春彦 2020-02-03 01:40:48 |
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随分とまあ風流なでっち上げだこと、俺も真似しよう……はい、ガソリン代。そんで俺にも一服させて、念願のショートピース。( 大人しく引き剥がされながらも離れ際にするりと相手の煙草を抜き取り。緩い突っ込みと共にくわえようとするがふと周囲を見渡し、人気が無いと分かれば煙草ではなく相手へと軽く口付けて。仄かに香りの移った唇を満足げに舐めては今度こそ煙草を吹かし )
ああ言えば大抵出て来るからね__…どうも。勿論、抑もあんたがメールして来たんだし。ただ…もう一回してよ( 真似の件に楽気に一笑零し委ねながら、長指に攫われた煙草を目で追い。徐に見回す動作を奇異そうな心境で捉えてれば不意に唇重なり、柔い感触に僅に息詰らせるも刹那。離れた相手が舌舐めずる扇情的な光景にふ、と息を漏らし積もる焦れから了解に続き口にすれば身体ごと其方へ向けて )
……何遍でも喜んで。ただし部屋ん中でね、そろそろ大家の爺さん起きる頃合いだから。どうせ明日も来てもらうんだし泊まって行きなよ、まあ、ベッド以外大惨事だけど。( 常套手段めいた言い回しには冷やかすように双眸細めておき。久々の煙を美味そうに吐き出し、再度くわえながら聞こえた吐息に顔を上げ。正面から催促されれば抗い難く腕を伸ばすも、遠く聞こえる新聞配達のバイクの音に苦笑しては頬へ添えた手を肩に回して。焦れる内心を抑え軽く抱き寄せつつ歩き出し )
はいはい…その部屋足場あるんだろうね。どうせと言うか…だったら明日其の儘やっちゃった方が良いんじゃないかな。( 紫煙を吐く端正な横顔が此方に向き、伸ばされた掌が頬に触れれば心拍が上がるが寸でで苦笑浮ぶ表情で制止され。其れでも相手の唇から紡がれた言葉に膨らむ欲に翳る炯眼を揺らすのを返事とし、抱き寄せる手に自然と寄りつつ己も歩んでは平坦な声で提案する片や階段を昇り )
あるある、あっちこっち踏んでいいモンばっかりだから。多分。そういうのを一思いにポイしてもらうのが明日の君の仕事っつー事で──…お駄賃はどうする?前払いか、後払い。( 月明かりに光る眼差しについ喉を鳴らしつつ、部屋の前まで戻っては煙草を挟んだままおどけた調子で鍵も掛けていない扉開け。相手を連れ込めば提案を呑む言葉もそこそこに閉まったばかりの扉との間に追い込むように片腕つき、欲の滲む声を潜め尋ねるとひとまず煙草退けた唇を浅く重ねて )
…それ無いって言うんだよ、もし踏んだとしても責任取れないからね。ん__……何方も。( 喉が鳴るのも戯けた声調も何処か遠い中、其の言葉に呆れ含んだ返答し、漸く着いた部屋の扉を懐かしむ間も無く潜ると相手が被さり。耳を擽る様な深い声に眦細めては両手で頬を包み、重なった唇が腹底の情慾滾る儘離す間も惜しく欲深い答えを零した唇で相手の下唇に吸い付き、舌覗かせて )
はっ、欲張り。( 相手ではなく沸き立つ己の欲求へ自嘲込めて揶揄い、堪えようとするものの覗く舌の色にふっと笑みを消し。舌先で触れ合う傍ら煙草を手放し靴底で踏み消しては空いた手で相手の顎先捕え、キスが深まるよう角度を変えさせて。甘い香りの口腔を水音交えつつじっくり弄ぶが、ドアの軋む音で理性取り戻せば身を離し、もどかしさに歪む顔を覆ったままぽつぽつ並べて一足先に寝室へ向かい )あー…、駄目。今日は此処まで、片付けどころじゃなくなるから、本当。そんでアレだ、服なんかはそこらへんの奴適当に着てくれりゃあ良いし、君の荷物はそのまんまにしてあるからさ。寝支度済んだら──…正直ゆっくり済ませてきて欲しいけども、ベッドで待ってる。じゃ、一足先におやすみ芳樹くん、続きはまた明日。
