ノック・ノック　　　ＮＢＬ　/　募集　/

愛しい妻を亡くして数年、小説家として名を馳せ社会的に成功し、大した趣味も無い為に貯蓄ばかりと金に愛され、傍から見れば上流生活を送る男が一人町中から離れて一人で暮らしていた。
大好きなレコードを大音量で掛けることが出来るのも近所に家が無く孤独を覚える程、離れに一軒家を建てたお陰だろうと思うのだ。
外が暗くなった頃、ザーザーとバケツをひっくり返したように激しい雨が降り始めた。
ザアザア……＿＿＿ザアザア＿＿＿

ノック・ノック

レコードの音に紛れて、何度も何度も扉を叩く音がする。


ドアを開けば、
濡れ鼠のように頭の先から靴の先までもが、余すことなくずぶ濡れの男女が訪問してきた。
２人はパーティ会場に向かう途中に迷ってしまい困っていると、だから電話を貸してほしいのです。なんて此方が恐縮するほどに控えめで申し訳なさそうに頼み込む。
勿論、何が有るのか分かりもしないこの時代。「あぁわかったよ」と簡単に迎え入れる事は危ないことと知っているが、寒さに震える女性や遠慮勝ちの畏まる男性の姿を見て放置するわけにもいかないと、服を乾かすその間だけ雨宿りする事を受け入れた。


びしょ濡れの二人へバスタオルを渡すと、女は「シャム」男は「レオパルド」と名乗った。
シャムはシャワーを貸してほしいと懇願してきた。流石に図々しくないかと顕著するが、先の震えを思い出して蔑に出来ず了承をしてしまう。
嬉しそうにシャワーに向かうシャムを見送り、タオルを頭に被さるレオパルドへ熱い珈琲と簡易な夕食を用意してあげようとキッチンへ十数分籠る。

そこまでは少し変わった日常で済んだのかもしれない。

タオル一枚のシャムが、執拗なほどの誘惑を行ってくるまでは＿＿＿
抵抗をしても、その抵抗はいつの間にかレオパルドの手により拒まれて。気付けば……妻を亡くした独身男の浅ましき欲に負けてしまった。


翌朝起きるとまるで自宅のように二人はくつろぎ家中を滅茶苦茶に荒らしている。
謙虚な昨夜と変わり、横暴な二人に警察を呼ぶぞと電話を取るが＿＿＿


「オイオイ？本当に良いのかァ？＿＿昨夜はシャミィに跨ってご機嫌だったろ？最高だったろ。そりゃあそーさ、＿＿＿お前今いくつだっけ？」
「えっとねぇ＿＿＿しゃみぃ、１５さぁい。あは、警察呼んだら捕まるのっておじたんと未成年のシャミィどっちい？しゃみぃ子供だからわかんなぁい！」



A-HAHA！！WAHAHA！！


形勢逆転、品の良いクラシックを流していたレコードも今や荒れ狂うロックミュージックを歌っている。
それすらも掻き消す気が狂いそうな喧しい笑い声が地獄の始まりを示していた。


■■＿＿＿＿＿＿＿■■


300～無制限、長ロル推奨(小説、感情、等々可能/過度な確定のみ却下)
NBLの為、時折の暴力描写の他、強引な恋愛描写有り
セイチャに基き描写は口付、抱き締め程度まで。裏行為厳禁
1週間に1レス出来る方、以降は再募集
希望時ノックを聞いてずぶ濡れ男女を迎え入れるロルテを共に。
相性によってお断りあり
某映画をモチーフに作っております。

時計仕掛けのオレンジのように、ファニーゲームのように、理不尽に、傲慢に、平穏なあなたの生活が壊れます。


■■＿＿＿＿＿＿＿■■

小説家のあなた

30代後半から40代前半
若い頃に結婚をするが不慮の事故で妻を亡くして以来独身(子供はいない)
亡き妻を今でも愛し、家の中には写真が多数飾られている
小説家として成功者、知らない人はいないほどの有名作家
堅物で気難しい真面目な人、陰鬱気味で人との交流が苦手だが面倒見が良い。
少々コミュ障気味だが芯の通った男らしい男。真面目振るが目先の欲に流されやすい。


ちがうひと

受け受けしい
低身長
初心
女性的外見内面



■■＿＿＿＿＿＿＿■■


あなたの現状

家の外へ逃げられないように足首に枷が付けられ行動範囲が決められている
首には頑丈な首輪が付けられ、戯れにリードを付けられ遊ばれる
暇が有ればダイニングルームのイスに座らされ縄で縛られ甚振られる
食事を摂るのもトイレに行くのもどちらかの許可が居る上に監視の元しか動けない
仕事関連にはシャムが姪っ子として顔を出す上に、事実上仕事を捨てて海外へ逃亡したと言われている。
(暫く家を留守にする為、いつ戻るか不明の為、姪と甥の二人に家を任せているとの話)
思い出の写真は余すことなく落書きがされている
シャムもレオパルドも貴方の事が大好き。玩具を取り合う様に愛してる。
がっしりとしていた体躯はすっかり痩せ細ってしまった。
どうすればこの地獄から抜け出せるか分からない。
ストックホルム症候群か、時折される優しい顔に全てを許してしまいそうになる。
今では半分ばかり、この地獄が続けば良いと馬鹿げた事を思ってしまう。
ドアを開けたあの晩の情事がビデオテープに残されているが今となってはどうでも良い。
繰り返される情事の中でレオパルドに組み敷かれ、女役にされたテープを世間に晒されることの方がよほど恐ろしい。


