( fairy tale )〆 

 ( fairy tale )〆 

匿名さん  2022-08-21 15:03:38 
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 お相手様決定済み。

 

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  • No.1 by 匿名さん  2022-08-21 15:48:06 



ご移動いただきありがとうございます!とりあえず、pfや世界観等投下しておきますので、お手隙の際に御一読いただければ幸いです。

【 提供pf 】

名前:リヴィオ・ヘーゼル
性別:男
年齢:20歳
容姿:身長175cmで、筋肉量に乏しいモヤシ体型。燃えるような真紅の赤髪を肩程度まで伸ばし、サイドを残し後ろで一つに結わえている。キツいつり目がちな瞳に宿る色は猛禽類が如き金であり、一見して他人を寄せ付けない雰囲気を纏う。服装は常に質素な黒のローブを身に付けた如何にもな魔術師という風体で、洒落っ気の一つもない。

性格:一応は貴族の出自ながら、とかく愛想が悪く無駄な人付き合いを嫌い、いつも一人魔術本に向かってきた偏屈者。その癖プライドばかりが高く煽り耐性ゼロの直情径行型だが、一方で困っている者にはつい手を貸してしまうお人好しでもある。興味関心の矢印は常に魔術方面へ一直線、ただただ魔道を極めることのみに異常なまでの執念を燃やしひたむきな努力を積み重ねる極度の魔術オタク。

もし上記に萎えや加えてほしい要素があれば変更も可能ですので、お気軽にお申し出くださいませ。


【 世界観 】

かなりふわっふわしておりますが、今のところはベターな剣と魔法の西洋風世界観を考えております。魔王こそいないものの、害悪な魔物やダンジョンなどは存在するため、冒険者や治安部隊が都度討伐を行っている。魔力に関してはこの世界の誰もが保有しており、その多寡には大きく個人差有り。…といった程度でしょうか。とはいえ特に強い拘りがある訳でもないため、もし貴方様の方で何かご希望がありましたらこちらもお好きに変更していただいて大丈夫です!あるいは大きな矛盾が生じない程度で、突貫工事的にお互い都合良く雑に設定を生やし話を紡いでいく緩々とした方式でも楽しいかなと。

また、話の展開としては、とある大国の一つ、人里離れた山奥の何処かで魔術の研究を共に行う、あるいは魔術本や魔道具等の収集のため共に旅をする、などといったものが浮かんでおります。


ここまでお読みいただきありがとうございます!長文乱筆失礼いたしました。とりあえずざっと頭の中を書き出しましたが、もしこの時点で相性に不安を感じるものがありましたら、打ち切りをお申し出いただいても構いません。特段問題がないようでしたら、簡易で構いませんのでpfの提出と、世界観に対するご意見や希望などを頂戴したく思います。もちろん、何かお悩みの点があれば相談や質問だけでも結構ですので、どうかよろしくお願いいたします!

  • No.2 by 名無しさん  2022-08-21 17:13:35 




この度は、複数の希望者の中から選んでいただきありがとうございます……! 魔術師様のpfと世界観、拝見いたしました。萎えや変更してほしい点などはございませんので、是非そのままのリヴィオ様とお話を紡がせていただきたいです。世界観についても大方把握いたしました。魔力は誰もが保有しているが個人差がある、とのことですが、こちらの提供である奴隷の少年の魔力についてはどの程度が理想的でしょうか?
山奥で魔術の研究を共に行うのも、魔術本や魔道具の収集の旅も、どちらも魅力的で大変迷います。ベースは山奥での研究としながら、たまに研究に必要な魔術本や魔道具の収集に出るという欲張りハイブリッドは可能でしょうか……?

以下に提供のpfを置かせていただきます。主様の萌萎によって変更可能ですので、何か気になる点がございましたらお申し付けくださいませ……!


【 奴隷の少年pf 】

名前:ミシェル
性別:男
年齢:14歳

容姿:身長162cm。生育環境が悪かったせいか、発達しきっていない華奢な体躯。髪は耳から首の付け根辺りまでのやや青みがかった白髪で、何も手を加えていないストレート。深い青緑の瞳は、いつも凪いだ海のような静けさを湛えている。服装は与えられたものをそのまま着用しており、好みや趣味といったものはない。

性格:歳の割に落ち着き払った少年。表情が乏しく、身体全体に諦観を纏っているような雰囲気がある。言われたことには素直に従うも、知的好奇心のために要らぬ口を挟んでしまうことも多い。物心ついた頃には孤児院に預けられており、14歳になった日に奴隷に出された。魔術師を主人として認めており、奴隷らしからぬ扱いに困惑しつつも彼のサポートに徹している。

備考:一人称は「僕」、二人称は「貴方/お前」。主人のことは「リヴィオ様」と呼ぶ。両親の名も知らぬため、ファミリーネームはない。



  • No.3 by 匿名さん  2022-08-21 18:37:30 



お早いご連絡ありがとうございます! 提供や世界観についても問題ないようで安心いたしました。
ご提出いただいたミシェル様も大変理想的で、特に萎等ございませんので是非そのまま交流させていただければ幸いです! 魔力については、可能であればある程度の魔力量を有していただいた方が、気まぐれに魔術を教えたりと物語の幅が広がるかとは思います。話の流れやミシェル様の嗜好にもよりますが、将来的には実質弟子状態で師匠と肩を並べる程に、といった展開でも面白いかもしれませんね。提供が魔術の天才といえどかなり努力の人なので、逆にそれを超える魔力量や潜在能力を持つ天才少年でも、提供と同等か少し下回る程度でもそれはそれで面白そうなので、どうぞご自由にお決めくださいませ…!