( 朝方の遣り取りが尾を引けば続きを欲する下心から早々に作業へ取り掛かり。散らばる衣服や書籍をゴミ袋や段ボールへ放り込み、ようやく表れた床を踏みながら日が落ちても未だ蒸し暑い空気を入れ替えるべく窓際に向かい )…あっちい、一丁前に熱帯夜かよ。6月も始まったばっかだってのになあ…このまんま開けっぱでやろうぜ、煙草吸えるしね。
( 示唆通り緩徐と寝支度を終えた為、珍しく共に起床する形となり。朝の準備もそこそこに早くも作業が始まれば持ち込んでいた私物は纏めて自車に詰み、若干摺り下がる襟元を直しつつ手伝って。漸く1段落付いた部屋の中、ゴミ袋を縛る傍ら窓辺の相手を睨み付け ) 殴られたいのか、あんた。第一これ湿気てて暑いんだし…窓開けたって部屋の湿度上がるだけだよ。
いいじゃねえの、プラシーボプラシーボ。冷房代だって馬鹿になんないのよ…何だかんだ半分も吸えなかったしさあ、デコピンまでなら耐えるから、ほら。( 鋭い眼差しから逃げるように肩を竦めても手は窓枠へ添えたまま、惰性で開けば生温い風に眉顰め。ゴミ袋に埋もれる壊れた扇風機につま先で八つ当たりながら相手の側へと戻り、"5分休憩"と腰を下ろし。叩けと言いたげに髪をかき上げつつ袖捲った腕を図々しく差し出して )
そんな屁理屈初めて聞いたよ、まァ金欠なら仕方無いかな……自分で捨てた癖に。今、手汚いしデコピンは無理( 肩竦めるも窓を開け、結果清涼な風は得られなかったらしい素振りで戻る姿に目を細め呆れた声出し。髪を掻き上げる仕草に見惚れつつ其の暗示から肘で小突き、けれど懐から出した煙草の箱とジッポを渡せば"手洗いに行く"入れ違いに立ち上がって )
…煙草どころじゃ無かったんだよ、なーんてヤニ中にあるまじき発言。ご馳走様。いくら俺んちが埃っぽいからってそのままバックれんのは無しね。( 小突かれるまま胡座を崩し、後ろ手をつきながら煙草一式受け取れば言い訳と礼を一緒くたに述べ。立ち上がる姿を軽口で見送ると片手で一本取り出し火をつけて、愛おしい香りを味わう傍ら手持ち無沙汰にジッポを弄りつつ相手が戻るのを待ち )
その割には逃げてったじゃないか、ヤニに優先されるよりは良いけどね。…しないよ、多少埃臭くても始めの紙だらけの汚部屋に比べたらマシ…。( 言葉を背中で聞いては滲む嬉々に忍笑い、去り際に太太しい台詞を並べ立て。洗面所で確りと洗って戻り、嗅ぎ慣れた甘香が鼻腔を擽り双眸緩ませながら先刻の軽口に返すと手中に収まるジッポへ視線移し「其れ、匂い付いてるけど平気?」と座る傍ら時既に遅くも尋ね )
──駄目。今イチわかんねえや、汚部屋の住人だから鼻まで埃詰まってんの。なんとなーく良い香りはするけども。何の匂い?( 去り際の台詞もあり戻ってきた相手を直視せず横目に捉えては、その視線につられてジッポを見下ろし。軽く鼻先を近づけるもつい意識するのは親しんだバニラの匂いばかりで、早々に諦めると相手の歯に絹着せぬ言葉を言い訳にして。聞き返しつつ薦めるように煙草の箱と灯した火を向けて )
