初期人狼の部屋(〆)
脅威 2020-12-06 18:14:54 |
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やってみないと分からへんやろ。随分強情やなぁ…ホンマにハゲとるん？
ええやん、またオモロいネタあったら教えてな
(何故か相手が美少女になる可能性を捨てて居らずチャレンジ精神を持てと促し、ここまで頑なに嫌がる理由が分からず不思議に思って、しかし手加減をするつもりは無いのかじりじり近付き最終的には壁際まで追い込みたい。ふと彼のマイクラスキンがフードを外した状態を思い出せばピタリ止まって反応しまじまじと見つめ。
重く受け止める相手と打って変わって完全に軽いイタズラだと信じてるので新作出たら聞かせて欲しい等と冗談を話しそれ以上気にする素振りは無くなる。
恋愛の可能性を考慮しないのは単純に性別が理由で、例えばこれが女の子なら手が触れただけでもフラグが立ったと騒ぎ立てるに違いないが、身内にしんぺいとか言う神が居て幾度となくそれっぽい事を言われそれらを全てけらけら笑って来た身としては、どこまでされても悪い冗談だと信じる可能性が高い。何方にせよ色恋となると思い込みばかりで現実が見えなくなってしまう傾向の原因は経験がゼロに等しいからに違いないが。ぐるぐる思考を巡らせる中、聞いた事ない様な震えた声に驚き相手と目を合わせる。泣きそうな雰囲気で名前だけ呼ばれると何が起こったのか分からず酷く緊張してしまう。先程までの苛立ちなど一瞬で消え今は相手の事が心配で頭がいっぱい、勘違いじゃないかと数回瞬きしては「なに、どうしたん」と焦った様子で見つめ肩を押さえる手に手を重ね少しでも安心させたいと願い。)
禿げてへんわ！それはエーミールな、俺は普通。地味に近寄んなや！
おう、笑点で公表したる。楽しみにしとき
(禿げていると疑われれば心外だ怒るように叫ぶが次の言葉ではメンバーを犠牲にしている。事実ではあるし別に大丈夫だろうと薄情な心持ちで。今自分が追われている立場の身だと思いだし先程よりも近くなってしまった距離をどう伸ばそうか悩む。出来る事ならこのまま平和的に終わりたい。
これでまた違う奴のを録らなければいけないのかとしかも汚ならしい喘ぎ声まで自分で聞かねばならない。絶対やりたくないな。だが、相手が求めているのなら応えたくなるし続けなければ今のは可笑しいものになってしまう。
相手が望む恋愛は純情で潔白な淡い恋だろう。この条件を満たす等余程の事が無ければ久遠に無理だろう。そもそも自分が男の時点でアウトだ。ラノベではノーマルな恋愛の小説が殆どを占めている。行動なら似せれる。しかし、その小説らのように優しくなんざ出来ない。そんな事をしてしまえばきっと自分は相手を貪り喰うだろう。それも休憩はなしで。初めて宿った実は熟すことなくそのまま土へ落ち腐り果て無かったことになる。いや、燃やされるのが落ちだろう。儚く切ない感情はやっと今蟠りを潤したと言うのに同性愛者、たった四つの文字は安易じゃないと理解しているのに執拗に釘を差す。苦しい。相手の優しさに包み込まれた純粋な目が自分を貫く。相手の心配そうな愛らしい声は喉を詰める。現実の冷酷さを改めて感じたものだ。黙ってはいけないのは分かっている。言葉が無いんだ。相手に向ける言葉が。取り繕う言葉は必須。考えに考えたのは「嫌いになった？」自分の心配していた事しかない。何とも滑稽愚弄だろう。相手よりも自分を優先する。ましてや相手は想い人。言ってしまった物は仕方無い。相手の返事を待つとする。)
