（　〆　）この出逢いが運命ならば

面倒事は押し付けて、自分達は知らん顔だからな…。
(自宅に着いて先ず行うのは今日の書類の整頓と翌日の予定の確認、今回の件に関しては一週間の猶予がありつつ同時に上から任されている案件が他にも幾つかあるため何度目かのため息を溢し。生徒会と風紀委員会のどちらともいいように使われているような気になり、委員長の仕事に対する姿勢を目の当たりにしたからこそ尚この事気に入らず無意識に眉を寄せ。この件こそ解決策など当然見付かるはずもないため、思考を遮るように入浴を済ませては一つずつしっかりと片付けていく必要があるため今回の件での双方の主張、話し合いの中で見付けた己の中での結論を早速纏めていき。一通り区切りがついたところで手を休めればやはり脳裏に過るのは相手のこと、容態は安定しているだろうか。制服の胸ポケットから取り出した鴉のキーホルダーを両手で包み込んで心臓の当たりへそっと触れさせ、彼が本当に心から愛おしむ相手であるなら願いはたった一つ。「もう一度貴方の傍に…なんて俺にその資格はないから。ただ、今度こそ…」─幸せに、そう口にしなかったのは己の意思か或いは“黒猫”としての意思か、いずれにしても変わらない。心から強く、強く願うのは彼の幸せ。手元のそれを大切に仕舞い、ベッドに横になった途端に重たくなる瞼は重力に逆らうことなくそのまま眠りにつき)

ん…？また、だ。最近こんなのばっかりだ。
（目が覚めてぼーっとする中うっすらと残っている夢は今年になって何度か見たもの。おそらく自分なのであろう人物が必ず誰かと一緒にいるのだ。大勢であったり、数人であったり。中でもよく見かけるのは昨日夢に出た相手。見かけると言っても顔は覚えていないのだが、その雰囲気が一緒にいる他の誰よりも温かいから分かってしまう。それに加え、胸がトクン、と大きく揺れるのだ。夢の中の俺は何を伝えたいんだろうと考えてみるも答えなど見つかるはずもなく。母親の声で漸く起き上がれば、昨日出来なかった準備をしてから朝食をとり僅かに残る眠気と闘いながらのんびりとした足取りで学校へと向かい。）

…あんな結末、お前も望んでいなかったよな…鴉。
(セットしていたアラームによって目を覚まし、身支度を済ませながらも目覚める寸前まで見ていた夢のようで夢ではない光景が頭から離れず。愛しい相手の事を考えていれば必ず見てしまう、最も大切な存在を一瞬にして奪われたあの日。目の前に飛び込んできた″彼″が、抱き留めた自分が赤く染まっていくのを、笑顔を向けた相手をただ見ている事しか出来なかった。助けを呼んだところで止めを刺される事になるかもしれない、そう思ったのと同じぐらいに彼の死が近いと察してしまったから最期は静かに…。目尻に浮かぶ滴に気付かぬふりをして乱暴に拭い、手早く荷物を纏めては朝食も簡単に済ませ自宅を後にし。少しぼんやりとしつつも登校していき)

生徒会長じゃん。なに、今日は珍しくゆっくりか？
（学校の門が正面に見えてきた頃。登校集団の中にこの時間にしては珍しい背中を見つけ近付けば背後からトン、と肩を叩き。顔を覗いては昨日別れた時とどことなく違うその雰囲気に首を傾げながら並んで歩いて。｢そんなんじゃ勉強も仕事も務まんねーぞ？｣とからかい半分で自分の曲げた腕にぐっと力を込め見せつけ。）