■■＿＿＿＿＿＿＿■■




ノック・ノック




＞まだ開いちゃいけません

「ああ、すみません、本当に助かります。＿＿此処へは旅行で来ていて、SNSを見ていたらこの周辺でパーティを行っていると。でも俺の勘違いだったみたいで、道を間違えていたみたいです。」
「HA-HA-HA！クラップ・クラップ。　　ノック・ノックの後に出て来たのは頭の弱い少女の振りしたモンスタアだったなァ。ざまァ見ろよ、金持ちジジイ。」
「あぁ、そう。偉い、聞き分けの良いお利口さんは好きだ。愛してやれる、……口を開いて舌を伸ばせ、血だらけの唇にキスを贈ろう」


名前　レオパルド　(愛称：レオ)

年齢　20代後半

容姿　引き締まった筋肉を体に纏う細身の体躯、細長い四肢が特徴的。180cmに僅か届かない程の背丈、背筋を確りと伸ばした姿勢の良さや佇まいの品が自慢。手の平が大きく男の手首なら簡単に抑え込めるほどの腕力を持つ。愛想の良い狐のように吊り上る切れ長の瞳、紫色の瞳と目の下には少しだけ隈、唇の左下に黒子が一つ。くすんだアンティークゴールドの髪は七三に分けているが下すと目を超える程、サイドは耳を隠す長さ、後ろは襟足が肩に掛かる程の長さを一本に纏め前髪もオールバックのように纏め髪に入れ込む。八重歯が鋭く形も大きい、名前の通り豹のように猛獣の牙を持つ。白のシャツは胸元までボタンを開き、黒のスーツを上下に着る。奥さんの遺品の化粧品を使い目の周りを雑に擦れたような出来栄えで真っ黒に塗りつぶすピエロのようなアイメイク、唇を赤く染める口紅を塗りたくる化粧をしている。

性格　表向きは控えめで奥ゆかしく遠慮がち、人当たりが良く紳士的、優しく常識を持った真っ当な青年。一つ皮を脱ぎ捨てると狡猾で傲慢、悪戯が過ぎる暴力魔。自分が楽しい為なら人に手を上げる事も仕方がない、全てがゲーム感覚の自己中心的男。常識なんて欠片も無いただのサイコパス。狡賢くてふざけた事を愛してる、従順な物は嫌いで反抗的な者を理不尽に言う事を聞かせるのが好きなサディスト。お喋りで口数多く常に人を食ったような馬鹿にした言葉選びや対応喋り方を選ぶ。気分屋で数分前に言ったことすら無かった事にするどの過ぎた傲慢、自己中、暴力と愛情を一つに混ぜ込む。暴力をふるった日にはたんと甘やかしてデロデロに愛する基地外。既に螺子なんて一つも二つも足りない、優しさなんて本心に一つも無い、調子の良い事ばかりを口にして期待を持たせて裏切る事に悦を覚える。

備考　あなたの書く小説に恋をしていた。いつしか、あなたの書く小説が奥さんに向ける愛に満ちた物に変貌したことに嫌気が差し、奥さんを事故に見せかけ殺害した。奥さんを甚振り凌辱した末に、車の爆発と見せかけて原型が無くなる程ぐちゃぐちゃの死体に変えたのもこの男。小説越しに見ていたと思っていた愛情はストーカーのようにあなたを見ている内に膨らみ、いよいよ行動に移す。あなたの事を愛している、愛している、愛している。愛しているから、堪えきれない暴力と理不尽な対応で監禁し束縛する。彼を飼うこの生活が愛しくて楽しくて堪らない。レオパルドは勿論偽名であり、素性は何もかも分からないまま。ただ、碌な人生を送っていない事は手慣れた暴力と荒み偏る知識から伝わる。シャムとの関係は謎のまま、身寄りのないシャムは彼の何なのか、何処から連れて来たのかどうでも良い事。




＞もう少しレス禁

「くしゅん、＿＿ありがとう。優しいのねぇ、着替えが無かったからどうやって帰ろうかしらって不安だったの。あなたが優しく無かったら！そう思っただけで恐ろしくなっちゃうの」
「レディスアンドジェントルマァン。今夜の可愛いシャム猫のぉ～クゥイーズ！ティーヴィー！のスペッシャアルゲストさんは―！？、なぁんと、かの有名な小説の著者…だだだだ！YEHA!!!!続きはコマアシャルのそのあとでぇーす！キャハハ！MCごっこ面白いわねぇ」
「パーパ、ぱぁぱ、大丈夫よぉ、痛いの遺体に飛んでいけぇ☆A-HA！シャミィがパァパが殺されない様にちゃぁんと守ってあげる、シャミィはパァパが大好きだから。だからパァパもシャミィが大好きでしょ？ねぇ、すき？愛してる？ぢゃあ言って！言葉にしてよ。ほら、早く、早く早く早く早くう!!!」


名前　シャム(愛称：シャミィ)


年齢　15歳(本当は18歳)

