清貧少女と成金坊っちゃん +~有紗と健二の恋噺~+

清貧少女と成金坊っちゃん +~有紗と健二の恋噺~+

健二  2017-09-28 22:32:08 ID:c196a580b
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二人で紡ぐ物語

のんびりゆるりと




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  • No.77 by 有紗  2017-10-29 01:39:06 ID:a7c673d00

うーん……そんなに安いって思うならやめた方がいいかも……
(別に悪い意味ではなくて、納得しないときっとこの人続かないだろうなあって思ったから)
ちなみにうちの家賃は5万円だけど……見てみる?(でも声はちょっと震えてる)

  • No.78 by 健二  2017-10-29 02:13:55 ID:c196a580b


えっ、ご、5万!?
(真顔でキョトン)
それって…どんな部屋なの?
(タクシーが環七通りを右折して首都高三郷線の加平に近づく。運転手が後部座席に座る二人の会話を遮るように「◯◯団地でいいんですよね?警察署を右で」と話しかけ)

  • No.79 by 有紗  2017-10-29 02:27:04 ID:a7c673d00

多分さっき見せてくれたお部屋よりずっと劣悪なはず。
(と運転手の声にはい、と答えると健二が見たことないレベルの貧民街へ)

  • No.80 by 健二  2017-10-29 02:52:00 ID:c196a580b


劣悪……?
(沈みがちに呟く有紗の声を聞いて視線を車窓へと移す。
タクシーは大きな通りから、車通りの少ない細い路地へと入って行く。まだ時間は7時を少し過ぎただけなのに、商店という商店はシャッターが閉まっていて、歩いている人もやけに少ない。
コンビニの前に蹲み込んでたむろする中学生たち。細い路地の真ん中をフラフラと自転車を漕ぐ老人。タクシーがクラクションを鳴らすとその人は振り返り「なんだ?バカヤロー」と悪態をついて睨みを利かせる)
なんなの?ここ…
(およそ健二の住む世界とは違う場所。まるで外国にでも来たかのような風景。しかもここはダウンタウンなのだ)
建物が…低い…

  • No.81 by 有紗  2017-10-29 03:02:02 ID:a7c673d00

あ、ごめんね。
私の家の周りちょっと治安が悪くって………
(コンビニでたむろしてタバコ吸ってる高校生とか健二見たことないだろうなあと思いながら)
……あ、ここで大丈夫です

(ついた団地は築40年くらい。高いのにエレベーターがなくて)
……ここなんだよねうち……。

  • No.82 by 健二  2017-10-30 23:36:03 ID:c196a580b


(タクシーは入り組んだ住宅街に入って行く。住宅街とはいっても健二の住んでいる地域とは似ても似つかぬ景観。道は狭く舗装も雑で、時折窪みにタイヤが弾む。立ち並ぶ家々はどれも築年数が古そうで、本当に人が住んでいるのかさえ訝しい。街頭も少なく、こんなところを一人歩きするのはとても恐ろしく感じられる。
誰もいない暗い公園を過ぎると、四角い箱のような建物が幾つか並んでいるのが目に入る。建物の壁は風雨に晒されて黒ずみ、蔦が這って所々コケのようなカビのような、青々とした染みがこびりついている。
有紗の「ここで…」の声を聞いて、ようやくタクシーはハザードランプを灯して停車した)

え、ここ?

(料金は9千円と少し。あの夜、有紗が喉から手が出るほど欲しかった金額よりも高いお金を運転手に渡して、二人はタクシーを降りた。
薄暗い街頭を挟んで並ぶ無機質な四角い建物のひとつ。窓から幾つか明かりが灯っているのが見えるが、本当にここで人が暮らしているんだろうか…。
どこからか小さな子供の泣き声らしきものが聞こえる。また別な方向から喧嘩をしているような罵声が耳に入ってくる)

団地…ってこんな感じなんだ…

(呆然として建物を見上げる健二を置いて有紗が歩き出す。幾つか並んでいるぼんやりと灯る電灯を潜るように入り口に入り階段を登ってゆく)