…いや、いつも決まった時間に登校してるわけじゃないから。それに、仕事はきっちりやるんでご心配なく。
(不意に肩へ触れた手と聞こえてきた声に意識がハッキリとしていく中で横目に見ては、今朝見た夢のせいだろうか無意識のうちに相手ともう一人の彼を重ねている自分が居る事にほんの僅かな動揺を感じて視線を逸らし。一呼吸置いて再度向き合い言葉を返しては、昨日と変わらない様子の相手に内心ホッとしつつもあの状態を見た後となれば油断は出来ず「鳥城こそ、あれから身体の方は何ともないのか？」昔から、と言っていた以上治ったわけではないため心配から容態を尋ねつつ、周囲に他の生徒も居る事から念のためにと声を搾めて)

へえ、それはそれは。流石です。
（僅かな時間逸らされた視線に機嫌でも悪いのかと思ったがその後続けられた言葉が生徒会長そのもので、何かネタになるなら掴んでやろうと思ってた手前少し残念そうに拍手を送り。声を窄める相手に少し距離を詰め耳を傾ければ心配する声にくすりと笑って両手をひらりと振ってみせ｢大したことないって言ったろ？昨日は夢中で走りすぎたんだ。ちょっと休憩でもしてればすぐ治まる。体が悪い、とかそんな重い病気とかじゃないから。｣けろりとしていて。心配されるのはどうも苦手で、自分が誰かに迷惑をかけるのは許せなくて、今回を機に相手が己に対して何か気にかけるようになればそれこそどうしたらいいか分からない、と頭の中で考えた結果上記のような言葉を並べ。）

…そうか、それなら良かった。
(心配している己とは正反対に笑って返す彼に、強がっているようにも思えつつそれが嘘か誠かは本人にしか分からず。腑に落ちない様子で考え込むが、昨日話したのが初めてで親しい間柄でもないため深く追及する事は止め。これ以上続けるような話でもない事から、話を変えようともう一つ気になっていた事をふと思い出して「そういえば、帰り際先生方に捕まらなかったか？結構ギリギリの時間だったし。」職員室へ向かった際に案の定問いただされ、咄嗟に提出する書類を纏めていたと伝えたため自分は良かったものの。相手はどうだったのだろうかと疑問を投げ掛け)

あー、声は掛けられた。でもうちの担任だったし、探し物してたって言ったら怒られることもなかったよ。これで嫌味なあの先生だったらちょっと不味かったかもな。
（特に追求されるわけでもなく流してくれたことに内心感謝しながら、そう言えばと門をくぐる辺りで捕まったことを思い出し苦笑いを浮かべ。名前は出さなかったが、わりと生徒の間でも名前のあがる教師の顔を想像してはもし彼に捕まっていたら何を言われたか、と大袈裟に安堵の表情を見せ。）


（／どうしましょうか！何かまたイベント的なのを入れますか？一週間後に飛ばしてもいいのですが、また進展せず終わりそうな気も少し感じたのでご相談をと思いまして…！）

あぁ、あ─の人か…見付からなくて幸いだったな。捕まってたら下校時間なんてとっくに過ぎるだろうし。
(彼の表情からもしや、と些か不安が過りつつ担任だと聞いて安堵しては同じように考えていたようで。名前こそ上がらないものの、きっと互いに同じ人物が浮かび上がっているに違いないと何とも言えない表情を浮かべ。己が任されている案件のほとんどがその教師からのものなため、日常的に繰り返される小言には慣れてきたが思わず「あいつ、」と零れそうになった言葉には日頃の鬱憤だろうかと肩を竦めつつ飲み込んで。彼が捕まらなくて正解だと相手以上に安堵して小さく頷いてみせ)


(／そうですね…。一応考えてはいるのですが、あまり進展しそうに思えないので何かイベントをのようなものを入れてみた方が良さそうですね。ご相談頂き、ありがとうございます！)

（／一旦背後のみで失礼します。となると、もう少し二人の距離を縮めてみたいところですね！アクション起こすならやはり委員会同士のトラブルでしょうか…？他メンバーの騒ぎに二人が巻き込まれるなどの形で。）

