緋色の研究　/　〆　

…君から教えてもらった。君は自分の情報を漏らしすぎだぞ、簡単すぎる。前まで君が時折口の端に着けていたのはコーラルオレンジのリップだったが、今ついているのはパウダーが入ったピンクのグロスだ。今日も着いてたぞ。唇についているものが変わったということはキスする相手が変わったということ、つまり彼女が変わったということ。そしえ先日君はまだ新しい靴下を捨てていた。穴が空いてるわけではないし柄は無難なもの、つまり捨てたかったのは靴下と共にある思い出だ、しかも嫌な思い出。君は前の彼女に酷いフラれかたをしたから靴下を捨てたんだ。以上のことから君は前の彼女にフラれたと言える。どうせ次のも続かないから止めておけ
(ジョンがソファの近くに来るのを感じとると一層意固地になるように体を丸める。しかし『何故』と問われるとそれを答えたくなる性分で、早口で自分の推理を並べると、最後に皮肉をそえてふんと鼻を鳴らし)

もう良い、わかった。何でもかんでもぺらぺらと口外しないでくれ、その通りだよ。ただ次の彼女とも続かないってどうしてわかる？俺の女性遍歴か？
（相手の言葉は耳を塞ぎたくなるほどに全てがその通りで、曖昧に顔を顰め。寝転がる相手を横目で見ながら足を組み替え、）

安心しろ、吹聴したりなんかしない。次の女性と続かないのは彼女達が外面の君しか知らないからだ
(背中を向けて丸まっていたところからようやく体をジョンの方へとひねり目線を合わせる。だがその顔は未だに不満げにむすりとしていて様々なことが気に入らないといった様子だ)
君は医者として親切な人間だ、さぞかし女性との会話も弾んでいるだろう。でもこの部屋にいるとき君は愛想がないことが多い。僕はそれで構わないし、いつも無理やり笑顔でいるより時折笑う君の方がいい。だが女性はそれを良しとはしないだろう、何せ彼女らが惚れているのはいつでも笑顔のジョン・ワトソン医師だから。彼女達はシチューを作りながら他愛もない会話をする君の魅力に気付こうともしないだろうからな
(どこに対抗心を発揮しているのか自分の方がジョンを知っているからと言いたげに彼女ができない理由を告げる。その間も目線はジョンの方を向いていて、こんな不満げな顔も彼女は知らないだろうな、などと考えていて)

…本当に君は何でもお見通しだな、シャーロック。
いつも、愛を感じられないと言って振られることが多い。この間の彼女には、釣った魚に餌はやらないのか、と詰め寄られた。そんなつもりは更々なかったのに──それで靴下も捨てた。
俺が一番自分らしくいられるのは確かにこの家だよ。彼女はいらない、俺は遊んでるだけで十分だ。
（相手の言葉を聞いているうちに不満げな表情は少しずつ普段の彼のものに。そう言って笑い、ソファに深く身を預けつつ女性に非難を浴びそうな毒をさらりと吐き。「君は随分と俺の事をわかってるな」とやや揶揄うように笑みを浮かべて）

最初からサービスするからだ。与えられてばかりの人間はだんだん強欲になりやがて自分の欲求が満たされなくなると簡単にそっぽを向く。君は女遊びを続けていた方がいい、その方が急な捜査の時にデートを断りやすいだろ？そんな彼女らより僕がジョンのことを分かっているのは当然だ、僕の観察力は人より優れているし、それに僕は君に興味がある。
(ジョンが女遊びをしていても自分がいてほしい時に彼がいればシャーロックはそれで良いようで、それはすなわちいつでも自分との捜査を最優先しろということでもある。ソファに深く寄りかかったジョンの膝の上に自分の両足を乗せながらなかなかに誤解を招きそうな発言をし)

言っておくが、俺が女性より捜査を優先するなんてお前に約束したことはないからな。…なんだ、女性たちに俺が取られるのが悔しいか？興味を持ってくれて何よりだよ。
（当たり前のように女性より捜査を優先する程で話を進める相手にそう釘を刺して。思いの外独占欲が強いことと、自分に一定の興味を持っていることはよく分かった。可愛いところもあるものだと笑みを浮かべて）

心配するな君はきっと僕との捜査を優先したくなる。奇っ怪な謎や犯人とのギリギリの駆け引きなんて心踊るだろ？……違う、ジョンのことを知らないくせにジョンを悲しませるのが我慢できないだけだ。別に取られるなんて、思ってない
(なぜか自信ありげな笑みを浮かべる。常識人を装っているがこんなシャーロックといる時点でジョンだって変わり者だ。非日常を楽しむのがシャーロックと一緒にいることの特権ならば、ジョンは喜んで謎解きへと向かうだろう、というのがシャーロックの考えだ。そこまでは笑顔だったが、悔しいのか、という問いには少し戸惑いの表情を浮かべ一拍置いてから返事をする。その途中でジョンの膝の上においた足に無意識のうちに力が入りジョンをソファに押し付けるようにしていて)

