零れそうな月*〆

はい、どうぞ？ 私の膝で良ければ！(　眠そうにする相手を見て微笑ましくなり、頬が緩むと軽く膝を叩いて　)一回自宅に戻ってから買いに行ってもいいかな？ ランチボックスを自宅に置いてきてから手ぶらでお出掛けしたくて。

……ありがとう。(　寝転がり相手の膝の上に頭を乗せると気持ち良さそうに瞼を伏せ　)わかった。それほど遠くないし一旦戻ろう――――……(　段々と寝息を立てて眠り始め　)

(　静かな寝息で眠っている事に気付くと目を細めて愛おしい表情で見詰めながら、起こさぬ様に優しくさらさらな髪を撫でて　)──おやすみなさい、千隼くん。

(　頭を優しく撫でる手に安堵を覚え無防備に深い眠りについていたが、よく休息がとれたのか瞼を押し上げ　)――――――ん……結佳。

あ、おはよう。(　瞼が開くとにっこりと笑顔で声を掛けると相手を気遣って　)眠かったらまだ眠っていても大丈夫だよ？

……おはよう。(　笑顔を見せる相手の頬にぴとっと手を当てて　)大丈夫だ。よく眠れた。……結佳は眠くないか？眠かったら今度は俺の膝を貸す。

私は大丈夫だよ。千隼くんありがとう！(　頬に手を添えられるとほんのりと頬は紅く染まり、相手が愛おしく感じると無意識に顔は相手の顔へと近付き唇へ軽く口付けて　)……ごめんね。千隼くんが愛おしくて、つい。

(　相手の口付けに驚き瞬きをしたがふっと目を細め首を振り　)……いや。嬉しい。結佳、ありがとう。(　身体をゆっくり起こすと相手を見つめてこちらからも瞼を伏せて優しく口付け　)―――そろそろ、行くか。(　ベンチから腰を上げると手を差し出し　)

(　日傘をさし、自宅に帰ると急いでランチボックスを洗って。一通り済ませると百貨店へと向かって今度は移動して　)あ、そうだ。千隼くんは御両親に私も行くって事を事前に伝えてあったりする？

手、繋ぐか。(　百貨店に入ると人が多いため、相手の手を取りながら歩き　)ああ、伝えてある。首を長くして待っているだろうな。結佳がどんな女性なのか。……あまり、恋人を連れていくことはなかったからな。(　照れくさそうに視線逸らし　)

ありがとう……私もね、千隼くんの事は優しくて誠実で、素敵な男性だって伝えてあるからお母さんなんて早く見たいってうるさくて。色々迷惑かけたらごめんね。(　指を絡ませ手を繋ぎながら歩くと早速和菓子がメインの売り場へと到着して　)和菓子は水菓子とか、夏らしい涼し気なお菓子の方が喜びそうだよね。

そうなのか。結佳の親か…緊張するな。あまり話すのは得意ではないが。(　しっかり離さないように手を繋ぎながら相手へ同意し　)そうだな。水羊羹だろうか？やはり。結佳は好きか？水羊羹。(　水羊羹の箱を手に取り相手に視線を向け　)

それは大丈夫だよ！お母さんお喋りだからずっと話していそう。かと言って全て答えなくて大丈夫だからね？適当にあしらってもらえれば！(　母親について話した後、水羊羹や水菓子の詰め合わせセットを見つけると箱を持ちどうかと尋ねて　)この水菓子の詰め合わせセットはどうかな？水羊羹や水まんじゅうなど色々あって美味しそうだね。

そうなのか。……元気なお義母さんなんだな。結佳と似た雰囲気なんだろうか。(　何度か頷きながら相手の持った箱へ視線を向け　)
ああ、いいな。それにするか。(　頬を緩めて近くにあったカゴを手に取り詰め合わせの箱を入れ　)

雰囲気は……どうだろう。顔はお母さん似かも！(　母親似だと伝えては手を繋ぎながら次に洋菓子コーナーへと移動して　)洋菓子はバームクーヘンを買おうと思うのだけど、どうかな？──あ！ あのメープル味のバームクーヘン美味しそう！

そうなんだな。結佳の家族に会うのも楽しみだ。結佳が明るく真っ直ぐに育ったのも両親あってだろうし。(　表情を和らげながら相手の言葉に耳を傾け　)……ああ、おいしそうだな。試食できるみたいだ。食べるか？(　相手にほら、と試食用に出されたバウムクーヘンを差し出し　)

そうだよね……両親がいなかったら私が産まれなかったし、千隼くんとも出会えなかったから両親には感謝しないと！(　両親に感謝した後、差し出された試食用のバームクーヘンを受け取って食べると予想以上に美味しかったので20個入りのを一箱カゴへ入れて　)バームクーヘンも決まったし、会計してくるね？(　相手の持つカゴを取ると支払うために近くのレジへと向かって。支払いを済ませ、紙袋を持って相手がいる場所へ戻り　)千隼くん、お待たせ！ お土産も買ったし、千隼くんの実家へ行くの緊張するけど、楽しみでもあるからドキドキしてる！

そうだな。(　会計を済ませた相手に頷くとふっと頬を緩ませ　)今日は千歳もいるしな。結佳のことは聞いているだろうし、楽しみにしてると思うから大丈夫だ。(　百貨店を出ると駅へと向かい改札を入り電車を待ち　)


もしかして進みがゆっくりで困らせていただろうか？そうだったらすまない。(　頭下げ　)

千歳さん、ご実家に遊びに来ているんだ。さらに緊張してきたかも！(　電車を待ちながら以前画像だけだが相手の姉の顔は知っており、美しい女性なのと愛しい人の姉であるので更に緊張してしまったのかドキドキが止まらずにいて　)


千隼くんは悪くないので謝らないでね！ (　相手の発言から自身が先走りすぎてひとり突っ走っていた事に気づかされると頭を下げてひたすら謝罪して　)私が楽しみすぎて先走りすぎてしまい……困らせてしまっていたらごめんなさい！次からはゆっくりにするから。それがメインだもんね！

ああ。堅苦しい姉じゃないから、普段通りの結佳でいいと思う。(　緊張しているのを察し相手を安心させようと頭をぽんぽんと叩き　)電車が来たな。(　電車に揺られながら顎に手を当て　) 結佳の親にはいつ会うか決めないといけないな。


いや、大丈夫だ。退屈とか困っているとかじゃないならよかった。 (　ゆっくり首を振り　)すまないな、俺もついのんびりしてしまったから。いらない所は端折っても構わないし、結佳のやりやすいレスの仕方でいい。