アリサ 2025-04-27 12:43:22 |
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「…まず、君は…探偵さんでしょう?見た目ですぐにわかった。さっき自分で名探偵って言ってたし」
私は得意げにそう言う。
「私の仕事はなんだと思う?なかなかわからないと思うなぁ~?」
「ふふ、まぁ、そりゃそうだよねぇ。」
じゃあ僕も言わせてもらおうか、と眼鏡をかけて超推理、と呟いて
「君、ポートマフィアでしょ?」
さら、と水が流れるような速さで言って
「えっ」
思わず動揺し、声を漏れる。やばっ…なんで分かっ…
そういえば、太宰から聞いたことあるような。武装探偵社の名探偵…
「ああ~っ!なんだか急用思い出しちゃった~!このラムネあげるよ!それじゃ、私はこれで~…」(棒)
私は足早に立ち去ろうとする。
「当たりかな?」
動揺している貴女を見てくす、と笑って
「ふふ、暇つぶしになったよ、ありがとね。」
ラムネを受け取って眼鏡を外し、殺し屋、か、、と思いながらもそれは口にはせずラムネを飲みながら雨が止むのを壁に寄りかかって待って。
「え、あ…」
私は足早に立ち去ろうとするも、嵐は強くなるばかりで、今この場所を離れることは出来なさそうだと思った。
「…」
…バレちゃった。
「…君、武装探偵社の社員でしょ?太宰から聞いたことあるかも」
彼は、私の事を太宰から聞いたのだろうか。それとも、本当に推理したのか…頭の悪い私には分からなかった。
「うーん、雨、止まないどころか強くなるねぇ、、」
これはもう笑うしかないな、と苦笑いをしながら
「ふーん、?そうなの?僕は君のこと知らなかったけど、」
喫茶店等で会ったのか、と納得しながらも太宰の奴、僕のこと悪く云ってないだろうね?とまだ動揺している貴女を少しでも安心させようと冗談っぽく聞いて
「じゃあ、なんで分かったの?血の匂いでもしてた?」
私は不安げにそう言う。けれど今日は殺しの任務は無かった。
「最近の名探偵は凄いんだねぇ…なんでも分かっちゃうんだ?」私は彼の顔を覗き込む。
私があげたラムネ、どうやら喜んでくれたようだ。よかったね。ラムネも飲みたい人に飲んでもらえて嬉しいよね。
私は人を不幸にさせるから。勿論、私自身も。
この人だって今この雨で困っている。
「ん、いや、雰囲気?
殺しをしたなら僕と話なんてせずに避けると思うし、血なんてついてなかったし。」
素敵帽子君と同じような雰囲気がした、と思い
「ふふ、僕が特別、なんてね。」
目を細く開いてくすっと笑い。
「にしても、君は傘も持たず外で何してたんだい?」
君から見たら僕も同じ状況だけどね、と呟いて
「ああ、一寸ね…あーその…まあ、えっと…迷子になってた所で…」
私はとても言いにくそうにそう言った。
「…だって私、地図読めないし、右と左も怪しいもん…私、どこに行こうとしてたんだっけ…?」
それも忘れてしまった。
「それにしても…素敵帽子君って、もしかして中也のこと?」
私はくすりと笑いながらそう言う。
「成程、?ふふ、僕も全然地図読めないのだよ!」
ははっ、と子供のような笑みを浮かべながら忘れたなら思い出すまで喋っていようか、と呟いて。
「ん、名前、覚えられないからずぅっと素敵帽子君って呼んでいるんだよ。」
顔を少し背けながら
「へぇ…面白い呼び方だよね」
私はくすりと笑う。
「わっ!」
すると、雷が鳴った。雨も強くなってきている。
「うわぁ…もう、嫌ぁ…」
本当、自分の運の悪さには…(以下略)
「全然やむ気配がしないよぉ…」
「そう?素敵帽子君身長小さいとか言うと怒るから小さい以外だと帽子しかなくて。」
今更名前で言ってもなぁ、なんて思いながら。
「うわ、本当に嵐だな。」
一寸だけ驚いたようで。
「君、運悪いのかい?」
くすくす、と笑って
「うん…昔から…」
おまけに人間ではないだなんて、彼は知っているのだろうか。
「…君は、他に私の事、何が分かる?」
私は思い切ってそう尋ねてみた。
彼の頭脳…いや、これは異能力?を少し確かめてみようと、好奇心で。
「あと…君も異能力者?」
「殺し屋ってこと、あと成人してるでしょ?」
人間ではないことも薄々気付いてはいるが其れを口には出さず。
「ふふ、どうだろう。」
意地悪な笑みを見せて。
「…正解」
この調子だと、多分人間じゃないこともバレてる…気がする。
ここまで見破られたのは初めてだよ、と心の中でため息をつく。
今まで潜入調査で正体がバレたことなんてないし。って言うか今気づいたけど…この人私たちの敵じゃん!
この頭脳と戦うのだと思うと、心底ゾッとする。勝てる気がしないから。
「…」
この雨だ。人気も少なくなってきた。異能力で雨を防いでも誰にも見られることはなさそう。
「それじゃ、私はこの辺で…帰ろうかなぁ。でも、人に見られたら困るな…うーん…」
そう言ってから私は紅蒼夜叉、と呟き異能力を発動した。
「大丈夫かなぁ?名探偵さん」
「まぁ、周りになんて言うつもりないから。」
今は、貴女も敵意を示していないので社長や武装探偵社の人達に言わなくてもいいだろう、と思いもし今敵意を示して攻撃をしてきたならポオ君に貰った小説の中にでも入れよう、と思い。
「異能力か、鏡花ちゃんと、あと、、尾崎、?さんと似てるねぇ、、」
これは普段大勢人がいる此処では使えない、だから今まで使わなかったのだろうな、と呟いて。
「うん。同じタイプの異能力なんだ。鏡花ちゃん、元気かなぁ?ちゃんとご飯食べてる?怪我してないかなぁ…まあ、姐さんが任せたなら大丈夫だよね」
最近会えてないからなぁ…自分と少し境遇が似ているあの子を、気にかけないはずがない。光の世界に旅立ったあの子を、私は闇の中から見守っている。
「ポートマフィアビルの中だと、異能力も使いやすいんだけど…私の異能力って目立つし、殺気隠せないし、怖がらせちゃうし…」
さすがに夜叉に家事や書類整理を任せているとは言えない。
「元気だよ、僕が駄菓子をあげているしね!」
敦と仲良くなっていたな、と思い。
「うーん、まぁ、そうだろうね。」
僕は異能力とか見慣れてしまったからどうってことないけど、と呟いて。
「…そう。よかったぁ」
私はにこりと微笑む。
「でも確かに探偵社とかポートマフィアの人とかは異能力見慣れてるけど、普通の人にとっては珍しいんだろうねぇ」
私はもう、戦闘殺戮用の夜叉に家事や書類整理をさせるまで慣れてるんだけど。
流石にそれは、私の殺し屋としての威厳がなくなっちゃうから言えないけど。
「鏡花ちゃんと仲が良いみたいだね」
鏡花ちゃんと君は少し似てるし、と呟いて彼女を思い浮かべる。
「目立ちやすい異能力は使いづらいだろうねぇ、僕とかみたいに見えなかったり小さいやつならいいんだけど。」
まぁ,自分は異能力者ではないんだけど、と思いながら。
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