あ、待って…

(有紗の後について入り口に入る。雑に並ばれた自転車が狭い階段の登り口をさらに狭めて、歩きづらいことこの上ない。塗装の剥げた壁は所々むき出しになったコンクリートにカビのような染みを作る。なんの匂いだろう。どこからか漂ってくる生活臭が鼻につく。黙って階段を上がってゆく有紗にかける言葉が見つからない…)

  • No.83 by 有紗  2017-10-30 23:52:51 ID:a7c673d00

あっ……
(自分は慣れてるけど後ろを振り向いて……ちょっと泣きそうな声で)

その……
(振り向いたまま何も話せなくて俯いちゃう)
私こんなところに住んでて……
いつもここから学校に通ってて
(有紗が着ている制服があまりにもこことは不釣合いで浮いている)
……部活が終わったら普段は家に帰って家事やって勉強して……って生活ばっかりだから……

(作り笑いして)
今日みたいに美味しいお肉食べられて嬉しかったなあ……
ありがとう……
(きっと……嫌われちゃったよなあ……住む世界違うし、引かれちゃったよなあって)

  • No.84 by 健二  2017-10-31 00:14:02 ID:c196a580b


(電灯の薄明かりに照らされた有紗の切なげな作り笑い。でもその奥に悲しげな心情を健二は垣間見る。震える声で「ありがとう」と告げる彼女を、健二は思わず抱きしめていた)

大丈夫。
また食べに行こう。絶対…。

(自分の胸に有紗の頭を埋めさせて、そっと優しく撫でてやる。安心させたい…彼女を…)

  • No.85 by 有紗  2017-10-31 00:21:49 ID:a7c673d00

(抱きしめられたとき自分では一瞬何が起こってるかわからなくなって……あれ、私今……嫌われて……ない?)

本当?
また今度会ってくれる?
全然会う時間も作れないかもしれないけど
(母親が夜勤かつ自分の部活が早くて課題が少ないときくらいしか会えない。それかテスト明け。)
また……私に会ってくれますか?

(回答を聞くのが怖くてちょっと震えてる)

  • No.86 by 健二  2017-10-31 00:50:54 ID:c196a580b


(控えめな彼女の声を聞いて、抱きしめた腕を解いて見つめる)

もちろんだよ。
有紗…俺にはお前が必要なんだ…

(心なしか彼女の瞳が潤んでいるように見える。こんな子を、どうして嫌いになんかなれようか。それどころか、自分の置かれた境遇を包み隠さず明かしてくれた彼女がとても愛しく思えて)

俺の気持ちは変わらない。
ずっと…そばに居てくれ…。

  • No.87 by 有紗  2017-11-01 01:13:24 ID:a7c673d00

(ニコッと笑って頷く)

はい、お願い……します。

えっと……あ、送ってくれてありがとう……
(しかしタクシーはもう行ってしまってるし、タクシー捕まる大通りまでは治安の悪いところ歩かなきゃいけないしなのでちょっと心配になる……)
えっと……健二くん帰り大丈夫?
このあたり夜治安悪くって……

(と言ってる先から路上で浮浪者が喧嘩始める)

……狭いけどちょっとうちに来る?

  • No.88 by 健二  2017-11-01 01:52:55 ID:c196a580b


(いじらしく「お願いします」と言って頬を赤らめる有紗がすごく可愛らしく見える。その嬉しそうな表情をいつまでも見ていたい…。
そんなふうに思っていた矢先、彼女が健二の腕から離れて階段の踊り場から下を見下ろす。さっき乗ってきたタクシーを探している様子で)

少し、歩くよ。
治安悪いったって、一応男だしさ、俺…

(その声を掻き消すように公園のほうから怒声が響く。喧嘩だろうか、ビール瓶が破裂するような音に混じって「殺すぞコラァ!」の声も)

え、なに!?
喧嘩?

(健二も踊り場から身を乗り出す。数人の黒い影が揉み合う様子が見てとれる。止めに入る者、乱闘に加わる者、大声で威嚇する声が飛び交い、それを聞きつけたどこかの飼い犬がワンワンと吠える)

うわ……
マジか……

(健二が想像するよりずっと、この地域は荒んでいるようだ。いまあの公園には近付きたくない…)

えっ?