(／ですね、落とし物のおかげ？で少し縮まったように感じるので、この辺りで更にもう少し…！個人で会うほどの関係ではないですし、クラスも別ですから…やはり委員会の事でないと難しいですね。どちらも相手側を良く思っていない面々なので、小さな事が原因…例えば打ち合わせで会長や委員長に対する双方のメンバーの不満(会長がこうだ、委員長がこうだ…など)を一人が口にしたところで次第にヒートアップしていって、生徒もしくは教師から二人へ事を治めるよう言われ…といったものはいかがでしょうか？)

（／なるほどなるほど！毎度の事ながら助かりますありがとうございます！昨夜の打ち合わせで既に不満はあるでしょうからね！放課後または昼休み、数人ずつで口論した後、手を出し合ってもらいますか←／2人が呼ばれて駆けつけ、喧嘩の仲裁に入ろうとした際にどちらかが軽い怪我を負う形で、それぞれ再び前世に触れてもらって…はっ、解釈が間違っていたらごめんなさい／汗）

(／いえいえ、此方こそ案を出して頂きありがとうございます！きっと陰で愚痴っているに違いないはず…。そうですね、それが一番いいかと／←／いえ、寧ろそこまで考えて頂けて有り難いです。素敵なので是非ともそれでいきましょう！ただ、委員長に怪我を負わせてしまうと会長が暴走しかねないので此処は会長に委ねて頂ければ…！)

（／ご賛同頂き感謝です！では早速その方向で行かせて頂きます。昼休みでは終わらなそうな喧嘩なので放課後にしてしまいますね←／そうでした！委員長が覚醒するまでは暴走も少しお待ち頂いて！ここは甘えさせて頂き委ねますね。）


くは、なんて言おうとしたんだよ今。あれ？あいつ？お前もそんな風に言うことあるんだな。
（どうやら自分の想像した教師が伝わっていたようで。はぐらかす様な言い方にニヤリとしながら指摘すれば少し意外そうに見つめ。｢下校時間にはお互い気をつけよーぜ？まあ、昨日は結果的に俺が引き止めたようなもんだけど。｣気を付けようと言いつつ、その原因は自分だと申し訳なさそうに頭を掻きながら。ついつい話し込んでしまったと靴を履き替えたところでお互いクラスに向かうため一旦別れることにして。）

(／此方こそ、ですよ！了解致しました、昼休みだと二人が仲裁というよりは先生方が仲裁にという邪魔…いえ、お節介が入りますからね！／←／はい、お任せくださいませ！)


そりゃ…俺だって人間なんでね。思うことは色々ありますよ。
(自然と出かかった言葉は飲み込んだにも関わらず、あまりに不自然な間の空き方からか相手に悟られてしまい。嫌ったらしいほどのニヤつきとからかうような口調に次第に気恥ずかしさを感じて、照れ隠しにそっぽ向きながら開き直ってみせては何処か申し訳なさそうな様子の相手に「そうだな。…昨日は忘れ物があったし、俺が勝手に声掛けただけだから。」彼が悪いわけでもないためフォローを入れて。コロコロと変わる表情は見ていて飽きないと小さく笑み、話もそこそこにクラスへと向かって足を進めていき)

（／ですです！せっかくのチャンスを教師陣に潰さ…救ってもらうのは申し訳ないですからね！いきなりの場面展開ですが飛ばさせて頂きます！／蹴り可）


今日はこれといって提出しなきゃいけない書類もないから、先に帰ってていいよ。俺も遅くならないうちに帰るからさ
（放課後、自分よりも先に風紀室にいたメンバーにひらりと手を振り声を掛けてはまた明日なとその姿を見送って。一息ついてから自分も検討事項をまとめてしまおうと机に向かい。）


＿＿＿＿＿


先に帰るってもな、残って机に向かう委員長置いて帰れねーよ…副委員長は副委員長で違う案件まとめてるらしーし、俺らも何か手伝えるといいんだけどな
[満面の笑みで部屋を出されてしまっては戻るのも躊躇われて、どうしたものかと3人で中庭へ出ればとりあえずベンチに腰掛け自分たちに出来ることは、と相談をし合い始めて]