容姿　幼さの残るあどけない顔立ちと少女と女性のちょうど中間であることを示すはち切れんばかりの放漫バディが自慢。むちっとした太ももや胸部は柔らかく、そこを露呈する露出の高いキャミとショートパンツを着用する。日に焼けた褐色気味の肌とふわふわに巻かれたアンティークゴールドの髪はショートボブ程の長さ。前髪が長く右に流している。褐色肌に映える様な鮮やかなピンク色の瞳とぽってりしたピンク色の唇、バチバチとしたマツエクの睫毛。全部の指にはシルバーのストーンで埋め尽くされるギラギラのネイル。派手なピンクのハイヒールパンプス。背丈は150cmほど。家に来たころはこんな派手な姿ではなく控えめで常識の有る幼さがより引き立つような外見でやって来た。今では派手な化粧に品の無い服選びとやりたい放題。

性格　表向きは愛嬌が有り人の話を確りと聞き入れる甘えたがりの女の子。その裏では大胆不敵、自由気儘、我儘、身勝手な愛情を身勝手に押し付ける、愛の押し売り屋。情緒不安定、感情的、ヒステリー。と女の嫌なところばかりを詰め込んだ嫉妬深くて面倒臭いそんな女。気性が荒く、色狂い。ベタベタと触れたがりでキスしたくて我慢が出来ない。堪え性の無いビッチ。愛情表現が過多傾向の為、少し優しくされたらコロンと懐くが自分の求めるときに自分が求める以上の愛をくれないと暴力的になってしまう。喜怒哀楽が激しくて演技をする事が好き、只管にベタベタとあなたを可愛がることも好きだし、辱めを感じさせる精神的甚振りも好き。幼い無邪気な残酷を隠すことの無い罪悪感の無い甚振りが多い。何が悪いかを一つとわかっていない。

備考　あなたの書く小説の事なんて微塵も興味ないし関心も無い。でもレオパルドに誘われてあなたの姿を見たらドタイプで直ぐに乗りかかった。貴方に父親味を感じて「パパ」と呼ぶが行うそれは決して父親にするようなことではない。見た目通り幼い知識と思われがちだが、実際には多国語に強く計算知識も強い博識。物に対する歴史から、常識的なことまで一般的以上の知識を持つ天才。普段はそれをひた隠し馬鹿な振りしてケラケラとあなたを馬鹿にする。基本的に貴方の世話をすべて行い、食事管理から排泄管理まで楽しそうに行うが飽きっぽい為に時折食事の提供を忘れたり、イスに縛り付けたまま部屋に戻って次の日だったりと雑な世話が多い。レオパルドよりも暴力的な対応は少なく、ただレオパルドよりも精神的な甚振りが多い。

(/それでは自己満トピになりますが、これよりレス解禁として募集を開始致します。)
(!)KEEPは24時間、被った場合は選定とさせて頂きます。

（/とても素敵な設定に惹かれました。keepをお願いしてもよろしいでしょうか？）

＞名無しさん

(／お褒めの言葉大変ありがたいですが、規約を読んでいないことがわかる為、keepを承ることが出来兼ねます。あなた様に素敵な縁がありますことお祈りしています。)

knock knock

knock knock

knock knock



Uh,………シャミィ、もう一度。もう一回、馬鹿煩ぇクラシックが脳みそを占領してやがるせいで聞こえねェんだ。Boo,雨が冷たくて気持ち悪ィ＿＿＿＿Ah！悪い悪い。お前は何も悪くない、イイコ、イイコ。よしシャミィ、お前は良い子だからもう一度ノックをしてやれ。




knock knock

knock knock

knock knock



＞募集の為上げさせて頂きます

ノック·ノック


ノック·ノック


ノック·ノック



boo！boo！もーいやっ！！シャミィの手の平真っ赤っか！え〜んえ〜ん、レオくん代わってよお。おじたんお留守なんじゃなぁい？？もう違うお家に変えようよお＿＿＿本当？もしおじたん出てきてくれたらシャミィが好きなことやっていいの？YEAH！なら頑張るぅ！ノックノーック！ノックノーック！a-ha-ha-！ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷらんらんらん。雨の中シャミィはノック·ノック！


ノック·ノック


ノック·ノック



ノック·ノック


＞来てくれる方を願い、上げ

ザーッ、ザーッ


knock , knock


ノック、ノック



今日はクラシックすらも聴けない夜か。、、、ノックの音 ? ( 溜息を漏らすと、静かにノックの音のする方へと向かう。 ) 、、そういえば、雨の日に知らない者を招き入れて殺される事件があったか、、( そう呟くも、鳴り止まぬノックの音が不憫に響く。暫くドアの前で迷った後、鍵を開けてドアを開く。 ) 、、こんばんは。夜分遅くに、、大丈夫ですか ? 外は寒いでしょう。中へどうぞ。( 彼の出した結論は、家の前にいた二人を招き入れることだった。_にしても、二人共美男美女だ。雨に濡れる姿すらも美しい。そんな馬鹿げた思考を掻き消し、二人を暖かい暖炉のもとへ案内しようと先を歩き )



( / こんな感じでよろしいでしょうか、、? もし宜しければ、keepの方お願いします。是非ご検討下さいませ、 )

＞通りすがりさん


＿＿＿！！、ああっと。どうもすみません、引っ越した先の友人宅が此処と伺っていたもので。……どうやら貰ったメールが間違っていたようです。いえいえ、すぐそこに車を停めているものですからお気になさらないでください。あなたはとてもお優しい人だ、そのお気持だけ有難く頂戴致します。今夜は夜分遅くに間違い来訪とほなんたる失礼を！あなた様もお気を付けください、こんな雨夜はどうにもこうにも悪い奴らが紛れ込むみたいですから。戸締まりを忘れずに、＿＿＿ほらシャミィ行くぞ。


