匿名さん 2022-08-21 15:03:38 |
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――あぁ、そんな物付けてたっけ。……ジャラジャラと鬱陶しいし、後で外してやるよ。今は……。
(ひんやりと肌を撫でて行く夜の涼風は、不調をある程度魔法で抑えているとはいえ酒精に火照る身体に心地良く染み入り。ある程度街の家屋から離れ、自身が居を構える山へと続く人気のない森林の入口付近まで来たところで、頃合かと足を止めると共に初めて後方を振り返る事になるだろう。足音のみを捉えれば特段順調に此方の命へ従っていたように思えたものの、依然表情に乏しい面貌ながら視界に映った小柄な身体には何処と無く疲労の色が伺え、初めてその足首にある枷の重量を思い出して。どうにもあの酒場から続く霞がかった思考能力の露骨な低下の発露に、少々ばつが悪そうに顔を逸らしつつ一方的な言を再度愛想なく放った折。キラ、と鈍く光る幾本かの青白い刀身が雲間から覗く月明かりに反射し、その主たる豪奢な鎧に覆われた身がぞろりと影から姿を現して。次いで開口一番、"痛い目を見たくなかったらそいつを渡せ"だの何だのと、何ら捻りのない陳腐な台詞の数々を鼻で笑ってやると、殺気立つ数人の冒険者共へ此方も未だ煮だるように燃える腹底の堪え難い怒気を睥睨する瞳と共に差し向ければ、先端に赤い魔石の施された木杖を頭上でぐるりと一回しし。途端、空中に猛烈な乱気流の渦が発生し、中心にある僅かな火種が周囲の酸素を根こそぎその身に取り込んだかと思うと、さも第二の太陽が如き巨大な火球が夜闇に煌々と降臨して。真に数回程度の瞬きで顕れた暴力的なまでの熱気と光を纏うそれに、思わず数歩退いた靴裏と砂の擦れる恐慌の音へと躊躇なく杖と猛炎を振り下ろし――とはいえ、さすがこの場一帯を焼け野原にするような市街への無体を避けんとする最低限の良識程度は思考の端に辛うじて残されており。限りなく本物に近しい幻想の火球は、敵を物理的に灰塵へ帰す事は出来ずとも、髪を肌を内蔵を、圧倒的な質量の灼熱に侵される仮初の苦痛は、その心を存分に焼いてくれるだろう)
――よぉ、待ちかねたぜ。……さっきは先達の叡智の結晶を、偉大なる魔術を、崇高たる魔道をさんざ貶しめてくれやがって……その罪、ここで存分に贖わせてやる。
(/引っ込んで早々となりますが、少々謝罪と今後の連絡をば……。後々ミシェル様が魔法に興味を抱かれるという展開であれば、早々に派手めな魔法をお見せしておいた方が良いかなぁと軽くバトル描写を挟んでみたのですが、結果としてミシェル様があまり関与出来ない展開で相すみません……。さくっと悪者はこれで退治として自宅の方へご案内しようと思いますので、よろしくお願いします。
また、基本的に此方が提示するNPCについてはお好きに設定付与・ご都合的に動かしていただいて大丈夫ですので、今回は普通に倒されるだけだとは思いますが、もし何かあればご自由にお使いください。
こちら背後会話は特に何もないようであればお蹴りくださいませ。それでは以降もよろしくお願いいたします!)
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