(／先生方には場を譲って頂きましょう！了解致しました。そして凄く苛立つような生徒会メンバーの態度、申し訳ありません…！返し方など問題がありましたらお気軽にご指摘をお願い致します。)


あー…今日は集まって話すほどの事もないから、後は俺と副会長でやっておく。お疲れ様。
(生徒会室へ足を運び、静かに仕事をするためにもと賑やかなメンバーを追い出して副会長と二人に。彼に言いたい事は山ほどあるがグッと堪え、前回行われた打ち合わせの内容を簡単に纏めて一度提出するようにと上から言われていたのを思い出し、まだ途中だと伝えているにも関わらず自分達の都合を優先しているところは変わらないままで。現在の状況を報告したとして納得いかないのは目に見えているため、己の意思を伝えておくのも良い機会だと報告書を纏めていき。)


─────


集まり無くなったけど、どうする？
『厄介者払いのような扱いをされた事について特に気に留めること者は居なくて、余った時間を有効活用するべく予定を入れるか悩みつつ未だどの案件も解決していないためあまり気が乗らず。ゆったりと歩いていたところ、中庭にて見掛けた面々にズカズカと一人が近付いていけばつられて残りのメンバーも後を追い「これはこれは、風紀委員会の皆さん。次回の打ち合わせまであまり時間がないのに、随分と余裕があるようで…」嫌味たっぷりな挑発を投げ掛けて腕を組み』

（／ええ、そうしましょう！いえいえ、このくらいでないと盛り上がりませんから。こちらも売り言葉に買い言葉で楽しくやらせて頂きますので！）



お前らは生徒会の…！なんだよ、そういう生徒会だって、こんな所で何してんだよ。お前らだって考えなきゃいけないことはあるだろ！自分達の企画はどんどん上げていく癖に、俺らからの提示には文句ばっかつけやがって。
[明らかにこちらへと向かってくる気配に顔を上げれば見るからに馬鹿にしたような顔で見下ろす彼等にカチンときて言い返し。顔を合わせるとすぐにこう突っかかってくるのは昔から変わらない。委員長の力になりきれない悔しさと苛々が相まって、自分達だって考えてると強く主張しながら勢い良く立ち上がり距離を詰めるようにして1歩前へ踏み出し]

(／ありがとうございます、素晴らしい返しがまた素敵です…！私も楽しませて頂きます。)


俺らはちょっとした息抜きだよ。ていうか、文句も何もお前らがちゃんとした解決策も考えないまま提示して来るからだろ？
『彼らの燗にさわったのだろう、強い主張と詰めてきた距離にそう仕向けたのは自分なため特に態度を変える事もなく。同じく自分達も主張しては、今回の話し合いでの事を振り返り一向に進まず次回へ持ち越しとなったため長引けば長引いただけ仕事が増えていく一方だと「今年度の風紀委員長はって期待したけど、結局前年度と変わらず強気に出てたわりには話も纏まらなかったしな。」やれやれ、といったように大袈裟に肩を落として』

（／とんでもございません、背後様にはとてもとても敵いませんので…！では再び背後はドロン致します。）


息抜きする程の頭も力も使ってなんかいないくせによく言うぜ…そういえば、打ち合わせ前は会長に何言われたか知らないけど、後ろで肩落としてたっけな。
[偉そうな態度に黙ってもいられず、フンと鼻を鳴らして。毎回考えなしに提示しているような物言いにそんなことは無いと否定を述べ、ついに彼等の悪態が委員長へと向けられては思わず中央の1人が目の前の相手の胸元をぐっと掴んで｢何も知らないくせに委員長を馬鹿にするなよな！生徒会長こそ、否定するだけで何も提案してこないじゃないか！所詮は教師達の言いなりなんだろ！｣と声を荒らげ、後ろの2人も臨戦態勢と言った様子で。]