また、話の展開についてですが、なるほど欲張りハイブリッド…!そうですね、確かにそちらの方が色々と多方面に話を展開出来るかと思いますので、是非ともそちらで話を作っていきましょう!

さて、他に何もなければそろそろ此方から初回文をご提出させていただきたく思いますが、ベタに奴隷商から粗悪な扱いを受けるミシェル様を購入する、あるいは実はミシェル様の瞳か何かが希少で、高値で奴隷オークションに掛けられた所を競り落とす、といった辺りで問題ないでしょうか? もしも他にご希望があるようでしたら、気軽にお伝えいただけますと幸いです。

  • No.4 by 名無しさん  2022-08-21 20:42:36 




pfのご確認ありがとうございます。萎えや地雷に抵触していないようで安心いたしました! お話の展開についても、こちらの我儘を聞き入れてくださりありがとうございます……!
ミシェルの魔力量についてですが、差し支えなければ魔力量はかなり多いけれど、魔法の扱い方はまるで分かっていない、という具合に設定させていただければと思います。最初はリヴィオ様に気まぐれに魔術を教えてもらったり、魔力量が多いことを知ったりしても、自分は買われた奴隷の身であるからと魔術に興味を示さないけれど、研究の手伝いを通して魔術に対するリヴィオ様の熱量を目の当たりにしたり、リヴィオ様自身への憧れが大きくなったりして、正式に弟子入りしたいと申し出るという変化をつけられたら……と夢想しております。解釈違いの場合は別案を考えますので、遠慮なく仰ってください……!

初回ですが、こちらとしてはどちらの場面でも問題ありません。是非主様の筆の進む方をお願いいたします……!



  • No.5 by リヴィオ・ヘーゼル  2022-08-22 10:28:33 



――百。金貨百枚だ。……そいつは、俺が貰おう。
(厄日とは、恐らく今日この日に当たるに違いない。貴重な魔道具が市場に出回るという情報を耳にし、山奥の住居を降りて魔術本片手に適当な街の酒場で時間を潰していた折。何やら魔術師に偏見があるらしい如何にもな成金冒険者の一党に絡まれてしまい、一体そこから何がどう悪く転がってか、あるいは端から潰し甲斐のある獲物を探していたのか、さして強くもない酒の飲み比べ勝負と相成り無様な敗北を喫し。磨滅する意識と溢れんばかりの不快感を一部治癒魔法で堪えながら辛うじてオークション会場に辿り着くという、心身共に最悪のコンディションにて現在に至る次第で。目的の魔道具の名が司会に告げられるまでの辛抱と、足組みと共にどかりと薄暗い客席に腰を下ろし、人差し指の先で組んだ腕を小刻みに叩く中、無骨な足枷を伴う奴隷の少年が舞台上に現れたのが正に己にとっての運の尽きと言えよう。やれまるで深海の底を映し込んだが如き希少な青緑色の瞳の持ち主は魔力の蓄えが多い傾向だの、成功や繁栄をもたらす吉兆だの、身体は貧相だが整った顔貌は観賞や愛玩にも優れるだの。全くもって毛程も興味のない低俗な文句の羅列を右から左に聞き逃す内。ふと、つり上がっていく価格の中で鼓膜を掠めたものは、やけに聞き覚えのある下劣な男の声音で。忽ち先の酒場での顛末が脳内に想起され、態々他所からこの街を来訪したという例の一党の目的が青緑の瞳であるらしき事を記憶の底より引きずり出してから、酒精の熱に侵された愚行は早く。――す、とやおら席を立ち堂々口にしたものは、互いの運命を定める決定打)


(/な、なんと最高すぎる展開案を……ミシェル様が可愛すぎる……! 此方としては元よりミシェル様を大変好ましく思っておりますし、雑食のため基本何でも美味しくいただけます。解釈違いなどは本当にお気になさらず、ご自由に伸び伸びとミシェル様を動かしていただければ幸甚です! 提供の性格上初期は難しい側面もありますが、何だかんだ絆されやすくチョロいため、是非とも息子様と友好を築き弟子として愛でさせていただける日を心より楽しみにしております。

さて、寛大なお言葉に甘え、それなりに高値の商品としてオークション会場の場面からロルを回させていただきました。開幕から提供がなかなかの醜態を晒しておりますが、元がふわふわな募集でもありますのであまり細かい事は気にせず、ご都合主義的に緩く長くお付き合いいただければ幸いです。
また、此方文章量の調整が不得手でやたら長文化する事もありますが、基本的に此方へ合わせていただく必要はございません。特に描写がなければ短めに返していただいたとしても、余程の短文にならない限りは全く気にしませんので、お好きなようにお返しください。確定ロルなども話を円滑に進めるための適度な物であれば歓迎ですので、そちらもご随意に。
それでは、特に何もないようであれば背後の方は引っ込ませていただきますが、もし相談や疑問などが生じましたら何時でも気兼ねなくお呼びつけください。これからどうぞよろしくお願いいたします!)