（／参加希望をありがとうございます。ですが、ロルテからの相性を考え今回はお断りをさせて頂きたく思います。この度はお声がけを有難う御座いました！あなた様に素敵な縁がありますことお祈りしております。）

シャム：ねぇねぇレオくん、なぁに読んでるの？(襲い掛かる予定の家主の帰宅を待ちながら待機をする社内、飽きることなくスマホに指を滑らせていたが運転席でひたすら文字の羅列を追いかける彼を見れば興味関心が其方に向いて身を乗り出すように問いかけて「Ah！シャミィわかった！おじたんの書いた小説でしょう。A-HA！レオくんおじたんのコトだぁいすきねぇ、その本なんて読み過ぎてボロボロじゃない！きゃは！ごみ箱の中の物の方がよーっぽど綺麗！」何がツボに入ったのか腹を抱えて前後に揺れる、ギィギィと車の軋み音を縦ながらけらけらと笑う声が響き「ハーア、笑ったぁ。＿＿じゃぁそろそろドアをコンコンってノックしに行きましょ。車の中にいるのも飽きちゃった！」腕を伸ばしてストレッチをすると激しい雨の外を覗き、車の窓ガラスに手をペタリと触れさせれば「ノック・ノォック＿＿＿ノック・ノォック」目を剥くように大きく開き潜めるような声で、怪談話でもするように呟いて)


レオパルド：＿＿＿＿見りゃわかんだろォ、どーみたって小説だ。これがコミック本だったならお前に回してやったよ(ペラリ、ペラリ、静かな車内に響くのは煩い雨の音と時折文句を垂れるシャムの声、そして本を捲る静かな音。けたたましい彼女の雰囲気に瞳を細めればすっかり愛しい文字列を眺める気分は削ぎ落せれてしまい息をめいっぱいに吸い込んでから露骨な肺の動きで重たい溜息を落とし。飽きたからもう行こうと強請るその言葉に今一度ため息をついてから「Uh-huh.外は寒いぜェ？覚悟しろよ」口角を吊り上げれば車から降りる。降りた瞬間から体温を奪うように冷たい雨が降り注ぎ、それでもその雨を体中で受ければ哀れな客人の演出を。一歩、一歩、ゆっくりと目的の家へ歩み寄り大きな扉の前に到着すると手の甲をトントンと何度も何度も叩きつけ「失礼！誰か、誰かいらっしゃいます？」哀れな客人、びしょ濡れの困った人、カードは揃ったぞとほくそ笑みながら声も言葉も罠を敷き詰める。)


knock knock

knock knock

knock knock




＞今一度募集中です。参考までに当方のロルテも添えさせていただきます。

（全く最低な気分だ。レコードをありったけの音量で響かせてもなおかき消されることのない雨粒の家屋や地面を激しく叩きつける不愉快な音色は己の苛立ちを助長させるものでしかなく、パソコンの画面に映し出された小説の文章は「彼は、」という書き出しのまま一向に物語が始まる気配もない。液晶画面が放つ無機質な明かりだけが室内を照らし出す中、更に増えた雑音に苛立ちは最高潮へ。ノックの音などこの悪天候で聞こえる訳がない、何かの聞き間違い、疲労による幻聴に過ぎない――そう自分自身に言い聞かせて五分弱、いつまでも鳴り止まぬそのノックに堪忍袋の緒が切れたとばかりに椅子を床に倒しつつ立ち上がり、乱暴にドアを開け放って大股歩きで廊下を進み玄関へと。一体どんな不届き者が我が平穏を乱さんとしているのか、その正体を突き止めんとノックされている玄関の戸を勢い良く手前に引き。すると其処には痛ましいまでに濡れそぼつ年若い男女がひと組、深刻そうな事態につい先程まで抱いていた苛立ちも何処へやら、アンティークゴールドの毛先から雨雫を滴らせながら事情を説明する彼らの礼儀正しい言動にすっかり絆され、その内容は自業自得と思わないでもないが此処ですげなく扱ってこの二人が死体で見付かりでもしたら後味が悪い――。扉を片手で支えたまま、道を譲るように自らの体を脇に退けて致し方なく自宅に招き入れる姿勢を示した。）
……入れ。タオルくらいは貸してやる。




（／拙い描写にてロルテスト失礼致します。
作り込まれた設定と世界観に惹かれまして、参加を希望致します。当方、映画に関しては荒筋を把握している程度の知識しかないのですが、それでも大丈夫でしょうか？
もしよろしければ、keepをお願い出来れば幸いです。）

＞参加希望者様

(/とても素敵なロルテを共に参加のご希望を有難う御座います。魅力的なロルテとロルテから垣間見える、小説家であるあなた様に心を惹かれました！どうぞ、お相手を此方からお願いしたい所存です。
映画に関しましてはあらすじを元にスレ立てに合わせて大部分を変更しておりますので把握しておらずとも全く問題有りません！ご安心を。物語の道筋を書いております№1の内容だけを踏んで頂ければ有難い限りです。

それではあなた様のプロフィールをお待ちさせて下さい。Keepを承らせて頂きます。)

「馬鹿な奴等だ。これに懲りたらもう少し計画性を持って行動するんだな」
「ふざけるのも大概にしろ！damm it!!追い出してやる、追い出してやる、追い出してやるッ！くそったれ！！」
「……毒を食らわば皿まで、とは良く言ったものだ。こうなれば私も共犯。なあ、――。こんな不誠実な私を、君はまだ愛してくれているのだろうか」


