美月 2019-03-24 16:45:05 |
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美月)ああ。
美月は戸を開けた。壁紙は、落ち着きのある、薄い緑。ゆかは畳が敷かれている。
美月)この奥は寝室だ。寝室に入る前に麗奈、着替えてほしい。其方のために作ったものがある。
美月は、箪笥から着物一式を出した。
美月)これに着替えてほしい。
美月が出したのは、ピンク色の桜の着物だった。
美月)ふむ、しかし、今の季節には合わないな。
美月は、そう言うと、袖に息を吹きかけた。すると、桜が黄色のイチョウと赤の紅葉に変わり、ベースはえんじ色、帯は橙色になった。
美月)うん、似合うね。後は、これを髪に差せば...出来た。
美月は先ほどのイチョウと紅葉の髪飾りを麗奈につけた。
美月)美しいぞ、麗奈。ほれ、鏡で見てみよ。
美月は全体が見える鏡の前に麗奈を連れた。
美月)口に紅でも塗るか?
美月は両頬に触れて言った。
美月)多少の化粧は私だってできるぞ。私だって、女子なのだから。ところで、私の姿が、変わったことに関して何も言わないのはなぜだ?ふつう驚いたりすると思うんだが?
美月)嬉しいことを言ってくれるな。せっかくだ、寝室にも案内しよう。寝室だけには式神には入るなと言ってある。周りの音を遮断するために、強力な無音の術もかけてある。さて、麗奈。今日一日私と離れてどうだった?葛藤した様子は見えんかったが、やはり寂しかったか?
美月)本当に麗奈は優しいな。だが、麗奈、今日麗奈は三日月と小狐丸に気を許しただろう。
美月は真剣な目で少し怒った口調で麗奈を見つめながら言った。
美月)麗奈は私の所有物だというのに、なぜ気を許した。誓ったではないか?私だけだと。
美月)もう一度誓った方がよさそうだな。仕置きも兼ねて、もう一度儀式をしよう。次は口吸いではなく、舐めてやろう。
美月は、舌を出して舌なめずりをした。
美月)何を謝っておる。もういちど儀式をすると言っているだけだぞ。念入りにな。そう怖がるな。麗奈は、私の前では、メロメロになるんじゃなかったか?
美月はやさしく頭を撫で背中をポンポンと叩いた。
美月)ほれ、だんだんと落ち着いてくるだろう?
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