   

  • No.6 by ミシェル  2022-08-23 00:36:10 




(舞台に上がった瞬間、カーテンコールのような喝采が沸き起こる。スポットライトを浴び、その場の全員の注目を集める自身はまるでショースターのようだと現実感のない感想を抱くも、無論そんな良いものであるはずもなく。ぎらついた数多の瞳に、ひそひそと値踏みするような声。ここはオークション会場で、自身はそこに並べられるだけの商品。ショーステージなどではなく、首を刎ねることを娯楽としか思わぬ観客の為の断頭台なのだと理解して。司会の売り込み口上が終わるや否や、会場のあちらこちらから自身の値打ちが叫ばれる様を、舞台の上から他人事のように眺める。何もかもを諦めたような瞳で会場に佇む中、視界の端に動く人影を認めれば、そこからふいに声が響き。あまりにも唐突に提示された額面に司会までもが言葉を失いかける中、宣言した彼だけが堂々と立つ姿に目を奪われ、そうして気が付けば会場に木槌の音が響き渡っていて。悲嘆、怒号、歓声。様々な声で溢れる中を、商人に連れられて彼の元まで歩く。先程堂々たる声音で金貨百枚を宣言したその男は、一体どこからあれほど通る声を出したのかと不思議に思う程の細身で、燃えるような真紅の髪を一つに結わえている。吊り上がった目元と他者を寄せ付けない雰囲気に怯むほどの情動はもはや残っておらず、感情の抜け落ちたような顔でたった今主人となった彼を見上げると、最低限の必要事項だけを口に出して)
……ミシェルです。


(/数々のご配慮痛み入ります……。お陰様で何の不安もなく、楽しく創作させていただいております。当方としても主様にストレス無く、緩く長くお相手していただきたく思っておりますので、何か気になる点等ございましたらご遠慮なく仰ってくださいませ!
それでは、こちらも下がらせていただきますね。疑問点や相談事が生じた場合には、またお声を掛けさせていただきます。こちらこそ、これから何卒よろしくお願いいたします……!)



  • No.7 by リヴィオ・ヘーゼル  2022-08-25 22:25:16 



ミシェル、ね……随分可愛げのないガキだな。……まぁいい。"ついてこい"くらいは出来るな?
(舞台上ではおざなりな視線しか向けなかったものの、抵抗の気配なく自分の元へと連れられた少年は、成程桁が飛ぶのも多少は頷ける美しき双玉のターコイズ。だからこそ一層、その今にも消え入るような子供らしからぬ生気の乏しさが浮き彫りとなるようで。奴隷の乾いた瞳程度見慣れない訳でもないが、容姿の秀逸さも相俟って一等精巧な蝋人形の薄い唇が儚く名を紡いだ際にはつい怪訝な顔を隠せずに。一応フォローのつもりか、傍らの商人が朗々と語り始めた商品の能書きへは手早く署名した売買契約書と金貨入りの皮袋を押し付けることで強引に締めとさせ、改めて少年に向かい軽く腰を落とし。視線を平行に交わらせ、淡々と一方的に主人としての命を告げるや否や、もはや振り返る事もなくつかつかと照明の絞られた暗い客席脇の階段を降りる足取りは、仮にも酒の回る身の割に確かなそれだろうか。その際、もし背後から響く足音が思う程距離を詰めないようならば、長いローブ下に忍ばせた魔法杖を僅かに振るう事で重たげな相手の足枷を奇妙なヒビと共に躊躇なく塵に帰した後、無言のままその歩調を少し緩める筈で。舞台上では既に次の品に移り、観客の視線や関心が自分達から離れるような気配があるものの、一方で此方を追うように響く、やけに豪奢な装飾の施された武具同士が掠れる独特な金属音を聞き逃す事はなく。…無論、街中での私闘は禁じられている。だが、例の酒場の連中が向こうから仕掛けて来るのであれば話は別と、意地の悪い密やかな微笑と共に夜の帳を降ろす冷えた外気へと足を進め)

 

  • No.8 by ミシェル  2022-08-27 22:39:47 




(見上げた視線の先の主がふいに身を屈ませ顔と顔の距離が近付くと、僅かながらに瞳孔が開く。正面から見据えられたせいか、彼の金色の瞳が持つ妙な迫力のせいか、視線を惹きつけられたまま、まるで何かにそうさせられているかのように告げられた命に無言のままこくりと頷いて。代金を受け取ればもはや用済みとでも言うように途端に口数の減った商人の方には一瞥もくれぬまま、重い足枷を引き摺るようにして主人の後をついて歩く。半年以上付けられたままの足枷の感覚は身に馴染むとはいえ、彼に追いつくには〝足枷〟の名に恥じぬその機能を充分に発揮していて、それでも奴隷が主人の行動を制限するわけにもいかず、懸命に足を動かす。これからどこへ向かうのか、どのくらい歩くのか、どうして自分を買ったのか。歩を進めるうち、幾つか聞きたい事が頭に浮かぶけれど、そのどれをも口に出さず、ただ無表情に付き従うのみ。黒いローブを纏った背中に追いつく事ばかりを考えていたせいか、場にそぐわぬ不自然な金属音にも、自身に迫る足音にも気が付かずに)



