車掌 2020-02-25 21:27:29 |
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>セオドア
( 「へへー」貴方の賛辞に胸を張り、幼子は得意顔をして見せる。貴方と一緒に消えた管理人に手を振って、またやっても良いなあとこっそり思う。叩かれた背中がまだぽかぽかと暖かい。貴方の手を引いたまま無人の駅へと降りれば久々の地面の感触。「うぅーん、お気に入りの場所?絵では見せてもらってたけど、僕も初めてだから……」考え込んで、ぱっと顔を上げて。「そうだ!ここ空から見たらすっごくきれいなんだって!足元に石が転がってるでしょ?めちゃくちゃマズイけど、色はいっぱい!」あそこの山まで飛んでみよーよ!元気に叫んで、先ほどへとへとになったばかりの貴方を急かしてみる。大きすぎる山はまだらに入り乱れた緑が特徴的で、なんだかちょっと威圧感。が、そこではたと思い出したことがあるようで。「あっ、えーとね、あっちには飴屋さん、こっちにも飴屋さん。ここは飴が有名なんだって。売店にはここの飴が売ってるよ!」立ち並ぶ家はどうやらお店という事実。幼子が異常なほど持っているお菓子は、こうやって途中下車で補充されるのだ。さてここの飴はどういった効果があるのか、また無いのか。「あー、でも落ちてるのは食べない方がいいね」と、キラリと光る虹色の石を蹴ってみる。「石に見えた?これ、飴なんだ。僕の目は誤魔化せないぞ!」なんて、ちょっとだけふざけて見せて。「どうしよっかなー、飴を買っても良いしー、飛んでも良いしー、石蹴りしても良いし!ねえねえセオドアどうする!?」あちこちを指差して、あれもいいこれもいい。こんなにも選択肢が増えたことは久しぶりだった。繋いだ手を放して、今度は後ろからどーんと抱きついて見上げて。「どこいくー?」貴方に選択を委ねよう )
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