…やれやれ、君のその自信は一体どこから来るんだろうな。俺は良い友人を持ったものだよ、シャーロック。
君みたいなことを言う人間に、俺は今まで会ったことがない。
（呆れたように首を竦めて見せながらも、その後に続く相手の言葉には嬉しそうな笑顔を見せて。これまで自分の外面の良さに気づいた人間もあまりいなかった、それほどに自分の内部にまで踏み込む存在がいなかったからだろう、と。ソファに押し付けてくる相手の足をぽんぽんと叩きながらそう言って）

…ありがとうジョン、僕も良い友人を持ったと思ってる。僕だって君みたいな人間には会ったことがない。警察の連中ですら毎回嫌々会いに来ているのに、君は僕と同居してもう何日も経ってる。正直3日も持たないと思ってたのに…
(友人という言葉を聞いて一瞬間が空くがすぐに広角をあげて返事をする。友人という言葉に違和感を覚えたことを理解できずにいるまま、足を叩かれて力を抜いた。ジョンに興味がある、と言った一番の理由は自分から離れていかないから、という理由に他ならない。他の人間と何が違うのだろうとぼんやりジョンを眺めていて)

…もちろん俺だって、君との暮らしに100%満足している訳じゃない。猫は飼いたいし、朝から騒がしくしないで欲しいし、彼女にいちいち口出しはしないで欲しいが…でも3日で放り出す程忍耐のない人間じゃない。
まだ出て行くつもりはない、楽しくやろう。
（相手の言葉に冗談めかしてそう言いながら、不満を指折り挙げて行き。しかし相手との同居を解消する気はさらさらなく、そう言って笑って）

そこが君の不思議なところだ。警察の連中は僕の悪口を言うときまず最初に傲慢だとか偏屈だとかいう言葉が出る。でも君から最初にでるのは猫の話だ。捜査にもついてきてくれる。同居を続けてくれる。君は本当に…謎だらけだな。僕も君と楽しく暮らしていきたいよ
(指折りして数えられる不満に思わずクツクツと笑いを漏らしたあと、今まで言われたことのある嫌味を思い出しながら答える。そうやって過去を振り返ってもジョンは異質な存在でやはり分からないなとジョンの方をみていて)

(/お世話になっております！いつも素敵な探偵助手をありがとうございます…ついつい嫌みなことをいいがちになってしまう探偵ですが、内心ジョンのことは大好きので少しずつ落としていければと笑
このまま日常を進めてももちろん楽しいのですが、事件の捜査の場面をやってみるのはいかがかなと思いお声がけさせていただきました。それか二人でショッピングモールに買い物に…なんて場面もいいかなと思うのですが…いかがでしょう？)

確かに君は嫌味だが、僕が現時点で一番不満に思っているのは猫を完全否定されることだからな。今後も説得は続けるつもりだから覚悟しておいてくれ。
（彼が嫌味なことには声を大にして賛成するが、とソファにもたれかかり足を組んだままそう答えつつ、眠たそうに欠伸をこぼして。少なくとも一週間ほど共に生活をした中では、出て行きたいほどに嫌な思いをしたことはなく、自分も何だかんだこの男のペースに巻き込まれている。この名探偵に自分が謎と言われるとは、と思いながら）

（提案いただきありがとうございます！いいですね、事件の捜査はこちらとしてもやってみたいです！ただあまりミステリーを考えるのが得意ではなく、事件の展開がどうなってしまうだろうかというのはありますが…とりあえず翌日捜査に行きましょう！笑 盗まれたもの探し、失踪事件、殺人事件、などなど大まかな事件としてはどう言ったものがいいでしょうか？）

なるほど、じゃあその猫の件は我慢してもらう他ないな。僕は仕事の邪魔になるようなものは歓迎しない
さて、そろそろ寝るか。おやすみジョン
(やはり猫を飼うのを許すつもりはないらしく結局は先ほど同様押し問答状態になる。だが先ほどのように口論する気はない。ジョンがあくびするのを見てもうそんな時間かとようやくジョンの膝上から足をどけるとそのまま立ち上がる。少し振り返り口角を少しあげると自分の寝室へと向かっていって)

(/自分も複雑なトリック等々は考えるのが苦手でして、いっそのこと名探偵コナンの事件をそのままもってくるのはどうかなーと考えています。コナンの事件に二人が巻き込まれたらどうなるかというifストーリー的なものになりますが…
事件の種類はシャーロックが興味を持つ分野として失踪事件か殺人事件が良いかと思うのですが、いかがでしょう？)

…ああ、おやすみ、シャーロック。
（相手が立ち上がり寝室へと戻って行く背中にそう返事を返しながら、自分は空いたソファに身体を横たえて。洗い物は明日で良いか、とシンクの水に浸けた皿の事を考えながら電気も点けたままソファの上で眠りに就いて）

（ありですね！既存のものの方がトリックとしても上手く行くでしょうし、賛成です。私もいくつか、例えば仮面の屋敷のトリックなどは詳細に記憶しているのですが、選ぶトリックは背後様に決めていただいた方が謎をメインに解くのはシャーロックの方なので良いでしょうか？殺人事件が良さそうですね！
あと私事ですが、ジョンの一人称が定まらず俺だったり僕だったりしてしまっております、申し訳ありません…！しばらくやってみてやはり僕の方がジョンらしいかという結論に行き着いたので、以降は僕で定めようと思います！ややこしくてすみません！）