  • No.9 by リヴィオ  2022-08-28 20:52:08 



――あぁ、そんな物付けてたっけ。……ジャラジャラと鬱陶しいし、後で外してやるよ。今は……。
(ひんやりと肌を撫でて行く夜の涼風は、不調をある程度魔法で抑えているとはいえ酒精に火照る身体に心地良く染み入り。ある程度街の家屋から離れ、自身が居を構える山へと続く人気のない森林の入口付近まで来たところで、頃合かと足を止めると共に初めて後方を振り返る事になるだろう。足音のみを捉えれば特段順調に此方の命へ従っていたように思えたものの、依然表情に乏しい面貌ながら視界に映った小柄な身体には何処と無く疲労の色が伺え、初めてその足首にある枷の重量を思い出して。どうにもあの酒場から続く霞がかった思考能力の露骨な低下の発露に、少々ばつが悪そうに顔を逸らしつつ一方的な言を再度愛想なく放った折。キラ、と鈍く光る幾本かの青白い刀身が雲間から覗く月明かりに反射し、その主たる豪奢な鎧に覆われた身がぞろりと影から姿を現して。次いで開口一番、"痛い目を見たくなかったらそいつを渡せ"だの何だのと、何ら捻りのない陳腐な台詞の数々を鼻で笑ってやると、殺気立つ数人の冒険者共へ此方も未だ煮だるように燃える腹底の堪え難い怒気を睥睨する瞳と共に差し向ければ、先端に赤い魔石の施された木杖を頭上でぐるりと一回しし。途端、空中に猛烈な乱気流の渦が発生し、中心にある僅かな火種が周囲の酸素を根こそぎその身に取り込んだかと思うと、さも第二の太陽が如き巨大な火球が夜闇に煌々と降臨して。真に数回程度の瞬きで顕れた暴力的なまでの熱気と光を纏うそれに、思わず数歩退いた靴裏と砂の擦れる恐慌の音へと躊躇なく杖と猛炎を振り下ろし――とはいえ、さすがこの場一帯を焼け野原にするような市街への無体を避けんとする最低限の良識程度は思考の端に辛うじて残されており。限りなく本物に近しい幻想の火球は、敵を物理的に灰塵へ帰す事は出来ずとも、髪を肌を内蔵を、圧倒的な質量の灼熱に侵される仮初の苦痛は、その心を存分に焼いてくれるだろう)
――よぉ、待ちかねたぜ。……さっきは先達の叡智の結晶を、偉大なる魔術を、崇高たる魔道をさんざ貶しめてくれやがって……その罪、ここで存分に贖わせてやる。

(/引っ込んで早々となりますが、少々謝罪と今後の連絡をば……。後々ミシェル様が魔法に興味を抱かれるという展開であれば、早々に派手めな魔法をお見せしておいた方が良いかなぁと軽くバトル描写を挟んでみたのですが、結果としてミシェル様があまり関与出来ない展開で相すみません……。さくっと悪者はこれで退治として自宅の方へご案内しようと思いますので、よろしくお願いします。
また、基本的に此方が提示するNPCについてはお好きに設定付与・ご都合的に動かしていただいて大丈夫ですので、今回は普通に倒されるだけだとは思いますが、もし何かあればご自由にお使いください。

こちら背後会話は特に何もないようであればお蹴りくださいませ。それでは以降もよろしくお願いいたします!)

  • No.10 by ミシェル  2022-08-29 20:55:33 




……ありがとう、ございます。
(吹き抜ける涼風が、微かに体温の上昇したように感じられる身体の表面を冷ましてゆく。浅く乱れた息を風音に隠すように吐きながら歩いていると、前を行く主人が足を止める気配に自身も倣って足を止め。次の命かと俯き加減だった顔を上げて彼と向かい合うと、その口から発せられた言葉は予想もしていなかったもので。一拍遅れて咄嗟に謝辞を口に出すも、一生付き合っていくものと思っていた奴隷の象徴との突然の別れに、隠し切れない動揺が滲み。惑うように左右に軌道を揺らしながら見上げた視線の先、主人が別のものに注目していることに気が付くと、それを辿って振り返る。闇の中から姿を現した一団の吐いた台詞から、狙いは自分なのだと悟るも、やはり他人事のようにしか感じられず身構えることすらせずにいて。つい先程主人となった彼が渡すと言うのならばあちらへ渡り、そうでないならこちらに残るのみ。指示を仰ぐように再度燃えるような赤髪へと視線を戻すと、――燃えている。彼の持つ杖の指し示す先には、いつの間にか出現した巨大な火球が、乱気流を纏いながら煌々と光を放っていて。大自然の脅威に触れた時の畏怖に、もしくは神への信仰にも似た何かが身体の奥底から無理矢理引き摺り出されるような感覚が沸き起こり、その火球に見入る。気を抜けばへたり込んでしまいそうな程の存在感を前に、身体を動かすことも声を上げることも躊躇われ、ただただ神秘的な光に照らされながら事の顛末を見届けて)