名前　アレクサンダー・バーナード・キャロウ （愛称：アレックス）
　　（Alexander・Bernard・Callow）

年齢　38歳

容姿　あまり外出を好まないためやや色白ではあるものの、学生時代に陸上競技に打ち込んだ影響でしっかりと筋肉を備えており、180cmをやや上回る身長も相俟って男性らしい、少なくとも貧弱ではない健康的な体格。一重瞼の発色の良いエメラルドグリーンの瞳は切れ長で細く鋭く、筋の通った高い鼻と薄めの赤い唇、とパーツもバランスも悪くないが極めて目付きが悪く無愛想であるため見た者に冷たい印象を与えることが多い。癖の強いもっさりとしたセピア色の髪は長さが不揃いで、前髪は目を完全に隠すほど長く分け目を作らず右側に流し、サイドは耳を半ばまで覆い、襟足はほんの少し毛先が項に触れる程度の長さでボリュームがあり、洒落っ気は無くもっさりと野暮ったい。服装も地味なものが多く、公の場では妻が誕生日にプレゼントしてくれたスーツを着、自宅ではもっぱら白いシャツとニットベストもしくはセーター。色も茶色系統ばかり。近眼のため、執筆時はメガネを着用するが私生活では裸眼でも然程支障はない。

性格　建前や社交辞令、美辞麗句といった社交的スキルとはまるで無縁の堅物。陽気なアメリカンジョークも言わなければ、イギリス人のようなブラックジョークも通用しない。心と口が直結している。舌先に乗る言葉は常に良くも悪くも正直で、ご機嫌かそうでないかは態度を見なくとも声を聞けば一目瞭然。その歯に衣着せぬ物言いと仏頂面から他者を寄せ付けない雰囲気があり、社交的でないことに自覚もあるが今のところ矯正する予定もないしする必要性も感じていない。明るい感情を表に出すことが不得手な代わりにマイナス面の表現ばかりが際立ち、元来真面目な性分故に他人にもそれを要求してしまうため、気難しく陰鬱な印象を関わる人間に与えてしまいがち。しかし、表面的には見え難いが困っている人を見捨てておけない、案外面倒見の良いお人好しな一面もあり、アレックス本人はそれを小説家として最低限の社会的な評価を下げない為だと主張する。また、我慢弱く人間の三大欲求に対してやや抑制の低いところがあり、些末なプライドを守らんと抗ってみても本能的な欲望には敵わず、中途半端に我慢した分衝動的な行動に走って後悔することもしばしば。人格の問題はさておき自身の作品に対しては強い自信と誇りを持っており、他人の評価など何処吹く風とばかりに受け流し、何を言われようと決して揺るがない作風は結果として一定の評価を得ている。

備考　今は天涯孤独の身だが、かつては両親も兄弟もいた。幼少期に泥沼離婚の果てに一家は離散している。大学生になって最愛の女性と出会うまでは今よりもっと荒んでいて、つっけんどんで、捻くれていた。彼女は聖母のような優しさと暖かさでアレックスを包み、許し、受け入れてくれた。初めて人間らしい「愛」を知った。しかし、幸せは長くは続かなかった。愛を知ったからこそ失った悲しみは深く大きく、絶望の淵に立たされた彼は亡き妻への断ち切れぬ愛を自らに思い知らせるかの如く思い出の写真を自宅のあちこちに貼り巡らせ、異常な程に作品の執筆にのめり込んでいく。小説家としてデビューしたのは18歳の時、当時はあまり売れ行きは良くなかったが、有名な映画監督に見出だされたが脚本が気に入らないという理由で映画化を拒んだ事件をきっかけに世間に名前が知られるようになる。経緯はともかく、ゴア描写やモンスターにばかり頼らない人間の闇に迫る陰鬱なサスペンスホラーテイストの作品は好評を得、発表したほとんどの作品はヒットし、前述した者とは別の監督の手によって映画化もされた。作品の全てが主人公の死によって幕を迎え、一見すると救いようのないストーリーだが解釈によってはハッピーエンドという見方も一部ではある。ペンネームなどは用いず本名で作家活動を行っており、インタビューでもごく普通に顔出しをしていて、メディア嫌いではあるから積極的な露出はないにしても必要以上に自らの覆面性を演出することはしていない。妻が生きていた頃に発表したタイトルは、他のものよりも登場する女性キャラクターの扱いが比較的優しく悲惨さも軽減されているが、それは作風に影響が出ない程度の変化であった。名前のイニシャルから、一部ファンの間では「Mr.ABC」と呼ばれることも。



（／お褒めに預かり光栄です、ありがとうございます！keepをお願いしていた>12の参加希望者でございます。
お待たせしていた小説家のプロフィールが完成しましたので、提出致します。お言葉の通り>1を熟読した上で作成しましたが、解釈の相違やトピ主様のイメージと異なる部分などありましたらご指摘願います。あまりにイメージを逸脱しているようでしたら速やかに辞退する所存ですので、どうか確認のほど宜しくお願い致します。）