ホンマかなぁ？なんでそんな嫌がるん……なんか弱み握った気分やな
まぁた使えへん素材が増えるw 楽しみにしとくわ
(違うだろうとは思って居たがそれならば余計不思議に思う。禿げてる以外でフードを外したくない理由なんて思い付かず悩んでいたが近寄るなと叫ぶ姿に普段勝てない分の反撃が出来た気分で、ククッと嬉しそうに腕組み笑い一歩も下がるつもりは無く近距離で相手をじっと観察して。
とてつもなくシンプルな問に思わずは？と言いたくなってしまう。これくらいで落ち込む様な性格だっただろうか、寧ろこちらがムキになればなるほど調子に乗って煽る様な奴では？しかも嫌いになったかどうかなんて友達同士で確認し合う事じゃないだろ、このセリフ聞いた事あるとすればアニメやドラマ、大抵は思い合う男女間で何かが起こった時で、嫌いになったかと問う方へもう一方がそんな訳ないだろと抱き寄せ囁きめちゃくちゃ……おかしいな。やっぱり一瞬勘違いしそうになる、何処と無く甘ったるい空気が漂っていると。そんな訳無いのに。きっと自分が童貞だからすぐそんな勘違いをするんだろう、同性の友人にそんな事を思う等いよいよ本当にマズイかもしれない。気恥しさと罪悪感で堪らず顔を背け、このタイミングで変な事を言うから勘違いしただろと相手へ逆恨みして、しかし何故そんな弱気になったのか不思議に思い黙り込む。まぁ、疑問はさて置きここはまず落ち着かせるのが先だろう。おかしな考えを振り払い冗談っぽく笑い掛けては重ねていた手を伸ばしギリギリ相手の頭に届けばぽんぽんと数回置いて「なる訳ないわ、そんな心配しとったん？それで泣いたら笑うで」と優しい声で。)
普通に嫌や、シッマみたいにイケメンやないし…髪むっちゃ跳ねてるしさ
カット率一番の俺を舐めんなよ？てか何で使ってくれへんのかなぁ…面白いのに
(何かされるのは嫌だしかと言って今自分の髪はピョンピョン跳ねていて非常にだらしがない為見せれる物ではない。なんて言うのは建前で本当は想い人との距離が近く顔が熱い、赤面した顔を見られたくないと乙女チックな理由で嫌がる自分を自分で気持ち悪いなと感想を言っておく。目を前へ向ければ顔布越だが笑っているのだと分かり顔の熱はブワッと上がってしまう。
「なる訳ない」そう言われ「そっか」と一言返す。また胸の傷はまたズキズキと疼き痛む。いっそ嫌ってくれたらどれだけ楽なのだろう。優しい相手は諦めさせてくれず自分を苦しめる。これからもそうなる。もうやってらんないと弱虫で粋な自分が呟く。…これからもそのザマで居れば確実に誰かに奪われるぞ。恋心はそう囁く。葛藤と苦悩が渦巻く中相手に頭を優しげに叩かれる。そして、ある事に気付く。無駄な意地に溺れていたって現実は何も変わりやしない、ただ時が過ぎ行き募るだけだ。前、誰かは言えないがある人に相談した際「早めにした方がええんやない？伝えずに終わるよりはマシちゃうんか」そう言われた。理解は出来るそのあとが怖い。嫌われ今の関係が壊れ軽蔑される未来が。でも、それは相手を信頼できていない。嫌わないとその絆を否定しているのと同じだ。だからと言って全て拭える訳でもない。辛く暗い思考の中決断をする。相手の頬に手を添え少し撫でれば想いぶち撒けて「お前の事好きや。今も」と相手に初めて自分から告白をする。突然だし混乱はするだろう。だが、本心だと言うことには変わりはない。果たして自分は一体どれ程情けない顔をしているのだろうか。想像し苦笑する。)
イケメンって…相手俺なんやからどうでもええやろ
特定されてファンが家まで来たらどうするん？大先生絶対連れ込むで
