車掌 2020-02-25 21:27:29 |
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>パルカ
(何気無い言葉に嬉しそうに笑う彼を見て、此方まで嬉しくなった。「うん、約束。指切りげんまーん、なんてな」出された小指に自分のものを絡め、わざとらしくけらりと笑って約束を。彼といればとても楽しい、一緒にいるだけでとても満たされる。「僕もそうだな。パルカがいてくれたらずっと退屈しないや」現実が嫌いで、どうしようもない日々。いっそのこと命を、なんて思ったこともあった。だが、やはりそれは間違いだったようで、目の前の彼と出会えて良かったと心から思うのだ。過去に触れるような静かな言葉の後にみせられた無邪気な笑みはすっかり子どものそれ。お互いの寂しさをさらけ出して、寄り添えたらどんなに良いだろうか。ゆるゆると低空飛行のまま飛び続けては、見えてきたのはカラフルな飴屋さん。耳元で告げられた言葉にびく、と反応を見せてしまったのは不覚。「そうだね、行ってみようか?」そっと地面に降り立つとじゃりじゃりと足下の石が音を立てた。気付かれてはいないだろうか、そんな気持ちを抱えながらも相変わらずの冷静さを見せつつ飴屋さんへと歩みを進めよう。近付くにつれてふわりと甘い香りが鼻腔を掠める。「甘いね、凄く」思わずそう口に出していた。外から店内を覗くとどちらも綺麗な飴がたくさん並んでいるのが見える。「どっちに入ろうか?両方見る?」かたや動物の形の飴、かたやフルーツや宝石の形の飴。どちらもそそられるが、彼はどちらを選ぶだろうか。)
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