妖 学 園 / nl bl　

ふふ、本来ならば嫌味とも思えてしまうところですが、不思議と貴女の言葉は素直に受け止められますね(何度か訂正しながらようやく相応しい言葉を見つけた様子でこちらへと楽しげな様子で無邪気に告げてくる紺へとフッと笑いかけて言葉を素直に受け入れて
…まあ、たまにはサボリもいいでしょう(残念そうなため息を聞いてしまい、こちらの首を抱く腕が名残惜しそうに離れていくと、もう授業に真面目に出ようなんて考えはとうに消えていて再び紺の尻尾に顔を埋めて

…うん？…あ、ゴメンね、そんなつもり無かったんだけど（相手からは嫌がった様子など見受けられないが、考えてみれば確かに普通ならば人の機嫌を損なわせる様な事を言っていた事に気付きポリポリと頬を掻きながら謝罪を述べて。「…？良いの？先生に怒られたりしないかい？」再び己の尻尾に顔を埋めた相手に、少し申し訳なさそうに問うて

ふふ、大丈夫ですよ、貴女に悪意が無いのはよくわかってますから(謝罪を口にする紺の髪を優しく撫でて、こちらを悪く言うつもりでは無かったのだろうとわかっているから平気だと告げて
叱られるでしょうねぇ…ですが貴女と一緒に過ごす時間のためならば甘んじて罰も受けましょう(申し訳なさそうな声を聞けば、気を遣わせないように何でもないことのように軽い調子で述べて尻尾の感触を楽しんでいて

……さっすが幽紀さん（大丈夫だと述べながら頭を撫でられれば、相手の心の広さにパチパチと拍手していて。「そ、そっか。ヘヘッ……あ、そういや幽紀って何か部活やってるの？」幾らか安心したのか、嬉しそうに頬掻きながら笑うとなにか話題が無いかと少し考えて、ふと窓に視線を向ければ書類をせっせと運ぶ生徒会の役員を見つけて、何の繋がりも無いが部活というワードが頭に浮かび

部活ですか？私は特には何も…無気力学生ですからね(ふと何の脈絡もなく部活について質問が投げかけられると一瞬考え込むような仕草をしてから自嘲気味に笑って肩を竦めながらそう答えて
そういう紺はどうなんです？もっとも副会長という立場では中々そういった時間もとれないかもしれませんが(こちらからも同じ質問を投げかけてみるが、紺は生徒会副会長という役職についていることを考慮すれば自分のような一般の学生のようにはいかないかもしれないなと考えていて

無気力って…ん、ボクも部活には入ってないよ。幽紀のいう通り、会長程ではなくても副会長やってると中々ねぇ～……ま、仕事に関してはほぼサボってるけど（無気力だと述べる相手に、思わずｸｽｸｽと笑うと逆に己にも問われれば軽く首を振って。仕事をサボってるなどと述べれば悪戯にニシシッと笑って「暇な時間は軽音だったり陸上だったり、色んな部活に勝手に混ざってんの」と

無気力は言い過ぎかもしれませんが時間に縛られるのが嫌な性分でしてね(少し表現が大袈裟だっただろうかと考えて相応しい言葉を選んで改めて言い直してから小さく笑い
ほう、貴女は中々に多才なのですね(暇つぶしに参加しているという部活の内容を聞けばジャンルを問わず様々な活動を紺がしていることを知り、感心した様子で言っては頭を優しく撫でて

幽紀

時間に縛られる？…ちょっと分かるかも（時間に縛られるのは嫌だと違う言葉に言い直した相手に、なんとなく己も分かる気がして「…？…へへ、別に多才とかじゃないよ。全然上手くないし」多才だと褒められると、照れたように頬掻きながらフルフルと首を振って。頭を撫でられれば、気持ち良さげに耳をピクピクッと動かし

そうでしょうそうでしょう、やはり自由気ままに過ごすのが一番ですよ(こちらの考えに同意をして貰えたことが嬉しかったのかうんうんと満足げに頷いてみせて
そうですか？それでも色々なことに挑戦する気持ちがあることは素晴らしいことだと思いますよ(照れながら上手ではないと謙遜をする紺へと、それでもそういった挑戦しようという気持ちすらも無い自分よりはずっといいと考えては素直に自分の考えを告げて、ピクピク動く耳を重点的に撫で回して

でもさ？時間決まってないと、なんも出来ないよね～。もし幽紀と遊びに行くにしても、待ち合わせ時間とか決めないとだし？（満足そうな相手に己もクスリと笑えば、ふと思い付いたように首を傾げながら。「ﾌﾌｯ…そっかぁ～…挑戦ね～…」褒められ嬉しかったのか、それなら他にも色々挑戦してみようかと考えていて、耳を撫でられると少し惚けた様に目をトロンとさせて

ははは、これは一本とられましたね。まあ、貴女のお誘いでしたら私はいつでも喜んでお受けします、私の時間は貴女の為の時間でもあるのですから(こちらの考えの穴を突かれればこれは参ったとでも言いたげに額に手を当てて声を上げて笑い、紺は自分にとって特別で己の全てを捧げてでも愛したい存在なのだと遠回しながらも告げて
ええ、そして私はそんな輝いている貴女をずっと見守っていたいのですよ(挑戦をするということに前向きな様子の答えが返ってくれば満足げに笑みを浮かべて一つ頷いてみせて、耳に触れていた手をゆっくりと動かして頬に触れては顔をゆっくり近づけていき

