教室の隅の魔法使い

ふふ、困り果ててる一もまた素敵ですよ（ にこっ ）面倒だなんて…随分ハッキリ言うんですね？でも、そういう自分を偽らないところも含めての一らしさだと思いますし、お付き合いいただけるのなら私はそれだけで構いませんよ（ うん ）こんなこともあろうかと私の特製弁当、持ってきてますよ？良かったらどうですか（ じゃーん ）そんなに照れることないじゃないですか。…本当はちょっぴり興味おありなんでしょう？（ 耳元に顔寄せ囁き ）
あら、どうしてですか？最初に顔を近付けてきてくれたのは一の方でしょう？…ほら、もっと近くで私を見て？（ おでこコツン ）

何でも褒めてくれるなぁ、双樹さんは。ダメ人間になりそう。( うへぇ、) んー、まぁ一回だけなら良いよ。( うん、) おお、普段なら断るけど今は状況が違うからね。頂くよ、( 目きらきら、) ちょちょちょちょ、擽ったいから..、( ほんのり掛かる吐息にぴくり、と反応見せては慌てて距離取って、) いやいやいやいや、マジ顔の偏差値高過ぎだし、良い匂いし過ぎてヤバいから。( 肩掴めばぐい、と離して、)

もしも一が堕落しきって、例え駄目人間となってしまったとしても私だけはいつまでもお側に居ますから安心してください（ にこにこ ）それでは一とどんな１日を過ごせるのか、楽しみにしていますね（ わくわく ）はい、それではどうぞ。まずはあまーい玉子焼きはいかがですか？（ 玉子焼きを箸でつまんで口元へ ）
ふふふ、ドキドキしますか？私に女の子としての魅力を感じているのならもっと自分に素直になってもいいんですよ？こういう余裕のない反応も可愛くはありますけど（ くすっ ）

いやいや、それこそマズイでしょ。俺は堕落する気なんて毛頭ございません。( ふい、) うん、じゃあ明日からね。( こく、) い、いや..、自分で食べるからいいよ。( 首を小さく横に振って、) そりゃ魅力の一つや二つ感じるよ。俺だってもう高校生だし。( こく、) はぁ？なんかムカつく。( 頰むに、)

残念、私にどっぷり依存しきった一を甘やかしつつ養うというのも悪くないと思ったのですが（ うふふ ）あぁ…明日が楽しみです。せっかくなら二人きりで邪魔のあまり入らない場所で過ごしたいですね（ うっとり ）だーめ。ほら、口を開けて？あんまり聞き分けが悪いことばかり言ってたら…その口こじ開けちゃいますから（ 満面の笑顔で、箸を持ってない方の手の指先向け ）
後はその魅力を感じたりそういう感情が私だけに向けられれば満点なんですが…色々な女の子に目が行くのは年頃の男の子らしくもありますけどね（ ふぅ ）うふ、咎めるような態度も素敵ですね。こうして私の発言で腹を立てるのは私のことを考えてくれているということ…ちょっぴり刺激的な関係も悪くないものです（ ぞくぞく ）

いーや、やめて。マジで俺そーゆーの弱いから。つーか、仮にそうなったとしても金はどーすんのよ。( はあ、) いや、普通に学校だからね？( 苦笑い、) ..それはずるいよなぁ..、あーん..、( 流石に屈すると渋々玉子焼きを食べて、) ....美味い。( ぽそり、) いや、だからそれは俺の勝手じゃん。てゆーか、双樹さんの事だってたまに見るよ？( こて、) ええ....何やだこの子ちょっと怖い..、( がくぶる、)

その時は私が学校をやめて働けばいいんですよ。大丈夫、一に不自由な想いはさせませんから（ ふふん ）学校で魔法を使わずに過ごすなんて私に出来るでしょうか…一に必要以上に近づく女の子がいたりしたら私、自分を抑えられなくなる自信しかないです（ 謎の自信 ）本当ですか？良かった（ えへへ ）もっとこうして欲しいとか味付けの好みとかあったら教えてくださいね。…はい、次はきんぴらごぼうをどうぞ（ あーん ）
だったら私が一に私のことだけを見て欲しいと願うのも私の勝手ですよね？（ にこー ）ちなみに今日１日で一が授業中に私の方を見た回数は12回、そのうち目が合った回数は8回でした（ 指折り数え ）そんなに怯えなくても私から一に危害を加えたりとって食ったりするようなことはしませんよ？（ 首コテ ）