(自分なら気にならない事を並べられ一層不思議そうな顔で見つめ、それが本当の理由とは全く信じずまたはぐらかされたかと思えば聞いても仕方ないと諦める。髪が跳ねてるから嫌だなんて随分女の子らしい理由だ、もしや意外と乙女なのか？これはやっぱりデコ出しして貰いたい。結局また最初の目的に戻り次は酒でも飲ませて油断した時にやろうと心の中で決心すればあっさり離れ。
突然の好きです宣言に思わずありがとうと礼を述べ、しかしその表情に何かおかしいとギリギリで気付けば相手が反応する前に「ごめん待って」と慌てて付け加え、頬に添えられた手をなるべく優しく押し返しむくりと起き上がり相手へ背を向ける。違う。きっとこの答えじゃない。忘れようとしていたおかしな考えがまた蘇る。甘ったるい空気を感じる、勘違いだと思えない程に、絡みついて息が出来ないくらいに。今までの行動を思い返し“それ”が正解である事を前提に考えればあっさりピースはハマりパズルは完成される。確信には至らない、何故なら自分でも自分がいかに経験不足か分かっているから。長い様で短い沈黙の果てに口を開けば答えでは無く質問を一つ「どういう好きなん？」と。勘違いなら別にいい、それで気持ち悪がられようがネタにされようが構わない。もし思った通りならどうしようか、混乱する頭ではまだそこまで考えられないし多分その後もどう返せばいいか言葉は出ない。しかし、あやふやなまま適当に流す方が自分は辛い。顔を合わせる勇気が無くて背を向けたまま聴覚に神経を集中させ答えを待つ。)
お前相手でも顔晒すん嫌なんや！……久し振りにお前に恐怖を感じた
そのまんま夜営むんやろうな、アイツならヤりかねんし？
(素直に離れていく様子に安堵感を覚えるが突然態度が変わった事には何処か引っ掛かり思考を広げていくと完全には諦めていないのではという予測に至る。相手のことならそうだろう。諦めが悪いし隙があれば容赦なく突っつく性格だ。今はされなくても普段こいつと居る時は絶対に気を付けようと心の底から思う。何としてもそれだけは避けたいのだ。
勘違いしお礼を言ったかと思えば待ってと言い手を退かされ背を向けられてしまう。不安であったが相手の優しい声に安心する。しかし、ある考えが頭を過ってしまう。本心では気持ち悪がっているのではと。自分が傷付かないようにと優しい口調であるが内心は嫌で仕方ないのだろうか。顔を向けてくれない相手の背じゃ何もわからない。顔を見せてくれないという事はそういう事なのだろう。言わなければ良かった。その後悔が残るばかり。今にも溢れそうな冷えている雫は目尻に溜まり今すぐにでも流れていきそうだった。相手の問になんて答えたくなかった。ここで友情だと言えば丸く済む。そんな事してしまえば悲痛で胸が張り裂けてしまう。逃げたかった。弱気になってしまい「お前の思う好きで良いよ」なんて放棄的になる。そのまま相手から離れ頬を濡らす何かを洗い流そうと洗面台へと向かう)
うん…？…そりゃどうも
ほんでコネさんが喜ぶんやろな、尖ってるなぁ言うて
(強い口調で断られ一瞬動きが止まる。無理強いするつもりは無いが、しかし友人相手にあそこまで強く顔を見せたくないなんて言われるともしや嫌われているのかと疑ってしまう。他の人にはどうなんだろう、まぁ考え過ぎか。恐怖を感じたとの発言に照れて見せ褒めるなと言わんばかりにニッコリ笑って。