あいむ、うぃなー！（自慢気にピースをすると、ニシシッと笑っていて。己の誘いなら何時でも受けるという相手にキョトンとすれば「ならさ、今からどっか遊びに行こ？」どうせサボってるのなら、どこか遊びに行きたいと思い誘ってみて。「幽紀の時間は…ボクの時間でもある…。…！なら、ボクの時間は幽紀の時間だ」少し照れた様に笑うと己の時間も相手の時間だと感じて、微かにうつ向きながら述べて。「ん～…んじゃ、ミラーボールみたいに輝いてやる！」グッと小さくガッツポーズをすると、特に意味は無いがミラーボールを例えて。ふいに耳から相手の手が頬に移動すれば不思議そうに相手の顔を見上げて、近づいてくる事に気付くと視線を泳がせながら頬を赤らめて

そうですね、残り2限サボるのも1限サボるのもそう変わらないでしょう(一緒に遊びに行こうという誘いに悩むまもなく頷けば、今からならば半日丸々遊べるなと考えてはほくそ笑んでいて
ふふ、なんとも嬉しいことを言ってくれるじゃありませんか(こちらと同じように時間を共有してくれるという紺の言葉を心から嬉しく思い上機嫌で微笑みかけて
ミラーボールと言わず太陽を目指してください。私の視界を布越しに明るく照らすような輝きを放つ太陽に(例え話を聞けば緩く首を横に振って、それではまだ足りないと言っては空を真っ直ぐに見上げて太陽のある方向を指して口にして、頬に添えた手を口元まで動かしては唇を指でつまみ、意地の悪い笑みを浮かべて

…！良かった。んならさ、何処行こっか？（己の誘いに乗ってくれた相手に嬉しそうに尻尾揺らしながら、何処へ行こうかと楽しげに考えていて。「それは…お互い様だよ」微かにうつ向いていた顔を上げればニヘラと笑みを浮かべて。「た、太陽っすか？…いやぁ、いくらなんでも太陽さんの輝きには勝てないぞ…」指された方を見上げれば燦々と光り輝く太陽に目を細めて、そのあまりにも大きな目標にフルフルと首を振っていて。「むぐ？！…な、なにしゅんのしゃ！」唇をつままれ驚くと、泳がしていた目を相手に向けて、己の考えていたことに気付くと一気に赤面していき

そうですねぇ…とりあえず街の方に行ってから考えませんか？(行き先を考えてすぐには何も思いつかず、街ならば大体のものが揃っているだろうと考えてみて、最悪の場合、二人でならば何の宛てもなくぶらぶらするのも悪くないだろうとそう提案をしてみて
ふふ、目標は大きく持っても罰は当たらないでしょう(目標が大きすぎるなんて口にする紺へとそんなことは無いと微笑みかけて、どんなに大きな目標でも持つことは自由だと告げて
おやおや、もしかして期待を裏切ってしまいましたか？(唇から手をゆっくり離しては驚いている様子の紺へとクスクスと意地の悪い笑みを向けて、首を傾げてわざとらしく質問を投げかけてみて

ん、それもそうだな。（相手の提案に頷くと、早速己の耳や尻尾を小さな破裂音と白煙と共に消して。「まぁ、そりゃ罰は当たんないだろうけど…あー、でも…そっか！目標は大きいから良いのか」罰は当たらないだろうと言われると少し考えるように首を傾げていて、しかしすぐに納得したのかポンッと手を叩き。「べっ、別に期待とかしてないし！…ちょ…ちょっと驚いただけで、その…」相手からの質問にブンブンと首を振っては片腕で目元を覆っては否定を述べているが、段々と声が小さくなっていき

そうと決まれば早速行きましょう(行き先が決まればさり気ない動作で紺の手を握っては、時間は無駄には出来ないとすぐにでも歩き出そうとして
そうでしょうそうでしょう、それに貴女が思うほどこの目標は遠いものではないですよ？(目標は大きく持つべきというこちらの考えに同意を示した紺へと満足げに微笑みかけてはうんうんと頷いてみせて、遠回しにこれぐらいの目標ならばすぐに達成出来てしまうぐらいには自分の中では輝かしい存在なのだと告げて
ふっ…(こちらの問いかけを否定しながらも明らかに狼狽えている様子が伝わってくれば、紺のそんな素直じゃない一面すらも愛おしく感じて小さく笑いかけては隙をついて素早く唇を奪い

おう！……？ちょ、手ぇ繋いで…行くの？（あまりにも自然な動作につい己も繋がれた手をギュッと握り返すが、ハッとすればいざ歩き出そうとする相手の手を引っ張っては恥ずかしいのか声を小さく訪ねて「遠くない？…へへ、んじゃもっと頑張って輝かないとな！」それほど遠くないと言われれば嬉しそうに笑い、再び太陽へ視線を移して。「……？…んっ…！？」不意に相手の笑い声に気付くと腕を少しずらそうとすれば、己の唇に柔らかい感触に思わず固まり

あ～…えっと、これはあれですよ、私は前が見えないので街みたいに人が大勢いて入り組んだ場所は迷ってしまいそうでして…(恥ずかしそうに手を繋いで行くことに抵抗を見せる紺へと少し考えては実際は一人で街にも行き慣れているため、そんなことはまず有り得ないのだが口から出任せでそんなことを少し悲しげな表情を作っては言ってのけて
これが欲しかったのでしょう？(唇をゆっくりと離しては恐らく驚き固まっているであろう紺へとクスクスと意地の悪い笑みを浮かべながら尋ねてみて

そ、そっか！迷子って怖いからな…んじゃ、手ぇ繋いでないとね（己は街へ出ればしょっちゅう迷っているからか、少ししゅんとして頬掻くと相手の悲しげな顔に気付いて、繋いでいた手に軽く力を込めれば、早く行こうと言わんばかりに少し引っ張って。「そんっ…そんなことは無いぞ！」意地悪く笑う相手にハッとすればフイッと赤い顔を隠すように背けて、ポフッと相手の顔に尻尾を当てて顔の距離を離すと、モゾモゾと逃走を計り