(/余りにも妙々たるプロフィールに堪らずブラウザを閉じて落ち着いてから再度拝見させて頂きました！興奮し胸が詰まるほどの素晴らしいMr.ABCさんと交流できること、今から楽しみでなりません。不備など一つと御座いませんのでどうぞこのままお相手をお願い致します。
絡みの始まりですが、漠然とイメージしておりましたのが未成年暴行をネタに脅しを掛けた後、狼狽え、油断を見せたアレックスさんを室内の陶器等でレオかシャムが後ろから殴り掛かり気を失わせ、行動抑制の為のチェーンのついた足枷と首輪を付けて自由も尊厳も奪い切った後か、普通じゃない螺子の外れたこの暮らしを数日過ごした辺りとどちらが良かったでしょうか。前者だと未だ少し距離感を図るイメージで、後者だと遠慮もへったくれも無い、そんなイメージとなっています…！)

（／身に余る過分なお言葉を頂き大変恐縮です。受理してくださりありがとうございます！此方こそ、未熟なばかりに至らぬところが多々あるやもしれませんが楽しく交流出来るよう精一杯努めて参りますので、宜しくお願い致します。
ご提案ありがとうございます。アレックスとしてもそうですが、背後としてもレオさんとシャムさんとの距離感を掴みたいこと、また、お二人の真意の見えない不安や恐怖といったような状況を楽しんでみたい気持ちもありまして、出来れば前者でお願いしたく思います！不躾とは存じますが、初回はお任せしてもよろしいでしょうか？もし少々お待ち頂けるのであれば当方から回しますので…
そして、採用して頂いてから早々申し訳ないのですが、明日から火曜日あたりまで返信が遅れがちになるかと思われます。１日に１レスか、もしくは２日に１レスというスローペースになるかと。勿論、一週間以内には必ずお返事致しますので、図々しいとは承知しておりますが何卒ご留意頂ければ幸いです。）

シャム：A-HA-HA！レオくんお上手ねぇ美味しそー。さ！大きく振りかぶってぇ……フライングパーンケェキ！＿＿あら嫌だ、失敗。今度はキャッチするからもう一回投げて！(キッチンの傍、ダイニングテーブルの上は既に元の清潔さを失いケチャップやマスタードがそこら辺に撒き散らされ、今まさにキッチンに立つレオがフライパンの上で焼いたパンケーキをピザのように、将又フリスビーのように宙を舞わせ放り投げた。平皿を持てば空を飛ぶパンケーキを受け止めようと……あと少し距離が足らずに落としてしまう。勢い余ってテーブルの上に並んでいた皿が一枚床に落ち割れた、派手な音だけが響き渡る。＿＿落ちたパンケーキを受け損じた皿に乗せれば大きめのフォークを握りしめ、ダイニングテーブルに誕生日席の如く設けられた席に縄で括りつけられる彼の前に置き、行儀悪くテーブルの上で頬杖を付いた体制で寝そべって。至近距離のその顔は陶器で出来た花瓶をぶつけた際から一つと変わらない。金魚鉢の金魚でも眺める様に飽きることなく見詰めてから「＿＿Hello・HELLO？パァパ甘い物は好きかしらん」落ちたパンケーキにはそこらに散らばる調味料がベットリと染み着いているが気になどせずにフォークで突き刺してから捻じ込む様に口に向けて「レオく～ん。シャミィちょっと強くやり過ぎたみたい、パァパ目を覚まさないの」反省のある声ではない、アハと楽しむ軽快な笑い声を共に告げて)

レオパルド：uh-huh,そうかそーか、よぉし食え。＿＿うわ汚ェ、へったくそ(焼きあがるパンケーキをオムレツの要領でフライパンを滑らせダイニングテーブルにいるシャムへ投げ、それが床に落ちるのを見届ければ品など欠片も無くゲラゲラと笑い声を上げて。部屋中に響き渡るがなり音のロックミュージックを口遊みながら火を止めて。革靴の踵を鳴らして目を覚まさないと騒ぐシャムの元へ近づけば縄の支えが無ければ今にも倒れるだろう、家主の顔を覗き込み。「uhhuh,痛いぜェこれ。消毒でもしてやりゃ目が覚めんじゃねぇか、キッチンで面白いモン見つけたんだ」再びキッチンへ戻る際、彼の趣味か嫁の生前の趣味か知らないが高価そうな食器に指を触れさせわざと落とす。パリンパリンと割れる音が心地いい、鼻歌を止めることは無く冷蔵庫やら引き出しやらを漁り、開いた引き出しはすべて其の儘「Good morning・Good morning！アレックス目を覚まそうゼぇ」握り持ってきたのはレモンジュースの瓶、風味付けに使う物なのか対して使われずに量はたっぷり残っている。蓋を外すと頬を伝い垂れる血を瓶の先でなぞってから頭部の傷口めがけタプタプ＿＿タプッと一滴残らず掛け始め。既にパンケーキのついていないフォークの先で頬を刺してるシャムの動きを横目で見てから「シャミィ、そんな優しい愛撫ぢゃあ目なんか覚まさないぜ。もっともーっと昨夜みてぇに激しいのしてやれよ」HAHAHA！煽り文句と共に中身を失った瓶を縄の減り込む腹部めがけて振り被り、バッターの如く使った瓶は勢いのまま床に転がり)


(/それでは前者のイメージでキャラを出させて頂きます。複数同時扱いが初めての為、違和感等が拭えないことと思われます…！もし分かり兼ねた場合は遠慮なく伝えてください！また、絡みづらい等ありましたら都度教えて頂けると有難いです。
レス頻度に関しまして事前のご連絡ありがとうございます！もちろん、無言一週間さえなければ問題有りませんので気になさらないで下さいませ。どうぞ、ご負担にだけなりませんように私生活を優先してください…！/此方蹴って頂いて大丈夫です。)