(翌朝の221B。めぼしい事件が起こっていない朝、シャーロックは特に不機嫌だ。ガウンのまま気だるげにリビングにやってくるといつものソファには同居人がすやすやと眠っている。昨夜このまま寝たのかとため息をつくとソファの側にたち暫くジョンを見下ろした)
…ジョン朝だ。僕は今から思考実験をする。その場所を空けてくれ
(だが二人は間だ知らない。もうほんの少しした後にシャーロックを滾らせる事件を持ち込む依頼人がくることを…)

(/おぉ仮面の事件ご存知でしたか！実は自分もこの二人でやるなら仮面の屋敷の事件かなぁと思っていたのでちょうど良かったです！正式な名前は「呪いの仮面は冷たく笑う」みたいですね。ぜひそちらの事件を舞台にしましょう。出だしを少し改変して「30年前に同様の殺人事件があり未解決のまま終わったが、屋敷でチャリティーパーティーが行われるにあたり再び同じ事件を起こすと脅迫状が届きパーティーに呼ばれた」みたいな流れでいかがでしょうか？あとは元の話のままで大丈夫かと！
あとジョンの一人称お気になさらないで下さい！こちらが英ドラマシャーロックベースなのでややこしいですもんね;一人称了解致しました！)

…ん…朝から煩いな、他の場所でやれば良いだろう…ここは君の場所じゃない、…
（休日の朝、普段のように早く起きて仕事に向かう必要もなく本来ならばゆっくり寝ていられるはずなのに、公共の場所にも関わらずこの探偵は自分の場所だから退けと、遠慮もなく叩き起こしてくる。心底不服そうにそう眠たげな返事を返しながら寝返りを打ち、ソファを譲る気は一切ないようで。）

（お！偶然ですね、ぴったりの事件ですぜひそれにしましょう！未解決事件からの今回のパーティも良い設定だと思います。一人称も了承ありがとうございます。）

ジョン、思考実験のためにリラックスした態勢をとれてかつ依頼者が来たのが分かるのはその場所が…
(どうやらジョンはソファを譲る気はないらしく、自分の都合を述べながらソファに寝転がる体をどかそうと手を伸ばした。だがその直後、ドアベルが221Bになり響く。その音にシャーロックはぴたりと動きを止めドアの方をみた)
…遠慮しがちに、しかし自分の存在を気づいて欲しいがために少し長めにドアベルを3秒…依頼人だ
(寝起きで不機嫌だったシャーロックの顔は一気に血色を取り戻し目は爛々と輝き始めた。そしておおよそ人前に出る格好ではないガウン姿のまま、しかも同居人はまだ寝ているにも関わらず訪問者を招き入れるためドアを開ける。そこにはシャーロックの予想通り、ここいらには住んでいない男が１人立っていたのだった)

(/ありがとうございます！では早速依頼人が登場するところから始めさせていただきます。一旦本体は失礼しますが、ご用のあるときはいつでもおよび下さい！)

(/ごめんなさい少々捕捉を…前レスできた依頼人ですが有名サッカー選手ということで脳内保管お願いします;名前はマイケル・キャリックということで…！)

こんな朝っぱらから依頼人が来る心配なんて──…おいおい、勘弁してくれ、…
（起きる素振りを一切見せずにそう答えるも、部屋に鳴り響くベルの音、そして嬉々とした相手の声に一層不機嫌そうに声を上げながら身体を起こし。見れば相手はガウンのまま、その格好で出るのかと言っても聞かないだろう。まだ自分は昨日の服のまま眠ってしまった訳で、身なりとしてはちゃんとしている。相手が戻ってくる前に自室に戻って寝てしまえば、依頼人の相談には立ち会わなくて良いかもしれないと思い眠そうに立ち上がり）

（補足も承知しました！ご丁寧にありがとうございます！）

マンチェスターから始発で二時間電車の旅ご苦労様。こちらの席へどうぞ。君が僕を満足させてくれる事件を持ってきているといいんだが
(依頼人を前にしてシャーロックは依頼人がマンチェスターからやってきたことを言い当てていたが、依頼人が持ち込んだ事件以外何も見えてもいないし気にすることもないようだ。もっとも目の前の依頼人がマンチェスター・ユナイテッドで活躍するマイケル・キャリックであることに気づいていないのは本人が有名人等々の名前を一切覚えていないからであるが。依頼人の男性はシャーロックに進められるまま椅子に座る。シャーロックはそれに対峙するよういつもの１人がけソファに座った)
それで、どんな依頼だ？
『あー…今度小規模なチャリティーパーティーに参加するんだが…こんなものが届いて』
(男はシャーロックの噂をなんとなし聞いていたようで、無礼な態度に驚きながらも一枚の手紙をさしだし、シャーロックはそれを受けとる。しばし眉を潜めてそれを眺めたあと、シャーロックは心底嬉しそうに目を輝かせにんまりと口角をあげていて)