健二 2017-09-28 22:32:08 ID:c196a580b |
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えっ……初めての告白って…嘘だあ
(これだけかっこよくってお金持ちでしかもあれだけ上手なんだから、告白なんて慣れたものなのかなって思っていた。しかし彼の表情を見るほど彼の言葉が本当だったのかなと思わされる。)
……はい、出たら抱きしめて欲しいよ。
だって前に会った時からずっと、ずっと健二くんに会いたかった。だから会おうって言ってくれたとき、嬉しかったし、今日もしお別れを言われたら寂しいなって、思ってたの。
いやいや、ほんとだって。
前にも話したでしょ?
されたことは何度もあったけど、したことはない…って。
(有紗の「抱きしめて欲しいよ…」の言葉に思わず息を飲む)
お別れどころか、今日それが言いたくて会いに来たんだ。
「好きだ」って…
(また照れ臭そうに俯いて)
あ、焦げる焦げるー
どんどん食べてっ
(照れ隠し笑いしながら)
初めての告白もらっちゃった……嬉しいなこんなにかっこよくって優しい人から告白してもらえるなんて……。私にはもったいないくらいかも。
(照れちゃって)
あ、いただきます!
…健二くんも食べて欲しいよ。一緒に食べよう?
ビビンバも楽しみだな……(ニコッと笑った顔は幼い)
え、なに?
(テーブル越しにニヤついてこそっと小声で呟く有紗に問うも、「なんでもないっ」と首をブンブン振る彼女にちょっと胸がキュンとして)
うん、食べよー
(運ばれてきた石焼ビビンバにデザートの杏仁豆腐までをすっかりたいらげ)
ぶはぁ……
食った……
(お腹を抱えて座椅子にそっくり返って)
ふわあ……こんなにおなかいっぱい食べたの初めてかもご馳走さまでした。
こんなに美味しいお肉もビビンバもデザートも初めてだったからすごく嬉しい(^^)
(満足そうにお腹を擦りながら座椅子に凭れる有紗に)
そんなに食べて大丈夫?
身体重くてちゃんと演技できなくなっちゃうんじゃない?宙返りとか
(あはは、と笑い)
もう、さっきは食べろ食べろって言ったのに(´;ω;`)ずるいよお。
できなかったらどうしようー笑
(でも満足そうにポンポンお腹さすって)本当に美味しかった。ご馳走さまでした。
そこは自己責任で
(真顔)
いや、でも満足してもらって良かった♪
このあとキスするけど…
吐かないでね?
(意地悪そうにニヤリと笑み)
(キスするって言われて真っ赤になって俯く)
そういうこと言うなんて意地悪……(じっとみて)
健二くんキス上手だから……。
照れちゃうよう
(有紗が顔を赤くしたのを見て、なんだか急に寒くなったけど照れ臭くなり)
いや……
上手なんかじゃねえし…
(何気なく腕時計を見て)
そろそろ行こっか。
あんまり遅くなっちゃうとお母さん心配するでしょ?
うん……行こっか
(出たら抱きしめられるって思ってるから緊張してる)
本当に美味しかったな……本当幸せすぎて今死んでもいいくらい
なに言ってんの…
(笑いながら頭をわしゃわしゃと撫で、会計をカードで済ませて店を出る。街はすっかり夜の張が下りて、ネオンの灯りの下、人々が行き交う)
有紗んちって、ここから遠いの?
近くまで送るよ
(寄り添って歩きながら、触れた手をさりげなく握り…)
えっとここから……日比谷線に乗って途中で千代田線にのりかえた北綾瀬ってところからバスで20分くらい(団地だからめちゃくちゃアクセス悪い。でも基本自家用車で移動してる健二にはピンとこない)
ありがとう……でも遠いしくらいから大丈夫だよ(キュって手を握って)
きた、あやせ?
(聞いたことのない地名に)
それ東京?
