（　〆　）この出逢いが運命ならば

俺が自分で分かって此処に来たんなら、どれだけ良かったか…。
(少しは落ち着いたのだろうか、見た限りてまは普段通りのように思えて手招きする相手に促されるまま歩み寄っていき。彼の居場所を自分で知って直ぐ様駆け付けたかった、という本音は内に秘めつつ不満げにぽつり。実際に教えてくれたのは副委員長だと不服そうに伝えてはガーゼを貼っていない側の頬へ触れる手から伝わる温もりと、責任を感じているのだろうか、眉を下げる相手に罪悪感を感じ。その手に片手をそっと重ねてやんわりと握り締めながら小さく首を振り「止血にはなったし、こんぐらい大したことない。…俺の方こそごめん。お前にまで怪我して欲しくない、って自己満足で突っ込んだ。挙げ句に、そんな顔までさせちまって…ごめんな。」結果的に彼に怪我はないものの、彼らの事だけに限らず己の事まで責任を感じているからこその言葉だろう、怪我よりも重いものを背負わせてしまった事に。何も伝えなかった自分が招いた騒ぎに漸く気付き、空いている側の手を強く握り締め。)

ははっ、なるほど。あいつに会ったのか
（不服そうに理由を話す姿にくすりと笑って、そう言えば電話で場所を聞かれたなと。触れた手の温もりからやはり彼は優しいと改めて感じるも、強く握りしめる反対側の手に気がついてしまえば、自分の行動もまた大きな負担になったのだろうかといくらしても足りない後悔に力なく笑って。｢別にお前が謝ることはないだろ…？お前が出ていかなかったらきっと俺が、飛び出してたと思うし。…あのな、神代が殴られた時、胸が爆発するんじゃないかってくらい心臓跳ねたんだよ。自分でもびっくりした。怪我はあるけど、無事でよかったって心底ほっとした。そう思わせるくらい、きっとお前は周りに影響力があるんだろうな。｣意地は悪いけど、と昨日の帰りを思い出してはにやりとし。）

…会いたくて会ったわけじゃないけどな。
(笑みを溢す相手には思わず誰のせいだ、と言いたげな視線を送りつつ副委員長の話し方や相手の物言いから恐らく仲が良いのだろうと察して。彼の性格を考えれば気心許せる相手が傍に居るのは大きい事で、喜ばしい事でもあるが何となく面白くはなく。口にはしない代わりに未だ触れたままの彼の手に徐々に力を込めていき。眉を下げていた相手が表情を変えれば、それは己が望んでいたものとは違うため僅かに顔を歪めるものの紡がれていく言葉に耳を傾け、フォローのように感じる言葉もそれが世辞でない事が分からない自分ではなく。本心からのものだろうと判断して。そんな風に思ってくれているからこそ思う事は、謝らなくていいのは彼の方だということで。「…今回の騒ぎ、発端はきっと打ち合わせの事だろ？なら原因は俺にあるから、鳥城こそ謝ることなんてないんだよ。…ペナルティの件、前向きに考えてみるつもりだったんだ。ただ…上から許可貰うには対策とか足りない部分があって。その事をちゃんと伝えておくべきだったのに、あんな言い方して悪かった。」言葉足らずで済むような話でもなく、後悔が尽きないが先伸ばしにした結果招いた騒ぎの事を思えば話しておくべきだろうと漸く伝えて)

俺を探してくれたんだろ？ありがとう。
（送られた視線を自分なりに解釈して肩を竦め。力のこもる手に機嫌を悪くしたのだろうかと相手の顔を見るも、そういうことではなさそうだと不思議そうに。そのまま耳を傾けていれば自分に原因があると言う生徒会長に対して思わず、そんなことないと首を振り。｢俺の方こそ、色々と準備不足だったし言葉足らずだったよ。ペナルティにこだわり過ぎた。ただ、それが彼等にとって警告の意味になればって…他に案が浮かばなかったんだ。他の案件も抱えてる中、振り回して悪かった。…それから。前向きに検討しようとしてくれるのは、風紀委員として凄く嬉しい。｣自分も悪いところはあったからと謝りつつ、少し照れくさそうに本音を添えて）