ガチガチに身構えて居たから曖昧な返答に拍子抜けする。そんなの認めてる様な物だろ、なんで俺より弱気なんだよ。もしかしたら自分が悪い事したのか等と少し心配していたがその考えは綺麗に吹っ飛びハッキリしない態度に軽い苛立ちすら覚え一周回って冷静になる。身を焦がす様な切ない恋を知らない奴には理解出来ない恐怖と優柔不断。問い質そうと振り返るもそこに姿は無く、ボソリ文句を呟けばすぐに後を追っ掛ける。「恋愛の好きって事で文句ないな？」と相手の背中へ向かってまあまあな音量と圧で問う。いや、問うと言うよりは無理矢理言わせようとしているのだが。完全に怒っている様に見えるだろう。だって無責任だ、散々掻き乱し変な気を持たせ自分から仕掛けておいて逃げるなんて。キスまで奪ったじゃないか、清算して貰わないと。掴みかかりたい衝動を抑えドアの前で腕組みこれ以上離れられない様に待機する。)
おい、褒めてへんからな？お前ヤバいやっちゃな…
大喜びするで？上機嫌で奢ってくれそうやしええかもな
(相手が照れるような笑いと雰囲気を出している事に嘘だろとドン引いた目を向けて狂ってるんだと確信する。一体何処に褒める要素があったのだろう、恐怖か。自分も中々のサイコパスだと自覚はしているが相手も同等、いやそれ以上に狂喜的な奴だなと改めて感じさせられた。彼は何故そう育ってしまったのだろうか。気になって仕方がない。
何やら呟いているのは分かっていた。何と言っていたかそこまで聞き取れはしなかったがおおよその事は予測できる。文句だろうな。自分が勝手に掻き乱し無駄に雰囲気漂わせ雑に切り上げて終ったのだから当然か。でも、これならこれで良かったのかも知れない。我慢したものが暴れずに済みその源泉は量が減る。相手を襲い傷付けたりしてしまったらそれこそ本当に戻れなくなる。同性愛という事でさえあの反応なのだ、暫く彼とは関わることが減る。少しずつでも良いからまた友人として関われたらなと贅沢な願いを思う。落ち着いた心は相手の迫力ある声に大きく波を立たせた。怒る程嫌だったのか？それとも蔑みにか？どちらを想像しても辛かった。もう既にバラしたようなものだ、今更否定したってしょうがない。「せやで。ごめんな、同性愛者で」そう言おうとした。それを言って帰る気であったのにドアの前に立ちはだかられここから脱出できなくなってしまう。何故嫌だと思う相手の近くに来る？もう期待はしたく無かった。嫌がらせにしか感じなくなってしまいそうだ。「そうや、悪かったな？…軽蔑したいならしてくれてええ」もう泣き叫びそうな程自分の言葉が胸を切り裂いていく。)
え？褒めてたやろ、ツンデレやなお前
流石金持ちですわぁ…ほな良いネタ掴む所からやな。任したぞ、ゾム隊員！
(相手の恐怖に震える姿は面白い。ドン引きされていると気付けば一層楽しそうな笑い声を上げ、真面目に会話する気は最早ゼロで酔ってもないのにグダグダなウザ絡みをして。
曖昧に終わらそうとするから怒っているだけなのに勝手に話が逸れている気がする。謝られても困る、そんなの求めてない。不思議な事に自分は嫌悪や軽蔑なんて一切感じなかった、故に返されたセリフにまた何を勘違いしているのだろうと疑問に思い焦燥感に駆られ相手の気持ちは察する事は出来ずに居た。こう言う所がモテない所以なのだろうか。深く考える余裕等今の自分にある訳も無く、抑えていた衝動が刺激され言葉を返す前に堪らず有無言わさぬ雰囲気でツカツカ歩み寄りガッと顔を上げ睨みつける。焦れったいな、ガツンと否定してやらないと、嫌う訳無いともう一回。そう思っていたのに、目に入ったのは泣いた様な痕跡と見た事の無い表情で怒ってやろうなんて気持ちはその衝撃にかき消された。目が離せない。今更だが初めて相手の感情が如何に重く深いものだったかほんの少しだけ感じれた気がする。知らずの内にこんなに苦しめていたのかと思うと心が沈む。掛けてあげられる言葉なんてあるのだろうか？相手はどうして欲しいのだろうか。応えられるのなら応えたい、でも自分の思いはまだボヤけていて何も見えない。徐に手を伸ばし、もし逃げないのなら相手の頬を軽くつねって「俺さっき泣いたら笑う言うたよな？一旦その顔やめーや」と口角を上げ冗談っぽい笑顔を見せよう。)