(ずいぶん失礼な物言い)
本当なら車で送ってあげたいけど…
実は、車、売っちゃったんだ
(ちょっと寂しげだが、その目は遠くを見ているような眼差しで)
だから今日、歩いてきた
えっと……足立区の……(そりゃあこんなにお金持ちだったら場所知らないだろうなと思って、手帳についてる路線図を指差して)ここのあたりに住んでるんだよ。
あ、大丈夫ですちゃんと1人で帰れますっ
いや、ちゃんと送るよ
大丈夫
(片側三車線の大きな幹線道路、麻布通りに出ると、通りに向かって手を上げて)
タクシーだけどね
(ちょっと苦笑いし)
そ、そんなここから乗ったらすごく高くなっちゃうよ……(でもタクシーは目の前に止まってしまう……)
あ、よろしくお願いします。(ちゃんと挨拶して)
東京都足立区……〇〇団地までお願いします。
タクシー運転手「〇〇団地!?かなり遠いけど大丈夫?」
(止まったタクシーに乗り込み、有紗と運転手のやり取りを聞いて)
高くったって、5万も6万もするわけじゃないでしょ?
(「そりゃ、まあ…」と頭を掻く運転手に)
じゃあ、行って。
その、なんちゃら団地ってとこ
(ニッコリ笑って有紗を見て)
車のほうが楽でしょ?
まあ、今日くらいはいいじゃん?
(まるで子供のような屈託のない笑顔)
あ、ありがとう(でも有紗には一抹の不安があった。きっと健二は知らないレベルに荒廃したその団地を見て、検事が驚いたり自分のことを嫌いになるんじゃないかと思っている)
でも本当に健二くんが知ってるような世界じゃないから……連れてくのちょっと怖いかも
(下町を過ぎていってだんだん郊外な感じが出てくる)
あ……(ちょっと微妙な顔して健二を見る。車窓を見て彼は何を感じているんだろう)
(タクシーは快調に夜の街を滑るように走ってゆく。
道路はいくらか混んでいるものの、後部座席に座る仲睦まじげな若いカップルに、どこか猜疑心を抱く初老の運転手は、いくらかアクセルを強めに踏んで、強引ともいえる割り込みや追い越しを繰り返してひたすら目的地へと急ぐ。
麻布通りから飯倉片町を右折して外苑東通りに入ると、目の前にライトアップされた東京タワーが、蝋燭の炎のような暖かみのあるオレンジ色に映えてそびえ立つ。
健二は有紗の手を握ったまま、その綺羅びやかな光をぼんやりと見つめ「有紗は東京タワーみたいなひとだ」なんて、ちょっと気障ったらしく呟いてみる。きっと彼なりの最大の褒め言葉なんだろうが、有紗にはその意味がまるで伝わらなかったようだ。
ロシア大使館を過ぎて坂を下り、車はブレーキを鳴らしながら左に曲がる。
虎ノ門ヒルズのアンダーパスをくぐると、人通りの多い新橋駅の繁華街へと車が入ってゆく)
本当はもっと有紗とドライブしたかったけど…それもしばらくはお預けだな…。
(さっきの焼肉店で、健二は「車を売った」ことを有紗に伝えた。だが、その理由はまだ彼女に話せないでいる。それを話したら…彼女はどんな顔をするだろう。もしかしたら、愛想を尽かせてしまうかもしれない。
でも、ちゃんと話さなきゃならない。
本当の自分を見てもらうために。
そして、その本当の自分を、好きになってもらうために…)
(新橋駅の高架をくぐり、汐留の交差点を左折して昭和通りへ。銀座界隈から北上して郊外を目指す車は通りを埋め尽くしていて、然しものタクシー運転手もこの状況に抗うことはできず、テールランプの海の中にゆっくりと車両を沈み込ませるしかなかった)
どうした?
(ゆっくり進み始めた車内で、大人しくシートに身を置いて黙りこくる有紗の表情に、ほんの少しの不安の色を見つけて健二は声をかけた)
気分、悪いの?
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