(/謝罪なんてとんでもないです。リヴィオ様の魔法を見せていただけて、息子背後共々興奮しております……! むしろミシェルが本当に全然喋らない子になってしまって、こちらが謝罪を申し上げたい気持ちです。絡みづらいようでしたら調整いたしますので、一言いただけますと幸いです。
NPCの取り扱いに関するご連絡もありがとうございます。把握いたしました。蹴り推奨とのご配慮をいただきましたが、把握のお返事のみ失礼しました。こちらこそ、以降もよろしくお願いいたします!)



  • No.11 by リヴィオ  2022-09-02 20:48:23 



……ふん。ま、少しは気が晴れたか。
(暫し後。プスプスと口から有りもしない黒煙を吐き、外傷はなくも凄絶な表情で足元に気絶する彼等を見下ろした所でようやく腹底の熱も鎮まりを見せ。さて、と背後に高々と聳える山へ繋がる入り口、その一歩先すら伺えぬ鬱蒼とした森林に視線と身体を向けかけた際、半ば失念していた傍らの少年が偶然視界の正中へと入り込み。――その不気味なほど無機質で、精巧な作り物のようだった双眸に一転渦巻く明白な情動の色は、思わず別人と脳が判じかける程。どうやら先の足枷への反応といい、機械人形染みた相手にも多少は人間らしい感性というものが存在するらしい。自身の魔術は決して見世物などではないが、それでも長年に渡る修練の末の結晶に向けられる無垢な眼差しはそう悪感情をもたらす事はなく。つい先刻さんざ地をのたうち回り醜態を演じてくれた者らにより幾分か機嫌が回復したのも手伝って、旋毛曲がりの性根の持ち主にも僅かながら奉仕精神と表わすべき物が胸中に沸き上がり。おもむろに落とした視線の先にあった杖を横向きに手放すと、それはまるで不可視の糸により天へ釣られるが如く宙に静止し。続け相変わらず仔細の不明瞭な端的極まりない指示を放って見せるも、常のむすりとした急角度を少しばかり緩めた口元や眉尻から、害意等の含みがない事程度は淡く滲むだろうか)
大分古風だけど、たまにはいいか。……ん、乗りな。


(/物語の序盤も序盤だと言うのにお返事が遅くなりすみません……! 平日は遅レスに拍車がかかりがちとなってしまいますが、募集文の通り一週間に一度はさすがにお返し出来るかと思いますので、何卒御容赦いただけますと助かります……。
また、展開についてなんともご寛容なお言葉をありがとうございます……! ミシェル様に関しましても、序盤であればむしろこの位が自然かと思われますし、心情など諸々の描写が健気で可愛らしいなぁと密かに和んでおりましたので、どうかご安心くださいませ。徐々に親交を築き、もっとお話が出来るようになる時を今から楽しみにしております。それでは長々と失礼いたしました。改めて背後は引っ込みますが、引き続きよろしくお願いいたします!)

  • No.12 by ミシェル  2022-09-05 00:23:20 




(見つめていた光は顕現した時と同様、いつの間にか消え去っており、残ったのはショックの為か動かなくなった一団。自慢げに鳴らしていた鎧や武具は何の役にも立たなかったらしく、為す術なく一撃で地べたに転がされてしまった彼らを苦く思うもやはりそれも一瞬で。直ぐに興味も視線も主人へと移動させれば丁度真正面から覗く瞳をただ茫然と見つめ返し。頭は未だ脳裏に焼き付く光景を処理することで手一杯で、主人の心中を察することも、手を煩わせた謝罪も失念しており。先程の魔法は今まで目にしてきたものが遊戯のように感じられる凄まじさであり、確かに速度を上げた心拍が自身に少なからず衝撃を与えたことを物語っていて。知的好奇心の奔流に飲まれながら、しかし残された理性によって今のは何だと口に出すことはなく。出さなかった――はずなのだが、他の場所から漏れ出ていたのか、それともこれも彼の魔法なのか、こちらの考えを見透かしたかのように主人は気軽な所作で杖を手放す。自由落下の果てに地面に叩きつけられるかと思われたそれは、何故か空中で動きを止め、依然吹き続ける風にも揺られる様子はなく。微かに柔らかさを帯びたように響く主人の命に背く選択肢は最初から存在せず、物理法則のまるで通用しない杖に警戒心を強めながらも跨って。指示内容が不明瞭なため主人の〝乗りな〟の言葉が意味する行動に合致しているのか判断がつかず、静止して一切揺らがない杖とは対照的に、首を回しては迷い子のように揺らぐ瞳を向けて)
……はい。……こう、ですか?