…あんなふらふらした状態の奴、放っておくわけにはいかないだろ。
(彼のせいではない、それでも言い表しようのない想いをぶつけるように手に力を込めてしまった自分はまだまだ子供だなと少し反省。返ってきた言葉に、相手を探していたのは己の意思なため礼を言われるような事でもなく照れくささを感じて小さく呟き。続けられた言葉を静かに聞いていれば昨日から引き続き見られる柔らかな表情に、触れた手を今度はしっかりと握り締めて「…鳥城が、規則違反した奴らにただ罰を与えようとしてたなんて思ってない。何か考えがあってだろうなって、ちゃんと分かってる。だから、俺なりに考えたんだ。─なぁ、解決策…今度の話し合いで一緒に考えてみないか？…まぁ、上からの返事待ちではあるんだけど。俺も、このままアイツ等を野放しには出来ない。」彼がどれだけ生徒の事を想っているか、規則を守れない生徒をどう思っているのか、それは前回の話し合いの彼の言葉からしっかりと伝わっている。同じように己もこのまま何もせず自由にさせておくべきではない、そう考えていたのだから。どうにか上からの許可が下りるように静かに報告書伝で進めていたペナルティの件。もう少し時間が欲しい、そして前向きに検討して欲しい。そう伝えてはいるが頭の硬い教師陣がどう動くのか…それはまだ分からない。添えた″メモ書き″がどれだけ役に立つか次第だろう。)

(／突然ですが、背後より失礼致します！お返事の事についてなのですが、明日明後日の二日間お返事が出来ないやもしれません…。主様と委員長を待たせてしまう事になるのですが、良ければお待ち頂けると有り難いです…！)

マジか。俺そんなにふらふらしてた？…気をつけないとな、
（自分ではあまり表に出さないようにとしていたものの、かなり動揺してたのは間違いなくて。一部の記憶が曖昧になっているのだからやはり相手にも心配はかけてしまったのだろうと最後は自分自身に言い聞かせるように呟いて。あんなにも我儘な主張だったにも関わらず、分かっているから大丈夫だと言ってくれる会長の言葉に、どれだけ沈んだ気持ちを救い上げられたのだろう。上手く言葉で感謝の気持ちが伝えられない分、今度はこちらからぎゅっと手の平に力を込めて。｢ん、そうだな…主張のし合いなんかじゃなくて、もっとお互い協力し合おう。すぐにっていうのは難しいかもしれないけど。俺も何か良い解決策がないか、過去の資料をもう一度見直してみるよ。｣平行線だった意見や気持ちが、どうにか交わって更に良い方向へと進めることを願いそう告げて。｢そういえば、悪かったな、神代に付き合うって言っときながら伸ばしちゃって。言いたかったのは、今の話？｣思い出したように相手を見ながら申し訳なさそうに頬をかき）

（／わざわざ前もってのご連絡、ありがとうございます！お忙しい中、毎日返信して頂いていることにとても感謝感謝です…！委員長はきっと内心寂しがるでしょうが、2人でのんびりお待ちしておりますので、どうぞ落ち着きましたらまた宜しくお願い致します！）