うわぁ、すげーなおい、( ぽかーん、) いや、やめてよね？魔法絶対使わないでよ？クラスメイトに罪はないから。( おど、) はいはい....あーん、うわ、美味い。( ぱくり、) ..返す言葉もございませんわ。( はあ、) よく数えてんね。( やれやれ、) 本当に？双樹さんのたまに見る目は隙あらば俺を手に入れようとする狩人の目してるよ？( びくびく、)

つまり私にはそれぐらいの覚悟があるということです。恐れ入りましたか？（ ふふ ）そうですねぇ…一のお願いなので聞き入れてあげたいところではありますけど…それは一次第ですね（ 肩竦め ）ふふ、これからも良かったら毎日お弁当お作りしましょうか？本当なら朝食も夕食も作ってあげたいところではありますけど、段階を踏むべきですよね（ にこり ）
一のことを把握しておくのは私としては当然のことです。他にも一の癖とかそういったことも色々と…（ こく ）心情的にはそれも間違いではないかもしれませんね…でも、私にとって大事なのは一の気持ちですからそれを無視して強引な手段に訴えるということはしないつもりです（ ええ ）

恐れ入りましたよ。参りました、( お手上げポーズ、) 俺次第って..、え、じゃあ何？話すのも危険って事になるよね？( はっ、) いや、大丈夫だから。普通に父さんの飯食うし。( こくり、一度頷けば相手から箸を取り、自分で食べ始めて )
癖？俺癖なんかあるっけ？( うーん、) おお、双樹さんの口からそんな常識人のような言葉が聞けるとは思わなかった。( ほえー、)

ここまで来たら後は私の想いにも屈して私に全てを委ねてしまってもいいのですよ？（ ねぇ ）だって、仕方ないじゃないですか…私を差し置いて一が他の女の子と楽しそうに話しをしているところを想像しただけで私の中の黒い感情がですね（ もやもや ）もう、そんなつれないこと言わないでください。それとも…私のお料理本当はお気に召さなかったのでしょうか…（ うぅ… ）
自分で自分のことがわからないというのは意外によくあることですよね。例えば…一は少し気まずい時、自信が無いときに顔を逸らす癖がありますね（ じい ）そんなの当然でしょう、私にとって一は何よりも一番の存在なんです。一を困らせたり苦しませたりして喜ぶような奇特な趣味は持ち合わせていませんので（ こく ）

いやいや、俺そんな簡単に落ちる男じゃないからね？甘く見ちゃいけないよ。( ふふん、) 凄いね、そんな事..って言っちゃいけないだろうけど、黒い感情沸いちゃうんだ。でも、俺がこーゆー事したら収まるでしょ？( 頭ぽん、) いやいやいや、美味しかったから。彼女だったら毎日お願いしたいくらいだから。でも、わざわざ俺の為にそこまでする必要ないから。( おど、) え、まじか..、あー、確かにあるかも。( 顔逸らして、) そっか、俺双樹さんのそーゆーところは素直に好きだよ。( にっ、)

うーん…でもそれだけ身持ちが固いというのはいいことですよね。私としても安心出来ます（ うんうん ）あ…うふふ、もうしょうがないですね。…もっといっぱい撫でてくれますか？（ 上目遣い ）…一としてはもっと食べたいぐらい美味しかった。私は一のためにお料理をしたい。難しく考えずとも単純にこれだけで十分ではないですか？（ うーん ）
はい、今だってほら（ くすっ ）好きだなんて、そんな直球で言われたら私照れてしまいます。あぁ…もちろんお返事はもう決まりきってはいるんですけど（ きゃーきゃー ）