お前なぁ！…もう触れない方が良い気がしてきた
お前も手伝えよ？ロボロ。酒強いんやから飲ませたりしてな！
(まともに会話のキャッチボールが出来ずどんなに正確に投げてもわざと落とす相手に段々疲れを感じてきて深い溜め息を零す。これは逆に放って置いた方が良いのだろうか。絶対そう思う。いつか仕返しをしようと静かに頭の中で決める。
顔に手を伸ばされる。衝撃が来ると思い目を瞑ったが来たのは強くない優しい痛みだった。目をゆっくり開けると自分は抓られていて相手は笑っている。先程の怒気はあまり感じられなかった。これでも困惑させられたのだが相手の言葉によって尚更困惑は大きくなっていった。遠回しに笑えと言っているのだろう、笑う事なんて出来る。さっきまで作り笑いは出来ていた、さっきみたいに…そう思っていたが笑えない処か浮かんでくるのは嗚咽と涙であった。先程まであった恐怖はいつの間にか消えていて今では安心感に包まれ緊張やら苦痛が和らぐ。相手の瞳には軽蔑の色なんて無かった。元から無かった。只々自分が嫌がられていると悲観的になり自分の憶測だけで行動をしてしまい相手に曖昧な返事をしてしまっていたのだったと気付く。結局自分は相手を信じきれなかった。相手はしっかりと否定をしてくれていたのに…思考を巡らせばネガティブな事ばかり、一度その思考を頭から振り落とし涙は少し流れながらもいつものようにニッとニヒルに笑い「誰のせいで泣いてる思ってんねん」そう冗談で返していき考え込んだかと思えばすぐに口を開き重々しい雰囲気を含めた、しかし何処か清々しさを感じる明るさで「…お前はどうなん、ロボロ」と返事を求める。）
お、そうだぞ。学習して行けー？
任しとかんかい！今日からリーダーと呼んでくれてもええんやぞ
(楽しみが増えた。プランは確定したのだから秘密裏に進行したい、もう触れるなと肯定し
上機嫌故ほんのり煽りのニュアンスも入れ適当に流す。これは勝ったな。
未だ涙する姿にこんな一面もあるのかと意外に感じる。長い付き合いでもまだ知らない事は沢山ある物だな。いつもの様なニヒルな笑みに落ち着いたのだなと安心し自分もニコッと笑顔を見せ、その後続いた問で真面目な表情に戻りきちんと話そうと少しだけ距離を置く。今までは美少女キャラに一方的な愛を捧げて来たばかりだが、生身の人間相手だとそこに責任が伴う。気を付けて発言せねばと覚悟して先程までの出来事を整理するが親密な行為を思い出せば急に恥ずかしさが湧き上がり熱くなっていく顔を手で隠し目を逸らす。今更ドキドキして来た、バレたらダサいな。「好いてくれてるんは嬉しいし、さっきのも嫌ちゃうよ、けど急過ぎて…どうなんやろ…」緊張で声が震えないよう必死に抑えポツポツ思った事を素直に零して行くが答えには辿り着けずに居て。好きかと聞かれれば分からないとしか言い様が無い、けど好きじゃないかと聞かれるとそれもしっくり来ない。心做しかまだ感触が残る唇を軽くなぞり俯いたまま少し黙れば、結局情けない事に「ごめん、分からん」と今度は自分が曖昧な回答をする番になってしまう。)