（愛しい妻が涙で頬を濡らしていた。昨夜己が犯した不逞を声を荒らげて責め立てるのではなく心から悲しんでいるようで、夢とは分かっていても胸が締め付けられるようで――けれど、そんな揺蕩う意識を残酷な現実へと引き戻したのは妻の慈しみに溢れたキスでも彼女が朝食の支度をする優しく心地良い音色でもなく、暴力的に甘ったるい柑橘系の香りと共に鈍く痛覚を刺激する何か。不快指数の高い笑声。頬に触れる濡れた三股。うっすら瞼を開きかけ、ぼんやりとした視界の中に映り込んだアンティークゴールドの若者と彼が振り上げている空っぽの瓶を認識した次の瞬間、不条理な暴力が我が腹部に襲い掛かり）
ガッ――！？ハ…げほっ、ゲホッ……！
（強烈な痛みと窒息感に同時に襲われ息が詰まり、咳き込みつつも不本意ではあるが激痛のお陰で意識はこれ以上ないほど明瞭となり、まず鼻を衝く雑多な調味料の香り。目だけを動かして見れば幼いながら妖艶な肢体を持つ少女がフォークを持ち、己の姿が反射しているそのピンク色の瞳、傍らに立つ礼儀正しかった筈の男は見る影もなくけたたましい笑い声を響かせている。現実とは思えない、悪夢以上のおぞましい光景が目の前に広がっている。体を動かそうともしたが縛られているらしく無様に上半身を揺するだけに終わり、一度は肌を重ねた自称15歳の少女に憎悪に満ちた眼差しを向けて「出て行け」とまずは一言。哀れな濡れ鼠から無法の侵入者と化した彼らに言いたいことは山ほどあったが、最終的に伝えたいことは「Get out!」唯一の救いは彼らが視界から消えてくれることだけだった。ジュースに濡れて肌に貼り付く衣服の不快感に眉間に皺を寄せ、ひゅうひゅうと掠れた拒絶の声を振り絞る。）
お前達、美人局、なのか……？金が欲しいならいくらでもくれてやる。欲しいだけ持っていけ。足りなければ小切手だって書いてやる……だから、早く、出て行け。



（／此方こそ、こういった過激な物語のやり取りは全く初めての経験なので、違和感や表現が稚拙な部分があれば遠慮なく仰って下さいませ！
では、背後は下がらせて頂きます。何かございましたら都度お声掛けお願い致します。／蹴推奨）

レオパルド：Get out＿Get out＿Get out,……＿＿＿＿そーォ冷たい事言うなよHoney,金なんか要らねェんだ(意識を取り戻した、強制的に取り戻されたが正しいか。朧な意識が鮮明に変わるその瞬間を見逃さず、顔を確りと瞳に捉えて。力強い眼は何も屈していない事を示すばかり、それが他ならない己のサディズムを擽るとも露知らず。懸命に交渉し、命の安全を確保しようとする痛ましいまでの様を唇を閉ざし黙りこくり見届けて。交渉と称したが、之では既に懇願の方が近いだろう。顔から生臭い血液を滴らせ、気品ある高級そうな衣類は今頃果汁特有のベタ付きに襲われたこと。薄気味悪く口を噤み黙っていた唇を開けば長いお喋りに向けて酸素を肺に落とし込み、置時計がチック・タックと時間を進めるように馬鹿にした口ぶりで先の言葉を真似繰り返す。パンケーキに使うバターナイフをテーブルの上から手にすればドラムのスティックのようにカチャンカチャンと皿を叩いて回り「仲良くしようぜぇ？アレックス、お前が言う事さえ聞いてくれるなら長い付き合いになるんだ。uhhuh＿＿余計な事は考えんな。Ok？」ナイフの先を眉間に宛がう様に軽く触れさせ、じっとりとした眼球で真直ぐに見据え。顔に張り付く長い前髪を掬い上げる様にナイフの先を動かせば口角を吊り上げて「シャミィ、メープルシロップ取れよ。ヒュゥ,＿＿Thanks」キャップを奔放に投げ捨ててレモンジュースの掛かる顔へケーキのコーティングのように落とし、べろり＿＿舌を伸ばせばシロップの乗る頬を下から上へ舐め上げて「金なんかクソ程要らねェ。＿＿アレックス、愉しくなるぜ。仲良くしようなア」舌に伝わるのはレモンの酸味と甘ったるいメープルシロップ、ほんの僅かな鉄臭さ。もっと欲しい、産まれる欲は堪える必要が無いとばかりにべろり…ぬらり…と舐め回し、顔を引き離せば「Hey,アレックス。今度は俺にヤらせろよ」HA-HA-HA！ゲームのように笑いながら背凭れを革靴で蹴り上げる、そのままの体制で倒れる彼を覗いては馬鹿にするような口振りで。途中、シャムのストップコールが無ければ恐らく其の儘暗転だったろう気のままに「fuck!＿＿煙草吸って来っから、動かねぇようにちゃんと首繋いどけよ」言い残し一度その場を後にして)