そりゃあ、もう…保健室まで担いでってやろうかと思ったぐらいな。…一人で背負い込み過ぎなんじゃねえの？
(よほどいっぱいいっぱいだったのか、あまり気付いていない様子の相手に周りに目が行き届いている分自分の事に関して少しばかり疎く感じて。先ほどの仕返しにと意地悪く口許に笑みを浮かべつつ、彼にはまず周りをもっと頼る事から始めてほしい、その想いから遠回しながらも伝えて。握り締めた手に今度は相手からも力を込められ、それが何を意味するのか聞くまでもなく。彼からの想いを噛み締めるように一度瞼を閉ざし、「お互い、言葉足らずだったから招いた事だし…これからはもっと話さないとな。見えてるつもりで周りの事、お前の事見えてなかったと思う。だから…どうすればお前や風紀委員の力になれるのか、俺も考えていくよ。時間は掛かるけどな」ゆっくり瞼を開いた先にいる彼と、相手が大切に想う彼らと手を取り合って一緒に進んでいけるように。生徒会長として、そして自分自身の願い。漸く一歩前へ進めたところで掛けられた言葉に、ふと思い出し「まぁ…同じような話なんだけど。…その、上があまりにも急かすからさ。副会長に頼んで経過報告がてら報告書提出したんだけど…。もしかしたら、教師連中からとばっちりが来るかもしれない。…悪い。」歯切れ悪そうに言葉を紡いでいき、少し前に書いたメモ書きを思い返せば我ながら大人げないと反省し。もしもそれによって、相手が何か言われるような事があれば…思わず申し訳なくなり眉を下げ。)

(/いえいえ、大切なお二人なので…！今はガラケーに切り替えているのですが最近どうもスマホの調子が悪くて、そこに急用が重なってしまい本当に申し訳ないです…。なるべく早く戻って？来ますので、委員長にも寂しい思いをさせてしまうのですが…きっと同じぐらい会長も会えない寂しさを漂わせているはずです！/←/なので何卒、よろしくお願い致します。)

はは、んな大袈裟な。んー、…正直どうしたらいいのか、わかんね。別に周りを信頼してないとか頼りにならないとかじゃないんだけどな。
（笑みを含んだ言い方にこちらも思わず吹き出して。一人で全てを背負っているつもりは無い。例えば活動中は風紀委員長として周りに指示は出しているのだ。しかしここで彼が言っているのはそういうことではないのだと理解しつつ。しばらく悩んだ末にぽつりぽつりと言葉を紡ぎ。今はまだ、向き合うことがありすぎてお互い忙しい日々は続きそうだけれど、一番大切なことに気がついた気がすると真っ直ぐな瞳を前にしてそう思い。｢それにな、委員会でもそうだけど、個人的にお前ともっと話がしたい｣触れていた手をそっと離してそのまま相手の胸に手を置けば、何か不思議な感じがするんだと笑って。どんな話かと問い掛けた返事を、申し訳なさそうにする彼を見てそうかと一言。｢まだグダグダなのに、先に出させることになってごめんな。先生達からの小言には慣れてるから問題ないよ。もし何かトラブルになりそうなら、相談するから｣むしろそのくらいの対応はさせてくれと言わんばかりに胸を張り。）

（／それはこちらこそ…！です！！本当に大切なお2人なので、今後も何かあった際は遠慮なく仰ってくださいませ！お互い口には出さずとも寂しいオーラが漂いそうですね！はい、承知致しました！）

(／お二人とも、長らくお待たせ致しましたっ！委員長に寂しい想いをさせてしまったので、会長はうんと叱って…おく予定でしたが。委員長と会えない、という事は彼の中でとても重大だったようで数日心此処に有らずな様でした／←／お返事再開致しますので、今後ともよろしくお願い致しますっ！)