てかさぁ…俺元々前髪分かれてるんやし変わんない気するで？
よっしゃ、了解したんだぜ！…あれ？リーダー？どこぉ？
(煽られてんなぁと有利になった途端強気になってくる相手にどうすれば敗れさせれるか対策を練っていて、ふと自分の前髪を自分で触れれば左右に分かれている事に気づく。これはデコ出しでは？と容易に確信する。
相手と話していく内に涙は静かに途絶えていき喉も苦しくなくなっていった。情けない姿を見せてしまった。でも、嫌と思うよりも嬉しかった。今まで抱えていた肩の荷物が全て落とされとても楽になった。と思いきや自分の問に対し突然顔を赤くさせ辿々しい口調に相手らしいなと思わず笑ってしまう。真面目に聞くのが普通なのだが親に物語を読んでもらっている子供のように楽しそうに聞いていく。好いてくれるのは嫌ではなく嬉しい、か。ド定番の断り方をする相手はまだ頬は仄かに赤いままで自分がフォーストを奪ってしまった唇を触り「分からない」と今度は相手から曖昧な返事を貰う。当たり前だろ。突然だし自分もこの気持ちを理解するには長い時間が必要だった。またそれを認めるのにも時間が掛かった。相手からの返事はいつでも待つ気持ちでいる。それを伝えながらも「返事は遅くてええよ…でもそれって脈有りよな？」と煽りのような口調で嬉しそうに笑いながら尋ねる。)
縛ってるの含めて可愛かったりするんやけど……じゃあとりあえず見して？プロデュースしたる
おい、隙見てイジんな！会話中に見失う訳ないやろ、せめてもうちょい上手く嘘つけや
(自分からその話を蒸し返すなんてもしや誘われているのか？嫌よ嫌よも好きのうちと言うし、なんだやっぱりツンデレじゃないか。脳内で都合良く解釈すればパッと明るい笑顔で再び近寄り期待の眼差しを送り。
落ち込まれては困るが嬉しそうに煽られるのも悔しいし恥ずかしい、しかも図星なら尚更。何だか歯がゆい気持ちになるも否定する事は出来ず、しかし素直にはいそうですと答えるのも一層調子に乗られそうなので「そう聞かれると無いって言い切りたくなるな」と少し天邪鬼な返しを。なんだかんだ相手の笑顔を見ると楽しくなる、可愛いなと素直に思う。だから先程の表情を思い出せばズキりと胸が痛む。返事は遅くていいと言ったが、もし待たせた挙句また傷付けてしまったらどうしよう。グラつく気持ちがどう転ぶかなんて分からない。少し悩んで「あんま期待せんといて」と付け足し、心配そうな目で見つめて。)
分かった。仕方ねぇなぁ…先にお前のをプロデュースしたるよ、おチビちゃん
リーダー？はっ、まさか踏んじゃったか？おーい、ロボロォ！
(深い溜め息を吐き肩を落としては相手の方へ向き諦めていると見せかけ不意打ちにと相手の腕を掴みグルッと相手ごと回し自分の方に背を向けさせれば何も出来ないようバックハグをする。
わざと否定したような言葉は此方からはお見通しで図星だったんだろうと安易に想像ができる。相手は自分にツンデレと言っていたがお前の方がツンデレじゃねぇかと新たな萌に心を悶えさせながらも突っ込んでおく。だが、そう言ってしまえば相手が拗ねる未来は見えるので伝えるのはやめる事にする。「それはそれでやり甲斐がある」と適当に伝えていく。
さっきまで強気だったくせに自分の番となれば弱気になってしまう相手は反省してシュンとしている子犬のようで可愛らしくて憎めず頭を撫でて宥めてしまう。可愛い物に弱くなるのは仕方ない。自分が相手を落とせるよう頑張れば良いだけの話なので「俺が絶対惚れさすから、期待するわ」と冗談を入れながらも答える。)