(顔をしかめて取っ組み合いの様子を眺める健二に「うちに来る?」との有紗の言葉。思わぬ僥幸に胸が高鳴る)

い、いいの?
お母さんは?

  • No.89 by 有紗  2017-11-01 23:41:07 ID:a7c673d00

それに健二くん……すごくいいもの持ってるでしょ?
(さすがにお嬢様学校にいるだけあって周りの子が持っているから目は肥えている。健二が持っている財布もバッグも時計も、学校では見たことあるブランドもので……)

そういうの持ってると、ああいう人たち、奪いたくて絡んで来るみたいなの。
(喧嘩だと思っていた怒号をよく聴いていると
「よこせ!」
「やめてください」
みたいな感じで……)
だから健二くんみたいな格好だと危ないよ。

お母さんはきっといるけど……きっと健二くんの格好を見たらすぐに家にいなよって言ってくれると思うよ。

(階段で6階まで上がった古びた一室。)
ただいま、お母さん。
遅くなってごめんなさい。
ちょっと紹介したい人がいるの。

  • No.90 by 健二  2017-11-02 00:07:22 ID:c196a580b


マジっすか…
(さすがの健二も少し肩を竦めて)
じ、じゃあ少しだけ、お邪魔していい?

(エレベーターの付いていない狭い階段を上がって一番上の階、向かい合わせに二つの部屋がある。どちらも味気ない金属製の灰色のドア。有紗が奥のほうの扉のドアノブを回して開ける。
狭い玄関は、正直健二のいま住んでいる邸宅の勝手口よりずっと窮屈そうで)

お邪魔します…

  • No.91 by 有紗  2017-11-03 23:13:26 ID:a7c673d00

「あ、有紗、おかえりなさい」
(着ているものからしてすごくシンプル(イメージとしてはユニクロみたいな)で、お金がないのはすごくわかるけど、姿勢も良くて有紗にやっぱり似ている感じに小綺麗にした女性が出てくる。その女性は健二の格好を見るなり)
「その格好じゃあ、夜は危ないから……申し訳ないくらい狭いけれどうちに今日はいらっしゃい」

(玄関はワンルームマンションレベル。小さなキッチンダイニングとリビング、そして奥側に寝室。この1ldkで2人で暮らしている。
参考書や本、仕事用具などはあるけど2人で住んでるからすごい小綺麗にしているけどやっぱり古さは目立つ)

あ、健二くん……うーん、こたつに座ってて、あ、お母さんもお茶入れるから待ってて
「有紗のお友達でしょう。私は大丈夫だから座ってなさい」

  • No.92 by 健二  2017-11-05 01:22:26 ID:c196a580b


え、あ、すみません

(玄関…というより、入ってすぐに小さな食卓がある。狭いスペースに台所があって食器棚や冷蔵庫が置かれていて、まさかここで食事をしているのか?と、健二は目を丸くしてその窮屈そうなリビングを見る。
奥から出てきたのは、無地のシンプルなロングワンピースを纏い、髪を後ろに結ったスラリとした女性。有紗のお母さんだ)

あ、初めまして。
あの…、有紗さんの友達の、須賀健二と申します。

(初めての対面に、どぎまぎしながら軽く会釈をする。どう自己紹介していいのか、とりあえず「友達」という言葉を選んでしまった。
お母さんは、突然の来客にほんの少し面食らったように健二を見たが、少しも慌てる様子はなく「あらあら」と、むしろ歓迎するかのように、自分の娘よりもいくらか年上の青年を部屋に迎い入れてくれた。
部屋に通されたとはいっても、靴を脱いだ玄関から数歩のところにこたつが設えてあって、周りを囲むように本棚やタンス、小さめのテレビと小物入れなどがある。部屋の大きさは6畳間くらいだろうか。…俺の部屋の半分もない…)

あ、外の騒ぎが収まったらすぐに帰るので、どうぞお構い無く…

  • No.93 by 有紗  2017-11-09 00:25:09 ID:a7c673d00

「あらあら……(でも健二の身につけているものを見てこの部屋じゃ引くかなと不安そうな顔をする。座布団を持ってきて)大したおもてなしができなくて申し訳ないですがどうぞお座りください。お茶くらいならお出しできますので……(というと急須でお茶を入れて健二とありさの分持ってくる)」