あー、そっか。そうなるんだった。( はあ、) しょーがないな。今回だけだよ？あんまり慣れないんだから。( よしよし、) いやぁ、そうなんだけどさ。違うんだよ、そんな簡単には割り切れないってゆーか。( うーん、) えっ、うわ、全然気付かない。( 苦笑い、) ちょいちょい、変な勘違いは勘弁してよ。素直な一面が好きって言っただけだから。( はあ、)

あら、遠慮なんてしなくてもいいんですよ？なんならこの際私で慣れてこれからも私をもっと沢山愛でてくださると嬉しいのですが（ ご満悦 ）強情ですね…それではお昼ご飯を二人でシェアしあうところから始めましょう。それでしたら構いませんよね（ 首コテ ）
こういう本人の気づいてないようなちょっとした癖を見つけると嬉しくなります。私たちだけの小さな秘密です（ 人差し指立て ）ふふ、つまり素直な私が好きと解釈すればいいんですよね（ ぐいぐい ）

....まぁ、確かにこのまま行くと一生彼女出来なさそうだもんなぁ..、( ぽそり、) ま、何にせよ俺が双樹さんに恋をしたらの話だけどね、それは。( 撫でる手を離して、) んー、たまになら良いけど..、俺基本友達と食べるからそんな毎日は無理だよ？( こて、) うえ、なんか双樹さんに言われてから気付くのは悔しいな。( ぐぬぬ、) いやまぁ、言ってる事になんら間違いはないんだけどね....、( あ、はは.. )

世の中の女性はみんな見る目が無いんです。その点私は一の魅力をキチンと理解してますし、恋人以上の関係も…生涯を添い遂げる覚悟も出来ていますよ（ どや ）ねぇ、自分で言うのも何ですが健気で一途でしょう？心動きませんか？（ あざとい笑顔 ）その、一のご友人というのは確か女性の方ではありませんでしたよね？…男性であったとしても妬けてしまうことには変わりないのですが、一の交友関係も大事にしなければなりませんからね…こればかりは仕方ないです（ ふう ）
伊達に一のことばかりを見て過ごしてはいませんよ。私にとっての世界の中心は一ですから否応無しに色々なことにすぐ気付いてしまうんです（ ふふん ）ふふっ、やっぱり勘違いも何も一の気持ちは最初からラブなんじゃないですか。私も一のことを何より愛していますよ（ えへへへ ）

双樹さんのその覚悟凄いよね。俺そこだけはマジで見習うよ。( こくり、) 心ねぇ、なんかさ。なんてゆーか、俺今まで恋なんてした事ないから、心が動くとかよく分かんないんだ。だから双樹さんがどんなにアプローチしてもそれがはっきりとした物として分からない限りは全然かなぁ。ごめんね？双樹さんは頑張ってくれてるのに..、でも最近は、双樹さんが他の男子と会話にならない会話をしているのを見てるとちょっとイラつくんだよね。( うーん、) んや、普通にどっちもだけど..うん、そうそう。仕方ないのさ。( こく、) 凄いなー、双樹さんは。憧れちゃうや。( にっ、) ラブって....、また違うとは思うけどなぁ。あー、うんうん、ありがとう。( さらり、)

なるほど…いえ、いいんです。一をその気にさせられないのは、きっとまだまだ私の努力と魅力が足りてないということなんですから。その上嫉妬に近い想いを抱かせてしまっていたなんて…もう、これからは一以外の男は私に近づく前に排除するようにしますね？（ うふふ ）…それって、もしかしてよく一とお話ししているあの子のことでしょうか？やっぱり私以外の女の子と口を利けなくなるような魔法をかけてあげた方がいいんでしょうか？（ むっ ）
また気のない言葉…こう見えて私だってちゃんと傷つくんですからね？一のすることですから大目には見てあげますけどね（ じと ）

いやいや、充分頑張ってるさ。それに、別にそんな縛るつもりはないから良いよ、話して。でも、俺とも..、まぁ、話してほしい..かな。( 頰ぽり、) ちょっと待って！それは違うじゃん。コミュニケーション取りたいじゃん。( 苦笑い、) あっ....、ごめん。傷ついちゃったよね..言わないように気をつけるから。( あせ、)