「ああ、一寸ね…あーその…まあ、えっと…迷子になってた所で…」 私はとても言いにくそうにそう言った。 「…だって私、地図読めないし、右と左も怪しいもん…私、どこに行こうとしてたんだっけ…?」 それも忘れてしまった。 「それにしても…素敵帽子君って、もしかして中也のこと?」 私はくすりと笑いながらそう言う。