別にそんな匂う程の物でも無いから、あんたの鼻が鈍い訳じゃないよ、多分だけど。香水…直接付けるとキツいから其れに染み込ませてる。( 流し目の相手がジッポを見詰め匂いを嗅ぐ動作を見守り、己の言葉を借りた返事をされては少し首竦ませ平静に述べ。訊き返しに答える片や、差出された箱から1本引抜いてから受取り。其の儘咥えるが灯る火は一瞥するのみで其方が良い、と相手の煙草を目で指して )
あぁ成る程、どうりで嗅ぎ取れない訳だ。芳樹くんの匂いって処理してんだろうね、脳みそが自動で──…君の1ファンとして教えてよ。どこの香水使ってんのって話と、例のショッピの秘密。( 相手が煙草を咥える間に一人納得の声を上げ、勝手に理論立てるも目線受ければ再度嗅ぐ事もなく蓋を閉じ。ジッポを置いた手で頬に触れ、燻る先端重ねてゆっくり立ち上る紫煙を眺めてから顔を離し、地べたの灰皿をずるずると相手の前まで引きずっては灰を落としながら楽しげに先日の話題も絡め )
流石に嗅ぎ慣れたって事かな、後はこの匂いも混じれば満足なんだけど__…今よく使ってるのはTOMFORDのcosta azzurra。煙草は…あんた聞かないって言った( 頬に触れて此方へ向く顔に目細め、煙草が触れ合えば深く吸込み火を点して。礼を添えつつ紫煙越しに離れる様子見遣り、其の理論に安穏と返せば相手のである服を軽く引き示すが、徐にされた話題に思わず黙って仕舞い。灰皿を移動させた愉快気な相手を尻目に決まりの悪さから顔を背け、窓を見詰めた儘細い紫煙と共に素っ気無く吐き出し )
御免、例の投稿拒否のやつに当たったらしくて送れなかった…悪いけど眠気回って来たし、時間も時間だから此の儘持ち越しにして貰えると嬉しい。何時も通り私用優先で自由にしてくれて構わないから。じゃあ昨日と言うか…今日も夜更けまで有難う、此れには返さなくて良いよ。
残念、このライフスタイルじゃあ俺の匂いイコール芳樹くんの匂いになるのが先だろうよ。…あん時は、ね。次吸う時にゃがっつり聞くって言ったような、言わないような。( つい滲む笑みを噛み殺しつつ服を引かれるまま軽く相手へ寄り掛かり。平静を装った台詞と共に携帯弄り、表示される香水の値段に露骨に眉顰め、仕切り直しとばかりに背けられた顔へ視線移せば遠回しにすっとぼけ。催促重ねながらも結局は一任するように窓へ向けてのんびりと煙を流し )
まァ其れでも構わないけどね、要は染み付いて離れなければ僕としては良い。…言ってないから、勝手に記憶を捏造するんじゃない…休憩終わりにするよ。もう5分経ってるし ( 寄り掛かる相手の重感と温もりを一身に受け、直ぐ隣で聞こえる平静な声に反応しつつ盗み見たスマホ画面のページに人知れず眦緩め。飽くまでも顔は窓へ向けた儘、知らぬ振りをし重ねた催促も脅迫めいた言葉で突っぱねて仕舞えば流れる煙を追う形で視線を戻し )
それもマーキングって奴?芳樹くんお気に入りの。…えー、じゃあ今言うわ、改めて。ちゃんと手ぇ動かすからさあ、気になってせっかくの味も分かんないんだって。( 今度こそ耐え切れず破顔しては寄りかかった肩口に鼻先も寄せ、確かにジッポから香った匂いを感じつつ茶化すような口を効き。言葉とは裏腹に座ったまま届く位置の雑誌のみやる気なく段ボールへ放り、さも言う通り働いたという顔を戻ってくる視線へ向けて )
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