まぁ…全く頼ってないわけじゃないとは思うんだけど、自分の事少し後回しにしてるように見えるんだよな…。
(彼なりに悩んでいるのか、ゆっくりと紡がれていく言葉に相手が周りの助けを宛にならないと思っていない事は十分分かっているつもりだ。ただ己から見た彼は性格ゆえなのか何事にも一生懸命に見えて、それが良いことでもあり真っ直ぐ取り組んでいるからこそ自分の事を後にしがちなように思え。他人がとやかく言うことではないものの、心配からつい口を挟んで。触れたままだったはずの手が胸の辺りへと移動され、それを目で追っていき。頬へと触れたり胸の辺りへと触れたり、距離が縮まったおかげなのかややスキンシップの多さに気恥ずかしく感じ。相手が本心から伝えてくれている言葉は、どの言葉よりも暖かいもので「…俺もだよ。お前ともっと話したい、もっとお前のことが知りたい。生徒会長としてじゃなくて…俺個人として。」それに応えよう、応えたいと紡いでいきつつ次第に照れくさくなりはにかんでみせ。上から急かされた事により提出した報告書、本来ならその前に一度相手に話をと思っていたものの結局先に上げてしまった事も含め申し訳なく思っていたにも関わらず。頼もしい限りの言葉が返ってくれば、これには思わず笑みを浮かべるものの。「お前は何も悪くないだろ、連中が早くしろって五月蝿いから提出したまでだし。俺が勝手にやった事なんだから、もし何か言われたら早め早めに相談しろよな。」頭の硬い教師陣からの小言には互いに慣れているが、今回の事で彼がそれを受ける必要は一切ない。もしもそんな事があれば間違いなく殴り込みに行くのは己自身、ただ後の事を考えると相手に迷惑が掛かる事は理解しているため。そうならないためにも、と伝えて。)

（／おかえりなさいませー！叱るだなんてとんでもない！こちらこそ昨日の内に返せたらよかったのですが…お待たせ致しました！そしてスマホの調子は大丈夫ですか…？委員長もぼんやりしておりましたがお二人の無事を聞いてとても嬉しそうですよ！再び宜しくお願い致します！）


…俺は、周りの奴らが楽しく笑ってられる場所が好きだ。だから俺の行動次第で何か変わるっていうなら全力でやりたいって思う。お前も同じじゃねーの？
（自分を優先したいと思う程の出来事が今まで無かっただけに、誰かのために自分がという考えは自身にとってごく当たり前のもので。同じく皆を纏める立場、ましてや生徒会長という位置で色々と抱えている相手もまた、自分と一緒ではないのかと首を傾げ。照れながらもはにかむ姿に自分の行動を振り返れば突然こみ上げてきた恥ずかしさに慌てて手を戻し｢いや、そのっ…！べ、つに深い意味はないんだ。気にすんなよな…っ｣自然と、とは言えベタベタと触ったことで不自然に思われてはいないだろうかなんて心配そうに手をグーパーと動かしながら早口で告げて。手伝えなかったことを悪くない、と言ってもらったことに対して｢そう言ってもらえると少しほっとする。でも、勝手にだとかそんなことはないからな。俺達風紀委員が関わってる以上は同じように動くからさ。お前らこそ、何かあれば今みたいに言ってくれよ。役に立つかどうかはおいといて、一緒になら多少は効率とかも違うだろうし。｣持ちつ持たれつな関係でいこうとにやりとし。）

(／わぁ、ただいまです…！いえいえ、お返事を頂けるだけで有り難いので。そしてご心配をお掛けしましたが、スマホもバッチリですので！そんな委員長が何とも愛らしくて堪らない二人です／←／)


…分かった、なら俺達の課題だ。もう少し周りを頼ってみること。難しいなら、まずはお互いを頼るところからだな。
(彼ほど誰かの為にと動いているつもりや、自身の事を後回しにしているつもりはない。己が好きでやっている事で、ある程度の妥協もしているはずだ。それでも相手とは何処か似た所があり、何かに取り組んでいると周囲を優先しがちなため彼のみに限らず自分にとっても課題であると気付き苦笑いして。纏める立場である自分達がしっかりと立っていなければいけないため、近いところから少しずつ寄りかかっていけるように。無意識のうちの行動だったのか、照れくさそうな様子で手を離す相手に可笑しそうにくすくすっと笑い「いいよ、嫌じゃなかったし。それに…ちょっとホッとしたから。…けど、せっかくだから…もう少し手ぐらいは繋いでいたかったな」不思議と彼から伝わる体温は心地好くて落ち着く、それが彼自身のものか否か…。ほんの少し、名残惜しさを感じて残念そうな表情をみせて大袈裟に眉を下げ。相手に相談もなく提出した報告書、それが元で何か迷惑が掛かれば…モヤモヤとしていたものが次第に軽くなり。これから進めていく案件や、相手との関係がいい方向に進んでいけたらと願いつつ「ほんと…頼もしい限りだな、何かあればちゃんと相談させてもらう。俺らだけで解決出来る事なんてほんの僅かだから、お前らがいてくれるだけでも心強いよ。…だからお前も、自分でどうにか…って考える前に話すように！」心強い味方が居ると改めて知り、だからこそ相手にも同じように味方が必ず居るのだと知っていてほしい。ただその味方の為なら、と無茶をしかねないのは今回の事でより分かったため釘を刺すように述べて)

