濡鼠 2017-02-08 17:27:58 |
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(愛しい妻が涙で頬を濡らしていた。昨夜己が犯した不逞を声を荒らげて責め立てるのではなく心から悲しんでいるようで、夢とは分かっていても胸が締め付けられるようで――けれど、そんな揺蕩う意識を残酷な現実へと引き戻したのは妻の慈しみに溢れたキスでも彼女が朝食の支度をする優しく心地良い音色でもなく、暴力的に甘ったるい柑橘系の香りと共に鈍く痛覚を刺激する何か。不快指数の高い笑声。頬に触れる濡れた三股。うっすら瞼を開きかけ、ぼんやりとした視界の中に映り込んだアンティークゴールドの若者と彼が振り上げている空っぽの瓶を認識した次の瞬間、不条理な暴力が我が腹部に襲い掛かり)
ガッ――!?ハ…げほっ、ゲホッ……!
(強烈な痛みと窒息感に同時に襲われ息が詰まり、咳き込みつつも不本意ではあるが激痛のお陰で意識はこれ以上ないほど明瞭となり、まず鼻を衝く雑多な調味料の香り。目だけを動かして見れば幼いながら妖艶な肢体を持つ少女がフォークを持ち、己の姿が反射しているそのピンク色の瞳、傍らに立つ礼儀正しかった筈の男は見る影もなくけたたましい笑い声を響かせている。現実とは思えない、悪夢以上のおぞましい光景が目の前に広がっている。体を動かそうともしたが縛られているらしく無様に上半身を揺するだけに終わり、一度は肌を重ねた自称15歳の少女に憎悪に満ちた眼差しを向けて「出て行け」とまずは一言。哀れな濡れ鼠から無法の侵入者と化した彼らに言いたいことは山ほどあったが、最終的に伝えたいことは「Get out!」唯一の救いは彼らが視界から消えてくれることだけだった。ジュースに濡れて肌に貼り付く衣服の不快感に眉間に皺を寄せ、ひゅうひゅうと掠れた拒絶の声を振り絞る。)
お前達、美人局、なのか……?金が欲しいならいくらでもくれてやる。欲しいだけ持っていけ。足りなければ小切手だって書いてやる……だから、早く、出て行け。
(/此方こそ、こういった過激な物語のやり取りは全く初めての経験なので、違和感や表現が稚拙な部分があれば遠慮なく仰って下さいませ!
では、背後は下がらせて頂きます。何かございましたら都度お声掛けお願い致します。/蹴推奨)
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