部屋へと入り）神田の部屋暖かいですね（マフラーを取りお礼と共に机に畳んで置き）

お前の部屋だって同じようなものだろう（自身の部屋が特別暖かいとは思わないし、アレンの部屋もそれなりに暖かいはずだと思い、ベッドに腰をおろし）

違うんです、神田部屋は…なんて言うか、大好きです（隣に腰を降ろし自分の部屋とは違うとうまく伝えられずに笑いながら相手を見つめて）

俺にはよく分からん（本当に分からないという顔をし）だが、お前がそういうならこの部屋も、悪くはない（部屋の壁を指先でなぞり微笑し）

神田には分からなくていいんですっ（壁をなぞる手を取り自分の頬に添えれば満足気に微笑み）最近神田よく笑ってくれますね（神田の笑みを見る事が増えたと嬉しそうに）

…、以前と変わらない気がするが…（アレンと供に過ごす時の変化に、自身は気づいてないらしく）

昔の神田はいっつも仏頂面でまともに目すら合わせてくれませんでしたよ？（本人は気づいていないのだと知ればクスと笑い神田の頬に手を伸ばし優しく撫でて）

あの頃は今とは違う気持ちでお前と接していたからな（アレンを好きになる前の事を思い出し）

今は、どんな気持ちで…？（分かっていながらも神田の口から改めて聞きたいと見つめて）

っ、今は…（アレンの言葉に少し動揺し）今はあの頃の俺には計り知れないほどお前の事を愛しく思っている（僅かな間の後に自身の思いを告げ）お前は、どうなんだ（羞恥心を凪ぎ払い告げたのだからアレンの言葉も聞きたいと思い聞き返し）

…、ありがとうございます（自分から問い質したものの改めて聞けば微かに頬染め恥ずかしそうに微笑み）僕も、神田が好きです、大好きです。それよりももっと愛してます（神田も伝えてくれたのだからと真っ直ぐ見つめ思いを告げて）