要らんて！お前にプロデュースして欲しいとこ無いから！
サラッと殺されてて草…最近の俺の扱いホンマに雑やな、特にチーノのあれとか
(大先生ならまだしもサイコパスにプロデュースして貰う事なんてないだろうと素で失礼な事を考え、相手にぶつからない範囲でジタバタと囚われた小動物の様に暴れて。
随分と自信に満ちた発言だが何処から湧いてくるのだろうと不思議に思い、しかし自分よりは経験はあるだろうから此処で突っ込んだら飛び火しそうだなと思えばジト目で眺めるだけに留まり。頭を撫でられる感触が心地良く目を細め無意識に軽く擦り寄り、ふと自分が理想の恋人に求める条件を思い出す。自分より身長が高くて、全肯定してくれて、頭を撫でてくれる人。二つはクリアしているがイジる事が好きな相手から全肯定される事は一生ないだろうなと笑ってしまう。改めて考えるとそもそも何故好いてくれたのか謎だ、自分で言うのも悲しいが好かれる要素なんて一つも無い気がする。身長は低いし恋愛経験ゼロだから些細な事でもビビる、心も無いらしい、自慢出来るとしたら声と体くらいか？そう思えば「やっぱ俺の筋肉に惚れたん？」と冗談混ぜ笑い褒めて貰えるかなと期待して。)
暴れても無駄や、潔くされろって！…出来るよな？ロボロ
あ。何や、ここに居たん？離れんよう抱き…気のせいだよ、そんな事はない
(逃げようとする兎をぎゅうと抱きしめる…だけではなく頸動脈ら辺に手を添えては少しだけ爪を当てさせ威嚇をする。さっきのお返しをどうしてやろうかと舌なめずりをしては八重歯を見せるような笑いを浮かばせる。
自分だって自信が溢れる理由なんて知らない。付き合えるか、自分は果たして相手に見合うかどうかすらも分からないと云うのに余程のナルシストや金持ち、人気者ではなければ誰もは不安を必ず持つ。どちらかと言うとしたいのではなくしなければならないと云う気持ちの方が強いのではと自分で憶測を立てておく。考え事をしていると急に笑う相手に不思議そうな目を向ける。そうすると相手からは頓珍漢な質問が来る。筋肉に惚れた？筋トレをやるよりずっと前から惚れてんだよ。そう文句を言ってやりたい。多分顔は素直に出ていることだろう。「お前は阿呆かいな…惚れたところ数え切れんくらいあるっての」相手が望む答えは分からず嘘はない本当のことを伝えていく。)
は？誰がお前の……出来ます！ロボロ君なら出来ますよ！ほらぁ！
居ましたよ最初から…何を言いかけたん？怖いから早急に離れとくな、踏まれたら嫌やし
(抱き締められ暖かいなと能天気な事を考えていると急所に爪を当てられ本能的恐怖を感じ取り、チラッと後ろを見れば肉食獣の様な八重歯が目に入りヒヤッと震え上がる。一瞬で勢いは削がれ観念し保身に走るべく速攻動きを封じドヤ顔で大人しくなりましたよとアピールして。
適当に褒めて欲しかっただけなのに予想外の回答を寄越してくる相手の表情は心底不思議そうでその言葉に嘘が無い事を物語っていた。言葉に詰まる。中々ダメージ量の高い一撃は無意識だろうから魔法攻撃かな、なら防御力の低い自分はもうフラフラかもしれない、早く逃げよう。頑張って思考を巡らせてみてもセリフが何も浮かばず結局は「そっか」だけで黙り込んでしまう。もうこの件に迂闊に触れるのは止めよう、自分の心臓が持たない。乾いた笑い声で誤魔化し心の中でにげるコマンドを連打すれば見逃してくれる事を祈って「じゃあ戻ろうか？」と振り返り部屋を移動するつもりで。)
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