（／スマホも問題無しとのこと、よかったです！本人に言ったら誰がそんな嬉しそうなんだよ！と怒られそうですので内緒にしておきますね／←）


ん。そうだな、大舟に乗ったつもりでいろよ！俺は頼りになるからな
（やはり自分と同じ考えで、その上お互いの課題であると聞けばそうだろうと何故か納得しきったように頷いて。更には先程から相手が今後自分を頼ってくれる雰囲気であるこの状況に満足気な表情を浮かべると、自信たっぷりに胸を張り。どうやら不振がられてはいないようで、ほっと胸をなでおろし、｢それならいいんだけど…。って、はあ？つ、繋がねーよ恥ずかしいやつだなっ…！｣自分のことは棚に上げておきながら、あからさまに残念そうな顔の相手に言葉を詰まらせつつもぶんぶんと両手を振って何言ってんだと恥ずかしそうに。自分の申し出をすんなりと受けてもらえたことに嬉しく思いながら、約束させるようなピシッとした最後の言葉に分かったとすぐに頷けないのは正直さ故なのか、曖昧な返事をして。少し誤魔化すように相手の怪我をガーゼ越しにピン、と弾けば｢これについても、同じ事は言えるんだからな｣と僅かに頬を尖らせて。）

(／そうですね。では私と主様、そして会長の秘密にしておきましょうか！委員長が嬉しそうだと知って、頬が緩んでしまっている彼は委員長にもお見せ出来ないですし／←／)


勿論、頼りにしてますよ…風紀委員長様？
(頷いてくれた彼に何処か分かっていたため驚くような事はないものの、安堵してホッと一息つき。自ら頼りになると言い張る姿にはほくそ笑みをみせながら茶化すような口調で述べつつ、反応見たさに冗談で言ってみた言葉を鵜呑みにしたかのような様子が見え。満足げな表情を浮かべるがもう少しだけ、という本音もあったため「なんだ、それは残念…と言いたいとこだけど。いいだろ、あとほんの少しだけ…な？」やや強引ながらゆるりと手首を掴んで首を傾け。釘を刺すように告げた言葉に返ってきたのは曖昧なもの、それはきっと性格や彼が真っ直ぐな故にだろう。それでも何かあれば己が手を貸せばいい、相手が望んでいようとそうでなかろうと自然と動いてしまうのだから。不意に頬のガーゼへ小さな衝撃、痛みはないがこれには一言言ってやろうと口を開いてみるも心配を掛けてしまったのは事実であまりにも軽率だったと反省するところはあり。騒ぎを更に大きくしかねなかったため何とも言えない顔をして「それは…まぁ、反省してます。…けど後悔はしてない、お前が怪我しなくて…本当に良かった。」もっと慎重に行動すべきだったと理解はしている、ただ己の取った行動で相手が無事だった事はとても大きな事。だから今はそれだけで十分だ。ふくれっ面のその頬へ片手を伸ばしてそっと触れ、改めて実感するように紡いで)