ありがとう……お母さんも無理しないで座って?
(お母さん座らせて)
えっと……私とお付き合いしてる健二くんっていって……
……(ちょっと考える)

「……(じっと健二の顔見て)芸能界の方?」

  • No.94 by 健二  2017-11-09 00:51:36 ID:c196a580b


(「芸能界の方?」と言って有紗に目を向けるお母さんに)

いやいやいや、そんなんじゃないですよ

(笑いながら)

あの、有紗さんと、お付き合いさせていただいてます。
僕も成人として、ちゃんとお母さんにご挨拶しておくべきだと思い…今日はお邪魔しました。

(アドリブとはいえ大した返事だ。
まさかの突然の「おうち訪問」。しかしながら健二はしっかり自分の置かれた立場と有紗との関係を説明できている。
もともと頭の回転は悪い方ではないのだ)

どっ、どうぞ、よろしく、お願い致します。

(そう言って頭を下げる。こたつの下は正座だ。
正座などもう何年もしていないので、早くも足が痺れてきている。
台所からは、シチューだろうか。芳しい香りが鼻に入ってくる)

  • No.95 by 有紗  2017-11-09 01:03:18 ID:a7c673d00

「顔が整ってるっていうのもそうだし……とてもスタイルが良いので芸能界の方かと思いました。
不束者でみすぼらしい娘ですがどうぞよろしくお願いします。(嫌な顔せず穏やかに答えてる)」

ええと……あ、お母さんご飯温めてたでしょ。
私構わないから食べなよ(よそって持ってく)

「あらあら…あとででいいのに」

……(というと健二が少し不思議そうな顔をしていたので、軽くここでの生活を話す
・有紗が小学校高学年の頃までは普通の家だったが父親が愛人と家を出てしまい、養育費を払うと約束していたが止まってしまったのが貧乏の始まりだということ
・自分の親は遠方にいて裕福ではないので両親の援助も頼れないこと
・自分がパートで働くとギリギリ生活保護も受けられないくらいの稼ぎになってしまっていること
・でもこれだけ貧乏でも、貧乏なのはすごく不便んだと思うけど、家庭的には幸せだと思うこと
・この周りは夜の治安が本当に良くないので、よじぇればとまっていけばということ
を伝える)

  • No.96 by 健二  2017-11-13 23:40:56 ID:c196a580b


(お茶を入れたカップを炬燵の上に二つ置いて、「いま夕ごはんの支度するからね」そう言ってキッチンへ戻る。「あ、健二くんも食べてらっしゃいな」キッチンから声が響く)

あ、いや、俺は…その、食べてきちゃったので…

(そう言って有紗と目を合わせる。焼き肉食べてきた…なんて、とても言えそうな雰囲気ではない。
しかし有紗は炬燵から離れるとさらっと言ってのけた。
「健二くんの奢りでご飯食べてきちゃったから。夕ごはん大丈夫」
それを聞いた健二は戸惑いながら有紗を見ると、彼女はカバンを持って奥の部屋へ
「着替えてくるね」
そう言って襖を閉めた。
「あらー、なに食べてきたのー?」
お母さんがキッチンから顔を出す。そして行儀よく座る健二を見ると
「健二くん、ごめんなさいね。あの子食欲は旺盛で…」
バツが悪そうに苦笑いし、健二の向かいに座って「あんな子だけど、どうぞよろしくね」と、頭を下げた。
そして、母一人娘一人のこの家庭の事情を訥々と、些かきまりが悪そうに健二に話して聞かせてくれた。

たとえ貧しくとも、それを包み隠そうともせず、しっかり手を取り合い前を向いて生きてきた。そしてそれはこれからも…。
決して暗くならずに、むしろ貧しささえ糧にして、支え合って暮らすこの母娘に、健二はこれまで感じたこともない感銘を受けて、足の痺れも忘れてお母さんの語りに聞き入っていた)


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