(/こちらもこの先お返事が遅れてしまうこともあるかと思いますし、募集文の通り一週間に一度お返事をいただけるなら何も問題ございませんので、どうかお気になさらず……! リヴィオ様とのやりとりが楽しく、ついつい返信ペースを気にせずお返事を出していたことが主様の負担になっていたのならこちらこそ申し訳ございません。せかせかしたのがあまり好きではない性分で、募集を拝見した時から「ゆるくやれたらいいな」と考えておりましたので、主様の無理のないペースでお相手いただけますと幸いです……!
ミシェルに関して、お優しいお言葉ありがとうございます。冷めた中にも年相応の子どもらしさや人生経験の乏しさは忘れずにおきたいという考えのもとロルを書いておりましたので、それを汲み取っていただけたようで嬉しいです。リヴィオ様の少し不器用な優しさや直情径行な性格も非常に魅力的で、主様の豊富な語彙と文章力も相俟って読むたびあたたかな気持ちになっております。序盤も序盤で言うことではない気もしますが、いつもありがとうございます……。それでは、こちらも引っ込ませていただきますね。特にご指摘等なければ返信不要ですので!)



  • No.13 by リヴィオ  2022-09-08 21:34:37 



そう、その位置。
(か細く揺れる幼き瞳に淡々と是を返し、自身もひらりと相手の前へ乗り上げかけたところで、その両の足に紐付く重厚な枷がはたと再び視界に入り。一欠片程の感慨も後先もなく、軽く埃でも払うかのような気軽さで相手の膝辺りに手を翳したのはほんの一瞬。ぱきん、とあまりに呆気ない致命のヒビが入る音と共に、靴裏で拾っていた地の感触が消失する。鉄塊から変じた塵が夜風に消え入るのすら置き去りに、魔力を揚力に変換した杖はみるみる内に高度を上げていき、もはや遠く離れた土の地面よりも、漆黒を背景に燦然と輝く宙の星々の方が近しいと錯覚する程で。雲間から離れた満月の青白い光が強い風の抵抗に靡くローブと赤毛を淡く照らす中、熱を孕む身には突風すら心地良いと上機嫌に瞳を細める如何にもな酩酊ぶり。オークション会場を来訪した本来の目的の品である魔道具の存在を酒気により完全に失念している今が華であるとは露知らず、些か以上に遅い警告を背後の彼へ呑気に放れば、いよいよ夜闇を突っ切り最短の帰路を滑空するだろう。そうして夜空を飛翔する事暫し、やがて周囲を取り巻く木々とは明白に一線を画する、樹齢何百、否、何千年と生きようかという堂々たる大樹が姿を現して)
……杖でも俺でもいいけど、しっかり掴まってろよ。落ちたらそのまま捨て置くからな。


 

  • No.14 by ミシェル  2022-09-11 17:11:39 




(主人が手を翳せば、あれほどまでに自分を縛り、足を踏み出すことさえ躊躇わせていた足枷がいとも簡単に崩れ去り。粉々になったそれが風に乗って見えない場所まで流されてゆくのを何気なく目で追い掛けていれば、ふいに体が浮遊する感覚に襲われ。足枷から解放されたことによる感覚の変化かと一瞬錯覚するも、視点までも高く昇っていることに気が付けば眼下の街並みを見下ろす。船と馬車で遠路遥々この地まで運ばれてきた自身にとって、唯一の見知った建物であるオークション会場に目を向ければ、全ての落札が終了したのか丁度三々五々観客達が帰路に就くところで。主人の忠告が耳に届く頃には、誰の元へ行くことになろうと同じ等という思考は消え失せており、しがみつくように両手で掴んでいた杖を一層強く握り締めて。了承の意味で縦に振った首の動きを確認できる位置に主人がいないことに一拍遅れて気が付くも、口に出して返事を返すタイミングを完全に失ってしまえば断念し。視界の大半に声色から微かに上機嫌にも感じられる主人の背を映し、この浮遊感にかまけて命を聞き逃してしまわぬようにと耳を澄まして)



  • No.15 by リヴィオ  2022-09-11 23:20:58 




(世に広く流通する古き良き御伽噺において、箒で空を飛ぶ魔女の図が定番という最低限の知識程度はあれど、はたして背後の相手に響くか否かは甚だ怪しいところ。酒に呑まれた末の気紛れが実を結んだかはさておき、いよいよ杖の高度をぐっと落とせば、緑の絨毯の隙間を抜け高々とそびえ立つ大樹の目前へと降り立って。瑞々しい新緑を湛える枝を四方に伸ばし、両の腕程度では到底足り得ない巨大な幹の下で深く地に根を下ろす、その僅かな隙間。人間一人が辛うじて入れるような木製の簡素な扉が一枚、根と根の合間にひっそりと設けられており。到底現実離れした異質な様相ながら、実際の居住者としては慣れ親しむ光景を前に自然と気も身体の力も抜け。「ここが俺の家、で……、」同時に、どっと一日の蓄積した疲労が押し寄せるのを感じ、少々覚束無い口調の元近付いた扉のノブに手を掛けると、きぃ、という木の軋む軽い音を合図に、明らかに外観にそぐわぬ広い空間が開かれて。それは如何にも魔術を嗜む者の一室といった内装であり、壁沿いにびっしりと魔術の専門書や奇怪な言語を表題とする物で埋まった本棚が並列し、脇には羊皮紙が乱雑に山積される書き物机と、面妖な植物や種々の色渦巻く薬瓶など奇々怪々な品が連ねる上部の飾り棚。そして最後に、樹木の隙間から降り注ぐ月明かりにより淡く蒼色に染まるそれは小綺麗な一人用のベッドであり、詰まるところそこは自身の寝室に他ならず。ふわふわと常よりも思考が上滑りするような頭を片手で抑え寝台に腰を下ろした後、にわかに限界へ近付きつつある据わりかけの瞳を相手に向けて)
……眠い。詳しい話はまた後だ。玄関や廊下は魔術で省略したけど、今の扉をもう一度開けばその先に食料庫だのシャワーだのに繋がる扉もあるから、好きに使え。……他に質問は。