（／なるほど、ではお互いのためを思って、ですね！会長の嬉しそうなお顔を委員長に見せてあげられないのは残念ですが！）

あ、その言い方なんかむかつくんですけど
（笑いながら茶化すような言い方に、本当にそう思ってるのかと聞きながら少し拗ねたように呟き。残念だと改めて口にする相手に、それもまた先程同様茶化しているのだろうと考えて再び文句をぶつけようと口を開いたところで手首を掴まれぽかんと口を開け。｢…野郎と手を繋ぐのがそんなに落ち着くのかお前は｣と視線を逸らしもごもごと。反省はしても後悔はしてないと言い切る姿に何故なのかと問いただそうとして出来なかったのは、自分が無事だったことを心の底から安堵するような仕草を見てしまったからで。確かに相手が行かなかったら自分は確実に飛び出していた気がする。反射神経がいいのかどうか聞かれたら自信を持ってはいと頷けないのが悔しいところではあるが、怪我をしない可能性だって勿論ある筈で。それでもこんな風にもしもの心配をするのは彼の優しさ故なのか。守られているような感覚が擽ったいと感じれば｢ちょっとお人好しすぎるんじゃないの？｣と呟いて）

(／はい、是非ともそうしましょう！きっと照れくさくて、そんな顔してないけど？なんてポーカーフェイスになりきれていない顔を晒してしまうかと。)


ごめん、ちょっとからかっただけ。ちゃんと頼りにしてるから。
(委員長としての彼の面影は残りつつ、コロコロと変わる表情に同学年とはとても思えずつい意地悪をしてしまったものの本心から相手は頼りになり、頼りにしているため少し眉を下げながら訂正し。照れくささからか否か、触れる事を拒まれるだろうと思っていたが間の抜けたような表情と後から続いた事に柔らかい笑みを溢して手のひらを重ねるように優しく触れて握り締め。「…って、人聞き悪いな。俺にそんな変な趣味はないし、お前だから…。お前から伝わってくるものが暖かいから、落ち着くんだよ。」流せなかったところはしっかりと拾い、彼を守る事が出来たという事だけは己の中で当然プラスなため。守る事の出来た、触れる事の出来たこの手をしっかりと握り。お人好し、という言葉には思わず苦笑いしてみせ、前世を踏まえた上で自覚はありつつ誰彼構わず手を貸せるかどうか…答えは否。そこまでのお人好しでもなければ、なりふり構わず守ろうと、守りたいと思ったのは彼のみだ。「…そうかもしれないけど…いいよ、お人好しでもなんでも。無茶する誰かさんを守れるなら。」自然と口から出た言葉、少し重いだろうか？お節介だろうか？一度不安を感じれば次々と気になる事が出てくる。それでも尚、後悔はしていない。)

（／なんと愛おしい…！お互い、素直じゃない息子をもつとやきもきさせられますね！）

からかうなよなー
（ぶうぶうとまだ文句を垂らしていたが、頼りにされてるなら許しやろうと機嫌の悪さもすぐに直り落ち着いて。優しく触れる手のひらがじんわりと熱を感じとればそれに比例して頬の温度も上昇してきたような気がして。｢あー…なんとなく、それはわかる気もする。お前からもそういう感じ、伝わってくるもんな俺。ひょっとして相性でもよかったりすんのかね？｣昨日の放課後もそうだったなと思い出しながら同じ気持ちではないにしろ、似たようなものなのかもしれないと同意し、占いの類は普段気にしないのだが何となくそう思い。つい先程までは自分からベタベタと触っていた筈なのだが、意識してしまうとそれも難しく、握り返せない手の力を緩めて受け入れるのに精一杯で。照れ隠しのようなもので口にしたお節介という言葉だったが、それでも構わないと改めて言われてしまうと返す言葉も見つからなくて。むしろどきどきと騒がしく揺れ始めたこの心臓をどうにかしなくてはと冷静なのか混乱しているのか分からない頭を働かせつつ。ここ数年、いがみ合ってきたはずの生徒会と風紀委員。昨日までそれは変わらなかったはずだ。それが1日と少しでこうも変わってしまうものなのかというところまで考えてキャパオーバー。ぷしゅりと聞こえもしない音を立てて限界を訴える頭にうーん、と唸って一旦休憩しようと息を数回吐いて。）