シャム：(口遊むようなレオパルドの歌に合わせて振り子のように頭を左右に揺らし、おどける様なふざけた表情で依然変わらずに目を覚ました彼の顔を覗いていて。「uh-huh,パァパったら勘違いしてるのねぇ。シャミィもレオくんもパァパの事が大好きなだけ、んもぅっ。そんな怖い顔しないでよう。え～んえ～ん、シャミィ怖くて泣いちゃう！」ぐすんぐすん、両手を目元に宛がうワザとらしい泣き真似を。その後両手を開いていないいないばあの要領で笑顔を露呈、寝そべったまま片腕を伸ばせば頬を撫でてよちよち。と赤子扱いを、レオパルドからの頼まれ物を放り投げる様に摘まんで投げ渡し、続く行為をラブロマンスのシネマでも見ているようにテーブルの上のパンケーキの屑をポップコーン代わりに摘まんで眺め。イスが倒れた所でハッと思い直したように「stop・stop！レオくん待って！待って！折角パァパ目を覚ましたのよ！乱暴しちゃダメぇッ」ぶっくり頬に酸素を溜め込んで叱咤する口振りでテーブルの上から起き上がり、今まさにカチャカチャとベルトに手を掛けるレオパルドに後ろから抱き着きその行為を止めて。注意をすれば一度は引いてくれた様子を見て、悠長に「ハーイ」なんて音符マークを添えるご機嫌な口ぶりで返事を行って。るんるん、と鼻歌を共に首輪を一つ、ジャラジャラと重たく長いチェーン（恐らく部屋の中のみ行動できる長さの物）の付いた枷を一つ、これは遊び心かバラエティショップで買えるような手錠を一つ持って戻り「パァパ、パァパ。シャミィが守ってあげるからパァパは死なないわよう。絶対死なないの、殺さないもん、シャミィが守ってあげる。A-HA-HA！子供に守られるちっぽけな命ですって、猫とか犬みたいね。＿＿YEAH！なんて運命的！猫とか犬にこれは必要でしょぉ？」倒れ込んだままの足に枷を一つガチャリと繋ぎ、見せびらかす様に首輪を披露してから「苦しかったら言ってねぇ、きっとレオくんに乱暴されちゃうから。今苦しかったら後々大変よぉ」カチャカチャ、首輪を嵌める音を手慣れた様子でたてるばかり。「パァパ。イイコイイコ、今起こしてあげるからねぇ」よぉいしょ！掛け声とともにイスを起こし上げ。「Boo,なんてかわいそうなパァパ。今シャミィが拭いてあげる」ただ濡れるだけじゃなく粘着質なベタ付きさえ加わったその姿を見ればちゅうと投げキッスを一つ行ってからミネラルウォーターの入るペットボトルと何やら裁断された布を持って戻り)

（此処は自分の家である筈なのに一晩で様変わりしてしまったダイニングはまるで家主の方が異端者であるかのような錯覚を覚えるに十分な変貌振りで、自身の問いを耳にした男がバターナイフ片手に皿を叩く様子をじっと観察。椅子に拘束され自由を奪われていることを思えば警戒するのは当然のことで、神経を逆撫でする挑発も頭に来るものだったが陶器で殴られた患部の疼きに比べればなんら大したことはない、と。そう自分自身に言い聞かせていた矢先、気楽なやり取りを経て青年が手にしたシロップがまさか自分に掛けられるとは一体誰が予想出来ただろうか。「――ひっ！？」ねっとりと、それこそレモン果汁とは水分量が明らかに少なく皮膚にまとわりつくような粘着質なそれはジュースと血液と入り雑じって更に視界を悪くしていき、あまりの気持ち悪さから何故このような仕打ちを受けねばならないのか信じてもいない神に嘆いてみても泣きっ面に蜂、頬を這う生温くザラついた舌に咽喉の奥を引き攣らせ、生理的嫌悪感がぞわぞわとゆっくり背筋を這い上がるのを感じて。「やめろ、やめろ！気色悪い！離れろ！！」無意味とは理解していても制止を訴えずにはいられない。括りつけられている椅子ごと蹴り倒された瞬間には男の舌による粘着質な精神的苦痛が終わったと思い歓喜さえしたが、やはり己の前には絶望しかないらしく、鼓膜を震わせる屈辱の予告にどうにか足掻こうと全身を揺さぶり。だが、意外にも彼の連れが暴挙を抑制し、ダイニングから立ち去る靴と背中を床に転がったまま見送ることとなり。）
――守る？守るだと？これが？ふざけるんじゃない！私は人間だ、お前達のペットでもなければ玩具でもないッ！
（確かに貞操は守られたかもしれない。だが彼女が持ち出したものはアレックスの怒りを助長させるものでしかなく、感情が怒声となって家中に弾け飛ぶ。声で少女が手にしている鎖や首輪などを何処か遠くへ投げ捨ててやれたらどんなに良かったか、悲しくもファンタジーではないリアルではそのような生易しい安直な救済など在ろう筈もなく、一体その若さで何処でどうやってそんな技術を手に入れたか知らないが手際良く足に首にと拘束具を纏わせていくその柔らかな手を、止める術も抗う術も今のアレックスには一つとしてない。彼女よりも明らかに重量の大きい男を椅子ごと起こしたことに驚きだとか感心だとか、そういう普通の感覚はこのクレイジーな空間ではもう今更沸き上がって来ず、世話を焼いてくれようと宣う少女が飛ばした投げキッスを手で叩き落とす代わりに血の鉄錆が混ざった唾を吐き捨て。）
頼むからこの家から消えてくれ！一体何が目的なんだ……他人の家に押し入って、荒らして、シロップを浴びせ、果てには首輪を着けてペットだと？ギャングごっこなら余所でやってくれ。此処はお前達のプレイルームじゃないんだ！