  • No.16 by ミシェル  2022-09-12 20:21:38 




(眼下一面を覆う森が、深い方へ深い方へと誘うように揺れている。そこへ、月明かりを受けて幽かに落ちる影が二つ。奴隷としてオークションにかけられた数時間後、星々を背負って夜空を飛んでいるなどと誰が予想できただろう。まるで御伽話だ、と現実感の伴わないまま杖の降下とともに濃くなる影を眺めていれば、目的地に到着したのであろう、杖から降りる主人に倣って地に足をつけ。やっと上げた視線の先、高々と聳える大樹がすぐ傍にあることに気が付いて息を呑む。根元から伸びる筋をたどって天辺を見上げるも、遥か上空の樹頭など到底見えるはずもなく。扉の開く音が聞こえて初めてそこにある扉の存在を認識すれば、この場所が主人の住居らしいということに最早今日だけで何度目か分からぬ驚愕の表情を浮かべ。開かれた部屋に足を踏み入れても別世界感が失せることはなく、見たこともない文字が並ぶ本棚に、凡そ観賞用には向かないであろう植物の数々、用途不明の品物が並べられており。後ろをついて歩きながら目を盗むように見渡しただけでも主人が魔術に精通する人物であることは一目瞭然であり、道中に抱いた疑問のいくつかが解消され霧散する。ベッドに腰を下ろした主人と立ったまま向かい合い、眠気に抗いながらの指示に口を挟むことなく素直に頷く。聞きたいことも伝えるべきことも無いと言えば嘘になるが、疲弊した主人を煩わせる程のことではなく頭に浮かんだそばから消して行くと、最後に残った一つだけを口に出して)
……お名前、を。



  • No.17 by リヴィオ  2022-09-15 22:33:18 




――は、名前……? ……あぁ、俺はリヴィオ・ヘーゼル。見ての通りの魔術師だ。
(初対面から今に至るまで、一貫して沈黙を守りつつ時折口にする物といえば此方への従順な応答か挨拶等のいわば定型文の返しのみ。今回もそれに沿うものだろうと何とはなしに推測を立てていれば、予想を裏切る短い音の響きに思わず重たげな瞼を僅かに開いて。問われた直後こそ訝しげに眉を寄せるも、未だ自身へ繋がる情報の一切を開示していない事に思い至れば、一拍以上の間の後に鈍く納得の頷きを。確かに主人となる者の呼び名程度は知らせておくべきだろうと、座した位置からは多少上にある相手の瞳を見据えつつ簡易に己の紹介を述べて。続け完全に唇を結ぶ前に手中の杖を軽く振ってみせると、頂きに飾られた魔石の淡い光が追って朱の軌跡を緩く宙に描く。それは何も今し方の言を殊更強調しようとしての振る舞いではなく、単に寝支度を簡略するための所作であり。途端、何処からともなく吹き入れた風が身に纏うローブを椅子の背もたれへ攫い、外靴は軽く土を払われ寝台の隣へ、最後に一つ残された杖だけは己の手で丁重に手近の壁へと立て掛けて。先の質疑を以て最低限の責務は果たしたとばかり小さな欠伸を手で抑えると、相手に背を向ける格好で寝台に重い身を横たえ。疲弊し切った思考に纏うささやかな懸念は相手の今夜の身の置き場だが、危なげな魔道具や薬品等はその大概が隠し地下であるし、寝具こそこの一式しかないものの、そう広大という程でもない室内ならばソファーや軽い毛布程度労せず見つけられよう。……全く、本当に今日は紛うことなき厄日だった。けれど、無作法者は成敗し、オークションの品も確保したのだから一先ずは上々と――否、自分の目的は、本当にあの少年だったろうか。泥のように深く沈みゆく意識の中、ぷくりと一抹の疑問の泡が浮かびかけるも、それは表層へ現れる前に呆気なく水中に融けて)


 

  • No.18 by ミシェル  2022-09-18 19:47:09 




――おやすみなさい、リヴィオ様。
(うつらうつらと今にも落ちかける瞼が僅かに持ち上がり、自身へと訝しげな瞳が向けられる。それが問いの意図を理解するのに時間を要しているためなのか、問いの内容を快く思わないためなのか判断しかねているうち、ひとりでに頷いた主人の口からその名が告げられ。リヴィオ・ヘーゼル。その響きを確かめるように脳内で反芻すれば、了承と質問の終了の意味で一度頷く。杖の一振りで瞬く間に寝支度を終え、ベッドに横たわる背中へと就寝の挨拶を零せば、暫しの間放心状態でその場に佇み。窓から差し込む青白い月の光を身に受けながら目まぐるしい一日を思い返し、次に足枷から解き放たれた足首へと目を落とす。出来るだけ物音を立てぬよう入ってきた扉の方へと引き返せば、ノブに手を掛け、主人の睡眠を妨げぬよう静かに開き。部屋から足を出さぬまま左右に首を振り辺りを見回すと、言われた通りそこには森ではなく廊下が続いていて。しかし、探索に踏み出すこともなく確認作業のみで扉を閉じれば、改めて寝室へと向き直り。魔術に明るくない自身が見たところで興味を惹かれるような物は一つも無いが、恐らく主人にとっては価値のある物なのだろうと今日一日で目にした彼の性格から想像し。自身にしてみても金貨百枚の価値があるとは到底思えぬが、主人がそう判断したからにはそれに従うのみ。たとえ、死ぬより酷い扱いを受けた上、その果てに古い御伽噺のように悪い魔女に食い殺される運命だったとしても、自身に他に選べる道など残されてはいないと理解しており。寝室の隅に腰を下ろし、本棚へと頭を預ければ、今日の体験と興奮を一夜限りの冒険として心の奥底へと仕舞い込む。足枷が外れたとて奴隷は奴隷。何かしらの幸運を期待しかける自分自身にそう言い聞かせると、部屋の中の主人の所有物達と一体化するかのようにそっと目を閉じて)



  • No.19 by リヴィオ  2022-09-19 14:25:24 




……、っ、痛ッてぇ……! ……何だ、妙に……~ッ。
(閉じた瞼へ朝の柔らかな陽射しが注ぎ、薄らと両の眼を開く。日の入る角度、射し込む熱の温度、そして大樹の中に蠢く魔力の僅かな気配から、普段よりも少々寝過ごしてしまったらしい事を薄ぼんやりと悟り。しかしながら生来寝起きは良い方でもなく、もう数十分程度はもぞもぞと布団の中で惰眠を貪ろうとした矢先、突如ズキリと鈍い痛みが脳を貫いて。堪らず上布団を跳ね除けるように上体を起こし、苦悶に表情を歪めては依然鈍痛の続く頭部を手で押さえ。何処ぞで呪いでも貰ってきたか、と見当違いの方向へ思考を及ばせつつ、連鎖するように来襲する胸焼けや吐き気等の所謂二日酔いの典型的症状を自覚して。昨夜の記憶は朝霧の向こうへ霞みとんと輪郭すら伺えず、一先ずは水分でも取ろうと結び紐の解けた肩口程の赤を後ろへ流しながらベッドから立ち上がり。――その時、億劫げに動かした視線が緩慢に室内を走る中、部屋の片隅にて置物のように佇むあまりに明々白々な異物を捉え。もうごく僅かに意識が明瞭になれば昨日の記憶も直に取り戻していただろうが、半醒半睡の脳は咄嗟に彼を危険因子と誤認してしまい。昨夜から続く黒歴史に怒涛の一ページを書き加えんが如く、警戒心の漲る低い声音と共に間合いを詰めると、酷薄な瞳で見下ろすや否や手近の杖と迸る疑義を相手の喉元へと突きつけて)
! ……ッおい、お前! 子供がこんな所で何してる。何処ぞの魔術師か魔物の手先か知らないが……無論、火達磨になる覚悟程度は出来てるんだろうな? ――それとも、火竜の餌の方が好みか?


 

  • No.20 by ミシェル  2022-09-20 21:06:41 




(貨物として扱われる間、怒号で目を覚ますことは特別珍しくなかった。しかし、目を覚ますと同時に命の危機に瀕していたことは記憶している限り初めての経験であり。遠い場所から聞こえる声に無駄のない動きで瞼を開ければ、つい先程まで地に沈んでいたはずの太陽に網膜を焼かれて僅かに眉を顰め。目が部屋の明るさに慣れるより先に再度瞼を持ち上げれば、そこで漸く自身に突きつけられた杖の存在を認識し。次いで杖から手、手から顔を順に辿れば、そこに昨晩自身の主人となったはずの男の顔を認める。昨晩は暗がりのせいで詳細に見ることの出来なかった造形まで柔らかな陽射しの中はっきりと浮かび上がっているが、その表情から見て取れるのは警戒と疑念の色で。脅迫のような苛烈な口振りで問い質されれば辛うじて主人が激昂していることは理解出来るものの、それ以上の情報を記憶から引っ張り出すには余りにも猶予が無く、現状を把握しようにも爛々と輝く金色の瞳に見下ろされていては部屋中に目を走らせることすら叶わずにいて。刻一刻と返答のタイムリミットが迫る中、口を衝いて出た言葉は起き抜けの頭のせいか、それとも生にも死にも縋らぬ性質のせいか、胸中の混乱に反して感情の乗らぬ淡々とした声で)
……僕は、貴方以外の魔術師を知りません、リヴィオ・ヘーゼル様。



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